次にくる住みたい街はここだっ! 〜巣鴨編〜

次にくる住みたい街はここだっ! ~巣鴨編~

とげぬき地蔵の門前町としてにぎわう山手線の「巣鴨」(東京都豊島区・文京区)は、お年寄りが多く集まる街として全国的に有名です。巣鴨駅で下車したことのない人も、テレビのバラエティ番組のなかで、巣鴨のお年寄りたちがインタビューを受けているシーンをおそらく一度は目にしたことがあるはずです。
これまでは“高齢者に人気の街”というイメージばかりが先行していた巣鴨ですが、最近は、世代を超えた幅広い層から“交通至便なわりに家賃が安くて、暮らしやすそうな街”としても注目を集めているようです。
2016年度の「住みたい街ランキング関東版」(リクルート住まいカンパニー調べ)の30位以内には、まだ登場してきてはいないものの、「穴場だと思う街ランキング」では、前年21位からなんと4位へとジャンプアップ! なぜ、山手線沿線の街のなかでは地味な印象しかなかったはずの巣鴨に、多くの人々が注目するようになったのでしょう? 実際に街を歩きながらその理由を探ってみることにしました。

ブランドより街のコストパフォーマンスに人々が注目しはじめた

街としての注目度が急にアップしたと聞くと「再開発が進んで、魅力的な施設が新しくつくられたのでは?」と想像しがちですが、巣鴨にはここ数年、再開発等の目立った動きはありません。ニュースがないのになぜ穴場な街としてのランキングが急上昇したのか? まずはそこから考えてみたいと思います。

2016年度の「穴場だと思う街ランキング」を見ると、去年までは見られなかった不思議な傾向があることに気づきます。10位以内に山手線沿線の街がなんと6つもランクインしているのです。内訳を見ると、池袋(3位)、巣鴨(4位)、大塚(5位)、駒込(6位)、田端、東京(同率8位)、高田馬場(10位)となっています。
池袋や高田馬場は別として、大塚〜田端間の4駅は山手線沿線のなかでは比較的地味で目立たない駅です。駅名は知っているけど一度も降りたことはないという人もおそらく多いはず。
こうした山手線内のマイナーな街にスポットが当たりはじめたのを見ると、ブランドやイメージよりも家賃の安さや交通の利便性といったコストパフォーマンスで街を選ぶ人が増えてきていることがうかがえます。巣鴨が「穴場だと思う街」の4位に突如ランクインしてきたのも、見栄を張るのをやめて、街の実利的な部分に注目する人が増えてきたためと思っていいでしょう。

レストランやデリ、カフェ、雑貨店などのテナントが入った駅ビル「アトレヴィ巣鴨」が2010年にオープンしたことで、ますます便利になった巣鴨
レストランやデリ、カフェ、雑貨店などのテナントが入った駅ビル「アトレヴィ巣鴨」が2010年にオープンしたことで、ますます便利になった巣鴨

都心部のほとんどのターミナル駅へ20分以内でアクセス可能

交通至便のわりに家賃が安いという点では、確かに巣鴨はコストパフォーマンスに優れた街といえます。JR山手線(外回り)に乗って、池袋から2駅目が巣鴨駅です。駅には山手線だけでなく、都営地下鉄三田線も乗り入れていて、都心への通勤通学は超便利。山手線を利用した場合の主なターミナル駅への所要時間は以下のとおりです。

路線図

また、都営地下鉄三田線を利用すれば、水道橋や神保町、大手町へも乗り換えなしでアクセス可能なほか、徒歩約13分の場所にある隣駅・東京メトロ南北線駒込駅を利用すれば、飯田橋や市ヶ谷、四ツ谷方面へも一本で行けてしまいます。都内に唯一残るレトロなチンチン電車・都電荒川線の庚申塚駅もJR巣鴨駅から徒歩圏内にあります。

都電荒川線の庚申塚駅
巣鴨駅から徒歩15分ほどの場所には都電荒川線の庚申塚駅があって、学生街の早稲田や、ミニ遊園地として人気の「あらかわ遊園」へも乗り換えなしでアクセス可能

