同棲解消が決まったらすること全網羅!経験者が語る後腐れなくお別れするためのポイント

公開日 2022年11月29日
同棲解消が決まってから解消する日までにすること 引っ越しからお金のことまでポイントを紹介!

残念ながら同棲を解消することになってしまったら、まず何から手をつけたらいいのでしょうか。十人十色の出会い方があるように、別れ方も人ぞれぞれ。

この記事では、同棲を解消すると決めた日から新しい生活へと移行するまでの流れ、引っ越しに必要なお金や手続きについてご紹介します。ご自身の経験を描いたコミックエッセイ『同棲終了日記』を出版された、漫画家のおりはらさちこさんに聞きました。

『同棲終了日記~10年同棲した初彼に34歳でフラれました~』(おりはらさちこ/双葉社)表紙
『同棲終了日記~10年同棲した初彼に34歳でフラれました~』(おりはらさちこ/双葉社)

同棲解消が決まってから新生活までの流れは?

「同棲」とは、婚姻関係のない人が一緒に住んでいること

そもそも同棲とは、婚姻関係のないもの同士がひとつ屋根の下で暮らしている状態をいいます。恋人や友人など共に暮らす人たちの関係性はさまざまです。どんな理由であれ、同棲を解消するとなれば、主に2つの対応が必要となります。

  • 今住んでいる場所を退去し、お互い新居に引っ越しをする
  • いずれかが今の家に残り、もう一方が新居に引っ越しをする

他にも「実家に帰省する」「新たな同棲先に移り住む」など次の居住先の選択肢は人それぞれ異なりますが、多くの場合、関係が解消されれば、別々の場所に住むことが一般的です。

『同棲終了日記』の著者であるおりはらさんは、10年間同棲したパートナーとの同棲解消を経験されています。

『同棲終了日記~10年同棲した初彼に34歳でフラれました~』(おりはらさちこ/双葉社)より
©おりはらさちこ/双葉社

「10年一緒に暮らしていた相方(パートナー)から『気になる人ができた』と打ち明けられ、紆余曲折あり同棲を解消することになりました。運がいいのか悪いのか、その告白をされたタイミングが、当時住んでいた物件の賃貸契約の更新時期。退去まで1カ月と期間が決められた中で、二人の関係を解消することになりました」(おりはらさん、以下同)

同棲解消から新しい生活になるまでの大まかな流れ

おりはらさんの場合、更新時期と重なっていたため1カ月という期限が決まっていましたが、同棲解消を決めてから実際に新居へ引っ越しする期間は特に決まっていません。ここでは、別れを決めてから、お互いが新居を探し、引っ越すまでの流れをご紹介します。

<【やることリスト】同棲解消から引っ越し完了まで>
  • 解約条件を契約書で確認する
  • 管理会社(または大家さん)に退去日を相談
  • 解約書類を管理会社(または大家さん)に提出
  • 退去日決定
  • 荷物の整理(家具・家電の仕分けなど)
  • お金の整理(共同貯金の分配など)
  • 物件探し開始
  • 新居の内見
  • 新居の契約
  • 退去日前に、公共料金の解約・変更(電気・ガス・水道/新聞、インターネットなども)
  • 引っ越し業者の選定
  • 引っ越しの荷造り
  • 引っ越し日程決定
  • 郵便物の転送手続き
  • 新居の入居可能日以降に、公共料金の契約(電気・ガス・水道/新聞、インターネットなども)
  • 前住んでいたエリアの役所へ、転出届の提出(引越し前後2週間以内)
  • 引っ越し完了
  • 鍵の返却
  • 新しく住むエリアの役所へ、転入届の提出(引越し後2週間以内)
  • 銀行やクレジットカード、携帯電話、免許証などの住所変更

これまでの流れを1~2カ月で進めていくことになります。長引くほどお金もかかりますし、気持ちも揺れ動いてしまうため、「この日までに終わらせる!」と日程を区切って進めていくのがよいでしょう。

