一人暮らしの水道代の平均金額は? お風呂に毎日お湯を溜めるといくらかかる?安くするための節約法も紹介

最終更新日 2023年09月29日
一人暮らしの水道代の平均金額は? お風呂に毎日お湯を溜めるといくらかかる?安くするための節約法も紹介

電気と同じように日々の暮らしに欠かせない水道。あまり気にしたことはなかったけど、毎日の生活での水の使用量はどれくらい?毎月の水道代はどのくらいかかる?自分の水道代と平均を比較すると高いの?実家にいたときのように浴槽にお湯を張ってお風呂に入りたいけど、銭湯に行くのとどちらが安い?そんな疑問をこの記事で解決しましょう。一人暮らしアドバイザーの河野真希さんに、水道代を節約するコツも教えてもらいました。

一人暮らしの水道代ってどれくらい? 平均金額は1488円

水道代の平均金額は?

一人暮らしを楽しむためにも、できるだけ抑えたい水道代は、実際どのくらいかかるのでしょうか。2022年度の一人暮らしの平均的な水道代(上下水道料)を調べてみました。

単身世帯(34歳以下)の水道代の月平均額(四半期別)
季節 時期 上下水道料1カ月平均
1月~3月 1038円
4月~6月 881円
7月~9月 1409円
10月~12月 1358円
全体平均 1月~12月 1488円
蛇口と電卓のイメージ写真
(画像提供/PIXTA)

水道代は従量課金 水を使うほど高くなる

水道代の計算基準は、住んでいる市町村の水道局によって違います。水源からの距離、原水の水質、水道の布設時期などにより、異なる経費をまかなえるよう設定されているため、全国一律ではありません。

水道代は「上水道料金+下水道料金」で計算します。上水道料金は、各家庭の蛇口から出てくる飲用可能な水の使用料金です。下水道料金は、トイレやキッチンなどで使った生活排水を下水に流すためにかかる料金で、かからない自治体もあります。

それぞれの水道代は「基本料金+従量料金」で計算され、合計額に消費税を足して1円未満は切り捨てます。

手を洗っているときの写真
(画像提供/PIXTA)

検針票の見方をマスターしよう

東京都水道局では2カ月毎に検針を行い、料金も2カ月毎に請求されます。(※検針と請求の頻度は自治体によって違います)検針した水道代や内訳は検針票に記載され、自宅の郵便受けに届きます。検針票を見れば、1カ月当たりの水道代の請求額と、水道代の内訳がわかります。

検針票を調べる人の写真
(画像提供/PIXTA)

検針票を確認しよう

検針票の一例
水道の検針票の画像
(提供/東京都水道局)

自宅に「水道・下水道使用量等のお知らせ(検針票)」が届いたら、どこを見ればいいのでしょうか。検針票を手元に用意して、主なチェックポイントを見ていきますが、画像も確認しましょう。

●旧メーター使用量…
メーターには有効期限があり、前回の検針後にメーターを取り換えた場合は旧メーターの使用量(画像内2)が表示されます。差引使用量+旧メーター使用量=使用量となります。

●今回料金…
今回の使用量による水道料金です(画像内3)。

●使用期間料金内訳…
今回料金(画像内3上部)内訳です。基本料金+従量料金、消費税相当額が上水道、下水道別に書いてあります。

●口座振替予定日(画像の5)

東京都水道局をはじめ自治体により、使用水量や料金をパソコンやスマートフォンで確認できるサービスもあります。検針票を見て毎月の水道代がわかると、節約意識も高まりますので、ぜひ活用しましょう。

水道代が一番かかる場所はどこ?使用量とともに紹介

生活する上で、トイレや入浴(シャワー)、手洗い、洗濯など、水は毎日使います。けれども、毎日の生活にかかる水道代はどの位かを気にする人は少ないかもしれません。

東京都水道局の「令和2年度生活用水実態調査」によると、一人暮らしで使う水量の1カ月平均は8.1m3です。また、国土交通省の報告によれば、一人当たりの一日の平均使用量(家庭用水と都市活動用水の合計)は約286リットルです。(出典/国土交通省 令和4年版「日本の水資源の現況」より、有効水量ベース)
コップに8分目まで水を入れた場合で約1420杯分、家庭用のバケツ(約8L、直径約24cm、深さ約23cm)なら35杯以上と、かなりの量になります。

お湯をはった湯船の写真
(画像提供/PIXTA)

では家庭の中で最も水道を使う場所はどこでしょうか。東京都水道局の調査結果を見てみると、一番はお風呂、次にトイレで、あわせて63%を占めています。(出典/東京都水道局 令和3年度「一般家庭水使用目的別実態調査」より)このことから、水道の使用量は、お風呂がカギになると言えそうです。

家庭生活での水の使われ方
日常生活での水道使用箇所のグラフ
出典/東京都水道局「くらしと水道 水の上手な使い方」(画像/SUUMO編集部)

水道代はそれぞれの場面でどのくらいかかっているの?

