2021年の住みたい街ランキング18位に選ばれた『中野駅』。2019年・2020年の14位から少し順位を落としたものの、根強い人気を見せました。近年ではサブカルチャーの聖地としてだけでなく、ビジネスや教育の街としての認知度も高まっています。再開発も進み、年々進化を続けている注目の街です。
JR中央線・総武線と東京メトロ東西線の3路線が利用できる中野駅。中央線の快速なら新宿駅まで5分程度、東京駅も20分圏内で、総武線を使えば秋葉原や千葉方面にも乗り換えなしでアクセスできます。東西線なら大手町や日本橋などのビジネス街へも1本で行くことができ、JR三鷹駅からの乗り入れを除けば始発駅になる点もメリットです。駅前のバスターミナルからは練馬方面や渋谷方面、吉祥寺方面行きの路線バスも運行。羽田空港行きのリムジンバスもあり、どこへ行くにも便利な環境が整っています。
中野駅周辺はスーパーや商業施設が多く、日常の買い物に困ることはないでしょう。駅の北口にはライフやイトーヨーカドー、ドン・キホーテなどがあり、南口には中野マルイや島忠ホームズといった、大型の商業施設が立ち並びます。商店街も多く、『中野サンモール商店街』をはじめ『中野北口一番街商店会』や『中野北口三番街商店会』『中野ふれあいロード商店会』『中野南口駅前商店街』など、北口・南口エリア合わせて約20もの商店街がひしめいています。
中野はサブカルチャーの街として知られ、関係する施設が街の至るところで見られます。外観の白い三角形部分が印象的な『中野サンプラザ』は、中野のランドマークとなっている文化複合施設。コンサートなどを開催するホールをはじめ、ホテルや飲食店、研修室、結婚式場からボウリング場まで兼ね備えています。
1966年開業の『中野ブロードウェイ』は、漫画やアニメグッズ、フィギュア、コスプレグッズ、古本やアンティークおもちゃなどの店舗がそろい、サブカルチャーの聖地として全国的にも有名です。一方で、施設内には地域住民が買い物に訪れる食品売り場やフードコートなどもあり、サブカルチャーと日常が融合した独自性のあるスポットになっています。
ほかにも、大ホールをはじめ音楽練習室や美術ギャラリーが設けられた『なかのZERO』や、特徴の異なる4つの劇場が入る『中野劇場街ポケットスクエア』といった施設もあり、大小さまざまな施設が街を盛り上げています。
2012年、中野駅から徒歩約5分の警察大学校跡地に街びらきされた『中野四季の都市(まち)』。敷地内には東棟と南棟からなる大型オフィスビル『NAKANO CENTRAL PARK』も竣工し、南棟にはキリンホールディングス本社も入居しています。近くには早稲田大学・明治大学・帝京平成大学のキャンパスも建設され、ビジネス・教育の拠点としても注目されるようになりました。再開発の区画一帯は『中野セントラルパーク』と呼ばれ、街のシンボルにもなっています。
中野四季の都市の中央部にある『中野四季の森公園』は、約1.5haの面積を持つ防災公園。近隣のオフィスで働く人や学生などでにぎわい、休日には家族連れも多く見られます。イベントスペースも設けられ、地域交流の場としての活用も可能です。
中野区では若者育成の取り組みにも力を入れています。その一つが、中学生から18歳までを対象とした『ハイティーン会議』です。これは、中・高生が日ごろ感じている疑問点などからテーマを決め、話し合いや関係機関への取材を重ねながら1年かけて意見を深めていくという、ユニークな取り組みです。2020年度の開催で18年目となり、毎年約20名の中高生が参加。また、中・高生が中心となって実施するイベントを支援する制度もあり、若者の活躍機会の創出をサポートしています。
駅周辺を中心に飲食店も充実しています。若者が多く集まる街であるため、リーズナブルなお店も多数。北口の中野ふれあいロード商店会や『昭和新道商店街』はレトロな雰囲気が漂い、居酒屋やバーなど多様な飲食店が軒を連ねています。南口の『RENGA GATE』は、赤褐色のレンガが特徴的な約100mの小さな坂道通りです。ヨーロッパの街並みをイメージさせるモダンな雰囲気で、飲食店を中心に約50の店舗が軒を連ねています。
