もともとは明治期から首都圏で活躍する政財界人・文化人らが滞在・交流する地域として愛され、近年は都心へ通勤圏のベッドタウンとして発展してきた藤沢。江の島や片瀬、鵠沼海岸などがある藤沢市は、湘南地域と呼ばれるエリア一帯の玄関口にして最大の人口を誇る市で、駅周辺には商業施設が集まっています。都心へのアクセスの良さと日本有数のビーチ、複数の大型ショッピングモールがあり、世代を問わず高い評価を得ているこの街を、詳しくみてみましょう。
古くから東海道の宿場町として栄え、交通の要衝であった藤沢。JR東海道本線や湘南新宿ライン、小田急江ノ島線、江ノ島電鉄線の4線が利用可能で、東海道本線を使えば東京駅まで約50分、湘南新宿ラインで新宿駅まで約60分、渋谷まで約47分と、乗り換えせずにアクセスすることができます。江ノ島電鉄を使えば江の島や鎌倉方面へのお出かけにも便利です。
藤沢駅北口駅前には『ルミネ』や百貨店の『さいか屋』が、南口には『ODAKYU湘南GATE』や『フジサワ名店ビル』『湘南藤沢オーパ』などの商業施設が充実しています。また、駅周辺にスーパーやコンビニ、ドラッグストアなどが集積しているため、日常の買い物を通勤帰りに駅徒歩圏で済ませることができます。
さらに周辺には、6つの個性ある商店街が。旧街道沿いに約550mに渡って連なる『南口ファミリー商店街』や、3棟のビル内に約70の店舗が入る『391ビル商店街』など、お出かけの楽しさを広げます。
かつての藤沢は遊行寺の門前町として、江戸時代には東海道の宿場町として栄えてきました。明治時代には特に鵠沼近辺には、小泉八雲、武者小路実篤、志賀直哉、芥川龍之介など、時代を代表する多くの作家が逗留したことで知られる歴史の街でもあります。
市街地中心部は開発から時も経ち、ここ数年は駅周辺の道路やビルの老朽化が心配されていました。そのため藤沢市は、2015年に駅北口の道路を整備し、2019年に駅舎から延びるペデストリアンデッキがリニューアル。『サンパール広場』では、待ち合わせや休憩に便利な空間として生まれ変わっています。
さらに2020年7月には、南口の駅前広場の再整備計画を取りまとめたほか、東西に伸びる地下通路のリニューアルや、南北自由通路の拡幅も予定。バリアフリー化など、時代に沿った機能や景観に改修されることで、より暮らしやすい街へと変わっていくことでしょう。
藤沢といえば、海を連想する人も多いでしょう。藤沢駅から鵠沼海岸までは約3km、車で10分ほどの近さです。藤沢市内には、神奈川県立の『辻堂海浜公園』『湘南海岸公園』などの海浜公園も多くあり、まさに海を身近に感じられる「湘南」を凝縮したような環境。藤沢のビーチから望む海は、富士山を眺めることができる絶好のビュースポットでもあります。そのほか、緑深い谷戸にひろがる新林公園や引地川親水公園など、気軽に自然とふれあうことができる大きい公園があることも、子どものいる家庭には魅力的なポイントです。
海で思う存分サーフィンやSUP(サップ)などのマリンスポーツを楽しんだり、海を眺めながら砂浜でのんびりと穏やかな時間に身をゆだねたり。潮風を浴びながら、親子で海までサイクリングをするなど、湘南エリアならではの生活がイメージできます。
また、観光スポットに恵まれた藤沢の中でも特に人気なのが、日本百景のひとつである江の島でしょう。海岸からぽっかりと浮かぶ島を望む景色はまさに風光明媚そのものです。藤沢駅から江の島エリアまでは約4kmで、小田急江ノ島線を利用すれば片瀬江ノ島駅まで約7分、江ノ島電鉄線なら江ノ島駅まで約10分で到着。毎年10月中旬に行われる『ふじさわ江の島花火大会』は、多くの人が集まり、盛大に行われます。
