マンション外観は資産価値に影響を与える?購入前に知っておきたい外壁材の種類やポイントを解説

公開日 2025年05月16日

マンション外観は資産価値に影響を与える?購入前に知っておきたい外壁材の種類やポイントを解説

マンションの外観で重要なのは見た目だけだと思っていませんか?
マンションの外観は、資産価値を大きく左右する要素の一つです。

この記事では、

  • マンションの外観が重要な理由
  • 人気の外壁材の種類と特徴
  • マンションの外観を選ぶ際の注意点
  • マンション外観のメンテナンス方法

など、マンションの外観に関する情報を、網羅的に解説します。

マンションの外観が重要な理由と外観を評価するポイント

マンションの外観は、建物の耐久性や管理状態を映す鏡であり、資産価値に大きな影響を与える要素の一つです。美しく手入れの行き届いた外観は、物件の魅力を高め、将来の売却や賃貸時に有利に働きます。

マンションの外観を評価する際の具体的なポイントは以下のとおりです。

使われている外壁材

外壁にどのような素材を使用しているかは、マンションの耐久性と資産価値に直結する要素です。劣化しにくい素材ほど、資産価値が長期的に維持されやすくなります。

例えば、タイルは耐久性が高く、メンテナンスもしやすいため、高い人気があります。外壁材の種類によって耐久性、メンテナンス頻度、コストは異なるため、各素材の特徴を十分に理解し、長期的な視点で選択しましょう。

外壁の素材別の特徴は「マンションの外壁材の種類と特徴」で詳しく解説いたします。

壁の劣化や損傷

外壁の劣化や損傷も、マンションの資産価値に直接影響しますが、適切な修繕で回復可能です。仮に劣化・損傷があったとしても、大規模修繕などで改善されていれば問題ありません。

また、部分的に取り替えし修復できるタイルなどの部分的な損傷の有無からは、マンションで細やかなメンテナンスが行なわれているかどうかを確認できます。

ほかにも、外壁や配管の水漏れ、鉄筋の露出や錆び、バルコニーや窓周りの劣化などがないかも確認しておきましょう。

これらの劣化や損傷がないマンションは、定期的なメンテナスや大規模修繕がしっかりと行われている指標となります。

壁の色

外壁の色もチェックしておきたいポイントです。例えば、グレーやベージュなどの色は、周囲の景観になじみやすく、清潔感があり親しみやすいため人気があります。また、汚れが比較的目立ちにくいメリットもあります。

一方、赤や黄色などの原色は周囲の景観と調和しにくく、売却時に敬遠されてしまうかもしれません。また、白や黒は汚れが目立ちやすい色です。マンション購入時には、外壁の色も考慮して選ぶといいでしょう。

マンションのイメージ
(画像/adobe stock)

マンションの外壁材の種類と特徴

マンションの外壁材は、建物の美観だけでなく、耐久性や維持管理の手間にも大きく影響してくるため、その特徴をよく理解しておくことが重要です。

ここでは、マンションの外壁材に使われるおもな素材について、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。

タイル

タイルの外壁
(画像/adobe stock)

タイルは耐久性とデザイン性に優れた人気の外壁材で、種類も豊富です。高級感や重厚感があり、立体的な風合いを楽しめるため、デザイン性の高い住宅にも適しています。耐熱性や耐火性が高く、色あせしにくい点もメリットです。

素材の種類には磁器質タイル、せっ器質タイル、陶器質タイルがあり、それぞれ以下の特徴を持っています。

  • 磁器質タイル:素地は硬く、たたくと澄んだ音がする。吸水性が低く、屋外や水回りにも使える。
  • せっ器質タイル:吸水性は磁器質より高く、陶器質より低い。外装・内装のどちらにも利用される。
  • 陶器質タイル:多孔質で吸水性が高いため、内装に使われることが多い。

タイルのデメリットとしては、ほかの外壁材と比べて初期費用が高くなる点が挙げられます。

加えて、経年劣化により剥がれ、ひび割れなどが起こる可能性があるため、大規模修繕工事などで定期的な点検や状況に応じて補修が必要です。

サイディング外壁

サイディング外壁
(画像/adobe stock)

