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おしゃれな注文住宅などで見かける天窓(トップライト)。都心の住宅密集地などで住まいを検討している場合などは特に、天窓(トップライト)を住まいにつけてみたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
天窓(トップライト)を設置することのメリットやデメリット、設置する際に注意することなどについて、生活デザイン設計室(株)サンクの古屋さんに伺いました。
天窓(トップライト)は採光や通風の目的で屋根に設置する窓で、さまざまなタイプがあります。「大別すると、開閉ができないフィックス(はめ殺し)タイプのものと、開閉できるタイプのものがあります。一般的な住宅では、開閉式タイプを選ぶ人が多いです。この、開閉タイプのものにはガラス部分をぐるっとまわせる回転式や、押し出して開く押し出し式などがあります。
また、開閉方法も手動以外に電動のものも。雨が降ると自動で閉まるという商品もあります。例えば、自分でガラスを拭きたいという人は回転式、吹抜けの天井など、手動で開閉するのが難しい場所には電動式など、取り付ける場所や用途によって、選ぶ形状も変わってくると思います」(古屋さん、以下同)
天井の位置に取り付ける天窓(トップライト)は、壁にある通常の窓の3倍の光を取り入れると言われています。「普通の窓よりも、自然の光で部屋を明るくできる天窓(トップライト)は、北側の採光しづらい場所に取り付けると効果的です。家の北側の位置に設けられることが多い浴室や洗面などは暗くなりがちですが、天窓なら小さな窓でも効率よく光を取り入れることができます(※)」
※天窓(トップライト)の採光面積は、その3倍の面積が有効面積(建築基準法施行令20条)
「住宅密集地などにある場合、北側は隣家との距離が近く、窓が大きく取れないことも多々ありますが、そのような場合でも、天窓であれば近隣からの視線が気になりにくく、プライバシー性を担保できるというのも、魅力的な点ですね」

「もう一つの大きなメリットは、通風です。空気は下の冷たいものが暖まって上に逃げていくので、風は下から上へ流れます。開閉式の天窓であれば、壁面の窓から天井に向けて、室内に風の通り道ができるので、効果的な通風を得ることができます」
採光・通風を効率よく行えるということは、省エネにもつながります。天窓を取り入れることによって、照明やエアコンなどの使用量を減らすことができるかもしれません。

採光や通風といったメリットの一方で、やはりいざ取り付けるとなると気になるのはデメリット。気になる雨漏りやメンテナンス、暑さ・寒さや結露などは実際の所どうなのでしょう。

「水の流れが弱いと雨漏りしやすくなるので、傾斜屋根用の天窓(トップライト)をつけるには、一定以上の屋根の勾配が必要です。屋根の勾配がある程度取れている所に設置すれば、雨漏りの心配は少なくなります。
また、雨漏りについては施工をきちんとすれば特に問題ではないので、まずは信頼できる業者を選ぶことが大事です。築浅で天窓部分から雨漏りが起きた場合は施工不良に起因すると思われるため、できるだけ早く修理を依頼しましょう。施工不良に起因する瑕疵は新築の場合、10年間は無料で修理をしてもらえます」

「フィックスタイプや押し出し式の天窓(トップライト)の場合、自分で掃除するというのはほぼ不可能です。掃除をするには、足場を組んで屋根に上る必要があるので、業者に頼む必要があります。ただし、そのような大掛かりな清掃は頻度高く行うものではなく、家のリフォームや屋根の修理などをするタイミングで、気になる場合は行うというのが一般的。高い位置にあるものですし、自然の風雨によってある程度汚れは落ちるので、高額な清掃費用が定期的にかかると考える必要はないでしょう。ただ、どうしてもこまめに自分で掃除をしたいという場合は、室内から拭くことも可能な回転式のものがおすすめです。また、交換・修理なども頻繁に行うものではありません。こちらも家のリフォームなどのタイミングで、検討すれば十分でしょう」

「南側など、日当たりの良い場所に天窓を設置した場合、強い日差しで夏はやはり暑くなります。室内でも紫外線や日焼けが気になると思うので、遮熱・UVカット機能の高いものや、断熱性の高いペアガラス(複層ガラス)などを選びましょう。遮光カーテンやブラインド、ロールスクリーンを取り付けるのも有効です。最近では天窓(トップライト)とカーテンなどが一体化した商品も出ています」
また、寒さについては、屋根裏の空気自体に断熱効果があるものなので、断熱性が優れたガラスや、カーテンなどを付けても、天窓(トップライト)を設置した場合の方が、断熱性はどうしても弱くなります。また、積雪に対する耐久性についても気になるところ。断熱性や積雪に対する耐久性は、建築会社に相談してプランを決めましょう。

「天窓(トップライト)で結露が起こると、結露水が滴ったり、簡単に拭いたりできないと不安になる人もいるかもしれませんが、最近では窓やサッシの断熱性能が高まり、窓の外側と内側の温度差が少なくなるようになっているため、結露はしづらくなっています。暑さ・寒さ対策としてもそうですが、ガラスを断熱性の高いペアガラス(複層ガラス)や遮熱効果の高いLow-Eガラスなどを選ぶと結露の不安も少なくなります」
いざ天窓(トップライト)を設置するとなると、気になるのは費用の問題。設置やメンテナンスにはどの位費用がかかるのでしょうか。
「例えば、50cm四方のフィックスタイプ・複層Low-Eガラスのもので6万円ほど。可動式のものになるとそれよりも少し価格は高くなります。新築・リフォームの場合共に、設置費用については屋根の素材などによっても異なるため、一概に言えませんが、一度取り付けてしまえば、交換や清掃などは頻度高く行うものではないため、それについてのランニングコストはかかりません。
予算の問題もありますが、天窓(トップライト)のように頻度高くメンテナンスや交換をしないものは、新築のタイミングで、できるだけ高機能なものを入れておいた方が、結果的に割安感のある家になるものです。基本性能を高めておくことで、長く快適に住まえる家になります」
雨漏りや暑さ・寒さなど、気になるデメリットは設置場所や機能性の高いガラスを選ぶなどすれば不安も軽減されるもの。上手に天窓を取り入れることで、自然の光と風を感じられる、エコな家をつくることができるかもしれません。
天窓(トップライト)は屋根に設置する窓のこと。さまざまな形状があり、採光、通風などに優れている
設置場所や機能性を選んできちんと施工すれば、雨漏りや暑さ・寒さなどの不安も解消できる。
清掃やメンテナンスは家自体のリフォームのときに行う程度で大丈夫