内見とは?持ち物や当日の流れ、確認することなど、不動産物件を見る前に知っておきたいポイントを紹介

公開日 2022年10月18日
内見とは?持ち物や当日の流れ、確認することなど、不動産物件を見る前に知っておきたいポイントを紹介

部屋探しで気になる部屋が見つかったら、内見で実際の物件を確かめます。しかし、実際に内見ではどんなことを確認すればよいのか、内見の流れや持ち物なども気になりますよね。今回は内見で押さえておきたいポイントや内見と内覧の違いについてSIRE代表取締役の木津雄二さんに伺いました。

内見とは?内覧との違いは?

内見とは物件に行って部屋を実際に見て確認すること

部屋探しはインターネットなどで情報収集をすることからはじまり、情報収集をした後は不動産会社に連絡をして、気になる物件を確認するのが一般的です。

通常、部屋を実際に見て確認することを「内見」といいますが、最近では動画やオンライン会議ツールを使う内見もあります。

「最近ではオンラインの内見も増えていますが、そのスタイルはさまざまです。物件を探している本人は自宅にいながら、不動産会社の担当者がオンライン会議ツールなどを使用して、現地で解説をする場合もあれば、あらかじめ撮影された3Dウォークスルー動画を見て、バーチャルで確認するというものもあります。

内見といっても、必ずしも現地に人が見に行くというわけではありませんが、オンラインかオフラインかにかかわらず、実際の物件を見て検討するのが内見です」(SIRE木津さん、以下同)

オンライン内見のイメージ
(画像/PIXTA)

内見と内覧は同じ意味

「内見」とよく似た言葉で「内覧」という言葉もよく耳にしますが、内見と内覧は同じ意味の言葉で、どちらも実際の部屋を見て、確認することを指します。

一般的には、内見という言葉は賃貸の場合に使われることが多く、内覧は売買の際に使われることが多いようですが、どちらのケースでも同じ意味で使われます。

内見のイメージ
(画像/PIXTA)

内見の流れは?

まずは内見の予約。内見は担当者と一緒に行う

内見のタイミングについては、引っ越しの1カ月から1カ月半前くらいに行うのが目安です。入居を希望する日の1カ月から2週間前までに物件を決めるイメージで進めていきましょう。情報収集をして気になる物件を見つけたら、まずは不動産会社に連絡をして内見の申し込みをします。

それではここで、内見の流れを詳しく見ていきましょう。

内見の一般的な流れ

(1)予約
 ↓
(2)不動産会社へ行く
 ↓
(3)物件へ
 ↓
(4)部屋の中を確認
 ↓
(5)不動産会社へ戻って相談

1. 予約

気になる物件が見つかったら、内見をしたい2~3日前までに来店の予約を入れます。予約を入れずに直接不動産会社の店舗に赴いても大丈夫ですが、混んでいる場合は待ち時間が発生することもあるので、予約を入れてから足を運ぶのがオススメです。

「ポータルサイトなどで、気になる物件を絞り込んでから内見の予約を行うとスムーズです。1日で複数の物件の内見を行うことも多いですが、選択肢が多すぎると、比較検討が難しくなってしまうこともあります。複数の内見を行う場合は、3~5件程度がオススメです」

物件選びで悩んでいるイメージ
多くの物件を内見する場合は、今の時点での暫定1位はどの物件かというのを考えながら進めるのがオススメ(画像/PIXTA)

2. 不動産会社へ行く

内見は現地集合の場合もありますが、内見の予約を入れた日時に、まずは不動産会社へ足を運び、そこから内見したい物件に行くというケースが一般的です。集合場所が不動産会社の場合、店舗で物件の説明を受けてから内見へ向かいます。

「店舗では内見を希望している物件以外にも、希望の条件に合うほかの物件も紹介してもらえたりもするので、店舗に足を運んでから内見に向かうのがオススメです。しかし、営業をされたくなかったり、自分が見たいと思っている物件以外は興味がないなど、来店を希望せず、直接現地に向かいたい場合は、予約の段階で現地集合でも良いか相談してみましょう」

不動産会社の店舗のイメージ
(画像/PIXTA)

3. 物件へ

店舗集合の場合は不動産会社の担当者と内見する物件まで一緒に移動します。近ければ歩いて、遠い場合は不動産会社の車などで移動することになります。

「不動産会社の店舗は駅前などに立地していることが多いので、駅から物件まで歩いたり、自転車で移動したりして、周辺環境もできるだけ確認するのがオススメです。気になることは担当者にどんどん聞いてみましょう」

物件までの道のりのイメージ
(画像/PIXTA)

4. 部屋の中を確認

物件に到着したら、いよいよ内見がスタートです。内見では、間取図だけではわからない部分や設備についても実際に確認することができます。メジャーなどを使用して採寸を行ったり、写真や動画を取ったりするのも基本的にOKです。

