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最近の新築マンションにはもはや必須ともいえる人気の設備「宅配ボックス」。留守中に荷物が届いても、鍵付きのロッカーに預かってもらえるシステムです。受取人は鍵や暗証番号を使って、いつでも好きな時間に荷物を取り出せるため、非対面・非接触が望まれる状況ではさらに需要が高まっています。しかし、「一度も使ったことがない」「どんな種類があるの?」「どんな風に使うの?」という人もまだまだ多いのでは?ここでは、宅配ボックスの仕組みや正しい使い方、注意点についてご紹介します。
宅配ボックスとは、受取人の不在時に届いた荷物を一時的に預かってくれるロッカーのこと。主に宅配便で使われるため、「宅配ボックス」または「宅配ロッカー」と呼ばれています。誰でも簡単・手軽に利用でき、特殊な郵便物を除けば受け取りのサインや印鑑も不要で荷物を受け取れる便利な設備です。
基本的な仕組みは以下の通り。
1. 不在時に荷物が届く
2. 配達員が荷物をボックスに入れる
3. 扉を閉める、または暗証番号を設定する
4. 荷物が届いていることを知った利用者が鍵や暗証番号でボックスを開ける
5. 荷物を受け取る
インターネット通販の利用が年々増加し、新型コロナの影響で非対面での受け渡しが望まれるようになったこともあり、宅配ボックスの有無を入居の条件に挙げる人もいるほど、人気が高まっています。
宅配ボックスについてもっと詳しく
→賃貸物件で宅配ボックスは必要? メリットや置き配との違い、個人設置は可能か、トラブルはあるのかなどを解説
自宅のマンションで宅配ボックスを利用できれば、便利なことがたくさんあります。
不在時や、在宅中インターホンに出られなかったとき、パジャマ姿や入浴中で対応したくなかったときでも、荷物を確実に最短時間で受け取れます。再配達を防げるので、時間も手間も省けるだけでなく、地球にもやさしいといえます。
そろそろ荷物が届くはず、と終日ソワソワしなくても大丈夫。受け取りのために仕事から早く帰ったり、貴重な休日を待機時間に充てる必要もありません。
宅配ボックスを介せば、誰とも顔を合わせることなく、確実に荷物を受け取ることができます。「対面を避けるために、荷物を廊下に放置してもらう」なんて危ないこともせずに済みます。
宅配便の配達人を装って侵入…といった犯罪への心配がなくなります。女性の一人暮らしには特に望まれる設備です。
子どもがひとりで留守番中の荷物の受け取りは何かと心配。来客対応をせずに済むから、お留守番の子どもも安心です。
などなど。時間を有効に使えるだけでなく、安全性や防犯面でもメリットがいっぱいです。

マンションの宅配ボックスにはさまざまなサイズがあります。
一般的に一番多いのが、縦+横+奥行きが80cm程度のSサイズ。МサイズはSサイズの高さが2倍程度になり、Lサイズでゴルフバック程度のものが入る大きさになります。
子どもが入れるほど大きいLサイズのボックスには非常脱出ボタンが用意されていることも。
最近では、より日常的な買い物での通販利用が増えたことで、S・SSサイズの利用頻度が高くなっています。どのサイズのボックスをいくつ組み合わせるかは、マンションごとに自由に設定できます。
宅配ボックスのサイズの一例
片面扉タイプの場合、内寸はいずれも横幅411mm×奥行き572mm。SSサイズは高さが108mm 、Sサイズは246mm 、Мサイズは H524mm 、MLサイズはH765mm(※ネットスーパー用2段)、 Lサイズは1360mm(フルタイムシステムの例)

宅配ボックスと一口にいっても、シンプルに荷物を預かるだけのタイプから、インターネットに接続することで機能を拡大したタイプまで、多種多彩。
施錠方法で大きく分けると、「機械式(ダイヤル式)」と「コンピュータ式」の2種類になり、コンピュータ式はインターネットに接続するかどうかで「オンラインタイプ」と「オフラインタイプ」の2種類に分かれます。
それぞれ特徴が異なり、使い勝手が大きく違うので、マンションについている宅配ボックスがどのタイプなのかを確認しておきたいですね。
ダイヤル錠やプッシュボタン錠などで施錠する、シンプルなタイプ。暗証番号は、配達人がその場で設定する一度きりのもので、受取人は不在票に書き込まれた暗証番号で解錠します。特別な鍵は不要で、誰にも簡単に使える分かりやすいシステムです。ただし、押印ができないタイプの場合は、宅配会社から利用を断られる場こともあります。

配達員が荷物を宅配ボックスに入れる際に、ダイヤルで任意の暗証番号を設定。その番号を配達通知書に記載し、受取人の郵便ポストに投函。受取人はこれを確認し、ダイヤルを合わせて解錠。荷物を取り出します。
操作が簡単で、特別な鍵なども要らないため、例えば番号を伝えて住人以外に荷物を取り出してもらうことも可能です。

