二人暮らしの食費の平均はどのくらい?食費の目安や節約するためのコツを解説

最終更新日 2025年09月21日

二人暮らしの食費の平均はどのくらい?食費の目安や節約するためのコツを解説

二人暮らしになると、一人暮らしのときに比べて生活費が増えますがその中でも食費の割合が高くなります。では、二人暮らしの食費の平均額はどのくらいなのでしょうか?また、無理なく節約するためのコツが知りたいという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、暮らしや家事の専門家である消費生活アドバイザーの和田由貴さんに、二人暮らしの食費の平均額や、簡単に実践できる節約の方法について伺いました。二人暮らしの生活費に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

二人暮らしの食費の平均金額と特徴

同棲や結婚を機に二人暮らしを始めると、意外と生活費がかかると感じることが多く、節約を考える人も少なくありません。まずは、二人暮らしの食費の平均額やその傾向について確認してみましょう。

2025年2月7日に総務省が公表した「家計調査(2024年)」によると、二人暮らしの1カ月あたりの食費の平均は7万5374円です。また、家計全体に占める食費の割合を示すエンゲル係数は28%で、これは消費支出全体の4分の1強が食費に充てられていることを意味します。

また、1カ月の外食費は1万326円で、食費の約13.7%を占めています。弁当や冷凍食品などの調理済み食品の費用は1万1538円で、食費の約15.3%です。これらのデータから、二人暮らしの食費のうち、約30%が外食や調理済み食品など、自炊以外の支出に使われていることがわかります。特に共働き世帯では、外食や調理済み食品に頼ることが多く、その結果、食費が高くなりがちです。

「二人暮らしにおける1カ月の食費の平均が7万円台後半と聞くと多いように感じますが、賃貸や持ち家といった住居形態やエリアの違いなどによって食費にかけられる金額も変わってきます。あくまで目安として捉えて、自分たちの暮らしに合った金額を設定するようにしましょう」(和田さん、以下同)

2人暮らしの食費の内訳
二人暮らしの食費の内訳は、食材費でおよそ半分、酒類を含む飲料と調理食品、外食で半分となっている。(総務省統計局 家計調査2023年(令和5年)第3-2表「世帯主の年齢階級別1世帯当たり1カ月間の収入と支出」より)

二人暮らしの食費の目安はいくら?

二人暮らしの食費の平均は約7.5万円と紹介しましたが、理想的な食費はどのくらいが目安なのでしょうか?ここでは、二人暮らしにおける食費の目安や効果的な管理方法についてご紹介します。

食費は給料の手取り額の15%以内を目安に、家計全体を見て柔軟に設定を

では、二人暮らしにおける食費の目安はどのくらいが理想なのでしょうか?

「収入によっても異なりますが、一般的に、食費は給料の手取り額の15%以内に収められるのが理想です。

手取りが20万円であれば3万円、
手取りが30万円であれば4万5000円が目安
になります。

20%を超えると食費に使いすぎの傾向があるので、見直す必要があるかもしれません。なるべく15~20%に抑えられるといいですね」

カップルや夫婦共働きであれば、二人の収入を合算して計算するため食費に余裕が持てることも。
また、家計に負担がかからない家賃の割合が手取り額の30%以下といわれていることから、家賃+食費の割合を50%以下に抑えられれば、無理なくやりくりができます。住居費が抑えられる場合は、その分食費に回すことも可能なので、状況に応じて柔軟に調整を。

外食費や酒類などをあえて食費から外して、交際費や娯楽費として管理する方法も

元々外食の頻度が多かったり、お酒が趣味で食費に占める割合が非常に高かったりなど、変動要素が大きいものもあるでしょう。その場合1ヵ月の食費を設定してもオーバーしてしまうことが多いので、食費と切り離して交際費や娯楽費として仕分けすると管理しやすくなります。

「外食も月に1回くらいの感覚であれば食品に入れてもいいと思いますが、かなり頻繁に外食するようであれば、食費とは別に考えないと際限なく使ってしまうことも。その帳尻を合わせるために、日々のやりくりも大変になってしまいます。また、お酒を食費に入れることによって飲むのを我慢してしまうことで、かえってストレスが溜まってしまって本末転倒ですから。
食費と切り分ける項目については、二人のライフスタイルに合わせて考えられるといいですね」

