大阪府大阪市北区は、昨年に引き続き2位となり高い人気をキープ。2013年4月に開業した「グランフロント大阪」や梅田駅と大阪駅を擁する経済・商業の中心地だ。エリアとしては北、東、南は淀川、大川沿いが隣区との境界になり、中之島も北区に含まれる。西は福島周辺をのぞいてJR東海道線が境界となる。
人気の内訳をライフステージ別にみると、シングルでは1位、DINKSでも2位となり若い世代からの支持が高い一方、ファミリーからの支持は8位にとどまっている。多くの路線が集まる巨大ターミナル「梅田」を区の中心部に抱え、ビジネスやショッピング、グルメの都市というイメージが強いため、暮らしに刺激を求める世代から人気を集めているのだろう。
子育て事情に目を移すと、大阪市全体の待機児童数は2015年4月から10月にかけて294人増加して511人となっているが、北区では増減なしの3人であった。保育施設の整備は今後も続けられる予定だ。(2015年10月1日時点)
新築マンション供給が都心部へ戻っているトレンドも背景にあり、北区でも中之島、南森町、扇町、天神橋筋六丁目、天満といったエリアでタワーマンショの供給が続いている。便利で快適な都市生活を満喫したい、刺激を受けることでビジネスにもつなげたいと考えるアクティブな人にとっては、非常に魅力的なエリアなのだろう。また、近年では子育てを終えたシニア層も、都市型の生活を求めて「都心回帰」する動きも増えているようだ。
一方、淀川沿いの大淀、中津、豊崎といったエリアは下町情緒をまだまだ感じられる場所でもある。梅田の都市部へも徒歩、もしくは自転車で行けるような場所でありながら住居費もそれほど高くない、穴場的な住宅街も残されている。
今後の開発計画としては、「グランフロント大阪」に隣接する「うめきた2期」の整備計画も動き始めている。「みどりを軸にした質の高いまちづくり」という方針が掲げられており、敷地面積16.2haのうち約8haは緑化される計画で、大阪都心部に広大な緑地が誕生することになりそうだ。「うめきた2期」エリアでは、先行してJR梅田貨物線を地下化し、現在の大阪駅に近い場所に新駅をつくる計画があり、こちらは先行して2015年年度に工事着工されている。この路線は関空や新大阪とも直通となるルートであり、海外からの旅行客増加へもつながりそうだ。
また、梅田駅周辺では阪神百貨店も建て替え工事がスタートし、2022年の完成を予定している。遅れていた梅田3丁目の大阪中央郵便局跡地の再開発も動きだしており、大阪駅南側に40階建ての高層ビルが建設される予定。中津駅周辺でもホテル跡地の再開発計画が具体化し50階建てのタワーマンションが登場する予定だ。
今後は、日本だけではなくアジアからも多くの人を惹きつけることで、より刺激的で、より快適な都市生活を満喫できるエリアへと発展していくだろう!