温泉付きマンションの暮らし。メリット・デメリットを知っておこう。賃貸から試してみる方法も

最終更新日 2026年02月02日
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温泉付きマンションの暮らし。メリット・デメリットを知っておこう。賃貸から試してみる方法も

自宅のマンションに温泉が付いていると、毎日が旅行気分になり至福の時間を味わえます。近年はリモートワークの普及もあり、都心を離れて温泉付きマンションで暮らしたいと考える人も多いでしょう。

そこで、本記事では旅行ジャーナリストの小野寺淳子さんの解説をもとに、温泉付きマンションのタイプやメリット・デメリット、物件の探し方をご紹介します。

温泉付きマンションの暮らし

温泉は全国各地に無数にあり、マンションに温泉が付いている物件もあります。温泉付きマンションの住民になれば、公共の施設に足を運ぶことなく手軽に温泉を満喫できるでしょう。

ここでは、温泉付きマンションの概要や種類、必要となる温泉権について解説します。

温泉付きマンションとは?

温泉付きマンションとは、自宅で沸かす風呂のお湯が温泉になっていたり、温泉の大浴場が付いていたりする物件です。自宅で毎日、温泉を利用できるのが魅力です。

特殊な設備を必要とするため数は多くありませんが、日本各地に点在しており、名湯と呼ばれる有名な温泉地にも温泉付きマンションはあります。

温泉のあるリゾートホテルだった物件やタワーマンションに温泉を引いている物件など、種類もさまざまです。なかには、海や緑の美しい風景を楽しみながら温泉につかれるマンションもあるので、自宅で極上のひとときを過ごせることもあるでしょう。

しかし、設備の維持管理や温泉権の契約などが必要になるので、物件を購入する際には確認しておいてください。

温泉付きマンションの2つのタイプ

マンション内に温泉があり、住民が利用できる場合「温泉付きマンション」と呼ばれます。そのタイプは、以下の2つに分けられます。

  • 住戸内タイプ:自分や家族だけで使える専用の温泉
  • 大浴場タイプ:ほかの住民と共用する温泉

ここでは、2種類の温泉付きマンションが持つ特徴を説明します。

住戸内タイプ(専用温泉タイプ、室内タイプ、住戸ごとタイプ)

住戸内にその部屋の住人専用の温泉が引かれているタイプの温泉です。

住戸内にあるのは、自分だけ、家族だけのMy温泉。気兼ねなく自分のスタイルで入浴できるのが魅力です。

「その温泉が自分の肌に合えば、天然の化粧水に毎日全身でつかるようなもの。それに、たいていの温泉浴場では自分好みの湯加減にするというのは難しいですが、自分のお風呂なら自由ですよね。自分だけが使える住宅内給湯の温泉ならストレッチなども自由にできます。私のおすすめは38度程度のぬるめの温度に調整して、1日1回、凝った肩を回したり、脚をもみほぐしたりと、気になる部分のストレッチやマッサージをしながら気楽につかる時間をつくることです。熟睡を誘うには、自分が感じるぬるめの温度で、眠る2時間前の入浴がベスト。湯浴み(ゆあみ)の火照りが自然におさまったあたりで、自然に眠くなります。そんな風に『My温泉』を、美容と健康のベースづくりに活用できたら最高ですよね」

住戸内タイプの温泉は、掃除などのメンテナンスを自分でしなければならない面倒はありますが、それは一般的な家庭のお風呂でも同じこと。自由に温泉を利用できるメリットは、メンテナンスの手間を上回るでしょう。

大浴場タイプ(共同浴場タイプ)

また、多くはありませんが、住戸内の浴室と共用施設の大浴場の両方に温泉が引かれているマンションもあります。

大浴場タイプは、マンションによっては清掃や点検、メンテナンスのために定期的にクローズしたり、一日のうちに入浴できる時間帯が決められていたりします。とはいえ、同じ建物内に温泉があって、気軽に入りに行けるのは大きなメリットです。

「大きな湯船で手足を伸ばせるのが大浴場のよさ。温かな湯の中で、普段の生活ではなかなかしない思いっきり自由に体を伸ばすことが自然にできる。これはとても贅沢なことですよね。心理的にも開放感があります。そして、住人同士のゆるやかなコミュニケーションが生まれやすいこともマンション内の大浴場ならではのよさです」

同じマンションの住人ですから、挨拶もしやすいでしょう。また、顔見知りが多くなることで、万が一災害などが起きたときには安否確認をスムーズにできるなどの安心感もあります。

