二人暮らしの生活費の内訳や平均をシミュレーション 15万、20万で生活費の理想割合は?

最終更新日 2023年09月11日
二人暮らしの生活費の平均は?15万、20万で生活する内訳・シミュレーション

二人暮らしを始めようか迷っている方も、実際にしている方も、毎月の生活費が気になるのではないでしょうか。この記事では、全国平均だけでなく、東京・大阪・名古屋・札幌・福岡などの大都市、地方の中都市の生活費の平均額を紹介。また、10万円で生活費が足りるのか、手取り月収別(15万円、20万円、25万円、30万円)の生活費の内訳についてファイナンシャルプランナーの鈴木さや子さんに、光熱費などの節約のアドバイスについて、節約アドバイザーの和田由貴さんにお話を聞きました。

二人暮らしの生活費、内訳や平均はいくら?東京などの大都市と地方の違い

二人暮らしを始めるときにまず気になるのが、「生活費がいくらかかるのか?」ではないでしょうか。では、そもそも「生活費」とは何を指すのでしょう。

この記事では、ファイナンシャルプランナーの鈴木さや子さんにアドバイスいただき、「生活費とは、家計において、衣食住に加え趣味など豊かな日常生活を維持するのにかかる費用」と定義しました。
そのため、食費や光熱費だけではなく、住居費(家賃)、交際費、趣味レジャー費なども含みます。

ここからは、統計局「家計調査」のデータから二人以上の世帯で勤労者世帯の1カ月の生活費を見てみましょう。二人暮らし世帯ではなく、二人以上世帯の数字になっています。世帯の平均人数は全国で3.24人、大都市で3.20人、中都市で3.23人です。

全国、大都市、中都市の3つに分けて紹介します。大都市、中都市の定義はこちらです。

大都市:政令指定都市及び東京都区部
札幌市、東京23区、横浜市、川崎市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、広島市、北九州市、福岡市など

中都市:大都市を除く人口15万以上の市
千葉市、船橋市、静岡市、相模原市、東大阪市、金沢市、宮崎市、奈良市、前橋市など

二人以上世帯の1カ月の生活費(全国)

項目 1カ月の支出金額
食費 8万502円
住居(家賃など ※社宅住まい含む) 2万115円
光熱・水道費 2万4421円
家具・家事用品 1万3000円
被服・履物費 1万1293円
保健医療 1万3708円
交通・通信 5万688円
教育 1万8126円
教養娯楽 2万9737円
その他の消費支出 5万9036円
合計 32万626円
出典:総務省「家計調査 家計収支編 第1-1表」2022年(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)を加工して作成。世帯人数平均3.24人。

全国の二人以上世帯の、1カ月分の支出の合計は32万626円です。住居費は2万115円となっており、賃貸に住んでいる方にとっては驚きの数字かもしれません。こちらは家賃を払っていない持家の方や家賃が格安な社宅住まいの方と、家賃を払っている賃貸の方が一緒に集計されているためです。

生活にかかる支出は、地域によって差があります。ここからは、大都市と中都市ごとの数字を見てみましょう。

二人以上世帯の1カ月の生活費(大都市)

項目 1カ月の支出金額
食費 8万4482円
住居(家賃など ※社宅住まい含む) 2万5226円
光熱・水道費 2万3113円
家具・家事用品 1万2937円
被服・履物費 1万2372円
保健医療 1万4877円
交通・通信 4万3003円
教育 2万1860円
教養娯楽 3万2444円
その他の消費支出 5万6173円
合計 32万6487円
出典:総務省「家計調査 家計収支編 第1-1表」2022年(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)を加工して作成。世帯人数平均3.20人。

大都市は政令指定都市と東京都23区を指します。
大都市に住む二人以上世帯のうち、勤労世帯の1カ月分の支出は32万6487円です。全国の平均と比較すると、約6000円高くなっています。

大都市が全国平均に比べて特に高いのは、食費と住居費です。反対に、交通・通信費は全国平均より7500円以上低くなっています。こちらは、電車賃が安価であることと、車を持たない人が多いことが関係していそうです。

続いては、中都市を見てみましょう。

二人以上世帯の1カ月の生活費(中都市)

