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かつて川崎といえば“工業の街”、“娯楽の街”でした。しかし、数年前にJR川崎駅の駅舎改築が完了し、駅周辺も再開発が進んでいて、その景観は大きく変わってきています。2021年住みたい街ランキングでは21位の川崎、住みやすい街としてどのように変化しているのか、見てみましょう。
川崎駅は、JR京浜東北線・南武線。東海道本線が通る、神奈川県でも有数のターミナル駅で、品川駅や東京駅へアクセスがしやすいのが利点です。
さらに川崎駅東口から京急川崎駅までは徒歩4分ほどの距離で、エアポート急行を利用すれば羽田空港へも乗り換えなしで行けるほか、都営浅草線直通電車を利用して東銀座駅や日本橋駅へも行きやすいのもうれしいところ。第一京浜や首都高速神奈川1号横羽線も通っているので、車で横浜方面や都内へ移動するにも便利です。
また、ここ数年で川崎駅の都市インフラ整備が進み、駅周辺は驚くほど快適に、キレイになりました。『ラゾーナ川崎プラザ』『アトレ川崎』などの商業施設、映画館や水族館といったレジャー施設、家電量販店も充実しているほか、子育て支援施設もあります。川崎市の行政サービス施設『かわさき きたテラス』もあるので、住民票などの取得にも便利です。
京急本線川崎駅の駅ビルには、ホテルや商業施設の『ウイング川崎』が入っているほか、駐輪場や保育園も整備されていて、周辺住民が日々利用しています。
このように、いろいろな施設が川崎駅周辺に集まっていることも、人々に支持されているのではないでしょうか。


川崎駅周辺には、駅ビル『アトレ川崎』や『ラゾーナ川崎プラザ』『川崎ルフロン』『川崎DICE』、映画館を中心とした『チネチッタ』やコンサートホールを擁する『ミューザ川崎』など、大型商業施設が多く点在します。
駅舎の改築工事が完了したことにより、現在の川崎駅は、北側と中央に自由通路ができました。人通りが多くても比較的ストレスなく歩け、開放感があります。また、東口の『アゼリア地下街』や西口のラゾーナ川崎プラザと直結しているので、それぞれの施設を行き来するのも楽です。
2018年からは川崎駅西口の再開発が本格始動し、2020年5月に、川崎駅西口から徒歩2分の場所に『メトロポリタンホテル川崎』が開業。2020年7月には、駅前商業施設『川崎ルフロン』の9、10階に川崎市初の水族館として『カワスイ水族館』がグランドオープンしました。
既存の商業施設に加え、新たな施設が川崎駅周辺に次々と誕生し、近隣からもレジャーに買い物に、ますます多くの人が訪れる街へと変化しています。またオフィスビルの建設により、企業やビジネスパーソンも川崎に集まってくるようになるでしょう。

もともと、川崎は江戸時代の宿場町、娯楽で栄えた街でした。時が流れ、工業都市として発展を遂げた川崎では盛り場も大いに流行り、戦後の闇市とともに、映画館がいくつもできました。今でも川崎駅周辺に映画館が多いのは、その名残でしょう。
高度経済成長期には横浜に押され気味でしたが、1980年代に入ると、工場跡地に商業施設が建つようになりました。1990年代後半~2000年代に入り、元気を盛り返すきっかけとなったのが、古くからある商店街です。川崎駅周辺の商店街は、昭和の時代から大型店と一緒になって、地元川崎を盛り上げようと頑張ってきました。
『カワサキハロウィン』は、まだ日本でハロウィンがあまり知られていなかった1997年から、川崎の街の元気と魅力を発信するため、映画館『チネチッタ』の経営会社が企画開催しているイベントです。今では、周辺の商業施設・商店街・川崎市が一緒になって開催する、国内最大級のハロウィンイベントになっています。このことは、今の川崎の街のにぎわいと決して無関係ではありません。互いに協力関係にあったので、大型店舗や商業施設が川崎駅に進出しやすい、バックグラウンドが整っていたわけです。

JR川崎駅西口では『KAWASAKI DELTA』と呼ばれる、大規模複合型のまちづくりが2021年4月に完成。2021年5月13日より開業しました。レストランやカフェのほか、フィットネス&スパなども入り、2021年5月には、認可保育園も開業。今後ますます川崎駅周辺は、多くの人でにぎわうでしょう。
また、オフィスビルへの企業誘致にも力を入れています。テレワーク化が進み、都心から郊外へ本社機能を移す企業も増えている中、これからのオフィスは十分な間隔を取ったスペースが必要です。川崎は、家賃というコスト面、確保できる広さ、東京へのアクセスと、必要十分な条件がそろっているといえます。
さらに川崎市役所施設の老朽化に伴い、新庁舎が2022年度完成の予定で現庁舎敷地内に建設中です。現在は分庁舎や民間ビルに分散している機能が、一つの高層ビルに集積。行政サービスを受けやすくなったり、コンビニや情報プラザ・研修室などが設置されたり、市民が利用しやすい庁舎に生まれ変わります。そして、2024年には第2庁舎跡に広場も完成する予定です。

川崎駅周辺の家賃相場は、駅徒歩10分以内、築年数10年以内の賃貸マンションで、単身用のワンルームが9.5万円、1Kで9.1万円、2人暮らしやファミリーを想定した1LDKでは13.4万円、2LDKでは17.28万円といったところです。
賃貸アパートで築年数を問わないなら相場はもう少し下がり、ワンルームで6.43万円、1Kで7.2万円、1LDKで11.2万円になります。同じJR京浜東北線沿線でも、都内の蒲田駅や大森駅よりも、また横浜駅よりも若干抑えられた金額です。
| 1K | 1LDK | 2LDK |
|---|---|---|
| 9.1万円 | 13.4万円 | 17.28万円 |
都心に通うのも便利で家賃が抑えられることは大きなメリットです。川崎市の中でも東京湾を目の前に臨む川崎区はもともと工場が多い地区で、工場跡地などに建てられたマンションは相場も安め。お得感があるので、若いファミリー層に人気です。
川崎区には競馬場や競輪場があるので、近くに住むことに抵抗がある人もいるでしょう。近年は、競馬場などの印象そのものが大分変わってきましたが、物件を見学する際は、日中と夜、平日と週末のように時間帯を変えて周辺環境を確認しても良いかもしれません。

川崎は、暮らすというよりは、娯楽に訪れる街という印象を持つ人も多いかもしれません。しかし、今回改めて川崎をフォーカスしてみると、これまでの活気や娯楽性はそのままに、マンションや行政サービス、オフィスビルに保育園や緑地も整備され、人々の暮らしに寄り添った、とても暮らしやすい街に進化しています。今後は、人々の暮らしの拠点、ビジネスの拠点として、さらに支持される街へと発展していくかもしれないですね。
県内有数のターミナル駅JR川崎駅、京急川崎駅が隣接し、交通の便が良い
駅周辺に大型商業施設や商店街があり、買い物がしやすい
近年、オフィスビルやマンションなどの建設で、さらににぎわいを見せている
大型店舗も地元商店街も地元が一体になったイベントなど、活気がある
病院や保育・行政施設など、駅周辺に生活に役立つ施設が多い
【調査対象物件】賃貸マンション/駅徒歩10分以内、築年数10年以内、賃貸アパート/駅徒歩10分以内、築年数の設定なし(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【データ抽出期間】2020/11~2021/1
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している