人造大理石・人工大理石(人大)とは?キッチンに使うメリット、選び方や掃除のポイントを解説

最終更新日 2024年03月31日
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人造大理石・人工大理石(人大)とは?キッチンに使うメリット、選び方や掃除のポイントを解説

注文住宅を建てるときやリフォームをするとき、キッチンのデザインや素材は重要なポイント。キッチンのカウンター(天板)には、人造大理石・人工大理石(人大)を用いるケースも多く見られます。この記事ではそれらの素材を用いたキッチンを検討している人に役立つ知識やノウハウを紹介します。インテリア設計と住宅雑誌編集長の経験をもつ住宅設備のスペシャリスト、岩間光佐子さんからのアドバイスも参考にしてください。

人造大理石・人工大理石(人大)とは?

人造大理石・人工大理石(人大)は、キッチンのカウンターやシンク、浴槽や洗面など住宅設備機器に広く使われている素材です。樹脂が原材料の素材で、天然大理石に近い美しさを有しながら、扱いやすいというメリットがあります。

天然大理石は水や酸に弱いなどのデメリットがありますが、人造大理石・人工大理石(人大)は天然大理石の機能面での弱みを補ったうえで、コスト面でも優れているため、住宅設備の素材として人気があります。

人造大理石・人工大理石(人大)の種類

人造大理石・人工大理石(人大)には、大きく分けてアクリル系とポリエステル系の2つの種類があります。現在キッチンカウンターでは主流となっているアクリル系樹脂を主成分にしてつくられたタイプは、汚れが染み込みにくいため手入れしやすいのが特徴です。また、天候の変化や衝撃にも強く、加工しやすいためさまざまな用途に使えるメリットがあります。ただ、ポリエステル系より価格は高くなります。

一方、ポリエステル系樹脂を主成分につくられたタイプは、カウンターをはじめ浴槽や洗面台などに使われています。しかし紫外線に弱いため黄ばみやすく、熱で変色しやすい、汚れが染み込みやすいなどのデメリットがあります。

人造大理石・人工大理石(人大)のメリット

天然大理石より安価

人造大理石・人工大理石(人大)は、加工がしやすく、安価であることがメリットです。

色やデザインが豊富

色や柄のバリエーションが豊富です。メーカーごとにさまざまな素材感や色合いのものがあり、幅広い商品から選ぶことができます。

水に強く、水垢が目立たない

人造大理石・人工大理石(人大)は水に強く、水垢が目立ちにくいため、一般的な住宅のキッチンや洗面台、浴槽などの水まわり設備に適しています。

汚れが落としやすい

人造大理石・人工大理石(人大)は耐汚性にも優れており、汚れを落としやすい特長があります。

耐久性が高い

酸などで劣化しにくいです。また耐久性と関連して、食材を置いたときに変色しにくいといった特長もあります。

衝撃に強い

人造大理石・人工大理石(人大)は衝撃に強く、傷がつきにくいのが特長です。

ステンレスに比べ音が響きにくい

主にシンクの場合のメリットになりますが、人造大理石・人工大理石(人大)はステンレスに比べ、音が響きにくいのもポイントです(シンク音に関しては、素材だけでなく静音材などにも関わります)。夜に洗い物をするときなどはお皿を置く音や水を流す音が響いていないか気になってしまいますが、人工大理石・人工大理石の場合は、音は多少和らぎます。

人造大理石・人工大理石(人大)のデメリット

かつての人大は熱に弱く、鍋やケトルの跡がついてしまうことが弱点でした。ただし最近では、耐熱性が向上したものもあります。人大の進化について、詳しくは後述します。

人造大理石・人工大理石(人大)の性能向上でキッチンが進化

上記のようなデメリットはあるものの、メーカーの努力により人造大理石・人工大理石(人大)の性能は日々向上しています。具体的にどのように進化しているのか、以下に詳しく紹介します。

耐久性や耐熱性の進化でキッチンの使いやすさが向上

人造大理石・人工大理石(人大)が使われるのはキッチンのカウンターだけでなく、背面収納などのカウンター部分や、作業台のカウンターなどにも採用されています。いずれも水や油、熱などを使う場所です。かつての人造大理石・人工大理石(人大)は鍋やケトルの跡、調味料や油などがシミになりやすく、傷つきやすいなどの弱点がありました。

