武蔵小杉はタワマンだけじゃない！高い交通利便性と充実した子育て環境がそろう街

近年の再開発により、駅前の広場には高層ビルや商業施設が立ち並ぶ武蔵小杉。都内へのアクセスもよく、暮らしの利便性に恵まれた街として人気を集めています。住みたい街ランキングでも毎年上位にランクインし、2021年も14位となりました。

交通アクセスなどの利便性の高さに加え、水と緑が豊かな環境

武蔵小杉は、東急東横線・目黒線、JR横須賀線・湘南新宿ライン・南武線の駅として発展してきました。新宿駅には湘南新宿ラインを利用して、特別快速で19分、各停で26分、東京駅には横須賀線で17分、横浜駅には東横線で13分と通勤には程よい距離。2019年には、相鉄線の海老名駅とJR新宿駅を結ぶ相鉄・JR直通線が運行を開始し、横浜や海老名方面からのルートの幅がさらに広がりました。JR東日本は、2023年3月末までに横須賀線ホームの増設を予定しており、駅の混雑緩和が期待されます。

駅周辺には、直結する『武蔵小杉東急スクエア』をはじめ、『三井ショッピングパークららテラス武蔵小杉』『グランツリー武蔵小杉』などの大型商業施設が集まります。日常の買い物から暮らしを彩るファッション、雑貨、グルメまで、駅周辺で一通りのものがそろう生活利便性の高さも魅力です。

商業施設の充実とあわせて、自然に親しめる場所も豊富なことが、多くの人から「住みたい」と思われるポイントでしょう。駅から徒歩15分ほどで多摩川に至り、河川敷には『多摩川緑地』が広がります。駅の北側にはスポーツ施設も有する広大な『等々力緑地』まで徒歩18分、南側には桜の名所として知られる『二ヶ領用水』が徒歩10分程度のところにあるなど、水辺と緑とが調和するスポットが点在。ぶらりと散策するだけでも、心地よいひとときを過ごすことができそうです。

（撮影／齋藤憲二）

『等々力緑地』や『多摩川緑地』など、水辺と緑のスポットが多数（写真／PIXTA）

工業エリアから都心のベッドタウンへの変貌

武蔵小杉はもともと中原街道沿いの街として発展し、1960年～1970年代まで京浜工業地帯の一角を担っていました。その風景が変化したのは2008年ごろです。川崎市が進める新総合計画により、東京や横浜にも近接する「広域拠点」と位置付けられたことが開発の起点となりました。その後、東急東横線に加え、東急目黒線が日吉駅まで延長され、実質複々線に。さらにJR横須賀線の武蔵小杉駅が開業し、東京駅まで直通となったことで、街としての価値が見直されるようになりました。

移転や閉鎖となった工場跡地には、タワーマンションや大規模ショッピング施設が続々と誕生。これらの商業施設には、生活に欠かせない都市機能が附帯しました。例えば、武蔵小杉東急スクエアには市内最大の広さと蔵書数を誇る中原図書館が、三井ショッピングパークららテラス武蔵小杉の中には内科や小児科などのクリニックが並ぶフロアがあります。また、乳幼児向けの広場や遊び場、授乳室を備えたトイレなどが備えられ、子育て世帯にとっても生活しやすい街になりました。

武蔵小杉地区内初のタワーマンションとなった「武蔵小杉タワープレイス」（撮影／齋藤憲二）

新たな多機能タワーマンションの建設で、一層住みやすい街に

すでに多くの高層マンションが立ち並ぶ駅周辺ですが、今もまだ武蔵小杉は進化の過程にあります。2020年7月には、駅から徒歩2分のところに住宅・商業業務・公共公益の3用途が一体となった地上38階の複合施設『Kosugi 3rd Avenue（コスギ サード アヴェニュー）』が開業。住宅階の下階、1階～3階にはさまざまな店舗とともに、遊びや集団活動を通じて地域の子どもたちに健全な育成環境を提供することを目的とする『川崎市小杉こども文化センター』が、4階には『川崎市総合自治会館』が入っています。

川崎市総合自治会館は、町内会・自治会をはじめとした市民自治活動のための施設で、200名を収容できるホールや6つの会議室、3つの多目的室などのレンタルのほか、自治関係資料の閲覧もできます。