サイディング外壁は、デザインのバリエーションが豊富で、さまざまな外観を実現できる人気の外壁材です。

おもな種類には窯業系、金属系、木質系、樹脂系があり、それぞれ以下のように特徴が異なります。

  • 窯業系サイディング:セメントと繊維質を主原料とし、耐久性・耐火性に優れている。デザイン性が高く、比較的安価に施工できる。経年劣化による目地部分からの雨水浸入には注意が必要。
  • 金属系サイディング:軽量かつ耐久性に優れた外壁材で、断熱性は窯業系サイディングの約5倍。メンテナンスのしやすさは利点だが、初期コストは窯業系より高い。
  • 木質系サイディング:天然木の質感と木目模様が特徴的な外壁材。温かみと高級感のある外観を演出でき、和風・洋風問わずさまざまな建築様式に調和する。断熱性に優れ、快適な室内環境を作り出せる。
  • 樹脂系サイディング:塩化ビニルなどの樹脂を主原料とした外壁材。メンテナンスの負担が少なく、傷が付きにくい。塩害や凍害に強く、寒冷地や海岸沿いの住宅に適している。軽量で耐震性にも優れる。

ALCパネル外壁

ALCパネル外壁
(画像/adobe stock)

ALCパネル外壁は、軽量気泡コンクリートを使用した外壁材です。軽量で耐火性・耐震性・断熱性に優れ、冷暖房効率の向上による結露の防止にも効果があるほか、防音性能も高く、静かな室内環境を実現できます。

一方、防水性が低く、吸水性が高いため、適切な防水処理は欠かせません。定期的な点検と、10年程度を目安とした塗り替えなどのメンテナンスを実施するのが推奨されています。

モルタル

モルタル外壁
(画像/adobe stock)

モルタル外壁は、セメントと砂、水を混ぜ合わせた素材を使用した外壁材です。耐久性の高さ、優れた断熱性、塗り方や仕上げ方によってさまざまな表情を出せるデザイン性などがメリットとして挙げられます。

デメリットは、経年劣化や、建物の揺れ、温度変化などによってひび割れが発生しやすい点です。

定期的な点検を行ない、ひび割れや剥離が見られた場合は早めに補修することが大切です。

一般的には、10年~15年程度で塗り替えることが推奨されています。

コンクリート打ちっぱなし

コンクリート打ちっぱなしの外壁
(画像/adobe stock)

コンクリート打ちっぱなしは、コンクリートの素材感を活かしたデザイン性の高い外壁仕様です。
都会的でスタイリッシュな空間を演出できる点、耐久性・耐火性が高い点などがメリットとして挙げられます。

一方、コンクリートは熱を通しやすいため、適切な断熱対策が必要です。加えて、多孔質で水分を吸収しやすいデメリットもあり、適切な防水処理が欠かせません。

定期的な点検を実施し、ひび割れや剥離が見られた場合は早めに補修を行なうことがポイントです。また、表面の洗浄や、必要に応じた撥水剤の塗布により、美観と耐久性を維持できます。

マンションの外観を選ぶ際のポイント

マンションの外観を選ぶ際には、さまざまな要素を考慮する必要があります。

まず、周辺環境との調和は、マンションの美観を保つうえで欠かせません。

周囲の建物や自然環境と調和した外観は、景観を損ねることなく、住む人にとっても心地よい環境を作り出します。

さらに、そのマンションの大規模修繕計画についても確認をしましょう。

今自分が住んでいるマンションの長期修繕計画については、入居時に配布された「大規模修繕計画書」で工事のタイミングを確認できます。

一方で、これから中古マンションを購入しようと考えている人は、大規模修繕契約や修繕工事の履歴も確認し、将来のメンテナンスについても考慮しましょう。外壁材の種類や構造によって、必要となるメンテナンスの頻度や費用は大きく異なります。