温泉付きマンションの大浴場で住人同士の交流が生まれるイメージ
(イラスト/つぼいひろき)

温泉権とは

マンションに天然温泉が付いていると、温泉権の契約や購入が必要です。

温泉権とは、湧き出てきたりくみ出したりした天然温泉に対する権利のことで、土地や建物の所有とは別に契約します。

また、温泉権にも以下のように種類があります。

  • 湯口権:温泉が地上へ湧き出す湯口で、温泉をくみ上げる権利
  • 引湯権:湯口から温泉を引き込む権利
  • 分湯権:引湯権者から温泉を分けてもらう権利

温泉付きマンションの場合、引湯権や分湯権の費用が含まれた金額で販売されていることが多いです。しかし、物件によっては毎月の温泉の使用料として支払うケースもあるので、よく確認してみてください。

また、温泉権は地域の慣習によって対応が異なる可能性もあるため注意しましょう。

温泉が体や心にいいのはなぜ?

旅先の温泉旅館や、近場の日帰り温泉でゆっくり温泉につかると、心も体もリフレッシュできます。「毎日温泉につかれたらいいのに」と、温泉好きなら温泉旅行のたびに思うでしょう。普通のお湯に入浴剤を入れてあたたまるだけでも癒やされるのに、なぜ人は温泉に惹かれるのでしょうか。そもそも温泉って何がいいのでしょうか?

「温泉がなぜ体にいいのか、その仕組みは少し複雑です。温泉に入浴すると、温熱や水圧といった物理作用、お湯に含まれる成分による薬理作用が体に働きます。温泉に滞在する間に、何度も入浴を繰り返すと、それが反復的な刺激になります。また、自然豊かな温泉地なら、リフレッシュ効果はより高まります。海辺や高原の散策などで体を動かすこと、仕事や家事などから離れて休息できること、早寝早起きになりぐっすり眠れること、その土地の美味しい食を楽しむことなど、非日常的なさまざまなことに体が反応し、健康的な機能が高まるきっかけになるのです」(小野寺さん、以下同)

温泉のメリットが自宅で毎日楽しめる温泉付きマンションについて詳しく見ていきましょう。

温泉のイメージ
日常を離れてリフレッシュ。温泉旅行や日帰り温泉にはさまざまな魅力がある(画像/PIXTA)

温泉付きマンションで暮らすメリット

温泉の付いているマンションに住むと、心も体も豊かに暮らせるイメージがあります。

ここでは、温泉付きマンションの持つ具体的なメリットを2つ紹介するので、物件探しの際にぜひ役立ててください。

いつでも温泉に入れる

温泉付きマンションの大きなメリットは、いつでも手軽に温泉に入れることです。温泉宿や温浴施設は現地まで出向く必要があり、一般的には営業時間も限られています。場所によっては、再入場ができないことも珍しくありません。

しかし、温泉のあるマンションに住んでいれば、何度でも入浴できます。大浴場タイプの温泉が付いているマンションの場合、利用時間やルールなどの決まりがあるかもしれませんが、自宅と同じ建物なのでスケジュールも合わせやすいでしょう。

毎日のように温泉でリラックスでき、湯冷めもしにくく、体の芯から温まった状態で自宅でくつろげるのも魅力です。

水道代・ガス代の節約になる

マンションに温泉が付いていると、水道代やガス代など光熱費の節約にもつながります。通常の風呂では、お湯を使う際にガスや電気で温めますが、温泉は常に高温になっているので温める必要はありません。

お湯が冷めた場合も、追い焚きせずにお湯を入れ替えるだけで済みます。また、温泉は水道水ではないため、水道代もかかりません。

ただし、多くの温泉付きマンションでは、温泉使用量や温泉管理費がかかります。これらの費用が通常の光熱水費より安ければ、経済的なメリットとなります。

温泉代と光熱費の節約額を比較して、どちらがお得かを判断しましょう。

温泉付きマンションのデメリット

マンションに温泉が付いていると、メリットだけでなく人によってはデメリットとなる部分もあります。温泉付きマンションのデメリットを2つ紹介するので、暮らし始める前にぜひ確認しておいてください。

メンテナンス費用がかかる

マンションに温泉が付いていると、特殊な設備を運用するためメンテナンス費用がかかります。

温泉は、地下からくみ上げたり、引き分けてもらったりするポンプが必要です。また、通常の水道水とは成分が異なるので、配水管や浴槽、蛇口に適した材質を採用します。さらに、それらの設備は、メンテナンスや更新の頻度も多い傾向にあります。

