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兵庫県の東端に位置し、大阪市に隣接する尼崎市。かつては工場地帯のイメージが強い街でしたが、近年の官民一体の再開発や子育て施策の充実などにより大きくイメージアップ。住みたい街へと人々の見方が変化しています。その結果、2021年の住みたいランキングの行政区では22位に、尼崎駅は穴場な街ランキングで1位を獲得しました。

川を隔てて大阪市と接し、雰囲気も似ている尼崎市ですが、他の阪神間エリアと同様、北から阪急神戸線、JR東海道本線、阪神本線の3本の鉄道が走り、それぞれの沿線によって街の個性が異なります。
阪急神戸線は武庫之荘駅や園田駅などの落ち着いた住宅街が広がるエリア。JR東海道本線は商業地と住宅地、工場などが混在していましたが、JR尼崎駅北側エリアの再開発事業により駅周辺が大きく姿を変えました。
最も南を走る阪神沿線は活気ある商店街が数多く、庶民的な風情が息づいています。
大阪駅へ抜群のアクセスという強みを持っていますが、かつては工業地のイメージが強く、住む街としてそれほど注目されていませんでした。しかし近年、駅前再開発が進み、街並みが美しく整備され、子育て面などに全市挙げて対策を強化したことから、「住みよい街」へとイメージは大きく変化し、人気が急上昇しています。
代表例であるJR尼崎駅北側では、再整備・開発事業で「あまがさき緑遊新都心」が誕生しました。「あまがさき緑遊新都心」で駅とデッキで繋がる大型商業施設「あまがさきキューズモール」などが誕生。分譲マンション、病院、有料老人ホーム、大学も立地し、新しい街並みに一新されました。
駅の改修も行われ、2014年には橋上駅舎の増設が完了。駅ナカ施設「セブンイレブン」「3COINS」などの店舗がオープンしています。
阪神尼崎駅も再開発が行われました。駅周辺が空中回廊で結ばれ、駅前には中央公園が広がっています。駅から空中回廊を渡ると、商業施設「アマゴッタ」を通り、オーケストラやバレエなどが上演される「あましんアルカイックホール」にスムーズに行くことができます。


大阪市に隣接する尼崎市は、都心への交通アクセスの良さが強みです。JR尼崎駅から大阪駅へ新快速電車で1駅5分、阪神尼崎駅から大阪梅田駅へも特急なら8分で到着します。
JR尼崎駅は東海道本線、福知山線、東西線が乗り入れており、大阪・京都方面だけでなく、宝塚・三田方面、京都府南部の木津方面へも直通でつながっています。また、阪神尼崎駅は、近鉄との接続で難波や奈良、伊勢志摩法面につながる阪神なんば線が乗り入れており、公共交通機関を利用すれば、行きたい場所へフットワーク軽く出掛けられます。
空の便も、関西国際空港、大阪空港、神戸空港の関西3空港が1時間圏内で行けるため、旅行や出張に困りません。
市内には「あまがさきキューズモール」「つかしん」「コストコ」など大型商業施設が充実。一方で、活気にあふれる地元商店街も数多く残っています。バラエティーに富んだ買い物施設があり、手頃な価格で賢く買い物できるのも尼崎市に住む魅力のひとつです。
JR尼崎駅前の「あまがさきキューズモール」は2013年にキリンビール尼崎工場跡地の再開発で誕生しました。専門店のほか「阪神百貨店」やスーパーマーケット「アル・プラザ」、映画館「MOBIXあまがさき」、フィットネスクラブ「セントラルスポーツ」などが入っています。駅とデッキで直結しており、通勤帰りの買い物に便利な上、休日のファミリーでのお出かけにもぴったりです。
「つかしん」は市の北部・塚口にあるショッピングモール。甲子園球場のグランドの約5倍という広大な敷地には、ドイツ・アウグスブルグ市の街並みを再現した建物が立ち並び、せせらぎが流れ、まるでヨーロッパの小さな街のような雰囲気が漂っているのが特長です。

一方、阪神尼崎駅から阪神出屋敷駅の間の「中央商店街」「三和本通商店街」や、阪神杭瀬駅前の「杭瀬市場」など昭和レトロ感あふれる商店街や市場が健在です。阪急塚口駅の「塚口笑店街」では、「ひるのみ」イベントなど、店主らのアイデアで商店街を盛り上げています。

