SUUMO(スーモ)は、住宅・不動産購入をサポートする情報サイトです。

「急な転勤で引越しの予定が変わった」
「契約後だけど入居前にキャンセルしたい」
そんな状況に、焦りや不安を感じていませんか。
賃貸契約は契約後に解除を希望すると、敷金の精算や返金を含め、条件の確認不足がトラブルの原因になるケースもあります。
この記事では、入居前にキャンセルしたい場合を想定し、賃貸契約解除の手続きの流れ、連絡方法とタイミング、敷金は返金されるのか、必要書類(契約書・重要事項説明書・支払明細など)のチェックポイントなどの疑問を分かりやすく整理します。
賃貸契約をキャンセルできるかどうかは、「どの時点で契約が成立したか」によって大きく変わります。特に敷金などの申込金は、支払ったタイミングによって返金の可否が異なるため注意が必要です。
ここでは、契約成立までの流れと契約時に発生する費用について詳しく見ていきましょう。
そもそも契約成立となるのは、どの段階からなのでしょう。賃貸物件の管理会社に長年勤務しているハウスメイトマネジメントの伊部尚子さんに聞きました。
「契約には一般的な流れがあります。契約書に署名・捺印する前であれば、まだ契約自体が成立前であるという扱いになり、申込金や契約金を支払っている場合は返してもらい、契約を『解除』することができますが、それ以降は契約事態が成立していると見なされ、もう契約をなかったことにはできないので『解約』という扱いになります」。
入居申込み・申込金の支払い(申込金がないケースも多い)
↓
審査・契約書の作成&書類の準備
↓
・重要事項説明
・契約書に署名・捺印
・契約金の支払い
【POINT】ここで一般的には契約成立と見なされる
※上記の順序はケースにより異なる
↓
鍵の受渡し
【POINT】ここで決定的に契約成立!
↓
入居
賃貸借契約書についてあわせて読みたい
賃貸借契約書とは?契約の流れや準備するもの、賃貸契約後のトラブルを防ぐための読み方・確認点も解説
賃貸契約時に支払う「契約金」は、家賃以外にも複数の費用で構成されています。負担する金額は物件や地域によって異なりますが、一般的な相場を知っておくと予算の計画が立てやすくなり、安心です。
下記に、一般的な主な費用項目とその目安を一覧でまとめました。
| 費用項目 | 相場の目安 |
|---|---|
| 敷金 | 家賃1カ月分 |
| 礼金 | 家賃1カ月分 |
| 仲介手数料 | 家賃1カ月分+消費税 |
| 前家賃 | 家賃1カ月分+管理費 |
| 火災保険料 | 2年契約で1~2万円 |
| 家賃保証会社保証料 | 家賃0.5~1カ月分程度 |
「礼金」は、部屋を貸してくれる大家へ支払うお礼の意味を持つ費用で、契約時にかかる初期費用の1つです。相場は「家賃1カ月分」で、立地条件が良い物件ほど高めに設定される傾向があります。しかし、最近では礼金ゼロの物件も増えており、入居時の負担を軽くしたい方にとっては選びやすいでしょう。
一方、「敷金」は退去時の原状回復費用に備えて預けるお金で、性質が大きく異なります。敷金はクリーニング代や補修費に充てられ、差額があれば返金されますが、礼金にはそのような清算はありません。
「仲介手数料」は、入居希望者と大家の契約を仲介する際の報酬として不動産会社に支払われます。
物件の条件や地域によって金額が変わることもありますが、仲介手数料の上限である「家賃の1カ月分+消費税」が一般的です。費用は賃貸借契約が成立した時点で発生し、契約成立までに行われる物件案内や契約書作成、重要事項説明などの手続きも含まれます。
一方で、不動産会社が自社で所有している物件、つまり貸主となっている場合は、仲介手数料が不要となる場合が多いでしょう。
「前家賃」は入居初月の家賃として契約時に支払う費用で、通常は「家賃1カ月分+管理費」が相場です。前家賃は契約成立と同時に発生し、家賃の前払いとして扱われます。
月の途中から入居する場合は日割り計算され、入居日から月末までの日数分が請求されます。
「火災保険料」は賃貸物件に入居する際に加入する保険の費用で、火災や水回りの事故、盗難などの損害に備えた補償が含まれます。契約成立と同時に保険が適用され、契約時に一括で支払うことが多く、2年契約で「1万~2万円程度」が一般的な相場です。
火災保険は家主・入居者それぞれが加入するのが一般的で、入居者は家主への損害賠償責任をカバーしたり、災害による家財の修理費用を補ったりする役割があります。
賃貸契約に必要な初期費用についてあわせて読みたい
賃貸契約に必要な初期費用(敷金礼金など)の相場はどのくらい? 安くする方法は?引越し費用は?