「住・商・公」一体の複合施設。周辺のさらなる利便性向上を図る（撮影／齋藤憲二）

また駅北口エリアでは、徒歩で6分ほどの日本医科大学武蔵小杉病院跡地に地上50階、高さ約180mのツインタワーマンション『三菱地所レジデンスツインタワー』が建設中です。2022年の完成を予定しており、住居部分の総戸数はなんと約1500戸を予定！　低層階には、商業施設・老人福祉施設などが整備される計画です。

さらに同敷地内には『日本医科大学　武蔵小杉病院』が屋上にヘリポートを設置した3次救急施設、災害拠点病院として生まれ変わるほか、武蔵小杉エリアの人口急増を受け、11年ぶりに川崎市が市立小学校を新設。ここにも住宅や商業施設だけでなく、医療・福祉・教育の各機能が集約することになります。

季節ごとのイベントや、地域コミュニティが活発

目覚ましい開発がつづく一方で、駅の西側と北側には昔ながらの街並みが残ります東急線武蔵小杉駅の西側には『法政通り商店街』や『武蔵小杉駅前通り商店街』、歓楽街の雰囲気を残す『センターロード小杉』、北側には『小杉北一番街』など、古くからある商店街がいまも健在。何十年も営業を続けるお店に紛れて、近年開業したオシャレなカフェもあり、新旧の店舗が隣り合う独特の街並みを形成しています。

東急武蔵小杉駅南口に残る昔ながらの商店街（撮影／齋藤憲二）

また、新しくできた施設や駅前の公園、商店街などでは、季節に合わせたイベントを行っており、地域が一体となったコミュニティ活動も活発。法政通り商店街で開催されて話題になった『全長80ｍ大そうめん流し』やハロウィンの時期に開催される『コスギフェスタ』など、地元の人にも訪れる人にも人気のイベントが多数あります。

さらに商業施設の中には、それぞれに工夫を凝らした憩いのスペースが。例えば、2014年に開業したグランツリー武蔵小杉の『ぐらんぐりんガーデン』は、日本最大級となる広さ4300m²の屋上庭園。季節の樹木や花々を楽しむことができ、近隣に住む人や買い物に訪れる人にとって憩いの場所になっています。

地域の人に親しまれる施設となった『グランツリー武蔵小杉』（撮影／齋藤憲二）

ファミリー層から支持の高い武蔵小杉、家賃相場は？

住宅についてみると、アクセスの良さや近年の再開発による施設の充実などから、賃貸、分譲ともに価格は年々上昇傾向にあります。

家賃相場は駅徒歩10分以内、築年数10年以内の賃貸マンションで、単身向けのワンルームが9.8万円、1Kは9.9万円となっています。二人暮らしやファミリー向けなら、1LDKで14.2万円、2LDKで25万円、3LDKで30万円と、東京都心から20分の他エリアと比べるとやや高めです。分譲タイプといわれる新築で分譲された物件を賃貸にしている築浅のタワーマンションなどを中心に、家賃相場を押し上げているのでしょう。

駅徒歩10分以内の賃貸アパートで築年数を問わないなら相場はもう少し下がり、ワンルームで5.9万円、1Kで7.1万円、1LDKで11.5万円となります。また、駅から離れれば相場が下がるので、武蔵小杉に割安に住みたい人は探してみても良さそうです。

武蔵小杉駅周辺の家賃相場情報

駅の西側エリアにある小杉町は、武蔵小杉東急スクエアを中心にスーパー、医療機関、育児施設が多く、さまざまなライフステージの人にとっても住みやすい環境です。また、駅の北側にあたる新丸子町も500m圏内にスーパーや幼稚園・保育園が充実していて、子育て世帯に住みやすい地域だと言えるでしょう。

住民の利便性を追求した『武蔵小杉東急スクエア』。5階には中原図書館も（撮影／齋藤憲二）

継続的な再開発により、街全体が成熟しつつある都心のベッドタウン武蔵小杉。近年、数多くのタワーマンションや商業施設が開発され、その活気は年々高まっています。「アクセスが良くて利便性の高い街に住みたい」という人にはぴったりの場所と言えるでしょう。

また、多摩川沿いの自然風景や生活支援施設など、子育て環境の充実も魅力のひとつです。特に若い子育て世代には心強い場所になるのではないでしょうか。