「マンションVS一戸建て 選んだ理由ランキング」それぞれのメリットデメリット比較

公開日 2017年08月01日
マンションVS一戸建て選んだ理由ランキング

住まいをマンションにするか、一戸建てにするかで迷う人は多い。今回は、マンションまたは一戸建てを買った先輩100人を調査。家を選んだ理由や、実際の住み心地をナマ声で紹介する。専門家の解説も参考に比較してみよう!住宅ジャーナリストの大森 広司さんにお話をうかがった。
※ マンションか一戸建てを購入した100人を対象にネットアンケートを実施(編集部調べ)

「マンションVS一戸建て 選んだ理由ランキング」それぞれのメリットデメリットを比較

マンションor一戸建てを選んだ理由トップ10

新築マンション 順位 一戸建て
防犯性(セキュリティ) 1位 住戸の広さ
最寄駅からの距離 2位 間取り
管理 3位 駐車場
生活環境 4位 物件価格
物件価格 5位 最寄駅からの距離
防災性 6位 生活環境
眺望 7位 庭・バルコニー
設備・仕様 8位 通風・採光
通風・採光 9位 音(防音性)
コミュニティ 10位 防災性

マンションは性能や立地一戸建ては広さが上位に

先輩たちがマンションを選んだ理由トップ3は「防犯性」「最寄駅からの距離」「管理」で、住宅の性能や立地による項目が目立つ。一方、一戸建ては「住戸の広さ」「間取り」「駐車場」と、土地・建物の広さにかかわる項目が多い。「自分の価値観に合う住まいを選ぶには、それぞれの長所・短所を理解することが大切」と大森さん。そこでマンションと一戸建てを項目別に徹底比較してみた。

防犯性(セキュリティ)【マンション 1位/一戸建て 圏外】

■マンションの主な防犯対策
多重セキュリティ 自宅の玄関に加え、エントランスやエレベーターホールなど、二重・三重のセキュリティが標準的
宅配ボックス 不在時に届いた荷物を本人に代わって受け取り保管。最近では食品に対応したタイプも登場している
管理人・警備員 管理人は日中の受付や清掃などを行う。夜間は警備員の見回りで24時間体制の有人管理を行う物件もある
敷地内公園 郊外の大規模物件では、部外者が侵入しにくい敷地内に子どもを遊ばせられる中庭や公園があるものも

複数の防犯対策でマンションが有利
一戸建てではホームセキュリティが普及してきているが、マンションは二重、三重のセキュリティチェックが当たり前。昼は管理員、夜は警備員による24時間有人管理も珍しくない。「マンションのセキュリティ費用は管理費で賄われ、一戸当たりの負担は少ないです」(大森さん、以下同)

【マンション】二重オートロックで不審者をシャットアウト。自転車にイタズラされる心配がないのもうれしいです。(40歳)

【一戸建て】ホームセキュリティで防犯強化。ご近所ともよく話し、不審なことがあれば教えてもらっています。(41歳)

住戸の広さ【マンション 圏外/一戸建て 1位】

■一戸建てのほうが20平米以上広い
  マンション 一戸建て
東京23区 65.9平米 97.7平米
都下 71.6平米 96.3平米
神奈川県 70.9平米 100.1平米
埼玉県 70.8平米 99.2平米
千葉県 72.8平米 101.3平米

平均面積90m2以上広さは一戸建てが有利
平均建物面積はマンションが70m2前後に対し、一戸建ては全てのエリアが90m2以上。階段スペース分を差し引いても、広さは一戸建てが有利だ。「共用施設が充実しているマンションでは、来客時にパーティールームやゲストルームが使え、住戸の広さを補える場合もあります」

※2016年3月~2017年3月に販売された物件データの平均値/不動産経済研究所調べ

【マンション】マンションの中に共用施設が豊富。子どもたちはキッズルームや中庭で思い切り遊べて楽しそうです。(31歳)

【一戸建て】広さ110m2で家族4人ゆったり。子どもに個室を与え、夫婦の寝室や客間も持てる4LDKに大満足です。(31歳)

最寄駅からの距離【マンション 2位/一戸建て 5位】

イラスト

駅近ならマンション、閑静な環境は一戸建て
マンションはほとんどの物件が駅から徒歩圏で、7割が9分以内という近さ。一戸建てはバス便が約3割を占め、駅徒歩15分以上も珍しくない。「一戸建ての場合、駅から徒歩10分は近いほう。駅からの距離を重視するなら、マンションのほうが選択肢は豊富です」

※首都圏で2016年3月~2017年3月に販売された物件データから/不動産経済研究所調べ

【マンション】
最寄駅へ徒歩1分。
隣駅は駅前がにぎやかで買い物も便利。将来、車を手放しても快適に暮らせそうです。(40歳)
大規模複合施設が目の前。施設内のスーパーからカートごと自宅に荷物を運び入れることもできて便利。(40歳)