まずやるのは、契約書の確認と管理会社への連絡

賃貸物件の場合、「退去1カ月前までに解約書類の提出が必要」など契約書に退去ルールが記載されています。まずは、契約書を確認し、管理会社と退去日の相談をしましょう。

また退去日の決定と同時に進めたいのが、新居の物件探しです。賃貸物件は審査や契約等の手続きが必要となるため、入居するまでに1カ月ほどの時間を要します。基本的な流れを把握した上で、退去日そして、引っ越しの日程を決めることが大切です。

「最初に報告したのは大家さんでした。毎月顔を合わせていましたし、10年間お世話になったので、同棲解消が決まった翌日には報告しました」

『同棲終了日記~10年同棲した初彼に34歳でフラれました~』(おりはらさちこ/双葉社)より
©おりはらさちこ/双葉社

また、どちらかが今の住居に残る場合でも、再契約する可能性もあります。いずれにしても、入居時に締結した契約書を確認してから、行動するようにしましょう。

別れても、同棲生活をしなければいけない現実

どちらかの実家が近くにある、友人宅に泊まることができるなど、すぐ別居が可能な場合を除き、引っ越し先が決定するまでの間は、別れているのにひとつ屋根の下で過ごさなければいけません。

「別れても同じ部屋で生活しているので、どうしても気持ちの揺れ動きは出てきます。でも、私の場合、退去日が1カ月先に迫っていたので、日々の事務作業で手一杯(笑)。思い出に浸る時間もなく過ごせたのは、ある意味良かったのかもしれませんね。行動力は大切です! 一線を引いて取り組みましょう」

『同棲終了日記~10年同棲した初彼に34歳でフラれました~』(おりはらさちこ/双葉社)より
『同棲終了日記~10年同棲した初彼に34歳でフラれました~』(おりはらさちこ/双葉社)より
©おりはらさちこ/双葉社

二人とも実家が遠方だったため、すぐに物理的距離を取るのが難しい状況だったそうです。どうしても気持ちの整理がつかない、引っ越しするまで同じ空間で過ごすのが辛いという方は、物理的な距離を取ってしまうのもよいでしょう。

これまでの思い出や時間を考えると、すぐに切り替えることが難しいかもしれませんが、事務作業と感情を割り切って進めていくことが、引っ越しまでの期間で大切なポイントになるでしょう。

気になる「お金」はどうする?

同棲解消から引っ越しするまでにかかる費用は大きく3つ

同棲解消から退去日までの大まかな流れは確認できました。それぞれタスクをこなしていく中でも、お金がかかってくる場面が出てきます。どんな場面でお金が必要になるのかチェックしておきましょう。

<同棲解消から引っ越しまでにかかる費用>

1. 退去費用:現状回復やクリーニングにかかる費用
2. 引っ越し費用:不用品の処分、引っ越し業者への支払い
3. 入居費用:家賃、敷金、礼金、仲介手数料、火災保険、家具・家電の購入

退去費用については、条件によって異なります。また引っ越し費用についても、今のところに住み続ける場合は必要ありませんし、それぞれが引っ越す場合は、各々が負担するのが一般的でしょう。

入居費用は、一番多くの出費がかかる部分です。間取りやエリアによって条件が変わりますが、物件にかかる初期費用は家賃のおよそ4.5~5カ月分。家賃6万円の場合、約30万円の初期費用と生活に必要な家具・家電の購入費用がかかってきます。

全体的に抑えられる費用は抑えつつ、期日内の引っ越し完了を目指しましょう。

退去にかかる費用も契約書を確認

実際に退去費用でかかるお金はどれくらいなのでしょうか? おりはらさんに伺いました。

「当時の物件には約10年間住んでいたので、大家さんにも『この家をリフォームしようと思う』と言われていました。そのため敷金が少し戻ってきて、退去費用が発生することはありませんでした」

『同棲終了日記~10年同棲した初彼に34歳でフラれました~』(おりはらさちこ/双葉社)より
©おりはらさちこ/双葉社

住んでいる年数や契約条件によって退去費用は異なります。契約書にルールが明記されていることが一般的なので、退去時に予想外の出費がかさまぬよう、事前に確認しておきましょう。

