住まいを選ぶときの重要なポイントの一つになるのが、自宅から会社までの通勤時間です。一般的に、通勤時間の平均はどのくらいなのでしょうか。平均的な通勤時間を知ることで、住むエリアや最寄駅を決める際の選択肢が変わってきます。この記事では、会社までのドアtoドアの平均通勤時間や、通勤時間の長さによるメリット・デメリット、また通勤に便利な住まいを選ぶうえで押さえるべきポイントなどを詳しく解説します。これから部屋探しをする方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
ドアtoドアとは、自宅のドアから目的地のドアまでにかかる時間のことです。よって、公共交通機関の移動時間だけでなく、前後の移動も含めた所要時間を把握しておきましょう。
例として、自宅から会社まで公共交通機関を利用する場合で考えてみます。
上記のように、公共交通機関を利用する以外の所要時間もシミュレーションすることで、より詳細な通勤時間を考えることができます。
自宅から会社までのドアtoドアの平均通勤時間は、エリアごとに異なります。ここでは、主要都市の片道平均通勤時間を紹介します。
2021年に総務省統計局が実施した「社会生活基本調査」によると、通勤時間の全国平均は往復で約1時間19分。片道で計算すると約40分という結果になりました。
なお、主な都道府県の片道通勤時間は以下のとおりです。
都道府県名 | 通勤時間(ドアtoドア) |
---|---|
全国平均 | 約39.5分 |
神奈川県 | 約50.0分 |
千葉県 | 約47.5分 |
東京都 | 約47.5分 |
埼玉県 | 約47.0分 |
大阪府 | 約43.5分 |
愛知県 | 約39.0分 |
福岡県 | 約34.5分 |
全国で最も通勤時間が長いのは神奈川県、次に千葉県・東京都、埼玉県と続いており、首都圏は地方に比べて通勤時間が長くなる傾向があることが分かります。
また首都圏では電車などの公共交通機関が発達しています。そのため、自宅が遠方にあっても都心にある会社に通勤することは十分可能な場合が多いです。
さらに、コロナ禍の影響でリモートワークが普及したことにより、都心から関東圏の都市部に移住する人も増加しました。
実際に、総務省の「住民基本台帳人口移動報告」によると、2020年7月頃より東京都から地方への転出者が増加しています。
コロナ禍による勤務スタイルの変化から、地方への移住を考える人が多くなったといえるでしょう。
参考資料:東京都「新型コロナウイルス感染症の流行と東京都の国内移動者数の状況-住民基本台帳人口移動報告2020年の結果から-」
勤務地から住む街を考える
→東京駅勤務の人はどこに住んでいる?(二人暮らし)
平均通勤時間はエリアによって違いますが、平均通勤時間の長さによってどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。詳しく解説します。
平均通勤時間が長い場合には、以下のようなメリットがあります。
通勤時間が長ければ長いほど、その時間を有意義に使えます。例えば、資格取得の勉強をしている場合、移動を学習時間に充てることが可能です。本を読む方やニュースなどの情報収集の時間に充てる方もいるかもしれません。
そして早めに自宅を出るため、早寝早起きの習慣も身に付き健康的です。早寝早起きが習慣になれば、生活リズムが整いやすくなります。
さらに都心から離れたエリアからの通勤となれば、住むエリアの選択肢が広がり、そのぶん多くの賃貸物件から住まいを選べます。安い賃貸物件に出合える可能性もあるでしょう。ランニングコストを考えれば、結果として家賃が安い賃貸物件から通勤したほうがお得です。
一方で、デメリットは以下のとおりです。
通勤時間が長いため、出勤時は自宅を早めに出る必要があります。そのため仕事がある日は毎日早起きをすることになります。
朝が苦手な方にとってはデメリットに感じるかもしれません。
