豊中市は歴史ある住宅地も、元気な商店街も、日本初のニュータウンも、「豊中ロマンチック街道」も

住みたい街ランキングの行政区10位は、北摂の豊中市。玄関口となる阪急宝塚線「豊中」駅から「大阪梅田」駅へ急行2駅12分、都心アクセスが良好です。庶民的な商店街あり、阪神間屈指の高級住宅地あり、日本初の大規模ニュータウンあり。府内最大級の都市公園や、北摂随一のオシャレストリート「豊中ロマンチック街道」もある。“間口の広さ”が幅広い世代に愛されています。

市東部の服部緑地は甲子園球場の約33倍の規模があり、「日本の都市公園100選」にも選ばれています（撮影／川谷信行）

阪急宝塚線、北大阪急行、大阪モノレールの沿線に広がる豊中市。エリアごとに個性くっきり

豊中市は昭和11年に市制を施行。都心アクセスの良さからベッドタウンとして発展し、現在の人口は北摂で最多の約40万人にのぼります。
市の中心部を阪急宝塚線が貫き、東部に北大阪急行、北部には大阪モノレールが通り、西端には大阪国際空港があります。北大阪急行は、昨年開業50周年を迎え、現在、箕面市への延伸工事が進行しています（2023年度完了予定）。大阪モノレールでは、大阪メトロ長堀鶴見緑地戦、JR学研都市線、近鉄けいはんな線・奈良線に乗り継げる延伸工事計画が2029年開業予定で進んでいます。
北に中国自動車道と、大阪中央環状線、西に阪神高速道、南に名神高速道、東に新御堂筋、中央部を国道176号線が縦断するなど、道路網も充実。市内ほぼ全域を阪急バス路線がカバーしており、車に頼らずとも不便なく暮らすことができます。

阪急宝塚線「豊中」駅には急行が停車。「大阪梅田」駅へ2駅12分、都心へスピーディーにアクセスできます（撮影／川谷信行）

豊中市は沿線やエリアごとに街の成り立ちや住環境が異なります。阪急「豊中」駅西側の「玉井町」は、大正時代に住宅地として開発され、駅前には商店街が開設。沿線の「岡町」駅や「庄内」駅前にも古くから栄える商店街があります。北大阪急行「千里中央」駅から広がる「千里ニュータウン」の街びらきは昭和37年。千里ニュータウンでは、老朽化した団地の更新やリノベーションが進んでいます。大阪モノレール「少路」駅を中心としたエリアは、平成3年～16年度の特定土地区画整理事業を経て、住宅地開発が始まり、田園地帯が中心だった風景は一新。多くのマンションが供給され、人気の「豊中ロマンチック街道」に近いこともあり、若い世代を中心に注目を集めるエリアとなっています。

高級住宅地や庶民的な商店街、古くから住宅地開発が進んだ「阪急宝塚線沿線エリア」

豊中は、「能勢妙見山」に続く能勢街道沿いの集落として発展。明治43年の箕面有馬電気軌道（現在の阪急電鉄）開通を機に、モダンな住宅地が開発されました。大正3年に「豊中住宅地」、同9年には岡町に住宅地が誕生し、昭和の初めになって、駅を中心に商店街が形成されていきました。このような背景があり、阪急宝塚線「豊中」「曽根」「岡町」各駅の駅前には商店街があり、商店街を抜けると駅近にも関わらず、今も落ち着いた住宅地が広がっているのです。
最初に開発された「豊中住宅地」は、現在の豊中市玉井町。豊中市の玄関口である「豊中」駅前から広がる邸宅街です。玉井町をはじめ、駅を取り囲むように、「豊中本町」や「千里園」など高級住宅地が広がっています。近年になって、駅の東側でマンション開発が進み、駅西口には、複合商業施設「エトレとよなか」が開業し、街の雰囲気も人の流れも変化。それまで賑わいの中心だった東側だけでなく、西側にも人通りができました。「エトレとよなか」には、スーパーや専門店、行政機関が入り、周辺にはドラッグストアや飲食店が集まっています。

阪急「豊中」駅西口直結の「エトレとよなか」の誕生で、駅西側にも賑わいができました（撮影／川谷信行）

阪急「岡町」駅東側にはアーケードのある「岡町桜塚商店街」があります（撮影／川谷信行）

「蛍池」「服部天神」「庄内」各駅の駅前にも昭和の面影の濃い商店街があります。物価が安いと感じる街ランキング」（2020年SUUMO）で、庄内は7位にランキング。北摂の街で20以内にランクインしたのは庄内だけです。家賃相場も比較的リーズナブルです。
庄内にある「大阪音楽大学」は、「音楽あふれるまち」を掲げる豊中市に協力して、毎秋、「豊中こども音楽フェスティバル」を開催しています。「曽根」駅前には、平成29年「豊中市立文化芸術センター」がリニューアルオープンし、音楽コンサートやお芝居などを上演するなど、市民が芸術を身近に体感できる場となっています。