「最近の人大は、従来に比べて耐熱性や耐汚染性などが向上しています。商品によっては油や水をはじくコーティングが施されていたりなど、汚れや傷がつきにくくなっているものもみられます」(岩間さん、以下同)

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人造大理石・人工大理石(人大)の手入れがしやすくなったことで、使いやすさも向上し、美しさと機能性が両立したキッチンを実現できるようになっています。

豊富な色合いでキッチンのデザイン性が向上

「今までは、カウンターはステンレスもしくは人大、シンクはステンレスという組み合わせが多くみられました。最近では、人大のシンクのバリエーションも増え、カウンターだけでなくシンクも人大とするケースも増えてきているようです」

シンクは、食器や調理器具がぶつかったり、食品や調味料、油などが直接触れたりする機会の多い場所です。傷や汚れがつきにくくなったことで、カウンターもシンクも人造大理石・人工大理石(人大)で統一しやすくなりました。

「メーカーや商品にもよりますが、カウンターとシンクのつなぎ目をなくしたタイプも。見た目が美しく、お手入れもラクでしょう」

天板は人大、シンクはステンレスのキッチン
カウンターは人大、シンクはステンレスのキッチン(画像/PIXTA)
天板もシンクも人大を使ったキッチン
カウンターもシンクも人大を使ったキッチン(画像/PIXTA)

また、人工大理石は色やデザインが豊富なため、インテリアの雰囲気にあわせて自由に選べ、おしゃれなキッチンに仕上げられます。

人造大理石・人工大理石(人大)のシンクやカウンターを掃除するときのポイント

通常のお手入れ方法はステンレスと同じ

「通常のお手入れは、人大もステンレスも大きく変わりません。取扱説明書などで確認が必要ですが、基本的には、キッチン用の洗剤をスポンジにつけて軽く磨く程度でいいでしょう」

気になる黄ばみの対処法は取扱説明書で確認

白やアイボリーの人造大理石・人工大理石(人大)で気になるのが黄ばみです。研磨剤の入った洗剤やメラミンスポンジなどで軽くこすることで落ちる場合もありますが、製品によってはコーティングが剥がれてしまうことも。取扱説明書やお手入れについての解説書などがあれば、そのキッチンに合ったお手入れ方法が書かれているので参考にしましょう。

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後悔しない!キッチン選びで知っておきたいポイント

さまざまな素材の特徴も知っておこう

キッチンのカウンターやシンクを選ぶとき、ステンレスにするか、人造大理石・人工大理石(人大)にするかで迷う人もいるでしょう。

「天然大理石のようにやわらかな温かみがあり、カラーバリエーションも豊富なのが人大。最近では、メーカー独自に新しい素材も開発されており、エポキシ樹脂を用いたタイプや水晶などを樹脂で結合した素材などもみられます。ステンレスは耐久性や耐熱性の高さ、お手入れのしやすさから使い勝手や作業性を重視する人向け。シャープでモダンな空間にあわせてステンレスを選ぶケースもあります。そのほか、セラミックのカウンターもみられるようになりました。シンクでは、輸入品に多くみられるほうろう(ホーロー)。独特の滑らかな肌ざわりの仕上げと美しい色合いが魅力です」

ステンレスのキッチンはシャープでモダンな印象
ステンレスのキッチンはシャープでモダンな印象(画像/PIXTA)

●素材の特徴
・人造大理石・人工大理石(人大)

天然大理石によく似た風合いの素材
耐水性、耐汚性に優れ、汚れも落ちやすい
色や柄のバリエーションが豊富
透明感や光沢があり、衝撃に強く耐熱性にも優れている
メーカーや商品によって価格や素材感、色合いや性能が異なる

・ステンレス
サビにくく、お手入れがラクな素材
耐久性や耐熱性がある
メーカーや商品によってステンレスの厚みはさまざま
傷が目立ちにくいよう凹凸のある表面加工を施したものや、傷や汚れがつきにくく落としやすい表面加工のものなどがある

