男性の一人暮らしの部屋。理想の部屋はあるけれど、現実はどうコーディネートしたらいいのかわからない…でもおしゃれなインテリアでまとめたいと考えている人は多いはず。男性に人気の高いインテリアのスタイルやセンスのよい男性一人暮らしの部屋づくりのポイントをインテリアコーディネーター住吉さやかさんに教えてもらいつつ、実際におしゃれに暮らしている部屋を紹介していきます。
おしゃれな部屋をつくるには、まずどんなスタイルにしたいのか方向性を決めることが大事。1つ1つの家具や小物のデザインがよくても、それぞれのスタイルがちぐはぐだと全体の統一感がなくなり、センスよく見えないからです。そこで最近の一人暮らしの男性のインテリアのトレンドについて、インテリアコーディネーターの住吉さやかさんに伺いました。
コンクリート打ちっぱなしの壁や、タイルの床などの内装をベースに、木製家具を減らしてモノトーンでまとめる無機質なインテリアがトレンドです。カーテンをブラインドにすることで、さらに無機質感をアップさせることができます。観葉植物をプラスして、リラックス感を出すのがポイントです。
ナチュラルすぎずシンプルで落ち着きのある北欧スタイルも根強い人気があります。明るい木の色に黒を合わせると、温かみの中にかっこよさもあるインテリアになります。北欧は有名なデザイナーズチェアがたくさんあり、こだわりのある男性などの間で人気です。
住む人の趣味を反映したインテリアがトレンドに。インドア系では照明などにこだわったゲーミングルーム、アウトドア系ではテーブルやチェアなどキャンプギアを家具として住空間にも取り入れたり、自転車を飾りながら収納したりなど、趣味を取り入れたインテリアにしたいというニーズが急増中。
このようにインテリアのコンセプトやスタイルを決めることが、まとまりのあるおしゃれな部屋への近道。いいなと思う部屋の写真をSNSなどで見つけたら、保存して参考にしましょう。
部屋づくりを考えるときに迷いがちなのが、色。失敗しにくい色使いのコツを住吉さんに聞きました。
かっこいい部屋をつくるには、色数を減らすことが大前提。そのうえで、
・木の色(床、建具、テーブルなど木製家具)を統一
・布の色(ソファ、ベッドカバー、カーテンなど)はグレー系/ブラウン・ベージュ系のどちらかに統一
しましょう。混ぜるのはNGですが、濃いめ・薄めのグラデーションをつけるのはOKです。そこに、アクセントで色(青や赤などから1色)を選んで加えると、かっこよくまとまった部屋になります。
アクセントカラーは1色が基本。ただし、まったく同じ色だけだと単調になるので、例えば青なら青でも同系色の青をグラデーションで取り入れるのがポイントです。その際、小物などは鮮やかで明るめの色を、面積の大きいものはその逆を選ぶと失敗しにくいでしょう。
狭くなりがちな一人暮らしの部屋を広く見せるための家具配置やインテリアの工夫を住吉さんに聞きました。
白い壁は部屋が広く見える効果がありますが、例えば1面だけ色が違うアクセントクロスが張ってあると、奥行きがはっきりして、広く見える場合も。最近の賃貸住宅に増えてきましたが、そのような奥行き感のある部屋を選ぶと、同じ面積でもより広く感じられることがあります。剥がせる壁紙など、原状回復のできるものを使ってDIYするのもいいでしょう。その際必ずどの範囲までDIYを行っていいのかは、管理会社や大家さんに確認を取りましょう。
家具は高さがあるものより、低めのほうが広々と見えるもの。広く見せたい場合、低めのものを選びましょう。
バルコニーに出る掃き出し窓の前にベッドを置くケースが多いけれど、できれば窓の前は開けましょう。部屋の入り口からバルコニーまでの間を大きな家具でふさがないほうが広く見えるうえ、動線もよくなります。
素敵な部屋にしたい人にぜひこだわってほしいのが、照明の工夫。例えば部屋を薄暗くして、コーナーに置いたスタンドライトを明るくするなど、陰影を出すことで広く感じさせる効果があります。