商業施設以外にも、自然に触れられるスポットや歴史を感じるスポットもあります。中野駅南口から徒歩7分の『桃園川緑道』は、杉並区から中野区にかけてつながる約2.3kmの遊歩道。緑道沿いには樹木や草花が植えられ、四季に応じた変化を楽しめます。道中にはタイル絵やモニュメント、児童公園もあり、子どもとの散歩にもぴったりです。
『新井薬師』とも呼ばれて親しまれている『新井山梅照院』。空海作と言われる薬師如来と如意輪観音、二仏一体の本尊は、『眼の薬師(治眼薬師)』『子育て薬師』として知られています。
また、中野では地域のイベントも多く、2013年から始まった『中野駅前大盆踊り大会』は、中野を代表するイベントの一つです。特に2018年から始まった米ハードロックバンド、ボン・ジョヴィの曲で踊る『盆ジョヴィ』は大きな話題を集めました。
ほかにもドイツビールやドイツ料理などが味わえるビールの祭典『中野オクトーバーフェスト』や中野駅周辺を会場に毎年10月に開催される『中野にぎわいフェスタ』、地域の飲食店や大学、企業が参加する『中野セントラルパーク夏祭』など、さまざまなイベントが開催されます。自然やグルメ、イベントなど、多彩な楽しみ方ができるのも、中野の魅力と言えるでしょう。
現在、さらなる再開発が進められ、街が大きく変わろうとしています。南口の駅前広場では区画整理が行われ、2024年を目処にオフィス棟と住宅棟を中心としたツインビルが竣工予定。併せて南口ロータリーの一部が拡張され、駅前広場や道路も整備されます。
中野セントラルパークに隣接する囲町東地区では、2025年3月の竣工を目指して再開発計画が進行中。A敷地・B敷地の2つのエリアで構成され、A敷地には高さ約100m、B敷地には約90mの大型複合施設が建設されます。
2026年の完成を目処に中野駅の改良工事も進められています。混雑緩和や利便性向上をはかるため、中野駅西側に南北通路を整備。通路整備に併せて、新たな橋上駅舎も建設されます。駅ビルも併設される計画で、竣工は2027年ごろとなるようです。
中野サンプラザ、中野区役所を含む中野駅新北口駅前エリアは、敷地全体を『NAKANOサンプラザシティ』として一新。2028~2029年ごろの開業を目指し、計画が進められています。高さ約235mのシンボルタワーが建設され、新しくなる『NAKANOサンプラザ』には、最大7000人収容の大ホールが設けられる予定です。中野区役所は中野体育館跡地に移転し、新庁舎は2024年2月の竣工、5月の開設が見込まれています。
中野駅の家賃相場は駅徒歩10分以内、築10年以内の賃貸マンションの場合で、ワンルームが11.1万円、1Kで12.5万円、1LDKで16.8万円、2LDKでは23.5万円となっています。賃貸アパートで築年数を問わないなら相場が下がり、ワンルームで6.7万円、1Kで7.33万円、1LDKで12.5万円になります。
中野は賃貸物件数も多く、家賃相場も安定しているため、都心近くで便利に暮らしたい人にはぴったりです。北口・南口とも駅から少し離れると住宅街が広がり、賃貸物件も増えてきます。
ワンルーム | 1K | 1LDK |
---|---|---|
11.1万円 | 12.5万円 | 16.8万円 |
どこへ行くにもアクセスがよく、生活環境も整っていて、街ににぎわいもある中野。学生や社会人の一人暮らしはもちろん、公園など緑も多いため、ファミリーにも住みやすい街と言えそうです。中野駅周辺の再開発により、今後ますます注目を集める街となるのではないでしょうか。
商店街やスーパー、飲食店が豊富で生活に便利
3路線が利用可能。路線バスも充実していて交通の利便性が高い
サブカルチャーの印象が強いがビジネスや教育の街としての一面も
公園など緑も多く、ファミリーにも住みやすい環境
中野セントラルパークや中野駅周辺でイベントなども多数開催
中野駅周辺を中心に再開発が進められ、さらなる発展が期待できる