メンテナンスコストを抑えられる外観を選ぶことが、長期的な視点で見ると大切になってきます。

また、耐久性の高い外壁は、建物の寿命を延ばし、資産価値の維持につながります。耐久性や耐震性などを確認し、安心して住めるマンションを選びましょう。

マンションのイメージ
(画像/adobe stock)

マンションの外観のメンテナンス方法

マンションの購入を検討している方にとって、外壁のメンテナンス方法や必要となる頻度は重要なチェックポイントです。外壁は建物の美観を保つだけでなく、構造体を保護する重要な役割を果たすため、適切なメンテナンスが欠かせません。

メンテナンスの費用は大規模修繕計画に沿って、住民によって積み立てられた修繕積立金で賄われます。

大規模修繕計画は、国土交通省の「長期修繕ガイドライン」にそって作成される修繕計画です。

ここでは、各メンテナンスの具体的な方法や頻度、かかる費用について見ていきましょう。

定期的な清掃

定期的な清掃は外壁メンテナンスの基本です。定期的な清掃を行なうことによって、汚れや苔、カビを除去でき、美観の維持だけでなく、劣化の早期発見にもつながります。

清掃は高圧洗浄機や薬液洗浄を用いて、外壁の種類に適した方法で行なうことが重要です。清掃後は、必要に応じて防水効果を高めるコーティングを施すことで、外壁の耐久性が向上し、次回のメンテナンスまでの期間を延ばせます。

タイル補修

タイル外壁の補修は、浮きや剥がれ、ひび割れなどの症状に応じて行ないます。軽微な損傷や浮きの場合は部分的な補修で対応できますが、広範囲におよぶ場合は大規模な張り替えが必要です。

補修範囲や建物の高さ、使用するタイルの種類、足場の設置費用などによって費用は変わってくるため、長期修繕計画時点の金額と変わっている可能性があります。大規模修繕時に専門業者による現地調査と詳細な見積もりを行うのが一般的です。

外壁塗装

外壁塗装のメンテナンス周期は一般的に12年~15年程度といわれていますが、大規模修繕時に行います。ひび割れやチョーキング現象(外壁を触ると指に白い粉が付着する現象)が見られると塗装をするタイミングといわれています。

塗装作業では、まず高圧洗浄で外壁の汚れを落とし、下地処理を行なったあとに下塗り・中塗り・上塗りの順で丁寧に仕上げます。塗装の際に、防水性や耐久性の高い塗料を選べば、メンテナンス頻度を抑えることが可能です。

塗装工事の費用は、マンションの規模や使用する塗料の種類によって異なります。

シーリング補修

シーリング補修は、外壁の継ぎ目や開口部周りの防水性の高さを維持するのに必要な作業です。シーリング材は経年劣化により硬化や亀裂が生じるため、定期的な点検を欠かさず行ない、必要に応じて補修を実施することが求められます。

なお、打ち増し(劣化したシーリング材の上から新たなものを充填)か打ち替え(既存のシーリング材を取り除いて新たなものを充填)かで費用相場は異なります。

マンションの外壁メンテナンスのイメージ
(画像/adobe stock)

マンションの外観に関するQ&A

はじめてマンションを購入する方は、外観のどのような点が資産価値に影響をおよぼすのかわからないケースも多いでしょう。購入前に知っておくべき重要なポイントについて、よくある質問とその回答をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

Q1:購入検討時、マンションの外観で注意すべき点は?

A1:マンションの外観を確認する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 外壁のひび割れ、剥がれ、汚れ:大きなひび割れや剥がれは、建物の構造に原因がある可能性がないか確認
  • シーリングの劣化:シーリングが劣化していると、雨漏りの原因になる可能性も
  • タイルの浮き:タイルが浮いていると、落下事故につながる危険性あり
  • 大規模修繕工事の履歴:過去にどのような工事が行なわれたか確認することで、建物の維持管理状態を把握
  • 長期修繕計画:今後の修繕計画と、修繕積立金の状況を確認。修繕積立金の見直しのタイミングや修繕積立金が不足していないかも確認

Q2:マンションの外観で、マンションの価値に影響するポイントは何ですか?

