人造大理石、人工大理石の浴槽とは?メリットやデメリットのほか、お手入れについても紹介

人造大理石、人工大理石の浴槽とは?メリットやデメリットのほか、お手入れについても紹介

浴槽にゆったりつかって一日の疲れを癒やすバスタイム。注文住宅やリフォームの際に、どんな浴槽を選べばよいのか迷います。ここでは、人大(人工大理石、人造大理石)の浴槽を検討している人に役立つポイントを紹介。インテリア設計と住宅雑誌編集長の経験をもつ住宅設備のスペシャリスト、岩間光佐子さんに話を聞きました。

人工大理石、人造大理石の浴槽の基礎知識

天然大理石と人大はどう違う?

美しい模様が温かみを感じさせる天然大理石。床や壁などの高級な仕上げ材として、ビルや公共施設、一般の住宅などさまざまな建物に使われています。光沢があり美しい天然大理石ですが、水に弱く、濡れることで少しずつ輝きが失われていくという弱点があります。また、酸性やアルカリ性のものに触れることでも表面が劣化します。研磨をすれば輝きを取り戻せる場合もありますが、一般的な住宅で天然大理石を水まわりに使うのはメンテナンスの手間や費用を考えるとあまり現実的ではないかもしれません。

そんな天然大理石のデメリットを補うのが人工大理石・人造大理石(以下、人大)です。人大は樹脂やセメントなどが含まれており、天然大理石に比べて水に強いというメリットがあります。そのため、浴槽などの水まわり設備の素材としても適しているのです。

流れるようなラインが温かみを感じさせる大理石模様
流れるようなラインが温かみを感じさせる大理石模様(画像/PIXTA)

人大は、天然大理石と比べてどんなメリット、デメリットがある?

天然大理石の代用品として使われ始めた人大ですが、水に強いことのほか、加工しやすいため天然大理石に比べてコストが低いというメリットがあります。

デメリットには熱に弱い点や汚れがシミになりやすいことがありましたが、今は耐熱性や耐汚性も向上しています。

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素材によって人大の特徴は違う?

人大は、アクリル系やポリエステル系のものがあります。

アクリル系は、アクリル樹脂などを混合した素材で透明感や光沢があり、衝撃性や耐熱性などに優れるのが特徴。現在の人大の浴槽はこのアクリル系が多くみられます。

ポリエステル系には、表面にポリエステル系のコーティングを施した二層タイプや、ポリエステル系樹脂を使用した一層タイプがあります。アクリル系に比べて傷つきやすいなど性能や風合いが若干劣りますが、比較的安価といえます。

人大の質が向上したことで、浴槽がより使いやすくなった

最近の浴槽は掃除がラク?

「人大の浴槽は、各メーカーがそれぞれに工夫を施し、他の素材を加えたり、耐水性や耐汚性のある層を重ねたりすることで浴槽の性能や美しさを高めています。表面が滑らかなので汚れが落ちやすく、お手入れも簡単です」(岩間さん、以下同)

お風呂の掃除は家事のなかでも重労働。汚れがつきにくく落ちやすい浴槽なら、浴室用の洗剤をスポンジにつけてさっと洗うだけで、清潔な浴槽をキープできるでしょう。

お掃除がラクな「お掃除ラクラク人大浴槽」を採用した「サザナ」
浴槽の表面はっ水・はっ油技術で水や皮脂をはじく、お掃除がラクな「お掃除ラクラク人大浴槽」を採用した「サザナ」。本体価格96万8000円、オプション価格74万9500円、本体+オプション価格171万7500円(税抜、設置工事費別)(画像提供/TOTO)

他の素材の浴槽の特徴は?

浴槽には人大以外にもさまざまな素材が使われています。どんな素材があり、それぞれの特徴はどうなのでしょう?

「一般的なシステムバスを家づくりやリフォームのプランに取り入れる場合、浴槽の素材はシステムバスの商品シリーズに設定されたものから選ぶことになります。設定されている素材で多いものは人大とFRP(Fiber Reinforced Plastics=繊維強化プラスチック)。メーカーによってはほうろう(ホーロー)やステンレスをそろえた商品シリーズもあります」

●素材別 浴槽の特徴
・人大

天然大理石によく似た風合いの素材
耐水性、耐汚性に優れ、汚れが落ちやすい
カラーバリエーションが豊富
アクリル系は透明感や光沢があり、衝撃性や耐熱性などに優れている
ポリエステル系はアクリル系よりも性能や風合いなどが少し劣るが比較的安価なものがある
メーカーやシステムバスのシリーズ(商品)によって価格や素材感、色合い、性能が異なる