内見のイメージ
(画像/PIXTA)

5. 不動産会社へ戻って相談

内見が終わったら、不動産会社へ戻って担当者と契約について相談します。また、当日に契約したい場合はそのまま入居申し込みの手続きを行うこともあります。

「店舗に戻ってから内見した物件について相談するのが一般的です。内見後、現地解散を希望する人もいますが、担当者はその後の相談のために初期費用の明細の準備などをしていることもあります。現地解散を希望する場合はその場で当日伝えるよりも、事前に相談しておくといいでしょう」

もちろん、内見をしたからといって、契約をしなくてもマナー違反ではありません。気になる物件があれば、気軽に足を運んでみましょう。

契約のイメージ
(画像/PIXTA)

複数の内見をするなら、所用時間として半日程度空けておく

1件当たりの内見にかかる時間は見る人によってまちまちですが、余裕をもったスケジュールでのぞむのがいいといいます。

「内見を10分で済ませる人もいれば、じっくりと時間をかけて見学する人もいます。しかし、移動時間や相談する時間なども合わせると、1件のみの内見であっても、2~3時間程度、複数の物件を見る場合は、半日程度予定を空けておくのがいいでしょう」

内見自体にあまり時間はかからなかったとしても、内見した物件が気に入れば、そのまま申し込みまで進めることも少なくないため、時間には余裕をみておく方が安心です。

内見の持ち物は?

スマートフォンのほかに、メジャーや筆記用具も持って行くと安心

スマートフォンがあれば、カメラだけでなくメジャーやコンパスなど、内見のときに使える便利なアプリがさまざまあります。しかし、採寸については数値の正確性を考えると、実際にメジャーを持参して計測するのが安心です。また、計測した数値を直接間取図に書き込めるよう、筆記用具などメモの準備をしておくのも良いでしょう。

「当日は不動産会社の担当者が間取図を用意してくれるので、そこに採寸した数値などを書き込んでおくといいでしょう。メジャーについては担当者が貸してくれることもありますが、持参すればより安心です。

また、ベッドや冷蔵庫、洗濯機など、手持ちの家具や家電のサイズを事前に測って把握しておくと、採寸をしながら、その部屋での暮らしをイメージしやすくなります」

間取図、メジャー、筆記用具、スマートフォンのイメージ
(画像/PIXTA)

身分証明書も持参するのがオススメ

内見の当日にその物件が気に入れば、入居申し込みまで進めることも少なくありません。

「賃貸の場合は物件の動きが早いため、後で考えようと先延ばしにすると、せっかく気に入った物件を借りられなくなってしまうということもよくあります。気に入った物件があれば、その日に入居申し込みまで済ませてしまうような心構えで内見にのぞむのがオススメです。

入居申し込みの手続きをするためには、身分証明書が最低限必要になるため、内見の際は持参するようにしましょう」

服装はなんでもOK

内見には、どんな服装で行けばいいのか迷う人もいるかもしれませんが、特に服装を気にする必要はありません。

しいて言えば、室内に入るときには靴を脱ぎますが、内見する部屋は人が住んでいない状態のため、床があまりきれいではないこともあります。脱いだときに裸足になるようなサンダルや着脱の難しい靴などは避けた方が無難です。ただし、見学の際は不動産会社の担当者がスリッパを用意してくれていることもあるので、靴についても、実際はそれほど気にしなくてもOKです。

スリッパのイメージ
(画像/PIXTA)

内見で確認する部分としては、部屋の中、共用部、周辺環境などが挙げられますが、それぞれのチェックポイントについて詳しく見ていきましょう。

チェックポイント1 家具や家電が配置できるか

部屋の中を見る際は、間取りや内装だけでなく、手持ちの家具や家電を配置できる広さがあるか、配置した場合の動線はOKかなども採寸をしながら確認するようにしましょう。

「広告に出ている間取図を見ただけでは、細かい寸法はわかりません。計測する際は手持ちの家具や家電を置く場所のサイズだけでなく、玄関や洗面所のドアのサイズや、運び入れる動線の幅なども忘れずに確認するといいですね」

また、家具や家電ではありませんが、カーテンについても、窓の数や大きさによっては、新たに購入する必要があるかもしれません。内見の際に、必要なカーテンのサイズも測っておくと安心です。

メジャーで採寸する夫妻のイメージ
(画像/PIXTA)

チェックポイント2 収納量は十分か

クローゼットや押し入れなど、収納量が十分かどうかも確認しておきたいポイントです。自分の持ち物を収納するにはどのくらいのスペースが必要か、内見の前に自分の荷物の量も把握しておくようにしましょう。