男性の一人暮らしの部屋で、こうならないように注意したいというポイントについて住吉さんに聞きました。
最もやりがちなNG例が、ティッシュの箱がむき出し、ゴミ箱にかけたビニール袋が見えたままなど、生活感を丸出しにすること。どんなに素敵な家具を揃えても、これだけで台無しになってしまうほどの破壊力が。インテリアに合うティッシュケースに入れて目立たない場所に置く、袋が隠せるゴミ箱にするなど工夫しましょう。
大きすぎる家具を入れて部屋が狭くならないよう注意。家具や家電は大きいほどいいと思っている人もいるようですが、家具のボリューム感は部屋の3割くらいまでがいいと言われているので、詰め込みすぎに気をつけましょう。
カーテンにまで気が回らず、なんとなく選んだカーテンがインテリアと統一感のない柄になってしまっているケースも。柄のあるものは難しいので、ベーシックな色の無地のものを選びましょう。
男性の一人暮らしの部屋で、こうするとさらに素敵になるというポイントについて住吉さんに聞きました。
レースのカーテンは白が多いですが、グレーなど、白以外のものにするとぐんとおしゃれになるのでおすすめ。
部屋によってできる・できないがありますが、もし可能なら、窓まわりはカーテンではなく、ウッドブラインドやバーチカルブラインドなどにするとかっこよさが格段にアップします。
間接照明を効果的に取り入れるのもおすすめ。例えばベッドまわりでは、下から上向きに照らすアッパーライトなどを使うと光が目に入りにくく、雰囲気のいい空間をつくることができます。賃貸住宅の天井についていることが多いシーリングライトも、簡単に外せるので、吊り下げ型のペンダントライトに変えるのもおすすめです。
余計なものを置きたくない、ものが少ないほうがかっこいいと思っている人も多いけれど、フォーカルポイント(部屋に入ったときに真っ先に目が行く場所)をつくって、アートや観葉植物などを飾るとかっこよくなるのでおすすめ。フォーカルポイントになりやすいのが、入り口から一番遠い部屋の角など。そこに観葉植物やフロアライト、壁にアートを飾ったりすると効果的です。また、キャビネットなど低めの収納棚の上もフォーカルポイントになりやすいところ。全体を素敵にしなくても、ここ!と決めたところを1箇所だけがんばると、一気にかっこよくなります。
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おしゃれな一人暮らしの男子が住む部屋を編集部がピックアップ。さらに、センスのいいポイントを住吉さんに教えてもらいました。
コンクリート打ちっぱなしの部屋を上手に活かした事例。窓にバーチカルブラインドを使い、窓までの抜け感をふさがないレイアウトも上手です。照明、観葉植物、アートもセンスよく飾ってあり、生活感の出やすい家電にも細かく気を配って、こだわりが感じられます。
天井からペンダントライトを下げ、ベッドサイドにスタンドライトを置いてナイトランプ代わりにしているなど、照明のこだわりにセンスが感じられます。キャビネットの上にフロアライトと観葉植物が置かれ、そこから少しずらしてアートを飾ってあるのも素敵。ナチュラルな要素の取り入れ方も上手で、ほどよいウッド調が落ち着く空間になっています。
壁の1面がアクセントクロスになっていて、天井や床などの照明でさらに奥行きが感じられる空間になっています。寝室にもリビングにも、天井と床の間に突っ張るタイプのラックを使い、特にリビングではここがフォーカルポイントになっているのがポイント。大きい植物は床に置くと邪魔になりやすく、お手入れも大変ですが、このようにラックで高さを出すと小さめの観葉植物でも存在感が出る、という好例です。
Takahiroさんのお部屋記事はこちらをチェック!
まずはどんな部屋にしたいのかインテリアのコンセプトやスタイルを決める
部屋の中での広い面積は落ち着いた色にし、好きな色をアクセントカラーに
照明器具にこだわり、フォーカルポイントに観葉植物やアートを飾るとおしゃれ