民間と比べてどうなの? UR賃貸のメリット・デメリット

民間と比べてどうなの? UR賃貸住宅のメリット・デメリット

礼金・更新料・保証人が不要など、お得そうな話をよく聞くUR賃貸住宅。ただ、民間の賃貸住宅と比べてどうなの? デメリットもあるのでは? と疑問を抱いている人は多いはず。そこで、都市再生機構に、UR賃貸住宅のメリット・デメリットをズバリ聞いてみた。

UR賃貸住宅ってなに? メリット・デメリットは?

UR賃貸住宅とは、都市再生機構(UR都市機構)という独立行政法人が管理している公的な賃貸住宅のこと。全国に約74万戸あり、そのなかには従来の公団住宅のほか、最新設備を備えたハイスペック住宅も含まれている。

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南神大寺(写真提供/都市再生機構)

民間の賃貸住宅との違いは、以下にUR賃貸住宅のメリット・デメリットを挙げながら解説していこう。

UR賃貸住宅のメリット

【1】契約に関する費用が抑えられる
民間の賃貸住宅を契約するときは、敷金(家賃1~3カ月分)・礼金(家賃1~3カ月分)・不動産会社への仲介手数料(家賃1カ月分)がかかり、さらに契約2年ごとに更新料(家賃1カ月分)がかかるのが一般的。
一方、UR賃貸住宅では、礼金や仲介手数料が不要。入居時に必要なのは、敷金として月額家賃の2カ月分、日割りの家賃と共益費だけなので、初期費用が抑えられる。さらに入居後は1年ごとに契約が自動更新され、更新料がかからない。また、UR賃貸住宅から別のUR賃貸住宅へ引越した場合、敷金は引き継ぐことができる。

【2】契約時の手間が少ない
民間の賃貸住宅では、保証人を立てる(もしくは保証会社を利用する)必要があるが、UR賃貸では、保証人が不要。収入などの審査をパスすれば、自己責任で契約することができる。このほか、火災保険への加入義務がないなど、手間や費用を省けるポイントが多い。

【3】敷地や部屋の面積が広い
都心近郊を開発してきたという経緯から、敷地が広々としているのが特徴。物件によっては公園、保育園、病院、スーパーなどを備えているところもある。また、1つ1つの部屋もゆったりとつくられている。例えば民間の賃貸住宅なら2LDKの間取りになるところ、UR賃貸住宅では1LDKで提供されているなど、部屋数のわりに面積が広くなる傾向がある。

UR賃貸住宅のデメリット

【1】部屋数のわりに家賃が高め
部屋の面積が家賃に反映されるため、同じ部屋数の民間の賃貸住宅に比べると、面積が広い分、家賃は高めに設定される傾向が。ただし、契約時の初期費用が少なくて済み、更新料が不要なことを加味すると、総費用は割安なこともある。

【2】物件によっては駅から遠く、設備が古いことも
駅からのアクセスのいい物件もあるが、駅から遠い、バス便になるといった物件も少なくない。また、特に昭和30~40年ごろに開発された古い物件などでは、エレベーターがない、洗濯機の排水口がない(浴室に排水する)といったケースも。ただし、古くても大規模リニューアルで設備が改善されていることもあるため、内見でチェックしてみよう。

【3】審査基準がやや厳しい
保証人がいらない代わりに、入居者本人に課す条件はやや厳しめ。例えば、毎月の平均収入額が基準月収額(家賃の4倍。家賃が一定の金額を超える物件についてはURが定めた固定額)以上であること、もしくは貯蓄が借りたい物件の月家賃の100倍以上あることなど、UR賃貸住宅が定める条件をクリアする必要がある。ただし、1年分の家賃を前払いすればOKなどの緩和措置もある。

民間賃貸とUR賃貸住宅。長い目で見たトータルコストはどう変わる?

前述のように、初期費用や入居後の手続きの費用を抑えられるのがUR賃貸住宅の大きなメリット。では、実際に長く住んだ場合、一般的な民間の賃貸住宅と比べてどれくらいの差が出るのだろう。以下にシミュレーションしてみた。

仮に10万円の物件に5年住んで退去したとして計算すると、一般的な民間の賃貸住宅と比べ、約50万円の差が。つまりUR賃貸住宅なら、家賃10.5万円の物件に住んだとしても、家賃10万円の民間の賃貸住宅よりトータルコストを抑えることが可能ということになる。

家賃10万円の物件に5年間住んだとすると……約50万円の差が
一般的な民間の賃貸住宅
家賃 10万円×60カ月=600万円
敷金 10万円×2カ月=20万円
(退出時) (3万円差し引かれると仮定し17万円返還)
礼金 10万円×2カ月=20万円
仲介手数料 10万円×1カ月=10万円
更新料 10万円×2回=20万円
5年間合計 667万円
UR賃貸住宅
家賃 10万円×60カ月=600万円
敷金 10万円×2カ月=20万円
(退出時) (3万円差し引かれると仮定し17万円返還)
礼金 0円
仲介手数料 0円
更新料 0円
5年間合計 617万円

 

UR賃貸住宅に向いている人・向かない人は?

民間の賃貸住宅と比べると、さまざまな違いがあるUR賃貸住宅。結局のところ、どんな人に向いていて、どんな人には向かないのか、まとめてみた。

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品川八潮パークタウン(写真提供/都市再生機構)
向いている人
  • 子育てファミリー。静かで緑豊かな環境のなか、広い敷地、広い部屋でのびのびと子育てができる。
  • お得な家賃プランの対象となる人。子育て世帯や新婚世帯の「子育て割」、二世帯が近くで暮らす「近居割」、35歳以下の「U35割」などの対象となる場合は、通常より家賃が割引になることも。
  • 保証人を頼めない、頼みたくない人。
  • 初期費用(まとまった金額)をなるべく抑えたい人。
  • 学生や転勤など住む期間があらかじめ定められている人。更新料の発生を抑えられるため。
向いていない人
  • 仕事をしている時間が長く、家にいる時間が短い人、帰宅が遅い人。住環境のよさより通勤アクセスを重視したほうがよいことも。
  • 特定のエリアで「ここに住みたい」と決まっている人。人気の物件は空きが出にくいこともあるため。

UR賃貸住宅には、固定のファンも多いという。条件さえクリアすれば、さまざまなメリットをふんだんに享受できるからだ。長い目で見て、自分に向いているかどうかを考え、ぜひ比較検討してみよう。

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取材協力/都市再生機構(UR都市機構) 取材・文/前川ミチコ
公開日 2017年09月25日
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