地下室、半地下室のある家がほしい! 知っておきたい費用と効果・実例5選

地下室、半地下室のある家がほしい! 知っておきたい費用と効果・実例5選

地下室があるメリットは、「広さが確保できる」「秘密基地のような特別な空間が持てる」「防音効果が高い」などが挙げられます。地下室は、それらの要望をかなえる手段の一つ。そしてそれをかなえるためには、希望する住み心地にコストが見合うか、土地の条件で地下室がつくれるかどうかを知っておく必要があるのです。そんな地下室について、一級建築士の三村さんに教えていただきました。この記事で、地下室をつくる費用を確認し、地下室がしたい暮らしをかなえるベストな方法なのかを考えてみてください。

地下室とは?地下室のメリット・デメリットを知ろう

地下室とは、天井高の3分の1以上が地面の下に埋まっている空間を言います。建築基準法では、地下室の天井が地盤面よりも1m以下の位置にあれば地階となります。
地下部分はRC造(鉄筋コンクリート)となっていて、断熱性、遮音性が高い空間となります。広さを確保するための居住スペースとしてはもちろん、外気の影響を受けにくいので安定した室温の貯蔵庫や、音漏れを気にせず使える音楽活動の拠点としても使い勝手の良い空間です。地上の木造部分に比べて頑丈なので、シェルターのような使い道も考えられます。

地下室のメリット

最大のメリットは、限られた敷地で建物の有効面積を広げられることです。地中に埋まっている空間に地下室を設ければ、3階建禁止地域でも実質3階建てと同じ面積が確保できるということになります。条件を満たせば、敷地に対する容積率が緩和され、地階が延床面積(地階を含む)の3分の1 までの広さであれば、容積率に換算されません。

総2階と地下室がある総2階の比較図
地下室を設けることで、有効面積が1.5倍まで広げられる(イラスト/SUUMO編集部)

地下室のデメリット

デメリットとしては、地上階だけの住宅をつくるよりもコストがかかることや、地中の温度と部屋の温度差により、湿気がたまりやすいことが挙げられます。結露やカビに悩むことがないよう、壁や床に空気の層を設けてしっかり断熱し、換気システムを整えることが肝心です。事前に地下水位を調べたうえで、特に地下水の防水対策として、二重、三重に防水対策を講じておくのがオススメです。

地下室とは?地下室のタイプには3つのタイプがある

地下室の種類は、3タイプあります。大きく分けて「地下室(全地下)」と「半地下室」の2つに分けられますが、地下室・半地下室ともに、使用目的により「ドライエリア」を設ける必要があり、ドライエリア付を合わせると3つのタイプがあると言えます。

地下室3つのタイプ
地下室には全地下タイプ、半地下タイプ、ドライエリアタイプの3つのタイプがあります(イラスト/杉崎アチャ)

全地下タイプ

部屋全体が地下に埋まっているタイプ。使用目的が納戸など、居室ではない場合に採用可能。

メリット

周囲からの視線が気にならないほか、断熱性、遮音性、室温の安定性に優れている。

デメリット

自然光の採光や通風が難しい。

半地下タイプ

傾斜や段差のある土地の形状を利用し、階の3分の1以上が地中に埋まっているタイプ。地中部分に駐車場を設けることも多い。

メリット

高低差のある敷地を有効活用できること。また、地下室より採光や通風を得やすいので、比較的明るさを確保しやすく湿気を逃しやすい。費用面では、地下室に比べて地面を掘る分量が少ないためコストを抑えられる。

ドライエリアを設けた地下室・半地下室タイプ

ドライエリアとは、建物の周りの地面を深く掘り下げた空堀のこと。地下室をリビング、寝室など居室として利用する場合には、通風や採光を確保するのに必要な大きな窓の設置が義務付けられているため、ドライエリアが必要になる。

メリット

採光・通風が良いので快適に過ごせ、ドライエリアをプライバシー性の高い廊下や中庭として活用できる。

デメリット

ドライエリアをつくる分の費用が増える。周囲の土地より低い部分に雨水がたまらないよう、排水設備を整える必要がある。また、一方が窓になる分、すべてRCで囲まれた地下室よりは防音性能が落ちる。

