マンションの2階の住み心地は?後悔しない住戸の選び方を解説

最終更新日 2024年08月09日
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マンションの2階の住み心地は?後悔しない住戸の選び方を解説

マンションの2階住戸にはどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。2階の高さなら防犯面や虫のことなどで、後悔することはないのでしょうか。この記事では自分にとって最強の住み心地の住戸を選べるよう、住まい探しに役立つさまざまな情報を紹介します。不動産仲介の経験も豊富な不動産エージェントの山本直彌さんに話を聞きました。

マンションの2階の高さは何メートル?3階とはどう違う?

マンションの2階の床は地上から何メートルくらい?

マンションの2階の住戸は、地上から何メートルくらいの高さのところに位置しているのでしょうか。

マンションの1フロア当たりの高さは平均3m。ですから、2階の住戸の場合は、地上から約3mのところに床が位置することになります。3階住戸の床が高さ6mのところにあり、その下にコンクリート部分の厚さがあるため、2階の天井は地上から5.5m~5.8mとなります。

ただし、マンションによってフロアの床の高さは異なります。

「分譲マンションで多いのが、1階のエントランスから中へ入るとホールの部分が高さ4~5m程度の吹き抜けになっているケース。その場合、フロアの高さは物件によって違ってきます」(山本さん、以下同)

マンションによっては、1階は共用部分になっておりエントランスの上を1階住戸と表記する場合もありますし、住戸は2階から始まる設定にしているところもあります。実際の高さはケースバイケースです。

1階部分のエントランスの天井が高いマンションと、一般的なマンションでは、2階の位置が違うことがわかるイラスト
マンションの2階が地上何メートルの高さなのかは物件次第(イラスト/藤井昌子)

2階の窓から電線が見える?

マンションの窓からの眺望は気になるもの。できれば避けたいと思うのが電線でしょう。

電線は地面から10m程度の高さにあります。2階の住戸は天井が地上から5.5m~5.8mですから、電線は窓よりも上を通ることになりますが、エントランスの天井高によって2階が高い位置にあるマンションの場合、窓と電線の距離によっては気になるケースもあるでしょう。

「電線が窓の外に通っていないマンションもあります。窓の外に電線があっても、敷地が広く距離が離れている場合や、奥行きのあるバルコニーの前の電線であれば気にならないことも多いでしょう。物件探しの際には、完成済みマンションや中古マンションなら現地で電線の位置やバルコニーの奥行きなどを確認することが大切。未完成のマンションの場合は、バルコニーのある部屋はどれか、窓のすぐそばに電線が配置されていないかを現地やモデルルームで確認しましょう」

マンションの2階の暮らしやすさは最強?メリットを解説

マンションの2階の購入や賃貸での利用を検討しているなら、2階で暮らすメリットや注意ポイントを知っておきたいもの。まずは、2階の暮らしやすさにつながるメリットを紹介します。なお、マンションの規模や立地などによっては、ここで紹介するメリットが当てはまらないこともあります。

高層階よりも価格が安い

マンションは低層階よりも中層階、特に高層階が人気です。その人気は価格に反映されます。
「新築分譲マンションのケースでは、『1フロア上がるごとに一定額で価格が上がる』という設定も見られます。例えば1フロア上がることに50万円価格が上がる場合、2階と5階を比較すると50万円×3で2階の方が150万円安く、2階と10階では400万円安くなるイメージです。これはあくまでも目安ですが、同じマンションの同じ広さの住戸でも、下の階ほど安く買えるということです」

なお、1フロアごとの価格差は物件のグレードやエリア、立地条件などによって幅があり、なかには100万円以上の差がある場合もあります。

賃貸の場合は、分譲マンションに比べると差はあまりないそう。
「タワーマンションの高層階と2階くらい高さに違いがあれば賃料に差は出ますが、中層低層階と2階では差はそれほど開かない傾向にあります」

