異国情緒たっぷりの大都会。再開発事業スタートで進化する神戸市中央区

2021年住みたい行政区４位を獲得した神戸市中央区。神戸市の中心地であり、異人館街、旧居留地、神戸ハーバーランドなどさまざまな特色ある街を有しています。神戸市が進める三宮周辺の再整備がスタートし、住みたい街としてのポテンシャルがさらに高まっています。

都心の公園・東遊園地は中央区民の憩いの場（撮影／川谷信行）

人気スポットがいっぱい。交通アクセスも抜群

神戸市の中心地であり、三宮や元町などの繁華街を抱える神戸市中央区。異人館で有名な北野町界隈、レトロな近代建築が並ぶ旧居留地、神戸らしい海の景観が眺められるメリケンパークなど、人気スポットがあるのも中央区です。
交通利便性も高く、JR東海道線、阪急神戸線、阪神本線が走っています。市営地下鉄は山手線・海岸線が利用でき、北区へ向かう北神急行電鉄や、人工島ポートアイランドとつなぐポートライナーも運行しています。
三宮から地下鉄山手線に乗れば山陽新幹線新神戸駅と接続。三宮からポートアイランド線で神戸空港駅へ直通で行け、全国各地への旅行や出張にも便利です。

六甲山を背景に異人館が並ぶ北野町は異国情緒たっぷり（撮影／川谷信行）

海岸部には新都心が広がり、市街地に港町らしい異国情緒が漂う

海岸部には３つの新都心が広がっています。三宮から東へ約２kmの臨海部「HAT神戸」は阪神淡路大震災からの復興を目指すシンボルプロジェクトとして誕生しました。阪神開放感あふれるウォーターフロントに集合住宅やショッピングゾーン「ブルメールHAT神戸」や映画館「109シネマズHAT神戸」、医療施設「神戸赤十字病院」「兵庫県災害医療センター」などが並んでいます。潮風に吹かれながら海辺のなぎさ公園を散策し、海沿いを歩いて「兵庫県立美術館」を巡るのも楽しみです。

中央区東部の臨海部に広がる新都心「HAT神戸」はウォーターフロントにマンションが並び、遊歩道が続いています（撮影／川谷信行）

三宮からポートライナーでつながる「ポートアイランド」は1981年のポートピア博覧会で街開きが行われた人工島。マンション群や国際会議場、コンベンション会場、ホテルなどが集積しています。中公園駅やみなとじま駅近くには神戸学院大学や兵庫医療大学などがキャンパスを構え、理化学研究所や中央市民病院など医療・科学関係の施設、企業、病院などが集まる医療産業都市としても注目を集めています。
東の「HAT神戸」に対して西部で開発されたのが「神戸ハーバーランド」。最寄り駅はJR神戸駅、市営地下鉄海岸線ハーバーランド駅です。「神戸ハーバーランドumie」をはじめとする大型ショッピング施設や「神戸アンパンマンこどもミュージアム&モール」、レストランが入る「煉瓦倉庫」など観光スポットとしても人気があり、県外からも多くの人が訪れます。さらに、タワーマンションが次々に誕生し、海を一望する景観と充実した買い物施設など利便性の高さで人気を集めています。

「神戸ハーバーランドには」大型ショッピング施設「神戸ハーバーランドumie」や海沿いのレストラン街「モザイク」、大観覧車など楽しい施設がいっぱい（撮影／川谷信行）

明治の開港以来発展を遂げてきた中央区の市街地には、港町らしい異国情緒あふれる街並みが広がっています。
代表的なのが開港時に欧米人が移り住んだ旧居留地。美しいアールを描く外観で地域のシンボル的存在の「神戸商船三井ビルディング」や伝統的な銀行建築の「チャータードビル」など、大正初期から昭和初期のレトロな近代建築が建ち並んでいます。大丸神戸店での買い物がてら異国情緒を楽しみながら散策する人の姿も多く見られます。
北野町も異国情緒が漂うエリア。JR三ノ宮駅から10分ほど坂を登れば六甲山を背景に「うろこの家」や「風見鶏の館」などの異人館が点在しています。

再開発で三宮～元町～神戸の姿が変わる！

中央区最大のトピックスは三宮駅前再整備事業。神戸市は2015年に三宮周辺地区の「再整備基本構想」を策定。約30年後を見据えたビッグプロジェクトをスタートさせました。JR、阪急、阪神、地下鉄西神・山手線、地下鉄湾岸線、ポートライナーの各駅と街をつなぐ「えき～まち空間」の創出がテーマ。街との行き来をしやすくし、駅前の三宮交差点を中心に駅前空間「三宮クロススクエア」を整備する計画もあり、歩道を広げ、人を中心とした歩きやすく居心地の良い駅前空間を目指します。