項目 1カ月の支出金額
食費 8万885円
住居 1万7805円
光熱・水道費 2万4811円
家具・家事用品 1万2756円
被服・履物費 1万1425円
保健医療 1万3994円
交通・通信 5万5940円
教育 2万308円
教養娯楽 3万952円
その他の消費支出 6万2202円
合計 33万1078円
出典:総務省「家計調査 家計収支編 第1-1表」2022年(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)を加工して作成。世帯人数平均3.23人。

中都市とは、大都市を除く人口15万以上の市のことです。

中都市の二人以上世帯の、1カ月分の支出は33万1078円です。全国平均と比べると約1万円ほど高くなっています。

特に全国平均より高いのは「その他の消費支出」で、内訳を見てみると仕送り金の金額が1万1314円でした。(全国平均は8754円。大都市は4366円)実家を出た子どもに仕送りをしている世帯が多いようです。

仕送りの必要がない世帯では、ちょうど全国平均くらいの支出をしているといえます。

中都市と大都市で比較すると、月の支出は中都市のほうが約4500円安くなります。

二人暮らしの最低生活費はいくらから?

二人暮らしの生活費シミュレーション

二人暮らしを始めたいけれど、毎月いくら必要になるかがわからないという方も多いと思います。二人暮らしの最低生活費(月額)はいくらなのか、ファイナンシャルプランナーの鈴木さや子さんに教えてもらいました。

二人暮らしの最低生活費(月額)の目安

13万円 + 家賃 + 車の維持費

「まだ収入に不安があっても、早く二人で暮らし始めたいという方もいらっしゃいますよね。“最低限”の金額を出すとなると、被服費や交際費などを削ることになります。

何カ月もこの暮らしを続けるのは難しいですが、二人で頑張って節約生活をするのなら、このような生活費配分になるのではないでしょうか」(ファイナンシャルプランナー鈴木さや子さん。以下、「」内は鈴木さん)

二人暮らしの最低生活費の目安
(図版作成/SUUMO編集部)
二人暮らしの生活費から、毎月最低限かかる出費を抜粋
項目 平均額
食費 6.8万円
光熱・水道費 2.0万円
保健医療 1.2万円
家具・家事用品 1.2万円
通信費 1.3万円
合計 12.5万円
出典:総務省「家計調査 家計収支編 第3-11表」2022年(二人以上の世帯のうち世帯主が60歳未満の勤労者世帯/共働きで夫婦2人のみの世帯)を加工して作成。除いた項目は住居、家具・家事用品、被服・履物費、交通・通信、教養娯楽。百の位を四捨五入。

生活に必要なお金は、住む地域によって大きく変わってきます。最も大きく差が出るのが家賃です。地方と東京23区内で比較すると、同じ間取りで家賃が倍以上になることも。また、社宅を利用する方や、会社の家賃補助が手厚い方は、家賃が0円やかなりの低額ということもあるでしょう。

次に差があるのが、車の維持費。車を持っていない方はもちろん0円ですが、地域やお仕事によっては車が必須の方もいらっしゃいますよね。駐車場の料金も、家賃と同じく地域ごとの差が大きいです。

二人暮らしの最低限の生活費を知りたいのなら、人によって大きく差がある住居費と自動車維持費を別に計算すべきです。

家計調査の中の、生活に必須の項目(食費、光熱・水道費、保健医療、家具・家事用品費(日用品費)、通信費)を足すと、12.5万円。5000円を予備の費用として、13万円としましょう。

13万円 + 家賃
自動車を所有している場合
13万円 + 家賃+ 車の維持費

の計算で、あなたの二人暮らしに最低限必要な金額がわかります」

10万円で二人暮らしは可能?

二人暮らしにかかる最低金額は、「13万円 + 家賃 (+ 車の維持費)」で導けることがわかりました。
こちらは、被服費や趣味・レジャー費を抜いた節約生活の金額です。

それでは、どれだけ節約しても10万円で二人暮らしというのは難しいのでしょうか?