また国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では基本的に
●経年劣化・自然損耗:大家さんの負担
●入居者の故意・過失:入居者の負担
と決まっています。

普通に生活している中でも起こる経年劣化(テレビの裏の壁紙の電気やけなど)で請求されることがあれば、一度不動産会社に相談してみましょう。

退去費用がかかってしまう場合、同じ時間を共に過ごしていれば「折半で負担する」でよいかもしれません。しかし、きっちり分けられない場合も見受けられます。以下に例を挙げてみました。どのように折半するのか、二人で冷静に話し合って決めましょう。

<退去費用の支払いで考慮したいこと>
  • 家主が5年間住んでいた家で、1年間だけ同棲生活をしていた(長く住んでいた人が負担する?)
  • タバコを吸っていた(タバコを吸っていた人が負担する?)
  • 今の家に住み続ける場合(数年後退去する際、相手への請求が難しい?)

不用品や家具・家電の仕分けは二人で決める

引っ越し費用の中には「不用品の処分」も含まれます。民間業者に処分を依頼すると、トラック1台分でいくらとある程度の相場が決まっています。自治体の粗大ゴミ回収を利用する場合、大きな家具・家電でも数百円から回収してくれますが、予約制のため時間がかかることも。物件探しと併せて、なるべく早めに不用品の整理をすることが重要です。

「私の場合、ベッドとテレビと冷蔵庫は、新居に置けない大きさだったので、パートナーに押し付けました(笑)。解消の原因は相手にあったといえるので、自分が主導権を握り、あれこれ言えたのは良かったのかもしれませんね」

『同棲終了日記~10年同棲した初彼に34歳でフラれました~』(おりはらさちこ/双葉社)より
©おりはらさちこ/双葉社

同棲解消の理由はさまざまなため、不用品や家具・家電の仕分けに正解はありません。それぞれに思い入れのあるものを持っていくでもいいですし、全て処分する場合もあるでしょう。大切なのは、お互いが納得すること。ある程度処分することになった場合は、以下の方法を参考にしてください。

<家具・家電の処分方法>

リサイクルショップ:年代の新しい家電や家具の場合、高価買取してもらえる場合もあるが、買取してもらえない商品もあるので注意
フリマアプリなどに出品:時期や価格によって人気になる商品もあるが、引っ越し後にも落札されない場合も
人に譲る:アプリなどで簡単に欲しい人を見つけることができるが、業者が入らないのでトラブルになることも
民間の不用品回収に依頼:希望したスケジュールで必要な分だけ処分してくれるが、高額になる場合も。業者選びがポイントに
自治体の粗大ゴミ回収に依頼:安く確実に回収してくれるが、予約が取れず引っ越し日までに間に合わない場合も

引っ越し先の物件の広さによっては、どうしても持ち込めない家具や家電もあるでしょう。また新居でも前の家の家具・家電を使うことで相手を思い出し、心がザワつくことも考えられます。その場の感情だけで、要る・要らないを決めてしまわず、客観的に状況を捉え、整理することが大切です。

共同貯金がある場合

同棲カップルの場合、共同貯金している人も多いかもしれません。おりはらさんは、同棲解消の話が出る前に冗談でこんな話をしていたことがあったそう。

『同棲終了日記~10年同棲した初彼に34歳でフラれました~』(おりはらさちこ/双葉社)より
©おりはらさちこ/双葉社

「私の口座で、共同貯金をしていました。二人で使うお金や新しい家電を買う時のために、生活費からコツコツと貯金していたものです。ラブラブな時期に冗談半分で『別れたら、私がもらう!』なんて話をしていましたし、相方にも『自分の分は自分で貯金してね』と伝えていたので、同棲解消になったタイミングで、私が共同貯金の分は受け取ることにしました」

同棲カップルで共同貯金をしている場合、別れてしまった時のルールもあらかじめ決めておくのがおすすめです。ルールを曖昧にしたまま別れてしまうと、せっかく貯金したお金がゼロになってしまう、新たなトラブルに発展する可能性も否めません。どのように配分するのか、そして通帳は誰が管理するのかなど、事前にルールを決めておきましょう。

