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一度は憧れて住んでみたいと思ったことがある人も多い、丸太を積み上げてつくられるログハウス。近年は2階建てのものも見られるようになりましたが、平屋を選ぶのにはどのようなメリットがあるのでしょうか?ログハウスを平屋で建てるメリット・デメリットやかかる費用、内装や間取りのポイントを、ビックボックスの小林一夫さんに聞きました。
ログハウスとは、丸太(ログ)を積み重ねた壁により建物を支える構造となった家を指します。

一般の木造住宅(木造軸組工法の家)は、柱と梁(はり)で建物を支えていますが、ログハウスは壁で支えるのが特徴で、60m2までの広い空間を確保できます。
「ログの途中にノッチ(ログが交差する部分)を入れて支えれば、長い壁を作れるので、60m2以上に空間を広げられます。屋根は傾斜のついた三角の大屋根が多く採用されますが、近年はスタイリッシュな片流れ屋根にするのも人気です」(小林さん/以下同)

ログハウスを平屋にするのには、どのようなメリットがあるのでしょうか?
同じ建築面積で家を建てる場合、ログハウスを平屋にすると2階部分を増やすための工事が不要になります。床や壁、階段などの材料も削減できるので全体的な建築コストを抑えられます。ただしその分、2階建てに比べて延べ床面積は狭くなります。
ログハウスは天然木が使用されているため、塗装や防腐対策など定期的なメンテナンスが必要です。平屋は2階建てよりも対応面積が狭く、足場も高く組まなくてよいのでメンテナンスコストも抑えられます。
「ログハウスは薪ストーブとの相性が良く、多くの人が導入します。薪ストーブのメンテナンスに欠かせない煙突掃除も、平屋のほうが軽い負担で行えます」

平屋は2階建てよりも全体の高さが低いため、建物を支える壁にかかる荷重が少なくて済みます。そのため揺れ幅が小さく、耐震性が高くなるのもメリットです。
平屋のログハウスは、梁(はり)見せ天井にして天井高を高く取ることもできます。その結果空間が広がり、開放感を得られます。
「平屋は天井の高さと梁を活かし、屋内にブランコをつくったりハンモックを吊したりといった楽しみ方もできます。近年はクライミングホールドを取り付けて、テレワークでの運動不足を解消する人もいますよ」
「バリアフリーにできることをメリットと感じ、2階への移動が不要な平屋のログハウスを選ぶ人も多くいます」

ログハウスを平屋にするのには、デメリットもあります。
同じ建築面積で考えた場合、平屋の延べ床面積は2階建てよりも狭くなるため、坪単価で考えると割高になります。坪単価は、建築費用を延べ床面積で割って算出するためです。
例えば建築面積30坪で家を建てた場合、それぞれの坪単価は下表のようになります。
| 1階の床面積30坪 | 平屋 | 2階建て |
|---|---|---|
| ①建築費 | 1800万円 | 3000万円 |
| ②延べ床面積 | 30坪 | 60坪(1階30坪+2階30坪) |
| ③坪単価(①÷②) | 60万円 | 50万円 |
「2階建てと同じだけの延べ床面積を平屋で確保する場合には、さらにそれだけの土地も必要になるので、その分土地のコストもかかってしまいます」
「平屋は2階建てよりも延べ床面積が狭くなるので、居住空間を広く取るために収納が少なくなってしまう傾向があります」
「平屋のログハウスの建築にかかる費用は、メーカーや設備、建てるエリアによって異なりますが、2000万円程度が目安です。
水まわり設備を造作せずに、ユニットバスやシステムキッチンを使うなどすれば、価格を抑えやすくなります」
平屋のログハウスを建てるときに押さえておきたい、内装やインテリア、間取りのポイントを聞きました。
「2階建てと比較すると延べ床面積が狭いため収納が少なくなりがちな平屋のログハウスですが、ロフトを設けることである程度解消できます。ロフトは収納以外にも、子どもの遊び場や趣味のスペースなど多目的に使えて便利です」

本来のログハウスは天然木をそのまま丸く成型した『真円ログ』を積み上げますが、近年はマシンカットで成型されたログを張り合わせた『ラミネートログ』が主流です。
「なかでも、両面が平らな『角ログ』を選ばれる方が近年は圧倒的に多くなっています。どちらも捨てがたい、というお客さまには、外観は丸太小屋のイメージを与えつつ、屋内はフラットになる『D型ログ』をおすすめしています」