地下室の費用は?地下室があると理想の暮らしが実現できるのか

地下室をつくる目的が「すでに建築する土地が決まっていて、広くするには地下室しか手がない」といった場合のほか、「気兼ねなく楽器の練習をしたい」など防音を目的とした場合や、「安定した室温を活かした貯蔵庫として活用する」など、地下室ならではのメリットを活かした空間がほしい場合は、目的をかなえるべく、地下室づくりに詳しい建築会社に相談に行くのが近道です。

もし、「広くしたい」という理由で地下室を検討しているのであれば、費用対効果をよく考えてプランを選ぶようにしましょう。

広さを確保する方法を費用面で比較してみよう

地下室は、物理的にワンフロア増やせるので、決まった敷地でさらに広さを確保したいときには有効な手です。ただし、地下室をつくるのには、一般的な木造2階建てをつくるよりも費用や建築期間が多く必要なので、まずは地下室ありきではなく、希望を満たせる他のプランがないのか検討してみることをオススメします。参考までに、地下室をつくる場合にプラスで必要な費用を見てみましょう。

地下室の費用はいくらかかる?
工事の内容 費用の目安 備考
地盤・地質調査費 5万円程度
構造計算費用 25万円程度 ※一般的な2階建て住宅では不要
RC造部分の実施図面 40万円程度
山留工事費用★ 150万~250万円 ※土地の状態やプランにより大きく変わる
残土処分費 180万~230万円 ※場所やプランにより大きく変わる
防水工事費用 70万~90万円
配筋・RC打設工事等 200万~500万円 ※木造住宅を建てるときの坪単価+坪20万~50万円くらい
断熱工事 20万円
除湿工事 15万円程
ドライエリア用工事★ 150万円前後 ※地下室が居室の場合など採光・通風が必要な場合
★ プランにより不要な場合もある
※ 10坪の地下室をつくる場合を想定

ワンフロアが10坪(約33m2)程度の一般的な木造2階建てに地下室をつくると、費用は800万~1000万円程度プラスになるイメージです。もし寝室や書斎など居室として使う場合は、ドライエリアを設けて窓をつくり、通風・採光を確保する必要があるため、費用はもっと割高になります。

では、仮に地下室をつくる費用を1000万円としたとき、その分でほかのプランができないか検討してみましょう。例えば土地の購入代にあて、広い敷地を確保した場合、広めの木造2階建ての家をつくることができます。そのほうが、ワンフロア当たりが広いので、住み心地が良いと感じるかもしれません。1000万円以内で希望する住み心地をかなえるには、地下室以外のプランも多角的に検討し、自分たちの求める暮らしに最もフィットするプランを選ぶべきでしょう。

同じ広さの家をつくるのに、地下室を設けたほうが安くなるケース

地価が高いエリアや容積率や建ぺい率の上限が厳しいエリアでは、広い土地を購入して2階建てを建てるより、狭い土地に地下室のある2階建てを建てる方が、費用は安くなるケースがあります。都心部などで見かける、斜面を利用した半地下の狭小住宅は、このような考え方で選択されたわかりやすい例といえます。

収納を増やしたいなら、地上部分で収納場所を増やすプランを検討する

収納を増やしたいという場合は、地上部分のプランの工夫で収納を確保したほうが費用を抑えられます。まずは2階建てのプランで、希望する収納量が確保できないか検討してみましょう。具体的には、ロフト(小屋裏収納)、スキップフロアを設けるなど、タテの空間の使い方の工夫が有効です。居室の荷物がスッキリ片付けば、居室自体も広く使えるようになります。
ただし、ロフトには、ロフトがある居室の床面積の半分以下で天井高は1.4m以下といった制限があります。地下室の場合は、天井高の自由度が高く、広い空間を確保しやすいというメリットもあるので、収納したいものの量と建築費用から比較検討すると良いでしょう。

小屋裏収納と地下室につくったクローゼットのイメージ
荷物を入れる際、天井高の低い小屋裏はかがむ必要がありますが、普通の部屋と同じ天井高の地下室なら使いやすい空間に(イラスト/杉崎アチャ)