水道代のうちお風呂に入るときに使う水道量が多いのがわかりました。では、一人暮らしの生活で水道を使う場面ごとの水道料金を見てみましょう。

生活シーンごとの水道料金
生活シーンごとの水道料金イラスト
参考:令和2年度東京都水道局「用途別使用量の目安」/一般社団法人日本レストルーム工業会
※1リットル当たりの単価を0.24円で計算した場合です
※水道を出しっぱなしにした場合、1分間約12リットルで計算しています(13ミリメートルの胴長水栓で水圧0.1メガパスカル、ハンドル開度が90度の場合)
※( )内の数字は水を流しっぱなしにした時間または想定水量で、使用時間、機器等により異なります
※お風呂を沸かす場合、光熱費は別途かかります
※洗濯は全自動、標準コースの場合です
※トイレは小の場合です

一つひとつはわずかな金額かもしれませんが、例えば、上のイラストを元に試算すると、1カ月当たりの水道料金は2390円になります。

1カ月の水道料金の目安
家電の使いかた・回数 1回あたりの目安金額(約) 1カ月あたりの目安金額(約)
バスタブにお湯を溜める(週3回) 43.2円 518円
シャワーを使用する(1日5分) 14.4円 432円
トイレを使用する(1日3回) 1.44円 130円
歯を磨く(1日2回) 1.44円 86円
食器を洗う(1日2回 5分間) 14.4円 864円
洗濯する(2日に1回) 24.0円 360円

合計 2390円
※1カ月当たりの目安金額は30日で試算

このほかにも、炊事なども含むとちりも積もれば山となり、あなどれません。

皿洗いをしている人の写真
(画像提供/PIXTA)

毎日湯船にお湯を溜めるのと、シャワーのみで済ますのはどちらが経済的?

毎日忙しく帰宅時間も遅いと、お風呂にお湯を溜めたり、お風呂の掃除をするのが面倒で、ついシャワーだけで済ませてしまう人も多いのではないでしょうか。「夏はシャワーで汗を流せば十分」という人もいれば、「バスタブにつからないと1日が終わった気がしない」という人もいるでしょう。シャワー派とバスタブ派、どちらの水道代がお得なのでしょうか。

シャワーを使う人の写真
(画像提供/PIXTA)

「一人暮らしなら、湯船にお湯を溜めるよりもシャワーの方が節約になります。ただし、身体や頭を洗っているときには流しっぱなしにしないように。節水シャワーヘッドを使うとさらに節約できます」と、教えてくれたのは一人暮らしアドバイザーの河野真希さん。

●水道料金比較

お風呂の湯船に水を溜めた場合(180リットルで試算): 43.2円
シャワーを10分間流しっぱなしにした場合:28.8円
12リットル(1分間の使用量)×10分=120リットル
120リットル×0.24円(1リットル当たりの単価)=28.8円

湯船に浸かる場合も洗い流すときにシャワーを使うとその分プラスになりますし、シャワーの方が経済的です。

河野さんが紹介してくれた節水シャワーヘッドは、シャワー穴の配置や大きさを工夫したもので、少量の水でも勢いのあるシャワーを出すことができます。既存のシャワーヘッドを外して付け替えるだけなので、工事も不要で簡単です。ただし、取り付けができない場合もあるので、まずは自宅のシャワーヘッドを確認しましょう。

毎日湯船にお湯を溜めるのと、銭湯に行くのではどちらが経済的?

最近、東京の若い世代に銭湯ブームがじわじわきています。特に自宅のバスタブが狭くて落ち着かない、という人は近くに銭湯があれば行ってみたくなるのではないでしょうか。けれども、毎日湯船にお湯を溜めるのと銭湯に行くのは、どちらが経済的でしょうか。

銭湯の写真
(画像提供/PIXTA)

河野さんに聞いてみると「銭湯を使う場合、確かに水道代は節約になりますが、利用料を考えれば割高です。ただ、風呂なしの部屋は家賃が安いので、総合的には安くなる可能性もあります。コインランドリーも同様で、洗濯機なしの物件を選んでトータルで節約になる場合があります」とのこと。銭湯やコインランドリーの雰囲気や人との交流、人情味が好きな人は、物件の条件により検討してみてもいいですね。