・FRP
浴槽の素材としては一般的で、やわらかく温かみがある樹脂素材
耐久性や耐衝撃性、保温性があり、軽量なことが特徴
カラーバリエーションが豊富で価格も手ごろ
汚れがつきやすいが、最近は材質などの改良が進み、性能やデザイン性を高めた浴槽もある

・ステンレス
耐久性、耐熱性、保温性がよく、価格も手ごろ
傷やサビに強く、メンテナンスもラクなのが特徴
裏面の保温材によって、保温性能が高められている
表面の手ざわりや温度が不快に感じるという人もいるが、金属特有の肌ざわりを抑えた商品も出ている

・ほうろう(ホーロー)
ガラス質の釉薬(ゆうやく)を金属の表面に焼き付けた素材
鋼板ほうろうと鋳物ほうろうがある
耐久性や保温性ある
素地の鉄が熱を吸収し、外側の保温材が閉じ込めるため浴槽自体が温かく冬でもひやりとしない
独特の滑らかな肌ざわり、美しい色合いなどが魅力

・木製
木質独特の温かみや香りが魅力。材質としてはヒノキやヒバ、サワラなど
サイズ、樹種によって価格に差が出る
最近では特殊加工によって腐りにくく、手入れも簡単な商品も見られる

木製の浴槽
多くはないが、木製の浴槽を選べるシステムバスを出している会社もある(画像/PIXTA)

浴槽を選ぶときには機能やデザイン性などをショールームで確認

価格で選ぶと人大は高いの?

浴槽単体で購入する場合、FRPよりも人大のほうが価格が高い傾向にあるかもしれません。しかし、浴室のプランニングは、多くの方が取り入れるシステムバスの場合であれば、まず、好みや予算に合った商品シリーズを選び、その商品に設定された浴槽の素材(FRPや人大)を選択することになります。標準仕様なのか、オプションなのかで価格も変わってくるでしょう。

「多くのメーカーが、システムバスは高級、中級、手ごろなものと価格帯の違うシリーズをそろえており、それぞれ浴槽の設定も異なります。設定される人大の浴槽にもいくつかのランクを用意しているケースが多く、素材感や色合い、性能などが異なるので、優先順位を決めて選ぶことが大切です」

ショールームでは何を見ればいい?

ショールームへ出かけることのメリットは、実物を自分の目で見て、手で触れて確かめられること。

「特に浴槽は肌が直接触れることになるアイテムですから、素材感を確かめることが重要です。そのほか、色や光沢、透明感などが好みかも確認を。お湯を張った状態や照明による雰囲気もチェックするといいですね」

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そのほか、浴槽の形もさまざま。全身浴と半身浴のどちらもしやすいタイプや、ソファのようにゆったり腰かけて入浴できるタイプなど、好みの入浴スタイルでくつろげる浴槽を選ぶといいでしょう。

全身浴も半身浴もくつろげる「スマート浴槽」
全身浴も半身浴もくつろげる「スマート浴槽」(画像提供/クリナップ)
ソファのように腰かけられる「ラウンジ浴槽」
ソファのように腰かけられる「ラウンジ浴槽」(画像提供/クリナップ)

「システムバスは年々進化しています。水栓やシャワーの節水機能、浴槽の保温機能など省エネやエコはもちろん、お手入れや掃除のしやすさに考慮したタイプなどが多くみられます」

今は、色や光の強さを調整できる照明や、打たせ湯や肩湯が付けられるものなどリラックスのための演出がされているものも。今後は、スマートスピーカーなどの連動するAI機能搭載のシステムバスも一般化するかもしれません。

「システムバスはメーカーによってデザインや掃除のしやすさ、浴槽や浴室の保温機能の仕組みなどが違っています。自分にとっての優先順位を明確にして、それぞれの特徴を比較検討することが大切です」

人大の高断熱浴槽を採用した「アクリアバス」
人大の高断熱浴槽を採用した「アクリアバス」。浴室全体も保温材で包まれているため、家族みんながあたたかく入浴できる。写真のセットは119万円(税抜、設置工事費別)、基本プラン価格は114万4000円~(税抜き、1616型、1坪)(画像提供/クリナップ)
まとめ

天然大理石の風合いや質感に似せて人工的につくられたものが人大(人工大理石、人造大理石)

人大の浴槽は温かみがありカラーバリエーションが豊富

人大の浴槽の耐汚性が高まり、表面の加工も滑らかで汚れがつきにくく落としやすい

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取材・文/田方みき イラスト/つぼいひろき
公開日 2020年01月15日
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