藤沢近辺では、駅周辺の再整備だけではなく、商業施設や宅地開発なども予定され、新しい街づくりが行われています。まず、前身の江ノ電百貨店時代から藤沢の地で永らく愛されてきた小田急百貨店藤沢店が、大規模リニューアル。2019年に『ODAKYU 湘南 GATE』としてオープンしました。商業施設だけにとどまらず、藤沢市南市民図書館と市民ギャラリーを併設し、市民にとって使い勝手の良い施設として生まれ変わっています。
2020年には駅から徒歩7分のところに総戸数204戸の『グレーシア藤沢鵠沼』が完成。2022年1月には『プラウド湘南藤沢ガーデン』が竣工予定など、新築マンションの建設も相次いでいます。
今後注目したいのは、村岡エリアでしょう。JR東海道線の大船駅と藤沢駅の間にある藤沢市宮前付近に新駅(仮称・村岡新駅)の設置が予定されています。開業は2032年ごろの見通しとなり、新駅周辺の鎌倉市深沢地域には鎌倉市庁舎を移して住宅や商業施設を開発する計画もあります。
駅南口の商業施設や行政関連施設、公園を徒歩圏で利用できる鵠沼石上や川名エリアも高い人気を誇ります。南口に延びるメインストリートには、イトーヨーカドーやオーケーなどの大型スーパー、生活利便施設が充実しており、快適に暮らせそうです。
また、隣駅である辻堂駅でも大きな開発が進み、注目を集めています。2011年には総店舗数約280店、湘南エリア最大級の商業施設である『テラスモール湘南』がオープン。藤沢駅と辻堂駅の中間には、CO2排出や生活用水の抑制や再生エネルギーの利用向上などを掲げる『Fujisawa サスティナブル・スマートタウン(Fujisawa SST)』が開発されてきました。住宅や商業施設だけではなく、福祉・医療関連施設、教育施設なども内包するこの新しい街は、今も段階的に開発が進行中で、最終的な居住人口は3000人規模の街になる見込みです。
それでは、藤沢駅周辺の家賃水準をみていきましょう。駅から徒歩10分以内、築年数10年以内の賃貸マンションの場合、ワンルームで8.08万円、1LDKで11.8万円となっています。湘南随一の繁華街とあって、藤沢駅周辺は近隣の駅と比べるとやや高めですが、ファミリー向けの物件などバリエーションも多く、さまざまな希望に沿った物件選びが可能です。
賃貸アパートで築年数を問わないなら、かなり相場が下がり、ワンルームで5.9万円、1Kで6.55万円、1LDKで9.25万円になります。
ワンルーム | 1K | 1LDK |
---|---|---|
8.08万円 | 8万円 | 11.8万円 |
湘南随一の繁華街を代表する街だけとあって、藤沢駅周辺は近隣の駅と比べるとやや高めですが、ファミリー向けの物件などバリエーションも多く、さまざまな希望に沿った物件選びが可能です。
都心に通いやすく、駅前の百貨店をはじめ南口には複数のスーパーがあるなど、生活利便性が高い藤沢。神奈川を代表する中枢都市でありながら、湘南の海が近いため、平日は都内や横浜に勤務しで、休日はサーフィンや海沿いをサイクリングしたりとオン・オフを切り換えた生活がイメージしやすいのは、この街最大の魅力です。また、藤沢では六会、御所見地区を中心に野菜栽培も盛ん。直売所が多く、採れたての新鮮なものを味わえるのはというメリットもうれしいですねのでは。
これまでの北口を中心とした再整備によって駅前はキレイな印象に。そして藤沢市が力を入れている駅南口の再開発も控えています。その新たな街づくりに期待している人は多いのではないでしょうか。
JR東海道本線や湘南新宿ライン、小田急線、江ノ島電鉄線の4線が利用可能
駅前の百貨店をはじめ、複数のスーパーが選択でき、生活利便性が高い
江の島や鵠沼海外など、幅広い層に人気のビーチ、海浜公園が多くある
駅周辺の整備や商業施設、住宅開発など、住人にとって住みやすい街づくり