ペット可賃貸のお部屋の探し方のコツとは? 暮らし方の注意点はある?

公開日 2019年03月04日
ペット可賃貸のお部屋の探し方のコツとは? 暮らし方の注意点はある?

ペットと一緒に暮らしたいけれど、ペット可賃貸ってどんな風に探せば良い? 暮らす際の注意点はあるの? 賃貸住宅事情に詳しい不動産コンサルタントの長谷川高さんに教えてもらいました。

ペット可賃貸はどうやって探す?

「ペット可」といってもペットの種類や頭数の確認が必要

最近はペットの頭数が子どもの人数を上回ったと言われるほど、ペットを飼う人が増えています。それに伴い「例えば最近の分譲マンションの多くはペット可です」と長谷川さん。分譲マンションの場合は飼えるペットの種類や頭数など管理規約で細かく決められていたり、ペット共生をうたい、ペットの足洗い場や専用の排泄物処理設備などを設けているところもあります。

では賃貸住宅も同様でしょうか。確かに賃貸住宅でも「ペット可」は増えているのですが、実は分譲マンションとはその内容が異なるのです。賃貸住宅で「ペット相談可」といっても、たいていは種類や頭数、犬なら大型犬か小型犬までかといった細かいルールまで決められていません。ペット用の足洗い場を設けているところもあまりないのが現状です。

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なぜ分譲と賃貸住宅でこうも違うのでしょうか。「分譲マンションの購入を検討する人は、基本的にずっとそこで暮らすことを前提に選びます。ですから購入後に住民同士のトラブルが起きるような分譲マンションは避けられます。そのため管理規約ではエレベーターではペットを抱えるなど細かい部分まで決めているのです。ところが賃貸住宅の『ペット可』は、大家さんが『それで入居希望者が来てくれるなら』と『ペット可』にするケースが多いのです」

なぜ大家さんがそう考えるかというと、最近は物件の老朽化や賃貸住宅の供給過多により、築年数の経った部屋は従来の賃料で入居者を集めることが難しくなってきたことが背景にあります。その対策として、リフォームを行って人気の間取りにしたり、人気の設備を備える方法がありますが、間取り変更を伴うリフォームは当然それなりに費用がかかります。

一方で間取り変更をしなくても「ペット可」で入居希望者を増やせるのであれば、大家さんからしてみれば費用をかけず、すぐにはじめられる空室対策に。そのためまずは空室対策が先で、ペットに関するルールづくりが後回しになるケースも。よって、部屋を探す際は犬や猫、鳥類や爬虫類といったペットの種類や頭数、大きさなどを一部屋ずつ確認している物件が多いようです。
このようにペットが大好きだからペット可にしているという大家さんはまだまだ少ないというのが現状です。

また分譲マンションの賃貸の場合、その分譲マンションがペット可であっても部屋を貸し出しているオーナーがその部屋だけペット不可にしていることもあるので、仲介会社に確認してみましょう。

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ペットを優先して、ある程度希望条件を緩めて探すのがコツ

地域によっても「ペット可」の部屋数にバラツキがあります。その理由は、「ペット可にして空室を埋めたい」賃貸住宅がどのエリアにも均等にあるわけではないからです。

例えばSUUMOで調べてみると、東京都の港区や練馬区、八王子市では賃貸住宅の部屋数に対して「ペット相談可」の部屋数が20%を超えています。なかでも八王子市は25%超ですから、4部屋に1部屋はペット相談可です。一方で同じ東京都でも杉並区や江戸川区、三鷹市などは10%未満です。
※2019年2月5日の調査時点

つまり都市部だから少ないとか郊外だから多いという傾向はなく、バラツキがあります。さらに「ペット可」の内容を問い合わせると先述のように「犬はダメ」「猫はダメ」ということもあります。そのためペットのいない場合と同じように希望条件を絞り込んで探すと、該当する部屋がほとんどない、なんてことも十分ありえるのです。