「生活費の中で一番大きな費用は住居費。自動車を持たず、安い賃貸があったり社宅や家賃補助が使えたりするのなら不可能ではないと思います。

例えば、家賃が2.5万円で済めば、残りの7.5万円で食費や日用品、光熱費・通信費などをやりくりする形になります。

ただし、テレワーク主体の方だと水道光熱費や通信費を抑えるのは少し難しい人もいるでしょう。また、趣味のお金やおこづかいは含まれていないこともあり、10万円生活を長く続けるのは大変ではないでしょうか。とはいえ、社宅暮らしで家賃が1万円程度など、家賃をかなり低く抑えられる方ならば、10万円でやりくりするのも可能かもしれません」

家賃が低ければ、生活費を10万円以内に収めることは、不可能ではなさそうです。

「お金がたくさんかかりそうだから、二人暮らしを始められない」と考えている方は、家賃を安くする方法はないか、最初の数カ月おこづかいを我慢するとどのくらい余裕ができるのかなどを考えてみてください。

二人暮らしの学生の生活費や仕送りに関するアドバイス

二人暮らしをする方の中には、学生の兄弟姉妹や友達同士でシェアハウスをしたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。学生のシェアハウスについても、鈴木さんにアドバイスをいただきました。

「生活費を抑えるには、いかに住居費を低くするかがカギになります。家選びは慎重に行いましょう。

また、仕送りをお願いする前に、給付型の奨学金や授業料の減免制度を調べてみてください。使える制度を自分で調べる力も大切です」

仕送りをお願いする前にチェックしたいポイント
  • 生活費を抑える工夫をする(家探し前なら家賃を要チェック)
  • 給付型奨学金や授業料減免制度など使える制度がないか調べる

共働き世帯と片働き世帯の収入と支出

二人で暮らすとなると、二人とも働くか、片方だけ働くか迷う方もいらっしゃるかもしれません。
総務省「家計調査」の、夫婦のみで暮らしている共働き世帯と、夫のみが就業している片働き世帯の生活費がこちらです。

共働きと片働きの収入比較

共働き 片働き(夫のみ有業) 差(共働き-片働き)
収入 69万4603円 58万1504円 11万3099円
出典:総務省「家計調査 家計収支編 第3-11表」2022年(二人以上の世帯のうち世帯主が60歳未満の勤労者世帯)を加工して作成。共働きのデータは「夫婦共働き<有業者は夫婦のみのうち核家族>のうち夫婦のみの世帯」。片働きのデータは「夫のみ有業のうち夫婦のみの世帯」

共働きと片働きの支出比較

支出(生活費)
共働き 片働き(夫のみ有業) 差(共働き-片働き)
食費 6万8163円 7万3825円 -5662円
住居 3万247円 2万3211円 7036円
光熱・水道費 1万9928円 2万82円 -154円
家具・家事用品 1万1935円 1万6017円 -4082円
被服・履物費 1万971円 1万515円 456円
保健医療 1万2488円 1万5010円 -2522円
交通・通信 5万2268円 5万6151円 -3883円
教養娯楽 2万7480円 2万7745円 -265円
その他の消費支出 8万3064円 6万1290円 2万1774円
合計 31万6544円 30万3846円 1万2698円
出典:総務省「家計調査 家計収支編 第3-11表」2022年(二人以上の世帯のうち世帯主が60歳未満の勤労者世帯)を加工して作成。データは収入と同じ。

共働きと片働きで、生活費はどのように変わってくるのでしょうか。

まずは収入を見てみます。収入を比較すると、やはり共働きの方が11万3099円高いです。支出を見ると、項目によっては共働きの方が1万2698円多いもの、片働きの方が多いものそれぞれあります。特に共働きの方が大きい「その他の消費支出」の内訳を見てみると、仕送り金の金額が片働き世帯に比べて1万2720円ほど多い結果に(共働きは2万3124円。片働きは1万404円)。仕送りの必要がなく節約生活ができるのなら、共働きでも片働きと同じ程度の支出に抑えることが可能そうです。

共働きになると、会社に所属することで受けられるメリットも2人分になります。どのような項目にメリットが反映されるのかみて見ましょう。

共働きの方が少なく済んでいる支出に食費があります。食費については、会社にもよりますが、福利厚生として安い社食があったり、会社の都合で会食をするときはその費用が会社から支給されたりします。

共働きのイメージ
(画像/PIXTA)