それでいて、家賃は山手線沿線の街としてはかなりリーズナブルです。ワンルームマンションの家賃相場は8.1万円、2LDKタイプは17.6万円(SUUMO賃貸/家賃相場、2016年6月20日調べ)。同じ山手線沿線の人気タウン・恵比寿の家賃相場が、ワンルーム11.8万円 2LDKタイプ30万円なのと比べると、いかに巣鴨が穴場な街なのかが分かるはずです。

さらに巣鴨が注目を集めるようになった、もうひとつの理由と思われるのが「商店街の充実ぶり」です。巣鴨には、“おばあちゃんの原宿”とよばれるレトロな商店街「巣鴨地蔵通り商店街」が約800mにわたって延びていて、買い物やグルメ散歩がたっぷり楽しめます。最近の「住みたい街ランキング」を見ると、「赤羽」や「北千住」など、昭和テイストが感じられるディープタウンの人気が高まりつつあるようですが、巣鴨が注目されはじめたのも、同じ流れからきていると思っていいでしょう。

活気と人情にあふれた商店街が巣鴨最大の魅力!

では、まずは巣鴨のにぎわいの中心地「地蔵通り商店街」に足を運んでみることにしましょう。駅を出るとすぐ目の前には白山通り(国道17号線)が南北に走っていて、通りを渡った先に延びているのが「地蔵通り商店街」です。この商店街は「とげぬき地蔵(高岩寺)」への参道ともなっていて、平日は一日1〜2万人、縁日の日には、6万人もの人出でにぎわいます。

商店街のラインナップは、甘味処、うなぎ屋、和菓子屋、食堂、純喫茶、洋品店などが中心で、どの店も昭和っぽい懐かしい雰囲気を漂わせているのが特徴です。参拝客や観光客で常にごったがえしている様子を見ると、「観光客をターゲットにした商店街」のようにも感じますが、通り沿いには八百屋や魚屋、日用雑貨店なども多く点在していて、近隣住民の日常の買い物スポットとしても機能していることが分かります。

観光に特化した商店街でないのは、物価の安さにも表れています。財布の紐が固い高齢者がお客の中心とあって、食事もワンコイン〜1000円以内で食べられるのは当たり前だし、山手線内にしては日用品や食材の価格も比較的リーズナブルです。

巣鴨地蔵通り商店街
200店舗あまりの小さな商店がびっしりと軒を連ねる巣鴨地蔵通り商店街。縁日には、さまざまな露店が立ち、全国各地の名産品も販売される
洗い観音
とげぬき地蔵の境内はシルバー世代で大にぎわい。写真後方の行列は「洗い観音」にお参りする人々。手拭いで観音様を洗ってあげると、体の痛みが平癒するのだとか

ちなみに、とげぬき地蔵の境内で休憩していたおばあちゃんに「巣鴨のどこに魅力を感じていますか?」と尋ねたところ、こんな答えが返ってきました。
「私の場合は参拝が目的っていうよりも、買い物や食べ歩きが楽しみで巣鴨に来ているんです。自宅の近くにも最近ショッピングモールができたけど、若者向けの店ばかりで年寄りの居場所がないのよね。その点、巣鴨にくれば昔ながらの甘味処や洋品店もたくさんあるし、「最近顔見せてくれなかったけど元気だったの?」なんて、店の人が気遣って声をかけてくれる。そういうところが年寄りにとってはすごく居心地がいいんですよ」(78歳・埼玉県在住)

実際に歩いてみると分かりますが、ほかの街ならば、閉店に追い込まれてもおかしくないようなレトロな洋品店や金物屋、純喫茶なども、それなりに繁盛しています。最近の都内の商店街のなかには“細々と商売を続けるよりも、大手資本のチェーン店に店舗を貸し出したほうが儲かる”と考えて、商売を辞めてしまうところも少なくないようですが、巣鴨の場合は、それとは逆に「古い個人商店が元気だからこそ、人々が集まってくる」……という不思議な図式が成立しているようです。

ときわ食堂
巣鴨の食堂は、どこもおいしくて安いとあって若者にも人気で、この日は行列ができていた。写真の「ときわ食堂」は23時まで営業しているので、会社帰りにも利用可能
巣鴨名物・赤パンツを販売しているマルジ
巣鴨名物・赤パンツを販売しているマルジ。赤いものを身に着けると災いや病が去るといわれ、ガモラー(巣鴨に集まるおばあちゃん)の間では、赤パンは定番アイテムとなっている