JR三宮駅南東に西日本最大級のバスターミナルを備える高層ツインタワーの建設計画を進めており、ホテルや文化ホール、図書館などが入る予定です。
再整備事業の第一弾として2021年4月に阪急神戸三宮駅直結の「神戸三宮阪急ビル」が開業します。地上29階、地下３階建ての超高層ビルで、最上階に展望フロアを設け、高層部にホテル「レムプラス神戸三宮」、中層部にオフィスや知的交流拠点「アンカー神戸」、低層部に飲食店を中心とした商業施設「EKIZO神戸三宮」、近いに食品スーパー「阪急オアシス」が誕生。新しい三宮のランドマークとして期待が高まっています。
JR三宮駅南側に位置する「東遊園地」も再整備エリアの一部。花時計や芝生広場があり、都心のオアシスとして親しまれていますが、新たにカフェ・レストランのほかステージや遊具、水遊び場、デッキなど新たな施設が設置される予定です。

神戸市役所などの高層ビルの間に緑豊かな東遊園地が広がる。建築家の安藤忠雄氏が建物を寄贈する「こども本の森　神戸」も22年オープン予定（撮影／川谷信行）

港町として栄えた神戸市中央区。2017年に神戸港開港150年を記念し、新港突堤西地区の再開発もスタートしました。都心のウオーターフロント創出をテーマに、歩道の拡幅、広場やデッキを整備することで、神戸港の美しい景観創出を目指しています。シンボル施設として建設される「神戸ポートミュージアム」は、音や光などの演出を加えた水族館が中心の複合施設。自動車の博物館やマンションなども建設される予定です。
神戸市は2019年に「神戸市民の住環境等をまもりそだてる条例」を定め、三宮の中心部での住宅建設を禁止。その周辺の新神戸や元町、JR神戸駅近辺でも高層のタワーマンション建設を規制する条例を2020年７月に施行しました。
オフィスや商業施設をもたない住居だけのタワーマンションの建設を規制することで、居住機能と商業・オフィス機能の色分けを目指しています。

コンサートもアートも徒歩圏で楽しめる贅沢な街

企業や商業施設が集まるオフィス街、繁華街のイメージが強い中央区ですが、暮らす街としての魅力もたっぷり備えています。
三宮駅前の2000席以上のホールを有する「神戸国際会館」では、国内外のアーティストのコンサートのほか、お笑いライブなども上演されます。
旧居留地に立つ「神戸市立博物館」は昭和初期の名建築。国宝や重要文化財などの館蔵品があり、国内外の美術品や文化財を集めた特別展を開催しています。

JR神戸駅から徒歩10分ほど歩くと「神戸文化ホール」があり、大・中ホールでオペラやバレエ、ミュージカルの公演が行われています。
神戸ハーバーランドには子どもたちに大人気の「神戸アンパンマン　こどもミュージアム&モール」が。三宮の「東遊園地」やポートアイランドの「みなとものり公園」などの公園も点在し、子ども連れで訪れたいスポットがあちこちに。

食品など日常の買い物施設も豊富。「ダイエー」や「いかり」「KOHYO」「阪急オアシス」「業務スーパー」などスーパーのほか、「神戸阪急」や「大丸神戸店」のデパ地下でも買い物が便利です。
徒歩でコンサートやアートを楽しみ、海や山へも気軽に出掛けてリフレッシュ。そんな神戸らしいライフスタイルを満喫できるオススメの街です。

歴史的建造物が並ぶ旧居留地（撮影／川谷信行）

神戸の中心地、中央区の家賃相場は？

神戸市中央区の家賃相場は以下の通りとなっています。（2022年1月現在）

神戸市中央区周辺の家賃相場情報（マンション）

神戸市中央区周辺の家賃相場情報（アパート）

中央区の山の手にある「北長狭通」「下山手通」「中山手通」はゆるやかな坂道にあり、北野町の異人館街に近い人気のエリアです。
新神戸駅周辺の「加納町」も新幹線を利用しやすく、三宮にも近いのでおすすめ。JR神戸駅～元町駅の間にある「生田町」「二宮町」は旧居留地や神戸大丸、中華街などが徒歩圏。レトロな近代建築が並ぶ「海岸通り」は少ないながらもマンションの供給があり、楽しい都心の暮らしが満喫できそうです。

「海岸通」は大正から昭和初期にかけて建設された近代建築と近代的な高層ビルやマンションが混在している（撮影／川谷信行）

神戸の中心地・中央区は高層ビルが建ち並ぶ都会ながら、海と山に恵まれたロケーション。
港町らしい異国情緒あふれる街並みが広がる一方で、臨海部には近年開発された新都心もあり、さまざまな顔を併せ持っています。
三宮駅前再整備事業がスタートし神戸の玄関口として進化する中央区は、これからも目が離せません。