<共同貯金で確認しておくべきこと>
  • 共同貯金の現状を把握する(いつから貯めていて、いくら貯まっているのか)
  • いつまでに、いくら配分するのかを決める
  • 通帳で管理していた場合、解約か継続かを決める(どちらかが使い続ける場合は、念のため暗証番号やアプリ連携を解除しておく)

冷静なうちにルールを決めておくことが大切

読者の方の中に、同棲中の方がいれば、冷静なうちにお互いのルールを決めておくのがよいかもしれません。ある日突然、同棲が解消となり気持ちの整理もつかないままお金の話を決めてしまうと、感情に流されて後々後悔する可能性もあります。

「同棲は、お互いの気持ちが離れてしまったらおしまいです。どこまで、どのように管理するかはカップルごとに変わってくるはず。正解はないので、可能性として今後について話し合っておくといいかもしれませんね」

<解消前に決めておけばよかったルールの例>
  • 共同貯金の管理方法
  • 同棲解消した際に、どうやって貯金額を配分するか
  • ペットや植物を育てている場合、どちらが育てるか
  • 家具や家電の配分(購入者に決める権利がある、購入者に関わらず折半する、すべて処分するなど)

「当時の家主は私で、家賃は二人で半々に折半していました。なんとなく同棲生活を始めてしまったので、同棲を始めるタイミングで家事とお金の管理についてはルールを決めておけばよかったと思いました」

二人の関係が続くことが理想的ですが、未来のことは誰にもわかりません。お互いの気持ちが冷静な時に、ルールを決めておくことで、いざという時にも焦らず対処することができるでしょう。

関連記事:“同棲の費用と家事分担”、”間取り”のあるあるを経験者に聞いてみた

新居へ引っ越すまでにやること

物件探しは「仮」にしない

ここからは、物件探しについてお伝えします。気持ちが落ち込んでいる中で、新しい物件を探すことはとても大変な作業ですが、おりはらさんは「物件探しは、とりあえずで決めてはいけない!」と語ります。

「同棲解消ってだけで、気持ち的にはマイナスです。新居先を探すのが面倒になってきて『とりあえずここでいいやぁ~』で決めてしまうのは良くありません。失敗してしまった時は費用面のリスクを負うだけでなく、もう一度ゼロから物件探しをするのは大変ですし、仮で決めてしまった物件にズルズル住み続けるのは一番辛いことでしょう。ちょっとでも気分が明るくなれる、新しい生活にワクワクできるような物件を探してほしいですね」

相手の新居の住所は聞く? 聞かない?

お互いに物件探しをしていると「どの辺りに住むか?」は話すことがあるかもしれません。もし街ですれ違うようなことがあったら……と不安な場合は、物理的に距離が離れた場所の物件を選んでもよいかもしれません。

「相手と住所の交換はしませんでした。別れた後も『住所を聞いておけばよかった!』と思ったことはありません。お互いが引っ越しをしてから連絡を取り合うこともしていませんし、1時間以上離れた場所に引っ越したので、偶然会うなんてこともありませんでした。それが良かったのかもしれませんね」

『同棲終了日記~10年同棲した初彼に34歳でフラれました~』(おりはらさちこ/双葉社)より
©おりはらさちこ/双葉社

住み慣れた街を離れたくなかったり、思い出が詰まった街に暮らすのは辛いと思う人もいたり、住む場所についてはさまざまな感情があると思います。物件探しをする際には、費用面だけでなく住むエリアも考慮しておきましょう。

内見は可能な限りしよう

おりはらさんは、ネットである程度物件を検索した後、3件ほど不動産屋さんに足を運び内見したそうです。物件探しをする中で、自分の目で確かめることが大切だと実感したのだとか。

「内見は大事だと思いましたね。当たり前かもしれませんが、ネットの情報だけではわからない周りの環境や雰囲気も伝わるので、自分の目で確かめることは大切です。私が物件探しで優先したのは、費用面。仕事上、駅から離れていてもよかったし、もともと外に出る機会も少なかったので、なるべく費用を抑えられる物件を探しました」