・ほうろう(ホーロー)
ガラス質の釉薬(ゆうやく)を金属の表面に焼き付けた素材
鋼板ほうろうと鋳物ほうろうがある
耐熱性や耐久性がある
独特の滑らかな肌ざわり、美しい色合いなどが魅力
シンクで用いた場合、硬い食器などを落とすと破損しやすく、欠けた箇所からサビが生じるケースがある
輸入品のシンク単体がみられるが商品バリエーションに限りがある

インテリア性やシンクの機能を確認しておこう

人造大理石・人工大理石(人大)は各メーカーや商品によって性能は多様です。では、今はどんな視点で選べば、より満足のいくキッチンになるのでしょうか。

「キッチン選びのポイントは、お手入れのしやすさに加え、インテリア性やデザイン性も重視されています。キッチンがリビングやダイニングとオープンな空間でつながっている間取りが多くみられることも、その要因でしょう」

THE CRASSO(ザ・クラッソ)
TOTO独自のクリスタルカウンターと天然石をモチーフとした石目柄扉を組み合わせたインテリア性の高いシステムキッチン。『THE CRASSO(ザ・クラッソ)』。写真セット価格177万2750円(税抜き、周辺ユニット部除く、組立費別途)(画像提供/TOTO)

そのほか、最近では、シンクそのものにさまざまな機能が付いたタイプもみられます。洗剤やスポンジがすっきり収納できるデザインは一般的ですし、大きなフライパンが洗いやすいように奥行きが広いシンクも。排水口への水の流れを工夫したもの、汚れにくく掃除のしやすい排水口も多くみられます。

キッチンをプランニングする際には、ショールームを利用する方がほとんどでしょう。人造大理石・人工大理石(人大)のカウンターやシンクを希望しているのであれば、色合いや質感だけでなく、お手入れのしやすさ、メーカー独自の工夫などを実際に確認し、比較検討することがポイントです。

ステディア
カウンタートップとシンクに人工大理石アクリストンを使った「ステディア」。写真のセット価格は259万円(税抜き)(画像提供/クリナップ)
排水口までごみを運ぶ水の流れを計算しつくした流レールシンク
排水口までごみを運ぶ水の流れを計算しつくした流レールシンクは、汚れにくく洗いやすい。基本プラン(ステンレスの流レールシンク)からの変更はプラス3万円~(画像提供/クリナップ)

収納スペースを把握しておこう

キッチンを選ぶ際、収納スペースも重要なポイントです。しかし収納は多いほどよいというわけではありません。最近は背面の壁を利用したパントリーのあるキッチンもよく見かけますが、奥行きが深すぎて使いにくい場合もあります。

大切なのは、調理に必要なものを適切な場所に収納できることです。例えばフライパンや鍋といった調理器具はコンロ下、まな板や包丁といったキッチンツールはシンク下、調味料などは作業スペースの下に収納しておくと、必要なときにすぐ取り出せて便利です。

各収納スペースに何を入れるか考えながら、バランスのよいキッチンを選びましょう。

カウンターの高さを確認しておこう

カウンターも人によって適した高さが違います。その人に合うカウンターの高さは「身長÷2+5cm」が基本とされています。例えば身長が160cmの人の場合、適したカウンターの高さは85cmです。

カウンターが高すぎると調理がしにくく、低すぎても腰を痛めやすくなります。一般的には80 cm~90 cmの間でいくつか選択肢を用意しているメーカーが多いので、適した高さを選びましょう。

人造大理石・人工大理石(人大)のキッチンの価格相場

人造大理石・人工大理石(人大)の価格の相場はメーカーや形、大きさなどによりばらつきがあるので、一概には言えません。ただ、どのメーカーもだいたいステンレスが一番安価で、人造大理石・人工大理石(人大)はステンレスより高くなります。

まとめ

天然大理石の風合いや質感に似せ、樹脂などを使ってつくられた素材が人造大理石・人工大理石(人大)

人造大理石・人工大理石(人大)は天然大理石と比較して価格が安く、色・模様が豊富でデザイン性に優れ、手入れしやすいのがメリット

人造大理石・人工大理石(人大)は耐久性や耐熱性が向上し、デメリットは改善されつつある

キッチンを選ぶ際は、シンクの機能や収納スペース、カウンターの高さなども重要なポイント

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取材・文/田方みき イラスト/つぼいひろき
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