「部屋数を増やしたい場合、2階建てにするのではなく同じ敷地内に小さなログハウス(ミニログ)を『離れ』として建てる方法もあります。
間をつないだウッドデッキ部分でバーベキューを楽しんだり、プールを出して子どもを遊ばせたり。ログハウスを建てたいと考えるお客さまは、アウトドアが好きな方が多いので、自然と共存するライフスタイルを楽しんでいただけます」

ログハウスを建てるときには、ログ同士をつなぐ『ダボ』と呼ばれる穴を利用して電気を配線します。そのため、後からコンセントやスイッチを増やすのは困難です。部屋の間取りを変更するときも簡単に移動はできないので、コンセント・スイッチの位置や数は慎重に決めましょう。
「ただし屋内を間仕切る造作壁は、一般の住宅と変わらないので、電気配線の移動は可能です」
「天然木のログ材だけで外装も内装も仕上げるのも昔ながらの丸太小屋のような魅力があります。ただどうしても単調になってしまうため、ほかの素材とあわせるのもおすすめです。
例えば一部の壁を白で仕上げると、部屋が明るくなります。空間にちょっと新しいエッセンスが含まれ、天然木の良さも引き立ちますよ。弊社では白壁や大谷石などを取り入れていますが、空間が明るくなることで部屋を広く感じさせる効果もあります」

「水まわりは、ユニットバスやシステムキッチンを導入することも可能です。自然素材を用いて造作するとよりログハウスにマッチします。
浴室はひのき風呂にする、信楽焼で浴槽をつくるといった方もいます。ログハウスの雰囲気を存分に味わいたいのであれば、造作するのもおすすめです」
天然木でつくられるログハウスは、暖かな電球色の照明との相性が抜群です。最近のログハウスはモダンでおしゃれなイメージがあることから、昔ながらのペンダントライトよりも埋め込みやスポットライトなどが人気です。
「とくに天井高が高く梁見せとなっている平屋のログハウスは、梁に取り付けたスポットライトで室内のインテリアを照らすなど、いろいろと工夫して間接照明を楽しむお客さまが多いですよ」

「ログハウスでは薪ストーブを導入する人が多く、とくに天井高が高い平屋の場合は、あわせてシーリングファンを取り付けると暖まった空気を循環させやすくなります。
ログハウスは自然の木が使われているため、蓄熱効果が高いのが特徴です。冬でも薪ストーブをつけるだけで、ほかの暖房はいらないほど暖かくなりますよ」

ここでは実際に平屋で建てられたログハウスの事例を間取りも含めて紹介します。
洋風なイメージのあるログハウスですが、日本建築伝統の要素を融合させれば古民家を思わせる設えも可能です。こちらの事例では和室や設楽焼の浴槽を備えることで、まるでモダンな旅館のようなログハウスを実現しました。勾配天井上部に設けられた窓からは優しい自然光が差し込み、どこか懐かしく落ち着いた雰囲気が漂います。

ログハウスの床面積や収納を増やしたいときには、平屋を2階建てにするのではなく、こちらの事例のように「ミニログ」を付帯させるのもおすすめです。広々とした母屋と同じ高さにウッドデッキでつながったミニログは、ゲストルームや趣味を楽しむ空間として活躍します。


最後にあらためて小林さんに、ログハウスを平屋にする際のポイントを聞きました。
「梁が見える高天井が魅力の平屋のログハウスでは、縦に広い空間をどのように活かすかを考える楽しみがあります。床面積についても、ロフトを設ける、ミニログを併設するなどで物理的に面積を広げることも可能です。将来的なバリアフリー化を視野に入れて平屋にする場合は、入口の高低差をなくす、玄関はフレンチドア(中央から左右に開く観音開きのドア)にするなど、はじめから車椅子を意識した設計にしておくとよいでしょう」
平屋のログハウスは材料費やメンテナンスコストを抑えやすい
平屋は収納スペースが少なくなりがちだが、ロフトを設けることでカバーできる
平屋で物理的に部屋数を増やしたいときにはミニログを併設するのもおすすめ