『同棲終了日記~10年同棲した初彼に34歳でフラれました~』(おりはらさちこ/双葉社)より
『同棲終了日記~10年同棲した初彼に34歳でフラれました~』(おりはらさちこ/双葉社)より
©おりはらさちこ/双葉社

物件探しは優先度を決めて行うのがよいでしょう。「今すぐ決めたい」と焦る気持ちもありますが、可能であればいくつか比較することも重要です。

<内見で確認しておきたいこと>
  • 日当たりの良さ
  • 水回り
  • 収納スペース
  • コンセントやTV線、ネット回線の位置(ネットについては回線状況も確認しておきましょう)
  • セキュリティ面(鍵の種類、玄関の向き、オートロック・防犯カメラの有無など)
  • 駐車場や駐輪場の有無
  • ゴミ捨て場の場所、分別の方法
  • 周辺環境(駅からの距離やコンビニやスーパーの有無)

また、新居でもペットを飼う場合は、ペット対応可能な物件を探す必要があります。内見時にはペットのことも考慮した間取りかどうかも確認しておきましょう。

最近では、現地に訪問している不動産会社のスタッフとオンラインでやり取りしながら内見できる物件もあります。気になるポイントは角度や位置を変えて映してもらうなどの相談できるので、遠方で実際に足を運べない場合などに利用してみてください。

間取りが変わることで困ることは?

同棲からシングルになると、部屋の間取りを小さくすることを選ぶ人が多いでしょう。また、家具が置いていない状態の部屋を内見するので、実際に家具を置くと「思っていたよりも狭かった」なんてことにもなりかねません。

「2Kからワンルームへの引っ越しでした。思ったより狭いな……と感じたのが正直な感想です。特に収納は自分で確保するか備え付けを選ぶのかは重要なポイントだと思います。今となっては、狭いなりに住み心地がいいのでワンルームも気に入っていますよ」

もともとの家から家具や家電を持ってくる場合、内見の際に置く場所の広さを確認しておきましょう。二人用の冷蔵庫がキッチンに収まらなかったり、ベッドが入らなかったり、ソファが置けなかったりする可能性もあります。どうしても持っていきたい家具や家電がある場合は、その大きさに対応した間取りを選ぶことも大切です。

引っ越し業者は口コミのチェックを

新居が決まったら引っ越し業者選びも始めましょう。少ない荷物であれば、レンタカーを借りて自力で引っ越しすることもできますが、引っ越し業者を頼む場合は、いくつか比較検討することが大切になります。

「相方は友達に頼んで引っ越ししていましたが、私は引っ越し業者さんにお願いしました。大きな家具・家電がなかったのですが、時期が4月だったのでちょうど繁忙期で。時期によっても金額は変わるので、口コミなどを参考にしながら選ぶのがよいと思います」

『同棲終了日記~10年同棲した初彼に34歳でフラれました~』(おりはらさちこ/双葉社)より
©おりはらさちこ/双葉社

荷造りで出てきた思い出の品はどうする?

引っ越し業者さんが決まれば荷造りが始まります。そんな時、二人の思い出の品が出てきたら、どうしたらよいのでしょうか?

「思い出の品は、スパッと捨てられる人もいれば、気にしちゃう人もいるから、持っていくか処分するかは人それぞれ。私の場合は、日用品として使えるものは持っていき、使っていましたよ」

『同棲終了日記~10年同棲した初彼に34歳でフラれました~』(おりはらさちこ/双葉社)より
©おりはらさちこ/双葉社

家具・家電の処分方法と同じように、ゴミに捨てるだけでなく、リサイクルショップやフリマアプリなどで売ってもよいかもしれません。モノであれば、いくつか選択肢があるので、自分たちにとってベストな方法を選択しましょう。

引っ越し日はあらかじめ共有しておく

1つの家から各々の新居へ引っ越す場合、お互いの引っ越し日を共有しておきましょう。同じ日にブッキングしてしまい、荷物の取り間違いがあっては後々大変になってしまいます。