解約となると、入居していた部屋を出るときと同じです。転勤などのやむを得ない事情とはいえ、契約した後では支払い済みの契約金はやはり戻ってこないのでしょうか。伊部さんいわく「原則として、契約時に支払ったお金のすべては戻ってきませんが、敷金については、物件の状態によって全額戻してもらえることがあります」とのこと。
一度住んだ物件を解約するときは、退去時のクリーニング代を入居者が負担するのが一般的。しかし、「状態によっては、これを免除してもらえることもあります。契約成立後であっても、未入居でクリーニングが不要と判断された場合、敷金からクリーニングを引かず、全額返還してもらえることがあるでしょう」。
ただし、未入居であっても引渡しから時間がたっていると、そうはいかないことも。「たとえば2~3カ月たってほこりがたまっていたり、カーテンを設置していなくて畳が日焼けしていたりすると、通常のクリーニング代のほか、畳・ふすまのクリーニングが必要となり、これらが敷金から差し引かれることがあります」。
また、賃貸契約書のなかに、「入居後〇カ月以内に退居の場合は違約金が発生する」などの記載があれば、違約金を支払わないといけない可能性も出てきます。
そして賃貸契約後、入居する前にキャンセルする場合は、敷金は返金されます。およそ1カ月程度で口座に振り込まれるケースが多いでしょう。また、前家賃を支払っていた場合、こちらも返金対象です。(ただし、数日でも入居していれば、その分の日割り家賃は支払います)ただし、仲介手数料、礼金については、返金義務はありません。

賃貸の契約についてあわせて読みたい
賃貸の契約期間とは?2年が多い理由や途中解約時の違約金も解説
入居直後に解約する場合は、「短期解約違約金」が発生します。1年未満の退去の際に請求される場合が多く、契約書の特約に記載されていることが一般的です。
ここでは、短期解約違約金の仕組みと回避方法について解説します。
「短期解約違約金」とは、賃貸契約を締結した後、短期間で退去する場合に発生し得る追加費用のことです。貸主側の募集コストなどを踏まえ、早期解約時の取り決めとして、契約書の特約欄に定められているケースがあります。
ただし、法律で一律に決まっているものではなく、物件によって有無や条件が異なります。礼金ゼロやフリーレント付きなど、初期費用が抑えられる契約では特約がつくこともあるため、契約前に必ず内容を確認しましょう。
賃貸契約の違約金についてあわせて読みたい
賃貸契約の違約金とは?途中解約や更新後の解約、入居審査後のキャンセルにもかかる?
短期解約違約金が発生する期間は物件によって異なりますが、一般的には「契約から1年未満」の退去で設定されていることが多いでしょう。なかには2年未満や、契約後6カ月以内の解約で家賃数カ月分を請求する場合もあります。
また、期間に応じて段階的に金額を設定しているケースもあり、例えば「入居後3カ月以内は家賃2カ月分、3~6カ月は家賃1カ月分、6カ月~1年は家賃0.5カ月分」といったように、契約書で具体的なルールが定められています。
違約金の期間についても特約に明記されているため、必ず目を通しておいてください。
短期解約違約金を避けるためには、契約前から退去の可能性やタイミングを考えておくことが大切です。入居の時期や転居の可能性を十分に確認し、安易に契約を結ばないようにしましょう。
もしやむを得ず短期間で退去する場合は、違約金の適用期間を過ぎてから退去する方法もあります。ただし、その間も家賃は発生するため、総額が違約金よりも総額の支払いが高くならないか注意が必要です。
また、大家や不動産会社に早めに事情を伝えることで、違約金の減額や免除してもらえる可能性もあるので、諦めずに相談してみるのも1つの方法です。
入居後すぐに賃貸契約を解約する際は、鍵の返却や敷金精算など、複数の手続きを順番に進めなくてはなりません。ここでは、退去・解約をスムーズに進めるために具体的な手続きの流れを解説するので、見ていきましょう。
賃貸契約を解除する際は、まず「解約予告」の期限を確認することが大切です。多くの賃貸借契約では1カ月前通知が一般的ですが、物件によって2カ月前としているケースもあります。通知が遅れると余計な家賃が発生する恐れがあるため、契約書の「解約条項」を必ず見返しておきましょう。