全国平均の数字を見ると、共働きは片働きに比べて平均収入が11万円以上高くなり、支出は約1.3万円高い程度に抑えられています。

共働きにするか片働きにするかは、それぞれの世帯の事情や価値観で決めるもの。ですが、節約や貯蓄という意味では共働きの方が向いていそうです。

二人暮らしにかかる生活費の理想割合とは

年別の生活費、二人暮らしにかかる最低限の生活費、共働きと片働きの生活費の違いを見てきました。

それでは最後に、自分たちの手取りから、生活費をどのように配分したら良いのかをチェックしてみましょう。

まず、生活費を4つに分け、理想の割合(%)と、二人の手取り月収ごとに、具体的な金額を示しています。

生活費(4項目)の理想の割合
  • 住居費(25~30%)
  • 生活に必要なお金(25~35%)
  • コントロール可能なお金(20~30%)
  • 貯金(10~30%)

1つ目の住居費とは、家賃や住宅ローンのこと。

2つ目の生活に必要なお金とは、食費、水道光熱費、通信費、日用品、自動車にかかるお金(自動車税、車検、保険など)です。節約することは可能ですが、名前の通り生活に必要な支出なので、あまり切り詰めることはできません。

3つ目に、コントロール可能なお金です。趣味・娯楽・レジャー費や、被服費、交際費、おこづかいなどを指します。こちらは、ずっと抑えるのは難しいですが、一時的にほとんど0にするなどが可能な項目です。

4つ目は、貯金積み立て貯金、積み立て投資、貯蓄型保険の保険料などが含まれます。

ここからは、手取り月収別に、4つの項目にどのくらいお金を配分したら良いのか具体的に見ていきます。

手取り月収 15万、20万、25万、30万の生活費の理想割合

手取り月収15万円の場合

手取り月収15万円の方の理想の生活費配分は以下の通りです。

・住居費(25~30%)3.75万円~4.5万円
・生活に必要なお金(25~35%)3.75万円~5.25万円
・コントロール可能なお金(20~30%)3万円~4.5万円
・貯金(10~30%)1.5万円~4.5万円

手取り月収が15万円だと、住居費の理想は3.75万円~4.5万円。大都市に住む場合は、家賃補助などを利用しないと難しいかもしれません。

手取り月収20万円の場合

手取り月収20万円の方の理想の生活費配分は以下の通りです。

・住居費(25~30%)5万円~6万円
・生活に必要なお金(25~35%)5万円~7万円
・コントロール可能なお金(20~30%)4万円~6万円
・貯金(10~30%)2万円~6万円

手取り月収が20万円の場合、趣味や娯楽などコントロール可能なお金が4万円~6万円に。貯金は2~6万円の間をとって毎月5万円貯めるとすると、1年で60万円の貯金がつくれます。

手取り月収25万円の場合

手取り月収25万円の方の理想の生活費配分は以下の通りです。

・住居費(25~30%)6.25万円~7.5万円
・生活に必要なお金(25~35%)6.25万円~8.75万円
・コントロール可能なお金(20~30%)5万円~7.5万円
・貯金(10~30%)2.5万円~7.5万円

手取り月収25万円になると、生活に必要なお金の理想配分が6.25万円~8.75万円に。特に浪費しなければ、この金額内に収めるのは難しいことではないでしょう。

手取り月収30万円の場合

手取り月収30万円の方の理想の生活費配分は以下の通りです。

・住居費(25~30%)7.5万円~9万円
・生活に必要なお金(25~35%)7.5万円~10.5万円
・コントロール可能なお金(20~30%)6万円~9万円
・貯金(10~30%)3万円~9万円

手取り月収30万円になると、住む地域にもよりますが各項目に余裕が出てきます。それぞれの項目に割り振られる金額が高くなってくるので、理想割合より低く抑えることも簡単になります。

趣味を重視するのなら、生活に必要なお金を6万円程度に節約し、コントロール可能なお金の金額を増やすこともできます。

住居費と生活に必要なお金の理想割合を守ったうえで、コントロール可能なお金を抑えれば、毎月10万円の貯金も難しくはありません。

世帯の手取り月収
15万円 20万円 25万円 30万円
居住費 3.75万円~4.5万円 5万円~6万円 6.25万円~7.5万円 7.5万円~9万円
生活に必要なお金 3.75万円~5.25万円 5万円~7万円 6.25万円~8.75万円 7.5万円~10.5万円
コントロール可能なお金 3万円~4.5万円 4万円~6万円 5万円~7.5万円 6万円~9万円
貯金 1.5万円~4.5万円 2万円~6万円 2.5万円~7.5万円 3万円~9万円
生活費の理想割合(世帯の手取り月収別)(試算/ライフヴェーラ)

生活費の理想割合はどう決める?