1. 配達員が荷物を入れて暗証番号を設定
2. 配達員が不在連絡票に暗証番号を記載して、居住者のポストに投函
3. 不在連絡票を確認した居住者が暗証番号で解錠
4. ボックスを開けて荷物を受け取る
| 種類 | 機械式(ダイヤル式) |
|---|---|
| 施錠方法 | ダイヤルやプッシュボタン |
| 解錠方法 | ダイヤルやプッシュボタン |
| 操作方法 | シンプルで簡単 |
| 設置のしやすさ | 簡単・後付けも簡単にできる |
| ランニングコスト | 基本的に不要 |
| 安全性 | × |
| トラブル発生時の対処 | ×管理会社や管理組合が対応 |
| 機能性 | △ |
コンピュータ制御されたタッチパネルやテンキーを使って操作し、施錠するタイプ。受取人は、所有する鍵(ICチップ入りの住戸の鍵、ICカード、磁気カード、顔認証など)で解錠します。電気を使わない機械式に対して「電気式」「電子式」とも呼ばれます。
受取人の鍵でしか解錠できないので、安全性に優れています。さらに、インターネットに接続するオンラインタイプと、非接続のオフラインタイプの2つに分けることができ、それぞれ機能が違います。オンラインタイプには24時間体制で遠隔管理が行われるタイプも多く、鍵を忘れたり無くしてもすぐに解決。受取人のスマホに着荷通知できるなど、便利な使い方ができるタイプも増えています。

配達員がタッチパネルに表示される手順通りに沿って操作して、荷物を宅配ボックスに投函。受取人に着荷を知らせる方法にはさまざまな方法があり、配達通知書を受取人のポストに入れるほか、居室やスマホにオンラインで連絡するタイプなどがあります。
解錠する方法も、ICチップ入りの鍵のほか、ICカード、磁気カード、暗証番号タイプ、顔認証、指定された暗証番号をテンキーに入力するなど、メーカーや機種によって異なります。
部屋ごとの操作キーで解錠し、操作履歴を残せるため、安全面や管理面でのパフォーマンスに優れています。さらにオンラインタイプなら、24時間365日体制で遠隔サポートが受けられるので、鍵を無くしたときも安心。インターネットを使ってさまざまなサービスと連動させることもできます。

1. 配達員が荷物を入れて不在連絡票をポストに投函
2. 居住者が不在連絡票または着荷メールなどを確認
3. 暗証番号や非接触キーなどの操作キーで解錠
4. ボックスを開けて荷物を受け取る

1. 配達員が荷物を入れて暗証番号を設定し、不在連絡票にその番号を記載して居住者のポストに投函
2. 居住者が不在連絡票を確認
3. 居住者が暗証番号や非接触キーなどで解錠
4. ボックスを開けて荷物を受け取る
| 種類 | コンピュータ式 | |
|---|---|---|
| オフラインタイプ | オンラインタイプ | |
| 施錠方法 | タッチパネル | |
| 解錠方法 | ICチップ入りの住戸の鍵、ICカード、磁気カード、顔認証など | |
| 操作方法 | タッチパネルの案内に従って行う | |
| 設置のしやすさ | 電気工事が必要 | |
| ランニングコスト | 電気代と管理費が必要 | 電気代と管理費とインターネット代が必要 |
| 安全性 | 〇 | ◎ |
| トラブル発生時の対処 | 〇管理会社や管理組合が対応 | ◎オンラインで即時対応 |
| 機能性 | 〇 | ◎拡張性が高い |
宅配ボックスの機能は、特にコンピュータ式のオンラインタイプで大きく進化を続けています。インターネットとつながることで、プラスできる機能が無限に広がるからです。例えば、荷物が預けられたことを自動的にスマホに連絡する、といった機能のほか、防犯性で性能がアップ。ボックスの使用履歴をきちんと残したり、何かトラブルがあったときに瞬時にオンラインで連絡できるタイプが増えています。宅配ボックスや管理方法によって機能も使い勝手も大きく違ってきます。
「宅配ボックス」という名前ではありますが、宅配便に限らず、また宅配業者に限らず、荷物を預けることができます。例えば、生活時間が合わないご近所へのお届けものや、サプライズの誕生日プレゼント、病気で安静にしている知人への差し入れなども、宅配ボックスを介して届けることができます。使い方は、宅配業者が宅配便を預けるときと同じ。便利に使いこなせば、毎日の暮らしがもっと豊かに広がるはず!