二人で外食を楽しんでいるシーン
外食が多い場合は食費ではなく娯楽費などにすると、食費の変動要素が減って管理しやすくなる(画像/PIXTA)

二人暮らしの食費を節約するポイント

食費は生活費の中でも節約しやすい項目の1つです。ここでは、二人暮らしで無理なく食費を抑えるための具体的なポイントをご紹介します。

日割りの予算に分けて食費を管理する

まずは、1日あたり食費としていくら使えるのかを明確にして、その範囲内で必ず買い物することが大事。

「例えば、食費が4万円の場合、1日あたり約1300円程度使えるという計算になります。
2日分買うのであれば2600円、3日分なら3900円というように計算していけばいいのですが、調味料やお米などストック食材を買うとその予算が崩れてしまいます。
それを防ぐために、あらかじめその分の予算を1:3に分けておくのがオススメ。
先ほどの4万円だとしたら4万円を30日分で割るのではなくて、まず1:3に分けてから日割りにします。
3万円は日々の食材購入以外には使わないようにして、分けておいた1万円でストック食材を月に1回まとめて買うようにすると、予算をしっかり守れるようになります」

食費をストック食材用と通常食材用に1:3に分けておくことを示すイラスト
ストック食材のために、あらかじめ月の食費を1:3に分けておくこともポイント

ストック食材用の予算に少し余裕を持たせておけば、月末食費が足りなくなったときや、急な来客で出費が増えたときの予備費として使うことができるので安心です。この方法で食費をやりくりすれば、しっかりと予算内に収まっているという達成感も得られるようになるはずです。

「あとは、日々の買い物はスーパーが対応している電子マネーで、ストック食材はクレジットカードというように、使った金額や残高の管理がしやすいようそれぞれの決済方法は別にしておくといいでしょう」

アプリなどで家計簿をつけて、支出を管理する

「きちんと予算の中に収まっていればあまり細かいことは気にしなくてもいいので、必ずやらなきゃいけないわけではないですが、きちんとマメに記録ができるという方は、ぜひ家計簿をつけてみてください。何にどのくらい使っているかが可視化できるので、食費の傾向が見えてきます」

家計簿をつけるのであれば、家計簿アプリを使うのがオススメ。レシート読み取り機能で簡単に計算ができるだけでなく、過去の購入履歴が確認できるので、スーパーで最近の購入食品を忘れてしまった際でも重複して購入することや買い忘れなどを防ぐことができます。

冷凍野菜を活用して、食材の無駄をなくす

二人暮らしにおいては、冷凍野菜などを活用して食材の無駄をなくすのも効果的。

「ファミリー世帯では、家で子どもにご飯を作る場合が多いため、「せっかくご飯を作ったのに食べなかった」とか「何か作ろうと思って食材を買っておいたのに作れなかった」ということが少ないかもしれません。一方で、二人暮らしの場合、お互い働いていて帰宅時間がバラバラだと、それが起こりやすくなります。消費期限の短い野菜を買ったりするとだめにする確率が高くなりますし、節約のために自炊しようと思ったのに結局フードロスがでてしまっては意味がないので、食材の購入については気をつけた方がいいですね。
冷凍野菜は少し割高ではありますが、使いたいときに少量ずつ使えば食材の無駄をなくすことができて結果的にお得になるので、ぜひ活用していただきたいです」

お肉を小分けにし、冷凍保存する様子
肉や魚なども、まとめて買ってきたらすぐに小分けにして冷凍しておくと、効率的に使い切れるので節約につながります(画像/PIXTA)

お弁当を作る。ご飯を炊いて、おかずのみを購入するだけでもOK!