『同棲終了日記~10年同棲した初彼に34歳でフラれました~』(おりはらさちこ/双葉社)より
『同棲終了日記~10年同棲した初彼に34歳でフラれました~』(おりはらさちこ/双葉社)より
©おりはらさちこ/双葉社

「これから引っ越しをする方にアドバイスを言うとすれば、引っ越し当日のスケジュールは把握しておいたほうがいいでしょう。引っ越し作業が完了し、もともと住んでいた家から新居へ移動する際『1.5時間後に、新居に集合で』と言われて、とても焦りました。車を持っておらず、自転車もトラックの中に入れていたので、大慌てで移動したのを覚えています」

同棲の場合、どちらかが先に新居へ引っ越すこととなります。残されたほうが無駄な作業をしなくていいように、ゴミの始末や置き忘れなど相手を気遣った荷造りも心がけましょう。

スッキリ引っ越しできたのに、「これ使わないの?」「捨てていいの?」など、相手から連絡がくるとまた気持ちが揺らいでしまうかもしれません。お互いに連絡しなくてもいいように、あらかじめ必要なことは丁寧に伝え、忘れないようにメモをつけるなど対策し、トラブルを未然に防ぎましょう。

転出届、公共料金の解約、郵便物の転送サービスもお忘れなく!

引っ越しの日程が決まったら、以下の手続きも始めましょう。

  • 転出届の提出
  • 電気、ガス、水道、電話・インターネット回線の解約
  • 郵便物の転送サービス

転出届は、引っ越しする前に現在住んでいる市区町村に提出する必要があります。引っ越しの2週間前から提出可能なので、時間があるときに対応しておきましょう。

公共料金の解約は、物件の契約主が対応する必要があります。各サービスのサイトや電話にて解約の手続きが可能です。ガスについては解約に立会いが必要な場合もあります。解約を依頼する際に確認しておきましょう。

また、解約日は二人の引っ越しが完了した後にしておくことが望ましいです。どちらかが電気のないなかで引っ越しまで過ごさなければいけない……なんてことがないように、お互いの引っ越し日を確認した上で、解約を申し入れしましょう。

郵便物の転送は、郵便局で手続きが可能です。身分証明書に加えて、転送先の新住所と今までの住所が証明できる書類が必要になります。自分だけ新居へ引っ越しをする場合だと、パートナーに自分の郵便物が届いてしまう可能性があります。別れた後に連絡をとりたくなければ、転送手続きをするのがおすすめです。

電気・ガス・水道・ネットの契約も忘れずに

同棲していた際、家主でなかった人は、引っ越し先で新たに「電気・ガス・水道・ネット」の新規契約をする必要があります。新居によって契約先が指定されている場合もあるので、引っ越ししてからの生活に困らないようにスケジュールを決めて、契約を進めておきましょう。

引っ越しした後にやるべきこと

退去立ち会いと鍵の返却は誰がする?

一般的な退去の立ち会いは、大家さんと管理会社の担当者と居住者が家の中の状態を確認します。家主の立ち会いは必要ですが、そこで暮らしていた二人が一緒に立ち会うルールはありません。また、退去立ち会い後は、部屋に入ることができなくなるので、電気・ガス・水道・ネットなどの解約は済んだ状態にしておきましょう。また「後で取りに来るから」と引っ越し時に持っていかなかったものなども必ず持ち帰るようにしてください。

また鍵の返却については、入居時にスペアキーを渡されている場合もあるでしょう。返却する鍵の種類と本数を把握し、全てを返却しましょう。

「私たちは大家さんと隣接した住居だったので、二人でお世話になった挨拶と鍵の返却をしようと決めていました。相手が先に引っ越しをしていて、仕事から帰ってきたら彼の荷物はなく……。そこからあっという間に自分の引っ越しと、鍵の返却だったので、彼との思い出に浸ることなく、慌ただしい日々を過ごせたのがよかったかもしれませんね。今考えると、引っ越しするまで二人とも大人な対応ができていました。鍵を返却した以降も連絡を取り合ったりはしなかったので」