少しの心がけで結構変わる!水道代の節約術

生活シーンや毎月の水道代の目安がわかったので、これからは意識して水を使うようにしたいですね。水道の具体的な節約術を河野さんに教えてもらいました。

習慣にしたい水道代の節約術

■河野真希さん直伝の水道代節約術

・洗面・歯磨き
こまめに水を止めましょう。歯みがきの水はコップにくんで。

・食器洗い
汚れがすくないものから、ひどいものの順で洗いましょう。また、油汚れやカレーやシチューなどのベタベタした汚れは、一度要らない紙や布で拭き取ってから、スポンジでこすること。スポンジで洗っているときは水を止めておき、全部スポンジ洗ってから水を流します。

・トイレ
大と小をきちんと使い分けましょう。

・給湯
水道をひねってからお湯になるまでは時間がかかる。「お湯が出るまで」などの流しっぱなしになる水は溜めておいて、食器洗いや植物への水やりなどに使いましょう。

・お風呂の残り湯
洗濯、掃除、散水に使いましょう。

歯磨きをする人の写真
(画像提供/PIXTA)

飲み水の購入は?

最近ではペットボトルの水を購入することは当たり前という感覚の人が多いと思いますが、ここも節約ポイントのひとつです。「水道料金は地域や使用量で異なりますが、1リットルが0.24円と考えると、ペットボトルの水は安くて2リットル100円程度なので、かなり割高になります。一日で摂る水分量は2~3リットルと言われていますので、3リットルで単純計算した場合、水道水は0.72円、ペットボトルの水は150円かかります。飲み物を買った分水道代が安くなることを考えても、水道の水を使って飲み物にした方が節約になります。水道水は美味しくないと感じる人も、節約を目指すなら、好みのお茶を入れるなど、水道水を活用することをオススメします」と河野さん。

ペットボトル飲料の写真
(画像提供/PIXTA)

水道水の塩素のニオイが気になる人は、水を冷やす、いったん沸騰させた水を冷やす、レモン汁や果実酢などを数滴たらして飲むなどの工夫をすると塩素のニオイが気にならなくなります。また、専用のボトルを購入する必要がありますが、スーパーの無料提供の水(純水)を利用するのもいいでしょう。(参考/千葉県営水道「水のなるほど豆知識」)

節水コマを設置する

水道局営業所の窓口で無料で配布している「節水コマ」を洗面所、キッチンなどの蛇口にセットすると流水水量の調節ができ、蛇口の開度によっては最大50%の節水効果が得られます。ただし、一般用蛇口(13ミリメートルの単水栓)用で、レバー式水栓には取り付けられません。

水道代のイメージ写真
(画像提供/PIXTA)

支払方法を変えるだけでも、水道代はちょっとお得になる!

水道代の支払い方法は、東京都水道局の場合、口座振替、クレジットカード払い、請求書による支払い(金融機関、ゆうちょ銀行、コンビニエンスストア、水道局営業所で支払う)、スマートフォン決済があります。そのうち、口座振替によるお支払いの場合、月50円(年間600円)(税抜)が割引になります。ただし、初回の口座振替日に引き落とされた場合のみで、残高不足で初回に引き落としができなかった場合は適用になりません。

口座振替による支払いは、口座割引が適用されるだけでなく、料金を支払いに行くわずらわしさもありません。また、一度手続きをすると、引越しの際も転居前の振替口座を引き続き利用できます。請求書で支払っている人は、インターネット、または金融機関の窓口、水道局営業所窓口などで口座振替の手続きをしましょう。

よくある質問

Q1:一人暮らしの水道代は平均いくら?

A:総務省が毎年行っている家計調査の単身世帯(34歳以下)の水道代の月平均額結果によると、2022年度の一人暮らしの1カ月あたりの水道代の平均は1488円です。

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Q2:一人暮らしで水道を使う量はどのくらい?

A:東京都水道局の「令和2年度生活用水実態調査」によると、一人暮らしで使う水量の1カ月平均は8.1m3です。

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Q3:水道代の節約方法は?

A:洗面や歯磨きの際は、こまめに水を止めたり、シャワーで頭や身体を洗う際は、シャワーを流しっぱなしにしないようにするなど、生活の中で意識しましょう。詳しくは「少しの心がけで結構変わる!水道代の節約術」をご覧ください。

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まとめ

水道代の1カ月の平均金額は1488円。水道を使うほど水道料金は高くなる

家の中で一番水道代がかかるのはお風呂で、お風呂の入り方で水道代が変わる

水道代の節約はこまめに水を止める、捨てる水も活用するのがポイント

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取材・文/佐藤由紀子、SUUMO編集部 イラスト/青山京子
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