「新しく2人暮らしをスタートさせる場合などは特に、お互いの荷物を合わせるとどのくらいの収納が必要になるかなど、あらかじめ確認しておくとスムーズです」

クローゼットのイメージ
(画像/PIXTA)

チェックポイント3 日当たりや眺望、においや音

せっかく現地に足を運ぶからには、現地でしかわからない情報を自分の目や耳で確認するのがオススメです。間取図を見ただけではわからない、部屋から見える景色や日当たり、排水溝からのにおいや、近隣の音なども、内見でのチェックリストに入れておきましょう。

眺望を確認する様子
(画像/PIXTA)

チェックポイント4 共用部の状態

マンションなどの場合は、検討している部屋だけでなく共用部も要確認です。共用部については、セキュリティーや宅配ボックスの有無なども気になるポイントですが、ぜひ内見のときに見ておきたいのはゴミ出し場や駐輪場、駐車場などです。

「ゴミ出し場を見ると、ゴミはルールを守って出されているかなど、その物件の住人のマナーや管理状況がわかります。また、自転車置き場については、どのような自転車が置かれているかで、ファミリーが多いのか、若い世代が多いのかなど、住んでいるのがどのような人かをイメージするヒントにもなります」

内見で部屋以外の共用部を確認することは決してマナー違反ではありません。部屋だけでなく、共用部分にも足を運んで、自分で確認するようにしましょう。

駐輪場のイメージ
(画像/PIXTA)

チェックポイント5 物件周辺の環境

住まい選びでは家だけでなく、街も重要なポイントです。住み心地を大きく左右することになる周辺の環境についても、内見の際はきちんとチェックしておきましょう。

駅までの距離感、普段買い物に行くことになるコンビニやスーパー、バス停の位置や街の雰囲気など、駅から物件までを歩いてみることで、その物件での新しい暮らしをイメージしやすくなります。

暗くなってしまうと、確認しづらいこともあるので内見は日中行うことが多いものですが、時間を変えて、夜の状況を確認するのもオススメです。

周辺環境チェックのイメージ
(画像/PIXTA)

内見で聞くこと

内見ではわからないことはなんでも担当者に聞いてOK

内見は基本的に不動産会社の担当者と共に行います。自分の目で見てわからないことや、実際に確認しながら気になったことについては、遠慮なくどんどん質問してみましょう。

「不動産会社の担当者は数多くの物件を見て知っているので、担当者にはプロの視点でその物件のメリット・デメリットなどを聞いてみるのもいいでしょう。

例えば、『周辺のエリアの物件と比較して、この賃料で〇〇がある点はメリット』など、自分だけでは見落としてしまうような点に気付くこともあります」

質問、疑問のイメージ
個人情報に関わることなど答えられないこともあるが、住んでいる住人の年齢層や生活スタイルなどは、わかる範囲で教えてくれることもある(画像/PIXTA)

内見の注意点は?

内見をキャンセルする場合は必ず連絡を

内見の予約を入れたにもかかわらず予定が入ってしまった場合、やむをえずキャンセルすることもあると思います。

事前に連絡を入れればキャンセル自体はマナー違反ではないので、その場合は必ず不動産会社へ連絡をするようにしましょう。

12月半ばから3月中頃は特に、早めに決断をする心構えで

賃貸の場合、12月の半ばから3月の中頃までは繁忙期に当たります。物件数も多く選択肢が豊富な時期ですが、家探しをする人も多いので、物件の動きも非常に早くなります。そのため、どの物件にしようか迷っている内に、ほかの人が契約をしてしまうということも少なくありません。

「繁忙期に限ったことではありませんが、賃貸の場合はスピーディーな判断を心掛けることがオススメです。100%要望を叶える家を見つけるのはなかなか難しいので、自分の優先順位を整理した上で、8割程度要望を満たす物件に出合ったら、その場で決断するくらいの気持ちで内見にのぞむのがいいと思います」

あまり気に入らない物件であれば焦って決断する必要はありませんが、迷っているうちに、気に入った物件を逃してしまうことがあるのも事実です。物件との出合いは一期一会であることは心に留めておくといいかもしれません。

賃貸業界の繁忙期のイメージ
(画像/PIXTA)

内見は納得できる住まいを選ぶための重要なプロセスのひとつです。持ち物や服装などに特にルールはないので、気軽に気になった物件に足を運んでみてはいかがでしょうか。

まとめ

内見とは物件に行って部屋を実際に見て確認すること。内覧も同じ意味

内見では手持ちの家具や家電が置けるかどうかや収納量のほか、日当たりや眺望、周辺環境など、現地でしか確認できないことを自分の目と耳で確認する

繁忙期は特に、スピーディーに判断する心構えも重要

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取材・文/島田美那子 
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