万が一、温泉の成分が給排水設備の途中で固まって詰まってしまうと、温泉が利用できなくなってしまうこともあるでしょう。その際、風呂に入れないことがあると、銭湯など外部の温浴施設を利用することになり不便です。

温泉付きマンションは、特殊な設備やメンテナンスのために費用がかさむ可能性があり、デメリットとなるでしょう。

温泉が枯渇する可能性も

マンションに付いている温泉も、まれに枯渇してしまうケースがあります。天然温泉は自然界から供給されるものなので、湯の量や温度を人の都合でコントロールできません。

そのため、地質の変化やくみ上げすぎにより、利用できる湯量が減ったり湯温が下がったり水質が変わったりすることがあります。ただし、多くのマンションでは管理組合が温泉権を保有し、枯渇を防ぐために適切な湯量管理を行っています。そのため、急に温泉が使えなくなるケースはあまり多くありません。

とはいえ、もし温泉が利用できなくなった場合は、一般的なお風呂のみのマンションになる点は理解しておきましょう。購入前に、管理体制や温泉の状況について確認しておくと安心です。

購入できる温泉付きマンションの探し方

珍しい温泉付きマンションをどのように探したらよいのかわからない人もいるでしょう。

ここでは、温泉付きマンションを購入する際に、物件を探す方法を紹介します。

新築よりも中古マンションを探すと選択肢が多くなる

温泉付きマンションは、どうやって探せばいいのでしょう。購入するのであれば、今は新築よりも中古の方が物件数が豊富。SUUMOを使って、希望のエリアの中古マンションから探してみましょう。SUUMOには、WEB版とアプリ版がありますが、より詳細な検索ができるWEB版(パソコン)での検索がおすすめです。

SUUMOではエリア別、特徴別に検索をすることで、自分の希望に近い物件を絞り込むことができます。ただ、残念なことに、選択できる特徴の中に「ペット相談可」「浴室乾燥機あり」などのキーワードはあっても、「温泉付き」という項目はありません。そこで、下の図の手順で検索してみましょう。

各住戸に天然温泉が付いたペット可マンションや、大浴場があるマンションを見つけることができます。(なお、天然温泉の施設が徒歩圏内にある、といった物件もヒットするため、各物件の詳細をチェックするのがおすすめ)

SUUMOで温泉付き中古マンションはどう探す?

実際に、SUUMOで関東の温泉付きマンションを探してみます。

▼「住宅・不動産情報探し」で「買う」の中古マンションをクリック
SUUMOで温泉付き中古マンションを探す方法2
▼「エリアから探す」の下にある「キーワードから探す」の欄に「天然温泉」「温泉付き」などの言葉を入れて検索
SUUMOで温泉付き中古マンションを探す方法3

全国各地にさまざまな温泉付きマンションがある

一般的な分譲マンションやリゾートマンションに比べると、温泉設備が付いているマンションの物件数は多くはありません。しかし、温泉付きのリゾートマンションや、リゾートホテルを天然温泉付きマンションや高齢者施設に転用した物件、都心型の天然温泉付きマンションなど、さまざまなタイプの物件が全国に点在しています。

日本には全国各地に温泉がありますから、神奈川県なら箱根や湯河原、小田原、静岡県なら熱海、千葉県なら勝浦、新潟県なら越後湯沢など、有名どころのリゾート地、温泉地の物件を調べてみましょう。

例えば、2023年1月現在では、下のような温泉付きマンションが売り出されています。

日本有数の温泉リゾート、熱海にある温泉付きマンション
リゾート地にある温泉付きマンションは、温泉だけでなくリゾートならではの楽しみも。住戸からは、1年を通して熱海の花火大会が眺められます。

温泉付きマンション「ザ・クレストタワー熱海」の外観の画像
JR熱海駅から徒歩2分の温泉付きマンション「ザ・クレストタワー熱海」は2017年竣工。地上30階建、総戸数335戸の大規模マンション(画像提供/ゴールドクレスト)
温泉付きマンション「ザ・クレストタワー熱海」の天然温泉の大浴場の画像
マンション内には、かけ流しの天然温泉が楽しめる大浴場。岩風呂を思わせる寝湯もあり、ゆったりとくつろげる。ほかにも美しい坪庭が眺められる中浴場や、気兼ねなく入浴できる家族風呂も(画像提供/ゴールドクレスト)

そのほか、今は中古市場に出ていなくても、いずれ売り出しがあるかもしれません。地元の不動産仲介会社にコンタクトを取って、希望条件などを伝えておくのもおすすめです。

この物件についてもっと詳しく→
ザ・クレストタワー熱海の賃貸物件・中古物件情報

温泉付きマンション、購入する場合の注意点は?

