尼崎駅は駅前再開発で便利で美しい都会へとイメージ一新

2021年穴場だと思う駅ランキング1位に輝いたJR尼崎駅。大阪へのアクセスの良さと、官民一体の再開発で駅前が整備され、人気が急上昇しています。便利で住みやすいのに不動産価格が大阪都心部に比べて比較的手頃なことが穴場と思う駅1位を獲得した理由です。

JR尼崎駅北口。「あまがさきキューズモール」などの商業施設と連絡通路でつながっています（撮影／川谷信行）

大阪駅まで新快速で１駅５分！抜群の交通アクセスと整備された駅前が魅力

JR尼崎駅は新快速電車で大阪駅まで１駅５分という抜群のアクセスの良さが魅力です。
かつて駅周辺は大企業の工業地帯のイメージが強いエリアでしたが、駅北側の一大再開発事業が行われたことで街が一新。大型商業施設や病院、大学、高層マンション、公園などが整然と並ぶ美しい街に変化しました。
一方、駅から少し離れると昔ながらの街並みが残っています。一戸建てやアパートなどの中に工場も点在。商店街やスーパーもあり、利便性の高さでは市内随一といえそうです。
市内には北から阪急神戸線、JR東海道本線、阪神本線の３路線が東西に走り、他の阪神間と同様に、沿線ごとに街の雰囲気が異なっています。
中でもJR沿線は住宅と商業地が混在するエリア。それだけに生活に利便で、尼崎駅は大阪のベッドタウンとして人気が高まっています。
一方、南部にある阪神尼崎駅でも駅前再開発が進み、駅前エリアを空中回廊で結んだ新空間が誕生しました。JR、阪神両尼崎駅がそれぞれのエリアの中核の役割を果たしています。

尼崎駅の北側エリアには広い道路の両側に大規模マンションが立ち並んでいます（撮影／川谷信行）

駅前の街「あまがさき緑遊新都心」誕生。駅周辺の一体開発も

尼崎市は1996年に、JR尼崎駅北側のキリンビール尼崎工場の移転にともない、その跡地を利用した北西地域整備事業「あまがさき緑遊新都心」を策定。さらに1999年にはJR尼崎駅北市街地再開発事業で「アミング潮江」が誕生しました。「あまがさき緑遊新都心」で建設が進められた駅とデッキで繋がる大型商業施設「COCOEあまがさき」は2009年にオープンし、その後、「あまがさきキューズモール」に名称変更。現在の姿へと変化しました。
また、北西エリアには分譲マンション、病院、有料老人ホーム、大学が建設され、新しい街並みも生まれました。
駅の改修も行われ、2014年には橋上駅舎の増設が完了。駅ナカ施設「セブンイレブン」「３COINS」などの店舗がオープンしています。
また2006年の区画整理で駅周辺の通行もスムーズに。踏切は高架化され、駅の南と北を安全に行き来できるようになりました。

再開発により商業施設や大学、病院、シネマコンプレックスなどが充実。美しく整備されたJR尼崎駅前（撮影／川谷信行）

ショッピングモールから病院、公園、住宅まで生活施設が全て駅前に集積

「あまがさきキューズモール」は駅の「あまがさき緑遊新都心」の中心にたつ大型商業施設です。JR尼崎駅と2階がデッキで直結し、「阪神百貨店」や「平和堂・アルプラザ」「東急ハンズ」などのほか数々の専門店が入り、１階にはフードコート、４階にはレストランや街と映画館をそなえています。
同施設は2021年３月に２度目のリニューアルを終え、14店舗を新規出店。コロナ禍に対応し、「屋外でゆっくり過ごせる場所を」との声にこたえて屋外スペース「緑遊広場」を整備。600m²の人工芝、滑り台やボルダリングなど子ども向け遊具を備えた「キューズパーク」を新設しました。リニューアルにより時代に対応して進化を続けることで、顧客を飽きさせない努力をしています。