【一戸建て】
駅からのバスの本数が多い。
駅近ではないですがバス停はすぐ目の前。スーパーも徒歩2分にあります。(34歳)
子育てにいい自然豊かな環境。近くに公園や児童センターも。バス便ですが車通勤なので不便はないです。(34歳)

物件価格【マンション 5位/一戸建て 3位】

■平均値ではマンションのほうが安め
  マンション 一戸建て
東京23区 6780万円 7916万円
都下 4925万円 5177万円
神奈川県 5024万円 5288万円
埼玉県 4243万円 3973万円
千葉県 4082万円 3903万円

マンションは手ごろな傾向一戸建ては価格に幅あり
上のとおり、広さは20m2以上差があるが、千葉県、埼玉県を除き一戸建てのほうが平均価格は高め。「千葉県、埼玉県の場合マンションは一戸建てと比べて駅近など利便性の高い立地が多く価格は高めの傾向です」。一戸建ては分譲規模、建物性能により価格に幅があるのが特徴だ。

※2016年3月~2017年2月に販売された物件データの平均値/不動産経済研究所調べ(各エリアの広さは上記参照)

【マンション】駅近の一戸建ては予算オーバー。検討の末、3500万円の予算内でルーフバルコニー付きに決めました。(30歳)

【一戸建て】希望エリアは一戸建てのほうが割安。予算を少しアップし、2500万円で納得の家が買えました。(37歳)

間取り【マンション 圏外/一戸建て 2位】

マンションと一戸建ての間取りの動線の違い

プライバシーは一戸建て、家事動線はマンションが◎
マンションは3LDKが中心。「LDKが広く、家事動線がスムーズな間取りが多い。ワンフロアで家族の気配を感じやすいのも特徴です」。一戸建ては4LDKが中心。「例えば、下階はLDK、上階は個室などフロアを分けられ、家族間のプライバシーを確保しやすいです」

【マンション】動線がスムーズで家事が時短。キッチンと洗面室が近く、洗濯物を干すときの階段の上り下りがなくラクです。(39歳)

【一戸建て】上下階で生活にメリハリあり。1階がリビング、2階が寝室と、子どもの思春期も親子の距離が適度に保てそうです。(31歳)

管理・コミュニティ【マンション 3位・10位/一戸建て 圏外】

マンション管理は有料、一戸建ては自己管理

マンションは有料で委託一戸建ては自分で管理
一戸建ては、ゴミ集積所の清掃を町内会でもち回りするのが一般的。マンションは管理費を支払い、共用部の掃除は管理会社任せ。24時間ゴミ出しできる物件も多い。「マンションでは共用施設を使ったサークル活動など、コミュニティづくりに力を入れる物件も増えています」

【マンション】
共用施設が充実、イベントも豊富。
入居タイミングが同じなので、親子ともに友達がたくさんできました。(32歳)
24時間いつでもゴミ出しOK。管理費の負担がある分、共用部分の掃除が行き届いていて快適です。(32歳)

【一戸建て】
町内会の付き合いはほどほど。
同時期に入居した人は同じ年代が多く、話も合うので気がラクです。(41歳)
管理費などの負担がなくて◎ゴミ当番は面倒ですが、64戸の分譲地は街並みがきれいで愛着がもてます。(33歳)

防災性【マンション 6位/一戸建て 10位】

■主な地震対策用語
耐震構造 柱や梁などの構造躯体を頑丈につくり、地震の揺れに耐える。一般的な新築住宅はほとんどこの構造を採用
免震構造 地盤と基盤の間にゴム製などの免震装置を入れ、地震のエネルギーをカット。揺れが少なく、地震を感じないことも
制振構造 建物の中に組み込んだダンパーなどの装置が、地震の揺れを素早く制御。揺れが早く収束し建物が傷みにくい
耐震等級 住宅性能表示制度の耐震性を示すもの。任意の制度だが、すべての新築住宅は耐震等級1以上をクリアしている

備蓄倉庫や防災訓練などマンションが一歩リード
マンションも一戸建ても、新築は震度6強~7程度では倒壊しない強度の「耐震等級1」以上。加えてマンションでは免震構造や制振構造を採用する物件もあり、備蓄倉庫や自家発電装置の導入なども進む。「一戸建ては、より頑丈な耐震等級3を採用するケースもあります」

【マンション】免震構造で安心感があります。大きな地震がきたときも、17階の自宅は家具も食器棚も倒れず無事でした。(34歳)

【一戸建て】耐震性を強化した家を選びました。町内会の集まりが頻繁にあり、災害時への取り組みも心強いです。(42歳)

駐車場【マンション 圏外/一戸建て 3位】

首都圏のマンション駐車場料金

マンションは機械式が多い一戸建ては2台分駐車も可
一戸建ては家のすぐ前に車が停められ、重い荷物の出し入れもラク。「郊外のエリアなら2台分のスペースを確保できることも。マンションは規模が大きいほど駐車場が住戸から離れ、機械式で出入庫に時間がかかる場合もあります」。マンションの駐車場料金は1万円台が最多だ。