また、朝の通勤ラッシュで満員電車や渋滞に巻き込まれる時間が長くなり、ストレスを感じることも。
満員電車や渋滞をできるだけ避けたい人は、会社の近くのエリアなどで住まい探しを行うのがベターです。
平均通勤時間が短い場合のメリットは以下のとおりです。
通勤時間が短い場合、朝の時間をたっぷり使うことが可能です。
例えば、朝からウォーキングで汗を流したり、化粧や着替えなどの身支度に余裕が持てたり、朝食の時間を確保できたりするため、有意義に過ごせます。
さらに、電車や車での移動時間も短いため満員電車や渋滞にあたる時間が少なく、通勤時のストレス軽減につながります。
一方で、平均通勤時間が短い場合には以下のようなデメリットも。
都心部に会社がある場合、利便性の良い場所に住む可能性が高くなります。そのため家賃が高めの賃貸物件を選ぶことになり、毎月の出費が多くなります。
さらに通勤時間が短いと会社から自宅までの距離も近いため、オン・オフの切り替えがしづらいと感じる方もいるかもしれません。会社と近すぎるとプライベートのときに、自宅の周辺で職場の人に遭遇する可能性もあります。
勤務地から住む街を考える
→東京駅勤務の人はどこに住んでいる?(一人暮らし)
→横浜駅勤務の人はどこに住んでいる?(一人暮らし)
ここでは、通勤方法によって「どんな物件を選ぶべきか」について詳しく解説します。
電車通勤の人は、駅に近い賃貸物件がおすすめです。家から駅までの距離が近ければ近いほど、トータルの通勤時間を短縮できます。
しかし、駅から近い物件は家賃が高くなりがち。家賃を少しでも抑えたい場合は、自転車やバスで最寄駅に通う方法もあります。
車で通勤する場合は、渋滞しにくいエリアや道路状況を把握して物件を選びましょう。
例えば、幹線道路や東京都心部に向かう首都高速道路は、平日の朝と夕方のラッシュ時の渋滞が発生しやすくなります。混み合う道路から離れたり、混み合う時間帯や渋滞が起きたときにルート変更ができるかなどを確認して物件を探すのがおすすめです。
また、出勤時と帰宅時の渋滞情報を頭に入れておけば、都心部から離れた地方の物件でも快適な通勤が可能です。
特に家賃は都心部に比べて安いため、費用面の負担も少なくなります。
住まい選びには通勤時間以外にもチェックしておきたいポイントがいくつかあります。ぜひ参考にしてみてください。
電車などの公共交通機関で通勤する場合は、自宅から最寄駅までの距離やかかる時間も考慮しましょう。
物件概要書に記載のある「駅徒歩〇分」は、80mを1分で換算した時間で記載されています。そのため、信号待ちや坂道などは考慮されていません。
また、朝の通勤時間帯は人通りが多く、思ったよりも進みづらいケースもあります。日中は人通りが多くても、夜になると街灯がなく暗い道になる場合もあるので、あらかじめ確認が必要です。
物件を選ぶ際には、物件から最寄駅まで実際に歩いてみて、駅周辺の雰囲気や駅までの距離、時間などを確認することをおすすめします。
自宅の最寄駅から会社の最寄り駅までの「乗り換え回数」の確認も行いましょう。できるだけ乗り換え回数は少ないほうがいいですよね。
物件を選ぶ際には「乗り換えがない駅」に近い物件を選ぶことをおすすめします。
通勤時に電車に座れるかどうかは、始発駅からの近さが大きく左右します。座って通勤するのと立ったまま通勤するのでは体への負担が大きく違いますよね。
会社までの距離が少し遠くても、あえて始発駅近くの物件を選ぶのも一つの方法です。電車に座って通勤したい人は、この方法もぜひ検討してみてください。
快適な住まい選びは、通勤時間を快適に過ごせるかも大きなポイントの一つです。自分にはどのような通勤時間や通勤方法があっているのかを考え、物件を検討しましょう。
通勤時間はドアtoドアで考える
通勤方法にあわせて住む物件やエリアを決める
自分にとって朝の時間をどう過ごせばストレスが少ないかを考え、物件やエリアを決める