勤務先での昼食は、外食やコンビニ等のお弁当など、毎日のこととなるとコストがかかりがち。なるべく手作りのお弁当を持参するのが理想的ですが、それが難しい場合はご飯を持って行くだけでも、市販のお弁当を買うよりも安く抑えることができるので、節約につながります。

「『お弁当を作るのが面倒くさいから』という消極的な理由での外食はすごくもったいないお金だと思うんです。でも、毎日お弁当を作るとなるとハードルは高くなるので、朝ご飯の残りのご飯を容器に詰めて持って行って、スーパーやコンビニのお惣菜をおかずにするだけでも節約になります。また、でかける前に炊飯器をセットしておけば、『面倒くさいから外で食べて行こう』とできなくなるので、自然と家でご飯を食べるようになりますよ」

食費の節約のためにお弁当作った様子
外食や市販のお弁当を控えて自炊を心がけるだけで、かなりの食費の節約に(画像/PIXTA)

コンビニの利用をできるだけ控える

コンビニは、調理食品や飲み物、日用品などを手軽に購入できて便利な半面、スーパーなどと比較して割高です。

食費を節約したい場合は、スーパーやドラッグストアで食材を購入したり、時間のある時に業務用スーパーを利用して、大容量かつ低価格で食材をまとめて購入し、冷凍保存することで長期的に節約できます。

また、スーパーでの買い物の際にポイント制度や割引を上手に活用すれば、さらにお得に買い物ができるでしょう。

外食の利用回数も減らす

節約を考えるとき、外食の頻度を少しずつ減らすのも効果的です。冒頭で述べたとおり、二人暮らしの平均的な外食費は、食費全体の約21%を占めています。毎週1000円のランチや、2000円のディナーを外食していた場合、1カ月の外食費はおよそ1万2000円です。しかし、これをディナー2回を自炊に切り替えるだけで、4000円も節約できます。

しかし、すべての外食を一気にやめるのは難しいでしょう。そこで、少しずつ外食の頻度を減らしてみてください。無理なく続けるためには、外食費用をあらかじめ予算化しておくと、ストレスを感じずに節約を進めることができるでしょう。

割引やセール品も活用する

食費を抑えるためには、割引やセール品をうまく活用するのが効果的です。例えば、スーパーで割引シールが貼られた商品を買ったり、曜日や時間限定のセールを行う店舗もあるため、そうしたタイミングを狙うのもオススメです。

普段利用しているスーパーで割引が始まる時間や曜日をあらかじめ把握しておくと、計画的に買い物ができ、節約につながります。ただし、安いからといって必要以上に買ってしまうと、食材を無駄にすることにもなりかねないので、使い切れる量を考えて購入することが大切です。

ご飯やパン、葉物野菜など、冷凍保存できる食材も多いです。すぐに使わないものや余りそうな食材は、冷凍して保存することで無駄を減らしましょう。

ふるさと納税を活用する

また、お米や野菜などふるさと納税を活用するのもオススメです。

「ふるさと納税というと、カニや高級肉などの高級食材のイメージがありますが、そういうのではなくて、お米やお肉、野菜など日常使いするような食材を返礼品に選んでみるのもいいですね。定期便ならコンスタントに少しずつ届くので二人暮らしにはちょうどいいボリュームだと思います。物価も高くなってきているので、ふるさと納税でこうした食材を返礼品に選ぶ人も増えていますよ」

二人暮らしの食費の節約を続けるためのコツ

物価の上昇が続く中、食費の節約は重要ですが、長く続けるのは簡単ではありません。いろいろな節約方法を試してみたけれど、続けるのが難しかったという方も多いのではないでしょうか。ここでは、無理なく続けられる二人暮らしの食費節約のコツをご紹介します。

節約をする目標を二人で決める

節約を成功させるためには、二人で具体的な目標を設定することが重要です。最初から高すぎる目標を立てる必要はありません。例えば、「食費を1000円だけ減らす」といった、現実的で実行しやすい範囲から始めてみましょう。

長期的な目標に向かって、段階的な中間目標を設けると、無理なく節約を続けられます。具体的な目標があれば、節約の成果が確認しやすくなり、モチベーションを保つ助けにもなります。

また、二人で目標を話し合うことで、節約に対する意識が高まり、より節約を続けやすくなるでしょう。

無理なく始められるものから実践してみる

上で紹介した節約方法の中から、自分に合ったものを無理なく始めてみましょう。最初からすべての方法に挑戦すると、ストレスを感じて続けにくくなる可能性があります。節約は、生活費を抑えるための手段であり、それ自体が目的ではありません。そのため、無理をしないことが大切です。