※首都圏新築マンション契約者動向調査(契約時期2016年1月~12月)駐車場利用者2271人のデータ/リクルート住まいカンパニー調

【マンション】機械式の地下は車が汚れません。料金は月額6500円と手ごろ。防犯カメラがついていて、安心感があります。(30歳)

【一戸建て】2台分の駐車スペースを確保。友人が車で遊びに来ても、駐車場に気を使わずに済みます。(40歳)

設備・仕様【マンション 8位/一戸建て 圏外】

■マンションの主な人気設備
ディスポーザー 生ゴミを瞬時に粉砕しシンクに流せる。ゴミ捨ての手間が省ける
食器洗浄乾燥機 家事の手間と時間を大幅カット。節水・節電などの機能が向上中
浴室換気乾燥機 浴室の換気や暖房ができる。雨の日の洗濯物の乾燥にも便利
複層ガラス 2枚のガラスを重ね断熱性を高めた窓。外気の影響を受けにくい
床暖房 空気を汚さず足元から温まる。リビングに標準仕様が多い

住戸内の設備は大差なし断熱性はマンション有利
多くの人気設備は標準仕様でなくても有料オプションでつけることができ、両者にほとんど差はない。ただ、マンションはスケールメリットが働いて、最新設備が導入しやすい。「複層ガラスは一戸建てにも広く普及していますが、構造上、気密性・断熱性が高いのはマンションです」

【マンション】ディスポーザーでキッチンが常に清潔。生ゴミが減り、嫌なにおいもなし。家事に便利な設備が充実しています。(33歳)

【一戸建て】床暖房や浴室乾燥機が便利。。寒い日や雨の日に重宝します。建築前に壁紙や外壁の色が自由に選べたのも◎。(32歳)

通風・採光【マンション 9位/一戸建て 8位】

風通しは一戸建て有利採光は住戸差あり
窓が多い一戸建ては風が通りやすい。「ただ、隣家や道路が近いと、カーテンを開けられないことも。マンションは窓の数が限られますが、上階は前が抜けて明るく、南向き以外でも採光が取りやすいです」。また、窓からの眺望は中高層階を選べるマンションのメリット。

【マンション】
冬は暖房費がほとんどかかりません。
東向きですが窓が大きくて明るく、気密性が高いので日中は暖かいです。(49歳)
前が低層住宅で見晴らしは良好。各地の花火大会が家に居ながら眺められ、贅沢な気分です。(29歳)

【一戸建て】
光と風を感じられる一戸建てに満足。
窓から自然光がたっぷり入り、風もよく通るので換気がしやすいです。(35歳)
吹抜けと天窓で家中が明るく快適。夏場の日中はほとんど照明をつけずに過ごせます。(34歳)

音(防音性)【マンション 圏外/一戸建て 9位】

マンションは壁と床の厚みで音を防止

マンションは上下階一戸建ては外の音に注意
一戸建ては開口部が多いため外部から音が入ってきやすいが、子どもが走り回っても下階に迷惑をかける心配がない。「マンションは上下階に音が響くのではと気になりますが、最近はコンクリートスラブやフローリングの遮音性能がアップし、防音性が高まっています」

【マンション】
両隣の音はほとんど気にならない。
防音性が高く、窓を閉めると外の音はほぼ聞こえません。(31歳)

【一戸建て】
夜中や早朝に洗濯をしても大丈夫。
子どもが走り回ってもOK。近所を気にせずのびのび過ごせます。(31歳)

庭・バルコニー【マンション 圏外/一戸建て 6位】

庭のように楽しめる広めバルコニーが増加中
一戸建ては土地が広ければ自分の庭が持て、家庭菜園などができる。マンションでは1階に専用庭が付いている場合も。「バルコニーは奥行き2m程度の広いタイプが増え、ガーデニングなど趣味も楽しめるように。敷地内に中庭など憩いの空間があるマンションも少なくありません」

【マンション】
10畳近いルーフバルコニーは開放感抜群。
洗濯物もよく乾き、天気が急変しても雨が当たらないから安心。(40歳)

【一戸建て】
広い庭で家庭菜園の夢を実現。
子どもたちもプール遊びや虫捕りなど庭をたっぷり楽しんでいます。(31 歳)

マンションと一戸建てについてもっと詳しく
[マンションVS一戸建て]徹底比較!選んで正解なのはどっち?

まとめ

マンションを選んだ理由は「防犯性」「最寄駅からの距離」「管理」と、住宅の性能や立地による項目が目立つ

一戸建てを選んだ理由は「住戸の広さ」「間取り」「駐車場」と、土地・建物の広さにかかわる項目が多い

自分の価値観に合う住まいを選ぶには、それぞれの長所・短所を理解することが大切

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