アトラスタワー小平小川 （取材レポート）

ATLASが掲げる「こころ躍る、上質。」というステートメント。その理念を設計プロセスまで明確に落とし込むために、2022年より設計・商品開発における一貫した判断基準として「6つの企画方針」を設けました。これは、私たち技術者が真摯にモノづくりに向き合い、完成してお客様のもとに届くまで何度となく繰り返し、一貫して立ち返り続けるものであり、社内の設計指針のみならず、お客様との共通言語としても大切に据えています。

明確に設定したモノづくりの指針に基づく商品設計は、企画が立ち上がった当初から最後まで設計担当がチームの中で伴走する体制だからこそ可能なATLASの強み。設計担当が販売担当を通じてお客様の声についてフィードバックを受けたり、直接理事会やインタビューに参加して「設計意図がどう受け止められているか」を体感したりする機会を積極的に設けているのも、ATLASらしい特徴ではないでしょうか。価値向上のためのサイクルをループさせることで、常に「モノづくりの背骨」が通ったプロジェクトが実現する。創り手の自己満足ではなく「伝わる価値」へ昇華していきたい。それが、ATLASのモノづくりの根底にある想いです。

４．コンセプトが明確になっているか／CASE：ONE AVENUE　一番町文人通り
同価格帯の商品をつくるとしても、街に合わせて住まう人の求める心理的価値がどこにあるのか？という観点でコンセプトを整理。明治・大正期には政府要人や日本の文学史に名を遺す人々が居を構えた「一番町 文人通り」では、その地にふさわしい上質な美的価値を追求した。

５．暮らしを配慮した住戸計画になっているか
ファミリーなら採光性を確保すべくワイドスパンに、夫婦二人暮らしなら二人並んで立てるキッチンに。つくって終わり、売って終わりではなく、その先にある暮らしを考えた住戸計画で、暮らしの質を高めている。

６．魅せ場のある提案になっているか／CASE：アトラス加賀
何気ない日々の暮らしの中で気持ちが動くような仕掛けとして、「魅せ場」をつくっている。「アトラス加賀」では、初回の商品企画打ち合わせは金沢の歴史・文化に触れることから始まり、地名の由来となった加賀藩をコンセプトとした意匠を建物内外の随所に採用。

「アトラス加賀」では、旭化成ホームズの社内ベンチャーによって生まれた「GOKINJO」という住民同士の情報交換アプリを導入し、防災・防犯情報の共有、不要品の譲渡、理事会活動の報告、趣味を通じた交流などに活用しています。私は20人規模のランニングサークルでも活動中です。この約5年でマンション内にとどまらず、地域の自治会や小学校の保護者同士のつながりから、夏祭りや子供神輿といったイベントにも携わり、町内で交流の輪が広がっています。「GOKINJO」の担当者の方からの声掛けがきっかけで近隣マンションと合同のイベントも行いました。

マンションは買って終わりではなく、快適に住み続けて、ひいては資産価値として維持し続けていくべきものですから、持続可能なマンション運営のための工夫が不可欠です。「アトラス加賀」では、「GOKINJO」というアプリを軸にリアルとデジタルの双方から住民同士の関わり合いが生まれ、それぞれの住民にとってのちょうど良い距離感で、「そこに暮らす当事者」という意識が芽生えやすかったように思います。これからもずっと誇れる住まいであり続けられるよう、日々大切に暮らしていきたいと思っています。