マンションに温泉が付いている物件は魅力的に感じられますが、気を付けることもあるのでしょうか。

ここでは、温泉付きマンションの注意点を2つ紹介するので、購入を決断する前に確認しておいてください。

管理組合が温泉のメンテナンスに積極的かをチェック

温泉にはさまざまな成分が含まれています。この成分は、環境によっては硬化し、配管の中を詰まらせてしまいます。どれくらいの期間で配管が詰まってしまうのかは、温泉の成分の濃度などによって異なります。

「成分がとても濃い温泉地の旅館では、3年に1度は配管を全て交換しているところもあります。交換しやすいように配管は建物の壁内ではなく、外に設置しているケースも多いのです。また、温泉付きの別荘で、配管が徐々に詰まり、温泉水が通る直径が小さくなったために、お湯をためるのに時間がかかる、たまった頃には冷めてしまっている、という例もありました。
温泉付きマンションでも配管のメンテナンスはとても重要。大浴場タイプなら配管の距離が短く交換や配管洗浄がしやすい地下や1階にある物件、住戸内タイプなら成分の濃度が薄い物件が、配管トラブルの面ではリスクが少ないかもしれません」

購入前に、温泉設備に関して、どのようなメンテナンスを行っているのか、管理組合や管理会社に確認することが大切です。

管理費や修繕積立金は高め?

マンションは共用設備が充実するほど、管理費や修繕積立金が割高になります。温泉付きマンションはどうでしょう? 現在売り出されている中古の温泉付きマンションの管理費、修繕積立金の一例を、築年数の近い中古マンションの平均の管理費、修繕積立金と比べてみました。結果は物件によってケースバイケース。全国の築年数や広さが同等の物件よりも高い場合もあれば低い場合もあります。

本来、温泉付きマンションは、メンテナンスに手間や費用がかかるもの。管理費や修繕積立金が一般的なマンションと変わらない、安い場合には、これまでの修繕履歴や今後の大規模修繕計画をどのように予定しているか、不動産仲介会社を通して確認することが必要。また、逆に管理費や修繕積立金が高額な場合は、共用設備やサービスなどがどのような内容になっているかを確認し、自分にとって必要かどうかを考えることが大切です。

温泉付きマンションの管理費、修繕積立金の金額(例)
温泉付きマンションの管理費、修繕積立金の金額の例と全国平均
※物件A~Cは2025年9月13日現在、SUUMOに掲載されているもの。管理費や修繕積立金の金額は物件や専有面積によって異なりますが温泉設備を持つマンションは、一般的に維持管理費が高くなる傾向にありますので表内の数字はあくまでも参考としてください ※全国平均は国土交通省の「令和5年度マンション総合調査結果」より(表作成/SUUMO編集部)
温泉付きマンションで暮らすファミリーのイメージイラスト
(イラスト/つぼいひろき)

温泉付きマンション生活は自分に合う?賃貸でお試ししてみるのもおすすめ

マンションに温泉が付いている物件は、購入する前に賃貸物件で試してみてはいかがでしょうか。自宅に温泉があるライフスタイルが自分や家族に適しているかわからないと、購入するのをためらってしまう人もいるでしょう。

ここでは、ウィークリーやサブスクで温泉付きマンション暮らしをする方法を紹介します。

ウィークリーマンションやサブスクを利用するのも選択の一つ

温泉付きマンションに魅力を感じても、いざ住んでみたら温泉に毎日入るのは最初だけ、普段はシャワーで済ませてしまうという人も。まずは、自分が温泉付きマンション生活を活用しきれるか、賃貸で試してみるのもいいでしょう。

シングルだったら温泉付きウィークリーマンションを借りるほか、最近注目の天然温泉付きホテルのサブスクを利用するのもよし。ファミリーだったら、分譲賃貸で温泉付きマンションを探してみるのもおすすめです。

まとめ

温泉付きマンションは気軽に温泉に入れることが最大のメリット

温泉付きマンションには光熱費が安いメリットもある

温泉付きマンションの温泉は共用の大浴場、または住戸内にある専用温泉の2種類

管理費や修繕積立金のほか、温泉使用料がかかる物件も

購入するなら、温泉設備のメンテナンスをきちんと行っているかを確認

賃貸の温泉付きマンションで、ライフスタイルが自分に合っているか試してみるのもいい

SUUMOコンテンツスタッフ

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文/SUUMO編集部 イラスト/つぼいひろき
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