「豊中市立文化芸術センター」が平成29年にリニューアルオープン（撮影／川谷信行）

緑豊かな計画都市「千里ニュータウン」と、都市機能を備えた「千里中央」

住みたい街ランキング7位の「千里中央」は、豊中市東部に位置する「千里ニュータウン」の入口。都心通勤が便利で、転勤者など府外からの流入が多いエリアです。北大阪急行「千里中央」駅から大阪メトロ御堂筋線「梅田」へは乗り換えなしの19分。本町やなんば等の主要駅にもダイレクトにアクセスできます。東西の移動には大阪モノレールで。大阪モノレール「千里中央」駅から「大阪空港」駅へ13分、「万博記念公園」駅へ5分。終着の「門真市」駅からの延伸も計画されています。

「千里中央」駅前には「千里阪急百貨店」やショッピングモール「せんちゅうパル」、2019年グランドオープンの大型複合施設「SENRITOよみうり」、市の出張所や図書館等の公共機関、総合病院等、都市機能が集積。タワーマンションや大規模マンションも並び建ち、壮観な都市景観に圧倒されます。周辺部では、団地の建て替えなど、再整備が進んでいます。

千里ニュータウンの玄関口「千里中央」。ショッピングエリアの再開発計画もスタートしています（撮影／川谷信行）

「千里ニュータウン」には公園や緑地が多数点在しています。なかでも「千里中央公園」は、ひときわ広く、開設面積は14.2ha。子どもたちに人気のローラー滑り台や芝生の広場、体育館があります。多くの市民が利用する公園ですが、市では、「千里中央公園再整備基本計画」を策定、民間の力を採り入れて、一層の活用を目指しています。
北大阪急行「緑地公園」駅前には、「服部緑地」が広がります。広さ約126ha、甲子園球場の約33倍という府内最大級の規模を誇り、「日本の都市公園100選」「日本の歴史公園100選」に選出。広大な緑の遊び場の他、整備されたBBQ広場やプール「ウォーターランド」、都市緑化植物園、乗馬センター等があり、多くの人で賑わっています。服部緑地と周辺の「寺内」「若竹町」「長興寺北」「長興寺南」などは大阪府の風致地区に指定されています。

大阪モノレール沿線には、人気の「豊中ロマンチック街道」や、大阪大学キャンパス

大阪モノレールの整備を機に、沿線駅周辺の住宅地開発が進みました。「少路」駅北側は、それまでの田畑が区画整理され、マンションが建ち、スーパー、フィットネスクラブが開業。都心へ出るには、「蛍池」駅で阪急宝塚線乗り換え、または「千里中央」駅で北大阪急行乗り換えが必要ですが、「豊中ロマンチック街道」に近いことなどから、住宅地としての人気が高まっています。「豊中ロマンチック街道」は、大阪中央環状線の少路交差点から箕面方面に繋がる県道で、グルメ店や有名パティスリー、洗練されたフラワーショップ等が並ぶ北摂随一のおしゃれストリート。通りから奥に入れば、閑静な邸宅街「緑丘」。小・中学校の良好な学習環境も評判で、教育熱心なファミリーに選ばれているエリアです。

駅南側は、中国自動車道・大阪中央環状線を挟んで、緩やかな南向き傾斜地に広がる高級住宅地「東豊中」や「上野坂」。「東豊中」は、風致地区にも指定されています。
隣駅「柴原阪大前」の駅前には豊中市民病院がありその後方は、緑に囲まれた大阪大学のキャンパス。キャンパス内の“学食”は一般にも開放されています。市内には、府内トップレベルの進学校である府立豊中高等学校や甲子園出場常連の履正社高等学校、チアリーディングで全国トップを競う梅花高等学校と箕面自由学園高等学校など個性豊かな学校が揃っています。

洗練されたお店が立ち並ぶ「豊中ロマンチック街道」。一筋奥に入れば閑静な邸宅街が広がります（撮影／川谷信行）

「東豊中」の街並み。風致地区にも指定されている阪神間有数の高級住宅地です（撮影／川谷信行）

ファミリー層を中心にマンション需要は高く、家賃相場は高めの印象

豊中市の家賃相場は以下の通りとなっています。（2022年1月現在）

豊中市周辺の家賃相場情報（マンション）

豊中市周辺の家賃相場情報（アパート）

北大阪急行「千里中央」、「桃山台」、「緑地公園」の各駅、急行が停車する阪急「豊中」駅周辺は、通勤アクセスの良さから、ファミリー層を中心にマンション需要は高く、相場は高め。下町の雰囲気のある南部エリアは、相対的に低くなっています。

庶民的な街もあれば、風致地区に指定されている高級住宅地やタワーマンションが並び立つ“都会”も。街の個性いろいろ、その中に、自分の「したい暮らし」を適える街が見つかります。学生やお年寄り、子育てファミリー、シングル女性、幅広い層が自分らしく住まえるのが豊中市です。