『同棲終了日記~10年同棲した初彼に34歳でフラれました~』(おりはらさちこ/双葉社)より
©おりはらさちこ/双葉社

できないことがあっても大丈夫! さまざまなサービスを活用しよう

引っ越しが終わり、家具などを組み立てていると「私にはできない……」と手が止まってしまうこともあるでしょう。今まで二人だからできたことも、一人暮らしでは1から10まで全て一人でやらなければなりません。しかし、そこで諦めるのではなく、できないことは民間サービスを活用するのがおすすめです。

『同棲終了日記~10年同棲した初彼に34歳でフラれました~』(おりはらさちこ/双葉社)より
©おりはらさちこ/双葉社

例えば、家具購入時に組み立てサービスがあったり、インターネットの設定方法を教えてくれたり、家電を購入する際にも手取り足取り教えてくれたり、設置までしてくれます。「一人では何もできない」と悩むのではなく、どうしたらできるようになるか考えてみましょう。

「転入届」の提出や各種住所変更もお早めに

役所への「転入届」提出は、原則引っ越しから2週間以内に対応する必要があります。公共料金などインフラに関わる部分は、引っ越し前に解約・契約内容変更をおこなっているので、特に申請しなくてもいいですが、それ以外に住所登録しているものは早めに変更しておくことがおすすめです。

<引っ越し後に住所変更が必要なもの>
  • 運転免許証
  • マイナンバーカード
  • パスポート
  • 銀行
  • クレジットカード会社
  • 民間の生命保険(緊急連絡先や受取人なども確認しておく)
  • 健康保険や年金
  • 携帯電話
  • 通販やファンクラブなど住所登録しているサイト など

また、会社などにも住所変更の連絡をしておきましょう。交通費の精算や年末調整など、住所が変わったことで企業側の手続きも発生するからです。おっくうな気持ちにはなるかもしれませんが、感情を切り離し、淡々とこなしていきましょう。

心のスキマはどうしてもできる!

同棲解消を決めてから、物件探しや引っ越しと慌ただしい日々が終わり、一人の時間を過ごしているとふとした瞬間に寂しさが込み上げてくるかもしれません。おりはらさんも当時を「隙だらけだった」と振り返ります。

「別れた当初は、私も気持ちが強い人間だと思っていましたが、心のスキマはできました。『誰でもいいから付き合ってくれ~!』と思っていましたし(笑)。恋愛がしたいとかじゃなく、誰かにそばにいてほしい。これは誰もが経験することだと思います。だからこそ、『私は今、隙だらけだ』と自覚することが大切だと思います。新居を決めて、引っ越しが終わったらここからが人生の第二章! という気持ちで前に進んでほしいですね」

少しずつ新しい生活に慣れていこう

新居になじみ、新しい街にも慣れ、自分らしく生活するまでの時間は人によって異なるでしょう。おりはらさんは同棲解消から自分らしく過ごせるようになるまで、どれくらいの時間がかかったのでしょうか。

「こればっかりは、本当に人によると思います。収入面で不安になる人もいれば、寂しくて辛くなる人もいるでしょう。私の場合は、収入面が安定してきて『私一人でも生きていける』と思えた頃から、気持ち的にも余裕が生まれ、将来の不安が少しずつ消えていきましたよ」

おりはらさんも『同棲終了日記』の発売から8年ほど経ち、当時のことを振り返りながらお話いただきました。なかなか現実を受け入れられなくても大丈夫です。焦らず、急がず、少しずつ自然に身を任せて新しい生活に慣れていきましょう。

まとめ

同棲解消が決まったら、まずはじめに「契約書の確認」と管理会社や大家さんへの連絡を

別れを決めた日から引っ越しが完了するまでは、同じ屋根の下で暮らすことに。ズルズルと引っ越し日を引き延ばすことはせず、揺れ動く気持ちと事務作業を切り分けて行動することも大切

物件探しは慎重に。「とりあえず早く別々に暮らしたい!」と焦って決めて後悔することがないように

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取材・文:つるたちかこ 編集:ノオト
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