コミュニケーションの重要性に気づきはじめた若者たち

最近では、こうした昭和っぽい懐かしい街並みに魅力を感じて、巣鴨を訪れる若者も増えているようで、商店街には年配者に混じって若いカップルや外国人の姿も多く目につきます。そんななか、取材陣が気になったのが、古びたビルの2階に新しくオープンした古着屋「humor(ユーモア)」です。
カラフルな古着やアクセサリーが所狭しと並ぶ店内は、従来の巣鴨のイメージとは、かなりかけ離れていますが、なぜ敢えて高齢者が集まる巣鴨にお店を構えたのでしょう? オーナーの山本裕太郎さん(26歳・岐阜県出身)にお話をうかがってみました。

「風情のあるレトロな街が好きで、最初は谷中・根津・千駄木あたりに店を出そうと思っていたのですが、家賃や街の雰囲気などを総合的に判断して巣鴨に出店することにしたんです。古着屋が多い高円寺や下北沢といった街よりも、どこか優しい人情が感じられる懐かしい街に憧れていて、最初に巣鴨を訪れたとき、山手線沿線にしては家賃が手ごろだったことと、「温かみがあって、優しそうな街だなぁ」と感じたのが物件を借りる際の決め手になりましたね。“巣鴨に店を出して、果たしてお客は集まるの?」と聞かれることもありますが、今の時代はSNSを利用してお店を知ってくださる方も多いので、webやSNSを使った情報発信にはこだわっているつもりです。」(山本さん)。

「駅から徒歩圏内に東洋大、大正大などもあるため、若い人も巣鴨には意外に多く住んでいるんですよ」と語る山本さん
「駅から徒歩圏内に東洋大、大正大などもあるため、若い人も巣鴨には意外に多く住んでいるんですよ」と語る山本さん

山本さんが最初に巣鴨を訪れたときに抱いた「人間的で優しい街」という第一印象は正しかったようで、まだ店をオープンして2カ月足らずなのに、すでに近隣の人々とも良好な関係が築けているといいます。

「巣鴨の人はみなさん気さくでいい人ばかりなんです。昨日も“風邪ひいちゃって、なんだか調子が悪いんです”って行きつけの台湾料理屋さんで話をしたら、“ちゃんとご飯を食べて、薬飲まなきゃダメだよ”って、店のおばちゃんがご飯と水と風邪薬をわざわざ店に持って来てくれたんですよ。そのときは“まだ店を始めたばかりなのに、こんなに僕のことを気遣ってくれる人がいる。もっと頑張らなきゃ!”って気持ちになりましたね。
また、予期しないお客様が訪ねてくるのも、巣鴨ならではのおもしろさです。先月の縁日だったかなぁ……、両手に重い買い物袋をぶらさげた80歳くらいのおじいちゃんが “ちょっと休憩させてくれ”って突然店に入って来たんです。30分ほど楽しそうに世間話をして、帰り際に「せっかくだから何か買いたいんだけど、ワシに似合うものはあるかな?」って言い出して。「気を使わなくていいですよ」って言ったのに、結局はスニーカーを購入してくれました(笑)。こんな心がホンワカする体験は、渋谷や恵比寿じゃ絶対にありえませんよね」(山本さん)

おばあちゃんだけでなく、若者たちも巣鴨に注目しはじめた

山本さんに限らず、巣鴨に関心を抱く若者が最近は増えてきているようで、去年は「昭和女子大学」のビジネスデザイン学科のゼミ生たちが「共同まちづくりプロジェクト」を立ち上げ“巣鴨が10年後20年後も元気な街でありつづけるためには何をすべきか?”を商店街の人たちと一緒に議論したり、地域イベントに参加するといった新しい動きもあったようです。

また、最近のニュースでいうと、今年5月、絵本作家・犬山シロさん(25歳)が「らくがきのできる絵本図書館・めいちゃんち」を巣鴨にオープンさせたことも、地元の子育て中のママたちの間では話題となっています。この図書館は、「子どもたちのアイデアを大人たちが一緒にカタチにしていく」をコンセプトとしたスペースで、約600冊の絵本が自由に閲覧できるだけでなく、土日を中心にさまざまなイベントを開催しています。巣鴨で絵本図書館をはじめたきっかけを犬山さんはこう語ります。