地下室がつくれない土地もあるので注意しよう

いざ地下室をつくりたい!と思っても、土地の条件により難しいケースもあります。地下室を希望するなら、土地の購入前に以下のことに注意しておくと良いでしょう。

・地下を掘っても良い土地かどうか(近隣との関係や下水道管の位置などを確認)
・水害が起きやすい土地ではないか
・地下水位が掘り下げたい床の高さより下にあるか
・軟弱地盤ではないか

地下室に限らず、土地を購入する前に建築会社に建てたい家の相談をしておくと、かなえたい家に合った土地か事前に確認できるため失敗がありません。簡易的に近隣のボーリングデータなどを調べてもらえます。また、軟弱地盤の場合は、地盤改良工事をすれば建てられますが、費用がアップしますので、土地から選ぶ際はオススメしません。

また、土を掘る上での注意点としては、低い土地には雨水がたまりやすくなるため、排水のシステムをしっかり組むことが大切になります。近隣との土地の高低差など、環境によって排水のシステムの組みやすさが変わりますので、注意が必要です。ポンプなどの機械を使う排水設備はできるだけ避けられる土地やプランを選ぶと良いでしょう。

地下室のある家、実例5選。マイホームの参考に

地下室をつくる場合、湿気対策や排水システムの構築、工事監理などに注意が必要となります。工事の進みや住み心地に大きく影響しますので、依頼先は、地下室の設計になれた建築事務所や地下室の施工実績が多い建築会社を選ぶようにしましょう。

●ドライエリアを設けて明るいリビングに

ドライエリアを設ければ、リビングや寝室など地上階と同じような快適性に。階段や吹抜けなどプランの工夫で、開放感もアップ。

地下のリビングでくつろぐ様子
掃き出し窓と吹抜けにより、採光と空気の流れが良い空間を実現(画像提供/一級建築士事務所 フォルム)

延床面積/― 敷地面積/―
建築費用/1490万円
事例協力/一級建築士事務所 フォルム

●地下に駐車スペースを確保

高低差のある土地を利用した、使い勝手がよい半地下の駐車場。駐車場のほか、地下にエントランスや収納を設けることで、地上部分の居室がゆったりつくれる。

半地下の駐車スペースがある外観
道路に面した駐車場は出し入れしやすく、居室のプライバシー性が守られるメリットも(画像提供/三村邦彦建築設計事務所)

延床面積/224.75m2 敷地面積/189.85m2
建築費用/約3720万円
事例協力/三村邦彦建築設計事務所

●地下・半地下は集中したい書斎に最適

地下室は、RC構造により遮音性が高いので、書斎など集中した作業スペースに最適。本のように重量のあるものを大量にしまっても大丈夫。

地下の書斎
ドライエリアに面した広い窓とむく材の床で、明るく快適な書斎に。周りの音が気にならず、リモートワークの執務室としても集中しやすい(画像提供/ハウステックス)

延床面積/138.83m2 敷地面積/120.65m2
建築費用/4000万円
事例協力/ハウステックス

●周りの目を気にせず趣味のスポーツに没頭できる

プライバシー性の高い地下室は、周りの目を気にせず集中したいときに最適。周囲への音を気にせず没頭できるのも◎

地下室のゴルフ練習場
地下室なら、外部からの音も、外部への音モレも気にせずに集中してゴルフの練習ができる(画像提供/みらいテクノハウス)

延床面積/166.55m2 敷地面積/86.96m2
建築費用/3520万円
事例協力/みらいテクノハウス

●音漏れを気にせず練習できる音楽室

楽器演奏など、近隣への音モレが気になる趣味には、地下室が最適。防音性が高いので、時間を気にせず練習できるのがうれしい。

楽器の練習スペースとしての地下室
楽器の練習スペースとしてはもちろん、音楽や映像を鑑賞するオーディオルームとしても優秀(画像提供/みらいテクノハウス)

延床面積/122.27m2 敷地面積/110.39m2
建築費用/3000万円~3099万円
事例協力/みらいテクノハウス

まとめ

地下室は、決まった敷地の有効面積を広げるための有効な手段の一つ

10坪で800万~1000万円程度費用が増すことも。目的と費用で地下室以外のプランとも比較検討を

地下水位や下水道の位置などで地下室づくりに向かない土地があるので注意

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取材・文/竹入はるな イラスト/杉崎アチャ
公開日 2021年07月02日
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