例えば、宅配ボックスで鍵を保管・管理することで、マンションで共有するモノや設備を24時間いつでも自由にシェアできる…そんなことが可能になっているマンションもあります。管理人やコンシェルジュに鍵を預かってもらう場合は、在勤時間中に受付手続をしなければいけませんが、オンラインでつながる宅配ボックスなら深夜でも手続が可能で人件費も不要。使用履歴が残るため、トラブルも阻止。すでに、荷物を運ぶカートや車、電動自転車、集会所、パーティルームなどのシェア、管理運営などで実際に運用されています。今後さらなる発展が望めそうですね。
宅配ボックスのタッチパネルで使いたいものを選択→所有する鍵やカードで本人認証→使いたいものやその鍵が入っているボックスが開く→利用後は同じボックスに鍵やものを戻す


宅配ボックスが利用できない荷物は、配達会社によって異なります。ただし、ほとんどの会社では以下の荷物について利用不可とされています。
●「確実に本人に手渡した」という証明が必要なもの
●代金引換や着払いなどの手続きが必要なもの
●冷蔵や冷凍など特別な保管が必要なもの
●受取人にとって持ち運びが難しい重量物
●依頼主が宅配ボックスの利用を禁止しているもの
●宅配ボックスに入らないもの
詳しい条件は各宅配会社のホームページで確認を。これらの荷物が届く予定があれば、宅配ボックスを当てにせず、在宅して受け取るようにしましょう。
ただし、冷蔵専用の宅配ボックスがあればクール便でも預けることができたり、コンピュータ式のオンラインタイプであれば書留でも利用できることがあります。また、配達会社で示す条件以外にも、宅配ボックスやマンションの管理状態によっても預けられないものは異なるので、事前に確認しておきましょう。

不在連絡票には「宅配ボックスに入れた」と書かれているのに、ボックスを開けてみると何も入っていない…こんなときはどうすればいいでしょうか?原因としては、配達員がうっかり持ち帰ったり、鍵をかけ忘れて誰かに持ち去られたり、といった可能性が考えられます。また、宅配ボックスに届けたという通知は来ているのに、不在連絡票や荷物がないときも、まずは宅配業者に問い合わせを。商品がなかなか届かないと思って、購入したネットショップに問い合わせた結果、配達員が不在配達票をポストに入れ忘れて発覚することもあります。
機械式(ダイヤル式)の場合は、配達員が不在連絡票に暗証番号を書き忘れたり、書き間違えたりして、荷物が取り出せないといったトラブルも時には発生します。また、受取人本人が暗証番号を忘れたり、不在連絡票を紛失することもあります。このような場合もやはり宅配業者に問い合わせを。分譲マンションの場合は管理人や管理会社が、賃貸マンションなら管理人やオーナーがマスターキーを持っていることが多いので、相談してみてもいいでしょう。コンピュータ式のオンラインタイプなら、コールセンターに連絡して遠隔操作で解錠してもらうこともできるので安心です。

基本的には24時間いつでも使えますが、すべてのボックスが満杯のときは、配達人は荷物を預けることができません。「宅配ボックスに空きがないため」という理由で持ち帰ることになります。戸数の割に宅配ボックスの数が少なかったり、宅配便の利用が増えるお中元、お歳暮の時期などは特に満杯になりがち。また、「不在連絡票は確認したけれども、取り出し忘れてそのまま…」なんてケースも実はよくあるもの。長期旅行中に届いた荷物が宅配ボックスを長期間占拠したり、悪質な場合は個人のロッカーのように使う人もいるのだとか。
宅配ボックスはあくまでも「一時預かり所」。ボックスの数が限られているので、荷物を受け取らずにいると、他の居住者の迷惑になりかねません。宅配ボックスの管理者は、引き取り忘れの荷物がないか、長期保管荷物がないか、適時確認しています。あまりに空きがない日が続くときは、管理会社や管理組合に相談してみましょう。
また、コンピュータ式の場合は、停電になると電源が入らないため、カードやQRコードでの預け入れ・取り出しはできません。ただし、入庫出庫データは残っているので、電気が戻り次第自動復旧し、すぐに通常利用できるようになります。停電中にどうしても荷物を取り出したい場合は、特殊カギを使って手動で解錠してもらうことも可能です。
宅配ボックスを利用する際のルールや保管期限は、マンションや管理組合によって決められている、もしくは特に決められていないことがほとんど。同じ物が長期間保管されていたときに初めて問題化することもあるようです。コンピュータ式のオンラインタイプなら、例えば荷物が投函されてから3日たっても引き取りがない場合は、受取人宛に確認メールを自動送信。その後さらに引き取りがなければ、一定期間後に再度メールで確認し、その後は宅配会社に返却の手続きが取られるようです。旅行などで長期間留守にする場合などは、宅配ボックスがあっても預けられないように、自分で気を付けておきたいですね。

宅配ボックスがあれば、宅配便の引き取りストレスがなくなるだけでなく、毎日の暮らしがもっと便利に豊かになることは間違いありません。また、どんな宅配ボックスが付いているかによって、使い勝手は変わります。物件を探すときには、まずは宅配ボックスがあるかどうか、そして、宅配ボックスの個数やどのタイプの宅配ボックスが付いているかを確認しておきましょう。
宅配ボックスがあれば、マンションに届いた荷物をいつでも非対面で受け取れる
宅配ボックスには「機械式(ダイヤル式)」と「コンピュータ式」の2種類があり、「コンピュータ式」はインターネットに接続する「オンラインタイプ」と接続しない「オフラインタイプ」に分かれる
コンピュータ式のオンラインタイプなら、マンションの共有物をシェアする際にも利用できる