駅北東部の再開発エリア「アミング潮江」は1999年に完成。「ハミングしたくなるような街」をイメージしてこの名前がつけられました。ここには住宅のほか商業施設や体育館、駐車場などが整備されています。再開発ビル「アミング潮江イースト」「アミング潮江ウエスト」やタワーマンション「アミング潮江プラスト」などが林立。「アミング潮江プラスト」には市役所のサービスセンターやコンビニ、カフェなどのほかボーリング場「ラウンドワン」が入り、「アミング潮江ウエスト２番館」には「阪急オアシス尼崎潮江店」が入っています。

また、「アミング潮江ウエスト」から「アミング潮江イースト」まで続く「アミング潮江商店街」は、昔ながらの商店街というより、新しいショッピングトリートの印象。それでもお好み焼きやギョウザ、居酒屋などの店舗が並び、30年前まで息づいていた商店街の趣も残しています。

再開発ビルやタワーマンションが立ち並ぶ「アミング潮江」には遊具のある「潮江緑遊公園」が整備されています（撮影／川谷信行）

生活に必要な医療施設も整備されています。JR尼崎駅直結の医療モール「緑遊メディカルタウン」には、尼崎新都心病院のほか、眼科、耳鼻咽喉科、歯科、小児科、メンタルクリニックなど８専門クリニック、調剤薬局や有料老人ホームも入っています。同病院と連携して検診やMRI、CTなどの医療設備が利用可能。通勤帰りやキューズモールの買い物がてら診察してもらえるのも便利です。

尼崎新都心病院の他、専門クリニックなどが入る緑遊メディカルタウン」（撮影／川谷信行）

数々の公園に楽しい遊具を設置し、子育て世帯が住みやすい街に

再開発により、駅周辺には子どもを遊ばせたり散策したりできる公園が随分整備されました。
駅から北西方向へ歩いて８分ほどの潮江エリアにある「潮江緑遊公園」には芝生の広場があり、小川や遊具も設置。地下には飲料水用耐震貯水槽や防火水槽、雨水貯水槽などがあり、防災機能も備える先進的な公園です。

ほかにも船の形の遊具のある「潮江東大寺公園」も整備されています。
駅の南西にある「尼崎記念公園」は、尼崎のスポーツの中心地ともいえる総合運動公園。総合体育館、陸上競技場、野球場、テニスコートなどを備え、各競技の全国大会なども行われます。園内には緑豊かな遊歩道があり、地元の人たちの散策コースに。大型遊具を備えた公園もあるので、子どもを遊ばせるのにぴったり。また駅の南側には「長洲公園」は木製のアスレチックや滑り台、バスケットゴールなどが設置。こういった多くの公園を設置し、子育て世帯が住みやすい街づくりをしたことで、多くの若い世代の流入を果たしました。

剣道場や柔道場を備えた総合体育館のほか陸上競技場など数々のスポーツ施設がある「尼崎記念公園」（撮影／川谷信行）

開発エリアにある「潮江町」エリアが人気。尼崎の相場は？

尼崎の家賃相場は以下の通りとなっています。（2022年1月現在）

尼崎駅周辺の家賃相場情報（マンション）

尼崎駅周辺の家賃相場情報（アパート）

人気は再開発エリアにある「潮江町」エリア。駅と直結した「あまがさきキューズモール」や医療施設、公園などの生活施設が充実して非常に便利です。周辺は道幅が広く区画が整い、街路樹の緑が美しい街です。
神崎川河川敷に近い「西川２丁目」あたりもおすすめです。西川東公園や浜東公園なども公園も点在。マンションの供給もあり、住みやすい街です。

西川2丁目あたりの住宅街には「西川東公園」や浜東公園など公園が点在（撮影／川谷信行）

1996年からスタートした駅前再整備事業も終わり、駅の北側は便利で整然とした街が誕生しました。大阪駅まで新快速でわずか１駅５分のアクセスの良さや、駅周辺の生活施設の充実など、働き盛りの若い世代を中心に人気を集めています。一方、医療施設や有料老人ホームなども充実しているため、将来にわたって住み続けられる点も魅力でしょう。再整備エリアの周辺には昔ながらの下町風情も漂い、新旧の良さが混在している街ともいえます。