安く買えて、共用施設やサービスが使えてコスパがいい

高層階に比べて価格が安い2階の住戸。マンション内にラウンジやキッズルーム、トレーニングジム、コワーキングスペース、コンシェルジュサービスなどの共用施設やサービスが充実しているなら、安い価格で購入した上に、これらの施設やサービスを、価格の高い高層階と居住者と同様に利用できるのはお得なこと、と考えられます。

「管理費や修繕積立金は専有面積によって決まるため、同じ広さの住戸なら低層階も高層階も同じランニングコストで共用施設や管理サービスを利用することができます。これは低層階の大きなメリットです」

道路からの視線が1階よりも気にならない

1階住戸は窓の近くに道路があると道を歩く人の気配や視線が気になるもの。その点、2階住戸なら歩行者からの視線は気にならないのがメリットです。

災害時に避難しやすい

大地震などの災害時にエレベーターは使えませんが、2階からの避難は階段で1フロア分を下りるだけで済みます。停電が続いたときに水や食料を持って階段を上るときも、中層階、上層階に比べると負担が少ないといえます。

外に出るのが苦にならない

上層階の場合、エレベーターを待つのが面倒で外へ出るのが億劫になるということがありますが、2階住戸なら、階段を使って外と住戸を行き来しやすいのがメリットです。

2階住戸から階段で楽に上り下りができるイラスト
エレベーターを使わなくても気軽に外へ出られるのが2階住戸のメリット(イラスト/藤井昌子)

地震のとき高層階より揺れにくい

マンションは上層階ほど地震の際の揺れが大きくなる傾向にあります(揺れ方の強さは耐震構造の種類にもよります)。地震の揺れが苦手な人は、低層階の方が安心感を得られるといえます。

階下がピロティやエントランスなら足音などを気兼ねせずに済む

「階下がピロティやエントランス、駐車場、駐輪場、ゴミ置き場などになっている場合、寒さを心配される方がいらっしゃいます。気密性能によって多少の差はありますが、寒さにはそれほど影響はないと思います。それよりも、階下に住戸がないのは、階下への足音や生活音を気にせずに済むという点で大きなメリット。1階よりも外からのプライバシーが守られつつ、音などを気兼ねせずに済む1階のメリットの恩恵も受けられます」

ピロティのある建物の画像
ピロティとは上階の重みを柱で支えた1階部分にある吹き放しの空間のこと。画像は香川県庁舎(画像/PIXTA)

デメリットは防犯面の心配?マンション2階の注意点は?

マンションの2階を検討する場合、知っておきたい注意点は何でしょうか。物件選びの際の参考にしてください。

防犯面に注意。外からの侵入がされやすい場合も

防犯対策がされていないマンションの場合、2階住戸は1階住戸と同様に外からの侵入被害に遭う心配があります。まず大切なのは物件選び。

「大通りに面しているマンションは治安が悪いというイメージを持たれがちなのですが、実は逆。人通りの多い道路から見えやすいマンションは、フェンスを越えてバルコニーから侵入しようという侵入犯はそう多くはないのです。ですから、住戸を選ぶ際には面している道路の人通りがどうかを確認することが重要です。また、専用庭があるマンションの場合も2階に侵入しにくいといえます。フェンスと目隠しになっている植栽を越えて、1階住戸からの視線を気にしながら2階に登るのは侵入犯も避けたいルートです」

侵入されにくい立地の物件を選び、さらに、窓に補助錠をつけたり、インナーサッシを設置するのも効果的。侵入犯にとって入りたくない部屋にすることで防犯性が高まります。

ゴミ置き場が近くにある場合、ニオイは大丈夫?