まずは、安いスーパーを利用したり、食材の購入量を見直したりと、簡単にできることから始めてみてください。次に、外食やコンビニの利用頻度を少しずつ減らすなど、無理なく続けられる範囲で徐々に取り組み、慣れてきたら新しい節約方法も追加してみましょう。また、切り詰めすぎるとストレスが溜まってしまうため、予算に合わせて適度に楽しむ工夫も取り入れてみると続けやすくなるためオススメです。

二人暮らしの生活費を節約するために食費以外も見直そう

食費を節約するだけでも生活費はかなり抑えられますが、削れる額には限界があります。さらに生活費を減らしたい場合は、以下の費用にも目を向けて、効果的な節約に取り組んでみましょう。

光熱費

光熱費は食費と比べると負担は少ないものの、ちょっとした工夫で節約できます。例えば、電気代の節約には、照明を省エネタイプのLEDに替える、使わないときにはこまめに電気を消す、電源コードを抜いて待機電力をなくすといった方法があります。水道代も、節水効果のあるシャワーヘッドに交換したり、水を使っていないときに流しっぱなしにしたりしないように気をつけるだけで抑えることが可能です。

また、電気代やガス代をさらに減らしたい場合、契約プランや会社を見直し、よりお得なものに変更することもオススメです。プランを変更する際は、家族の人数や生活パターンに合ったプランを選ぶことが節約のポイントとなります。

娯楽・交際費

娯楽費や交際費も見直すことで節約につながります。ただし、娯楽費や交際費を節約することは大切ですが、二人の生活に楽しみを残すことも同じくらい重要です。節約を意識しすぎて楽しみを我慢しすぎるとストレスが溜まりやすくなります。そのため、娯楽や交際費は「ゼロ」にせず、無理のない範囲で上手に管理することが大切です。

外出や旅行を楽しむ際には、少しでもお得にできる方法を考えてみましょう。例えば、旅行なら早期割引プランを利用して宿泊費や交通費を抑えて予約できます。また、節約して浮いたお金の一部を娯楽や旅行に回すという目標を立てると、節約のモチベーションを維持しやすくなるでしょう。

固定費

固定費とは、毎月決まった額が発生する支出のことを指します。例えば、通信費や保険料などが含まれます。固定費も見直しすることで手軽に節約できる項目の1つです。

携帯電話やインターネットの通信費、または複数のプランがあるサービスを利用している場合は、よりお得なプランへの変更を検討してみましょう。その際、自分たちのライフスタイルに合ったプランを選ぶことが重要です。

さらに、クレジットカードやサブスクリプションサービスも見直してみましょう。使っていないサービスがある場合は、解約を検討してみてください。不要なサービスを契約し続けると無駄な支出が発生しますが、解約するだけで節約が可能です。節約した分は食費や他の支出に回したり、貯金に活用したりするなど、賢く使いましょう。

家賃

賃貸住宅で暮らす場合、毎月の支出の中で大きな割合を占めるのが家賃です。家賃は食費と並んで生活費の多くを占めるため、無理のない範囲で設定することが大切です。もし家賃が負担に感じる場合は、もう少し手頃な物件への引っ越しを検討してみるのもよいでしょう。

住まいに求める条件を見直すことで、家賃を抑えながらも快適な物件を見つけられる可能性があります。ただし、家賃が極端に安い物件は快適さや利便性が低い場合もあるため、優先すべき条件をはっきりさせて物件探しを行うことが重要です。

まとめ

二人暮らしにおける1ヵ月の食費は自炊以外の食費が35%以上。二人暮らしは外食や調理食品に頼る機会が多く、食費が高くなりがち

食費は給料の手取り額の15%以内に収められるのが理想。外食費や酒類などが多い場合は、食費ではなく、交際費などで管理する方法も

食費を節約するポイントは、1日あたり食費としていくら使えるのかを明確にすること

食材の無駄をなくすために冷凍食品を活用し、なるべく自炊を心がけよう。また、ふるさと納税を活用するのもオススメ

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