2016年に市制100周年を迎えた尼崎市。古くから日本有数の産業集積地として繁栄してきました。経済と環境の両立を目指し、公害対策や水質浄化などに取り組んだ結果、2013年には国の「環境モデル都市」に選ばれました。
また、若い世代の流入が増加している尼崎市は、子ども向けの施策にも力を入れています。市内在住の11歳(小5)と14歳(中2)を対象に無料の生活習慣予防検診「あまっこ健診」を実施。大人になって生活習慣病などになるリスクを下げるため、子どものうちから健康に関心を持ち、食生活の偏りなどを改善するのが目的です。尿検査や採血、医師診察など検診の所要時間は約30分。結果が記された「尼っこ健康ファイル」を見ながら、保健師が子どもに直接、食生活や運動などをアドバイスします。
開発が進む一方で、気取らず庶民的な“地元”が残っているのが尼崎市の魅力です。
そんな気質を反映し、行政や市民が中心となって街づくりや仲間作りを行っています。新しい観光スポットである尼崎城を訪れたり、地元ネタ満載のフリーペーパーを作ったりなどの市内活動を市のプロモーションサイト「尼の國」で紹介。大人になっても学べる「みんなの尼崎大学」では、市内の人が連携して「オトナの尼崎学」や「尼崎の農業を掘って食べる日」など多彩なテーマで講義を実施しています。

尼崎市の家賃相場は以下の通りとなっています。(2022年1月現在)
| ワンルーム | 1K | 1LDK | 2LDK | |
|---|---|---|---|---|
| 尼崎駅 | – | 6.65万 | 12.9万 | 11.5万 |
| 塚口駅 | 8万 | 6.9万 | 9.55万 | 12.55万 |
| 武庫之荘駅 | – | 7.3万 | 9.5万 | 11.67万 |
| ワンルーム | 1K | 1LDK | 2DK | 2LDK | |
|---|---|---|---|---|---|
| 尼崎駅 | 6.4万 | 6.05万 | 7.5万 | 5.7万 | 11万 |
| 塚口駅 | 6.9万 | 5.3万 | 8.8万 | 5.8万 | 13.9万 |
| 武庫之荘駅 | 7万 | 4.5万 | 8.33万 | 5.9万 | 7.5万 |
「出屋敷」「杭瀬」「尼崎センタープール前」「大物」など阪神沿線の街は庶民的な雰囲気が漂う街。物価の安さも住みやすさに繋がる要因です。
阪急「武庫之荘」は駅前に「阪急オアシス」やスポーツクラブなどがあり、周辺の「南武庫之荘」「武庫之荘」などは閑静な住宅街が広がっています。スイーツやレストランなどお洒落な店も点在し、「大井戸公園」をはじめ大小の公園も。「西宮北口」駅の隣駅なのも魅力です。
阪急「塚口」駅前の「南塚口町」もおすすめ。駅前商業施設「塚口さんさんタウン」の建て替えが進み、2022年には駅前にマンションと商業施設の複合ビル「プラウド阪急塚口駅前」が誕生する予定もあり、利便性が上がりそうです。

大阪への交通アクセスが抜群な上、大型商業施設の充実などで、便利で住みやすい街のイメージが定着しています。
JR尼崎や阪神尼崎など駅前再開発で美しい街並みが整備される一方、昔ながらの気取りのない楽しい気質も健在なのが尼崎市の魅力。子育て支援など行政施策が進み、これからもファミリー世帯を中心に幅広い層の流入に期待できそうです。
大阪市の隣に位置し、都心へのアクセスが抜群に良い
JR尼崎、阪神尼崎などの駅前再開発が進み、街並みが美しく便利に整備
市内に大型商業施設や商店街など多彩な商業施設が充実
【調査対象物件】賃貸マンション/駅徒歩10分以内、築年数10年以内、賃貸アパート/駅徒歩10分以内、築年数の設定なし(掲載物件が11件以上ある駅に限る)
【データ抽出期間】2021/7~2021/9
【家賃の算出方法】上記期間でSUUMOに掲載された賃貸物件(アパート/マンション)の管理費を含む月額賃料から中央値を算出
※駅名および沿線名は、SUUMO物件検索サイトで使用する名称を記載している