「以前から絵本図書館をつくりたいと思っていて、都内に図書館として使える一戸建てを探していたのですが、巣鴨で比較的家賃の安い築70年の古民家(駅から徒歩3分)と偶然巡りあったことで、夢をようやく形にすることができたんです。将来的には、子どもだけでなく大人も巻き込んだコミュニティスペースに成長していけたらうれしいですね。人と人とのつながりが希薄になりつつある都心部だからこそ、こうした場所があってもいいのでは……と常々思っていたんです」(犬山さん)

古着屋の山本さんも、絵本図書館を開いた犬山さんも、家賃が安くて交通至便な物件を探していて巣鴨に行き着いた、とはいうものの、もともと根っこの部分で求めていたのは「人間的なふれあい=コミュニケーション」のようです。都心のわりに下町的なふれあいがまだまだ残っているという点も、若い人が巣鴨に注目しはじめた理由のひとつといっていいのかもしれません。

「絵本図書館・めいちゃんち」に集まったチビッコたち。
「絵本図書館・めいちゃんち」に集まったチビッコたち。この日は「こどもまつり」と銘打って、フェイスペインティング、駄菓子のつかみどりなどが行われていた。土日のみの開館

白山通りの東側は、岩崎財閥ゆかりの住宅街

さて、次は一度駅に戻って、白山通りの東側を歩いてみましょう。駅前の繁華街は居酒屋や飲食店が中心で、食材や衣料関係の個人商店はほとんど見当たらりません。しかし、駅近くに西友(24時間営業)や、サミットストア(深夜0時まで営業)があるほか、駅ビル「アトレヴィ巣鴨」には成城石井や総菜店なども入っているので、会社帰りの食料品の買い出しには不便を感じることはなさそうです。

駅前の繁華街を抜けると、すぐに住宅地が広がりはじめますが、庶民的な雰囲気が漂う白山通りの西側とはうって変わり、東側には洗練された都会的な住宅が目立ちます。住民とおぼしき方に「白山通りの向こうとこちらでは、ずいぶん雰囲気が違うんですねぇ」と声をかけるとこんな答えが返ってきました。

「巣鴨っていうと高齢者が多くて庶民的な街だと思っている人が多いようですが、それは白山通りの西側に限ったことで、じつはこちら側(東側)は古くから住宅地として発展したエリアなんです。とくに、駅から駒込方面へと向かう途中にある「大和郷(やまとむら)」と呼ばれる地域は、大正期に三菱財閥の創始者・岩崎家が開発分譲したお屋敷街。今も政治家や実業家が多く住んでいるんですよ」

巣鴨1丁目〜本駒込6丁目付近が「大和郷」と呼ばれる地域で、加賀藩前田家の中屋敷(隠居した大名が住む場所)の広大な敷地を、明治期に岩崎弥太郎氏が買い取り、大正期に三代目岩崎久弥氏が住宅地として分譲したのがはじまりだとか。

現在の大和郷は新しく建て替えられた家がほとんどで、お屋敷然とした古い邸宅は残っていないものの、街路樹が続く閑静な道路沿いに立つ家々は、どれもゆったりとしたつくりで、田園調布や成城にも似たセレブタウンっぽい雰囲気が漂っています。周辺にはマンションもいくつか立っていますが、現在建築中の新築マンション(ブランズ文京本駒込六丁目)の3LDKタイプの分譲価格は、7200万〜9800万円! 中古物件も総じて高めで、ファミリー向けマンションは4000万〜6000万円が相場です。

ふつうは駅から離れるに従って、物件価格は徐々に下がっていくものですが、巣鴨の東側エリアには、千石、駒込、本駒込など地下鉄駅が多く点在していて、駅から離れても利便性には影響しないためか、穴場物件はなかなか見つからないのが現状のようです。

スポーツ施設やネイチャースポットも充実している

東側エリアでもうひとつ注目すべきは、スポーツ施設の充実ぶりです。駅の北側にはプールや武道場、人工芝グラウンド、ゴルフ練習場などを備えた大規模運動施設「三菱養和会 巣鴨スポーツセンター」が。さらに5分ほど歩いたところには、中村礼子さん、寺川綾さんらオリンピック選手を多く輩出したことで知られる「東京スイミングセンター(通称・東スイ)」が立っています。