効率良くペット可の賃貸住宅を探すためには希望条件、なかでもエリアをあまり絞り込まないほうがいいでしょう。通勤や通学先と同じ沿線だけでなく、別の沿線も検討してみたり、通勤・通学時間を緩められるかも検討してみてください。また先述のように大家さんとしては入居者が集まりにくくなった物件を「ペット可」にして入居者を集めたいわけですから、人気の低い築古のほうがペット可物件は探しやすくなる傾向に。このように広範囲で部屋を探したほうが、ペットと一緒に暮らせる部屋を探しやすくなります。
ちなみにSUUMOでは、「人気のこだわり条件」の中にある「ペット相談可」にチェックを入れるとペットと一緒に暮らせる部屋を検索できます。

また部屋だけでなく、近くに動物病院やペットホテルなどがあるか、ペットと一緒に行ける公園や散歩コースがあるかなど、ペットと暮らしやすい周辺環境かどうかも考慮して探すようにしましょう。

ペットと一緒に暮らす際の注意点は?

契約の前に細かく確認しておくこと

希望にかなうペット可賃貸の部屋が見つかったら、すぐ契約するのではなく、後々のトラブルを防ぐためにも確認しておくべきことがあります。まずは「契約時に渡される重要事項説明書に、ペットの種類や頭数などについて書かれているかをチェックしましょう。もしないのであれば別紙でもいいので書いてもらうようにしましょう」

ほかにもペットによる傷やニオイについてや、退去時に修繕のための費用が必要か、ペットの抜け毛で排水口が詰まった場合はどちらが修理費用を負担するかなども聞いて、これらに関する記述がない場合も同様に紙に書いて残すようにしましょう。「口約束はトラブルの元です。曖昧なまま入居すると、後でお互い嫌な思いをしがちですから」

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逆にいえば、こうした細かい部分まできちんと重要事項説明書に書かれているなら、それだけペットに対して考えている物件だといえるでしょう。

トラブルを防ぐための自己防衛策が大切

「ペット可」の賃貸住宅に無事入居したとしても、残念ながらまだ安心はできません。「ペット可」といっても、そこに住んでいる人たちがすべてペット好きであるとは限らないからです。だから「分譲住宅ではトラブルを防ぐために細かく管理規約で決められている」ことを思い出してください。

「二重天井や二重床の分譲マンションですらトラブルで最も多いのは騒音問題です。壁や床が分譲よりもたいていは薄い賃貸住宅の場合、鳴き声だけでなく足音も響きがちですから、当然注意が必要です」

対策としてはペットのしつけはもちろん、床に遮音性の高いマットや絨毯を敷くことです。「むしろマットや絨毯のほうが、ペットからすれば滑りやすいフローリングよりも歩きやすくなります」。また壁に汚れや、猫の場合は爪とぎ傷を付けないようにする保護シートも貼ったほうがいいでしょう。退去時にはがせるような、賃貸住宅でも使えるタイプもあります。

ペットが歩きやすく、騒音トラブルも防ぎやすいタイル状カーペット
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最近は30センチ四方のタイル状のカーペットがペット愛好家に人気。必要な枚数だけ敷けるほか、1枚だけ外して洗濯機で洗えるタイプもある

犬や猫のシャンプーをする場合は、部屋に備えられている洗面台や浴室をそのまま使うと、抜けた毛が排水口を詰まらせる危険があります。ペット用のバスタブを購入して、抜け毛対策を行うといいでしょう。ペットの排泄物の処理方法(トイレに流していいのか、生ゴミで出すのか)も確認しておきましょう。

このように賃貸住宅ではペットとの共生に対しては整備されていないのが現状とはいえ、家に帰るとペットが待っている生活はやはり魅力的。一日の疲れがあっという間に癒やされるはずです。まずは最寄駅など自分の希望条件を少し緩めてでも、ペットと暮らせる賃貸住宅を探してみましょう。

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取材・文/籠島康弘 イラスト/つぼいひろき
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