「マンションのゴミ置き場からのニオイについては、その物件のゴミ置き場の形状によります」

マンションのゴミ置き場は、コンクリート造の小屋型のゴミ置き場が道路の近くに設けられていたり、塀で囲んでいたりするタイプや、ごみ収集日だけゴミ袋を覆うネットなどが用意されるケース、マンション内に独立した空間として設けられ24時間いつでもゴミが出せるケースもあります。

「いつでもゴミが出せる棟内のゴミ置き場のケースでも、気密性が保たれていれば、日常的に出されるゴミのニオイが気になるということは実は多くはありません。気になるとすれば、ごみ収集のタイミング。マンションの清掃スタッフや管理員の方が、収集車が来る日にゴミを外に出します。そのときに、収集する音が気になる、ニオイが漏れる、ということがあります。

ゴミの収集は曜日が決まっていて、時間帯もだいたい同じです。その時間帯は窓を開けないようにするなどの対策をすれば、日常生活に支障をきたすようなことはないでしょう。

ただし、ゴミ置き場に染みついたニオイが気になるというケースはあります。中古マンションを購入する場合などは、ゴミ置き場に脱臭装置が設置されていて、定期的な点検もされていてきちんと機能しているかを確認するといいでしょう」

2階でもゴキブリなどの虫は出る

気密性の高いマンションでは虫は出にくいのでは?と期待する人もいるでしょう。しかし、残念ながらマンションでも虫は入ってきます。

「虫が発生しやすいのは1階です。しかし、2階以上でも外壁をつたったり飛んできて窓から入ってきたり、エレベーターに乗ってやってきたり。虫の出やすさは、そのマンションが住居専用なのか、テナントなどが入る複合用途なのかでも違ってきます。1階に飲食店などの店舗があると配管を通って侵入するケースが多いです。虫は基本的に衛生環境が悪いところを好みます。排水管清掃やマンション周辺の清掃がきちんとされているかがチェックポイントです」

近隣の住宅の居住者と目が合うことがある

2階の住戸は1階に比べて外を歩く人からの視線は気にならないもの。しかし、周辺の一戸建てやマンションと窓が向い合っている場合は要注意。

「都市部では、平屋は少なく一戸建ても2階建てや3階建てです。採光のためリビングが2階にある一戸建ても多く、距離によっては隣の一戸建てやマンションからの視線が気になる、ということもあります」

気になる人は、現地の状況を必ず確認するようにしましょう。

近隣の環境によっては2階リビングの一戸建ての住人と目が合うことも
近隣の環境によっては2階リビングの一戸建ての住人と目が合うことも(イラスト/藤井昌子)

マンションの2階は売れない?高層階も売りに出ている場合の対策は?

高層階の方が人気のあるマンション。低層階の2階は将来売れない、といったリスクがあるのでしょうか?

高層階と同じ価格で売り出すなら売却時期をずらす

2階住戸を売り出そうとした同じ時期に、同じマンションの高層階も売りに出されたら、高層階の方が購入希望者は多くなる可能性は高くなります。同じマンションで同じ方角、同じ広さ、そして同じ売り出し価格なら、高層階の方が有利です。

「高層階と同じ値段で売るなら、売却時期をずらし、比較検討されないようにする方法になります」

値上がり率で価格をつけて、おトク感を出す対策も

高層階と同じ価格ではなく、その住戸の「値上がり率」という視点で売り出し価格を決めるのも対策の一つです。例えば、高層階の住戸が分譲時の価格の120%くらいの値付けで売られている場合、2階住戸も同様に20%の値上がり率で売り出せば、高層階の方が価格が高く、2階の価格におトク感が出ます。例えば、新築分譲当時、6000万円だった2階住戸は7200万円。新築分譲時に20階の住戸は新築時6900万円(1フロア当たり50万円高いと仮定)だったとすると、その120%は8280万円。高層階より2階住戸の方が1000万円近く安いことになります。

「高層階との価格差を意識して売り出すという作戦もありです。管理サービスや共用設備、共用施設の使いやすさは高層階も低層階も違いはありません。このメリットをアピールできれば、低層を好んで探されている方もいらっしゃいますから売りやすくなるといえます」

まとめ

分譲マンションの2階住戸は、上層階に比べて安く購入できる

マンションの2階住戸は安く買って共用施設は高層階と同様に利用できる点でコスパが最強

災害時の避難のしやすさ、外への出やすさは2階ならではのメリット

高層階より割安感を出して売り出せば売却時でも不利になることはない

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取材・文/田方みき イラスト/藤井昌子
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