都心のわりに自然環境にも恵まれていて、四季折々の緑が楽しめるネイチャースポットも駅近くにあります。そのひとつが駅から駒込方面へ7分ほど歩いた先にある「六義園」。ここはかつて岩崎弥太郎の別邸の庭園だった場所を一般開放した都立公園(入園300円)で、ツツジやしだれ桜、紅葉の名所としても人気です。隣接した場所には、遊具やグラウンドを備えた「六義公園」があり、こちらは無料で利用可能とあって地元の元気なチビッコたちの姿でいつもにぎわっています。
また、駅の北側すぐに場所に広がる「染井霊園」も、約100本の桜が植えられ住民の憩いの場となっており、春はのんびりお花見を楽しむことができます。

六義園は徳川五代将軍、徳川綱吉に仕えた柳沢吉保がつくった大名庭園。池を中心に都心部とは思えないほどのどかな風景が広がっている
六義園は徳川五代将軍、徳川綱吉に仕えた柳沢吉保がつくった大名庭園。池を中心に都心部とは思えないほどのどかな風景が広がっている

穴場物件を探すなら豊島区エリアが狙い目

話が長くなってしまったので、巣鴨の魅力をここで一度おさらいしておきましょう。

  • 山手線、地下鉄、都電など複数の路線が利用可能で、どこに出かけるのにも便利。
  • 地元商店街に活気があって、山手線沿線にしては物価は安め。
  • 古くから住み続けている住民も多く、下町っぽい人情が今も街に息づいている。
  • とげぬき地蔵の縁日が月に3回開催されていて、毎週のようにお祭り気分が味わえる。
  • 白山通りの東側(文京区)は、三菱の創始者、岩崎一族ゆかりの閑静な住宅街となっていて、街のブランド価値を高めている。
  • スポーツ施設が充実していて、六義園や染井霊園などネイチャースポットも駅から徒歩圏内にある。

こうやって改めて魅力を挙げてみると、いいことづくめの街のようにも思えてきますよね。おしゃれなスポットや今どきのカフェが少ないという点が唯一のマイナス要素ですが、生活するうえではそんなものは必要ない、と割り切って考えることができるなら、これ以上の穴場な街はないといっても過言ではないでしょう。

とはいえ、一概に「巣鴨=穴場な街」と言っていいのかは、若干迷うところです。巣鴨は白山通りをはさんで東と西では、街の雰囲気や家賃相場が大きく異なるため、ひとことで穴場とは言いにくい状況なのです。おおまかに言えば、白山通りの東側の文京区エリアは穴場感が薄く、白山通りの西側の豊島区エリアに穴場物件が集中していると思っておいていいでしょう。

西側の豊島区エリアは、物件の選択肢が広いのも特徴で、一般的な賃貸マンションだけでなく、2万〜3万円台の単身者向けの格安アパートや、築年数にこだわらなければ10万円台で借りられる一戸建もあります。また、購入を考えている場合も、じっくり探せば1000万円後半〜2000万円台の格安中古分譲マンション(1LDKタイプが中心)が見つかるはずです。

いずれにせよ、まだ巣鴨を訪れたことのない人は、毎月4・14・24日に開催されている「とげ抜き地蔵の縁日」に、ぜひ一度出かけてみてください。山手線沿線にこんなにエネルギーと優しさに満ちあふれた街がまだあったんだ! とおそらく誰もが驚かされるはずです。田舎に帰って、おじいちゃんやおばあちゃんの笑顔と久しぶりに会うと、なぜか心がホンワカしてきますよね。巣鴨の街にはそんな温かい空気がいつも流れているのです。都心にいながらにして故郷の町に帰ったような気分が味わえる……それこそが巣鴨の一番の魅力なのかもしれません。

取材・文:中村宏覚 撮影:鈴木さや香
公開日 2016年08月24日
最終更新日 2016年10月17日
住みたいエリアや購入価格からマンション・一戸建てを探そう!
住まいの種類
住みたいエリア
  • エリア
  • 都道府県
  • 市区郡
購入価格
ページトップへ戻る