通知方法は書面(解約通知書)、メール、不動産会社の専用フォームなどさまざまなので、どうやって通知すればよいか早めに確認しておくことをオススメします。トラブルを避けるためにも、口頭のみの申請は誤解が生まれやすいため避けましょう。
退去時は大家や不動産会社の担当者と「立ち会い」を行い、室内の状態を一緒に確認します。汚れや傷の程度や範囲を見ながら原状回復費用を算定するため、気になることがあればその場で質問しましょう。説明された内容や指摘箇所は、後のトラブルを防ぐためにも写真などで記録しておくと安心です。
立ち会いが終わったら鍵を返却し、この時点で退去手続きは完了します。鍵を返し忘れたり紛失したりすると交換費用を請求されることがあるので、スペアキーも含めて手元に残っていないか必ず確認しておいてください。
敷金の精算は、原状回復費用を差し引いた分が振り込まれます。退去後すぐに行われるわけではなく、1~2カ月後に振り込まれることが一般的です。
原状回復費用は「入居者の故意・過失によるもの」と「通常の生活で自然にできたもの(経年劣化)」に分けて計算されます。
例えば、家具の跡や日焼けなど、通常の生活で避けられない劣化は入居者の負担にはなりません。
一方で、入居者の不注意や扱い方が原因で生じた汚損・破損は、入居者負担となる場合があります。具体例は次のとおりです。
また、ハウスクリーニング代や鍵交換費用は、賃貸借契約の特約で借主負担とされていることがあります。見積書を確認する際は、1K・1LDKなどの間取りタイプではなく、専有面積(m2)と汚れ・破損の範囲に対して金額が設定されているか(m2あたりの単価や作業範囲の内訳が妥当か)を必ずチェックしましょう。
なお、近年は物価や人件費の上昇の影響で、クリーニング費用や部材費などの相場が上昇しやすい傾向があります。過去の相場観だけで判断せず、内訳と条件を見て確認することが大切です。
賃貸の退去費用についてあわせて読みたい
賃貸の退去費用の相場は? 入居者負担で妥当? 高額にならないためには?
賃貸契約を結んだ後のキャンセルは原則としてできず、入居前であっても「解約」として扱われます。ただし、引越し計画の変更や予期しないトラブルなど、やむを得ない事情が生じることも少なくありません。
ここでは、実際によくある契約解除の理由について分かりやすく紹介します。
家庭の事情で急に引越しが難しくなるケースは少なくありません。家族の病気やあるいは家族間でのトラブルなど、個人ではどうしようもない事情もあるでしょう。こうした場合でも、解約手続きや違約金を求められることがほとんどです。
予定していた転勤や異動が突然取り消しになるなどの理由で、引越し自体をやめることもあります。このような理由でも賃貸契約は原則としてキャンセルはできず、入居していなくても「解約扱い」になるため注意が必要です。
状況が分かったら、まずは早めに不動産会社へ連絡し、事情を丁寧に説明しましょう。また、会社の都合で転居ができなくなった場合は、職場に対して費用負担を相談した事例もあるため、会社に相談してみてはいかがでしょうか。
進学予定が変更になり、入居できなくなるケースも珍しくありません。特に大学受験では、併願校の合否結果がそろった段階で進路を変更することも多く、それが賃貸契約締結のタイミングと重なると入居予定だった地域に通学しなくなるケースが発生します。また、推薦入試の取り消しや学費負担の見直しから進学先を変えることがあるかもしれません。
進学先の変更が決まったら、できるだけ早く不動産会社に連絡してください。「解約扱い」となるため、違約金や日割り家賃を支払わなければなりませんが、事情を丁寧に説明すれば費用の減額を相談できることもあります。事情説明をスムーズにするために、学校の合格証書・進学辞退証明書などを用意しておくとよいでしょう。
契約後に他の物件に決めなければならなくなる場合としては、いくつかのケースが考えられます。
例えば、「実際に物件を確認したら日当たりや騒音、間取りが想定と違った」「周辺環境が生活に合わなかった場合」です。また、家賃や設備、立地などで条件の良い物件が見つかり、どうしてもそちらに住みたいケースもあります。
このように自分都合で急きょ契約を解除する場合は、できるだけ早めに不動産会社に連絡し、誠意をもって事情を説明することが大切です。