A2:マンションの価値に影響するポイントは以下のとおりです。

  • 築年数:一般的に、築年数が浅いほど価値は高い。ただし、築年数が経過していても、メンテナンスが行き届いていて外観がきれいな状態を維持できていれば、価値は下がりにくい物件もある
  • 外壁の素材:タイル張りは高級感があり、耐久性も高いため、評価されやすい。定期的なメンテナンスが実施されているかが価値につながる
  • 外壁の状態:ひび割れ、剥がれ、汚れ、色あせなどがない
  • 大規模修繕工事の履歴:大規模修繕工事が適切に行なわれているか、長期修繕計画がしっかりしているかなど、マンションの管理体制も評価額に影響する

Q3:外壁の素材によって、メンテナンス方法は異なりますか?

A3:異なります。例えば、タイルは部分補修が可能なため比較的メンテナンスが容易ですが、目地の劣化やタイルのひび割れ・剥がれなどが起きた際には、適宜補修が必要です。定期点検や気になる場合は管理組合に相談するとよいでしょう。

モルタルや吹き付けはひび割れが発生しやすいため、定期的な点検と補修を行ない、大規模修繕を目安に再塗装する必要があります。

コンクリート打ちっぱなしの場合、表面に撥水剤や弾性塗料を塗布して劣化対策を行ない、一般的には大規模修繕のタイミングで再塗布を実施します。

Q4:マンションの外観は、売却価格に影響しますか?

A4:影響します。マンションの外観は、購入検討者が最初に目にする情報であり、第一印象を大きく左右する要素です。

また、マンションの外壁が定期的にメンテナンスされていることはマンションの寿命を延ばすことにつながるので、資産価値が下がりにくいです。

一方、古びた外観やメンテナンス不足は購入希望者に敬遠され、売却価格の低下を招く可能性があります。資産価値の高いマンションを購入するには、定期的にメンテナンスがなされているかなどの詳細なチェックが欠かせません。

Q5:将来的な売却を考えた際の注意点は?

A5:マンションを将来的に売却する際の価値(リセールバリュー)を考えたうえでマンションを購入する場合は、以下のポイントを意識しましょう。

  • 管理体制: 管理規約がしっかりしている、修繕積立金が十分に積み立てられている、長期修繕計画が適切に策定・実行されているなど、管理体制の良さをチェック
  • 立地: 駅近、周辺環境の充実など、立地の良さは売却時の大きな強みになる
  • 築年数: 築年数が古いマンションほど価値が下がりやすくなるので、築年数を確認
まとめ

マンションの外観は、単なる見た目の良し悪し以上に大切な要素

マンション購入時には、外壁材の種類や状態、メンテナンス履歴、将来の修繕計画など、重要なチェックポイントを細部までよく確認しましょう

メンテナンスが行き届いたマンションの外観は、住む人の快適性だけでなく、将来的な高値での売却やスムーズな買い手の獲得にもつながり、資産運用にも影響を与えます

新築マンションを探す
中古マンションを探す
新築一戸建てを探す
中古一戸建てを探す
賃貸物件を探す
土地を探す
注文住宅の会社を探す
売却査定する
リフォーム会社を探す
カウンターで相談する
ハウスメーカーを探す
工務店を探す
引越し見積もりをする
文/サクラサクマーケティング株式会社
監修/SUUMO編集部
関連する最新記事を見る
住みたいエリアや購入価格からマンション・一戸建てを探そう!
住まいの種類
住みたいエリア
  • エリア
  • 都道府県
  • 市区郡
購入価格

お役立ち講座・個別相談のご案内無料

住まい選びで「気になること」は、人それぞれ。スーモカウンターのアドバイザーは、新築マンション選びと会社選びをサポートします。講座や個別相談を通じて、よかった!と思える安心の住まい選びをお手伝いします。
カウンターアドバイザー

住み替えサポートサービス

ページトップへ戻る