また、こうした事態を避けるためにも物件を見学する前にまず、希望条件や家賃、立地を整理して、ほかの物件と十分に比較検討した上で契約するようにしましょう。
解約の手続き自体は、入居していないなら退去の立ち会いも必要ないので、至って簡単。解約の旨と敷金の返還先を連絡するだけで済む場合もあります。契約書の「賃貸借契約の解約」という項目をチェックしましょう。
契約書で解約の方法を見ていくと、「退去告知は1カ月前までに」などと記載されているでしょう。それ以前に退去する場合、同等の家賃を支払うという取り決めになっているはずです。ケースによっては1カ月以上のこともあるし、精算方法が月割りだった場合、月はじめの解約だと実質さらに1カ月分プラスされることになります。果たしてこの費用は、契約成立後・未入居の解約でも必要なのでしょうか。
「本来、請求されても何もいえない費用ではあるのですが、貸す側としては、早く次の入居者さんを探したい気持ちもあるので、早く解約手続きを取るために、免除してくれることがあるかもしれません」と伊部さん。
実際にどうなるかは、大家さんや不動産会社の判断によって異なるものであり、免除してくれたとしても、あくまでも温情ある措置だということを忘れずに。

つまり、契約書に署名・捺印する前であれば、申込金(支払わないケースも多い)や契約金は原則として返してもらえるが、それ以降は敷金以外の返還が難しいということ。ただし、契約前ならキャンセルできるからといって、気軽に複数の物件に申込みを入れるのはタブーです。申込みがあった時点で、その物件は募集にストップをかけているため、大家さんにも不動産会社にも迷惑がかかってしまいます。やむを得ず解約することになった場合は、関係する人たちの事情をよく理解した上で連絡を入れましょう。
「クーリングオフ」とは、消費者が一定期間内であれば契約を無条件で解除できる制度です。主に訪問販売や電話勧誘販売、特定商取引法で定められた契約に適用されます。例えば、訪問販売で契約した場合、8日以内に書面などで通知すれば違約金なしで契約が解除できます。
一方、賃貸借契約は「クーリングオフ制度」の対象外となるため、契約書に署名・捺印した後は、原則として入居前であっても自由に取り消すことができません。
ただし、契約前の重要事項説明に重大な誤りがあった場合や、物件に致命的な不具合が判明した場合など、例外的に協議で解除に応じてもらえる場合もあります。
入居してから賃貸契約を解除する場合は、まず不動産会社に早めに連絡することが大切です。同時に、どの程度の費用負担が発生するのかを把握するためにも、賃貸借契約書の内容を必ず再確認しましょう。ここでは、解除のタイミングと連絡方法について分かりやすく解説します。
賃貸契約をすぐに解除したい場合、遅くとも入居予定日の前日までには不動産会社に連絡してください。連絡が遅れると、貸主側は代わりの入居者募集に間に合わず損害を被る可能性があります。
特に、以下の内容は、負担額に直結する重要なポイントです。
こうした内容を把握した上で、必ず賃貸借契約書を見直し、解除の意思が固まったら迷わず電話やメールで早めに伝え、事情を丁寧に説明することが重要です。
契約解除の連絡は、電話でキャンセルの連絡と謝罪を伝えた上で、メールなど記録が残る方法でも送っておくのが望ましいでしょう。明確な理由をしっかりと伝え、今後の手続きについて確認しておいてください。
日時や受付担当者名をメモし、追加でメールを送信します。管理会社によっては専用フォームやLINEで受け付けている場合も多いでしょう。いずれにしても「解約の希望日」「契約者名」「物件名」を明記し、後で確認できる状態にしておくと、手続きがスムーズに進みます。メール本文の中で、契約書に記載されている「解約予告の期限」「短期解約特約の有無」「敷金精算の条項」を確認したことも一言添えておくと、双方の認識ズレを防ぐための方法です。
途中解約時の手続きについては、以下を参考にしてください。
途中解約時の手続きについてあわせて読みたい
賃貸の契約期間とは?2年が多い理由や途中解約時の違約金も解説
入居後1年未満の退去では違約金(短期解約違約金)が発生する場合がある
解約はできるだけ早く不動産会社に連絡し、電話+メールなど記録が残る方法で通知する
退去時は立ち会いや敷金精算の流れを理解しておく