生活費の理想の割合について、以下のように紹介しました。

・住居費(25~30%)
・生活に必要なお金(25~35%)
・コントロール可能なお金(20~30%)
・貯金(10~30%)

4つの項目ごとに、幅のある%が割り振られています。「10~30%」は手取り月収25万円の場合2.5~7.5万円。5万円もの差があります。各項目に何%のお金を割くかは、どう決めたらよいのでしょうか。

こちらは、第一に同居する二人の人生計画や価値観で決めましょう。世帯によって、収入が不安定なので貯金を重視したい、二人の価値観として交際費は抑えたくないなど、それぞれの考え方があります。

ただし、4つのうちどれかの%を増やすということは、どれかの%を減らすということ。4つの項目の合計が100%になるように、二人で話し合うことをオススメします。

話し合う二人の写真
(画像/PIXTA)

第二に、月々発生する特別な支出に合わせて、柔軟に割合を変えていきましょう。物が壊れて買わなければいけなくなったり、仕事が忙しくて外食が増えたりといったイレギュラーはどうしても発生してしまうものです。

計画が崩れてしまったと落ち込むのではなく、「貯金は毎月7万円が目標だけど、緊急時には3万円まで落としてOK」といった余裕を持っておくことが長続きする家計管理のコツです。

二人の生活費の管理方法

二人分の生活費はどのように管理すべきか、節約アドバイザーの和田由貴さんに教えてもらいました。

二人で生活費を管理するのなら、共有口座+クレジットカード(2枚)のかたちがオーソドックス。カードの支払い明細を見れば、お互いがいつ、何を、いくらで買ったのか簡単に確認できます。

共有口座への入金は、二人の給与を全額入れるパターンと、お互いに一定額を入れるパターンに分かれます。

二人暮らしの生活費管理
(図版作成/SUUMO編集部)

① 給与全額を共有口座に入れるパターン

二人の給与を全額共有口座に入れ、そこから生活費を支払います。貯金したい分は、共有口座からさらに子ども用、住宅用…と個別の口座にうつします。おこづかいは共有口座から一定額を引き落とします。この管理方法の良いところは、お金の流れが把握しやすく、貯蓄がつくりやすいところです。

② 給与の一定額を共有口座に入れるパターン

二人は自分の給与を個人口座で管理し、毎月一定額を共有口座に振り替え、そこから生活費を支払います。貯金したい分は、①と同じく共有口座から移します。自分の稼いだお金を自分で管理できるため、納得感や公平感を強く感じる人もいるでしょう。個人口座の中身が不透明になるので、定期的にお互いの残高を共有しましょう。

「効率よく資産形成をするという視点では、①のパターンがオススメです。ですが、お互いに納得感が強いのなら②の方法でも良いと思います。

支出の項目ごとに負担を分ける方もいますが、あまりオススメしません。食費や光熱費は変動していくものなので、分担を決めたときは納得していても、後から不満が出てきがちです」(和田さん)

4つの項目で生活費を分けたとき、どう節約する?

住居費、生活に必要なお金、コントロール可能なお金、貯金のうち、まず節約できないか検討したいのは、一度減らせばずっと節約効果が続く固定費である「生活に必要なお金」。住居費はもちろん、スマホ代などの通信費もぜひ検討を。月1000円でも見直しができれば年間1.2万円も減らせます。

そして、趣味・娯楽・レジャー費や、被服費、交際費、おこづかいなどの「コントロール可能なお金」は、我慢して減らすのではなく、ムダな使い方をしていないか生活スタイルを見直すことで、できるだけ予算内にしたいものです。

二人暮らしを始める前から家計が厳しそうなことがわかっているのなら、住居費を抑えた物件探しをしましょう。住居費は、多くの人にとって毎月の最も大きな支出です。そして、節約をしようと思っても、簡単に下げられるものではありません。最初の物件選びが重要です。

節約のイメージ
(画像/PIXTA)

こちらの記事で紹介しているように、地域の家賃相場や家賃を抑える方法をよく調べたうえで物件を決めることをオススメします。

二人暮らしの光熱費は?どう工夫する?

二人以上世帯の1カ月の光熱費内訳

項目 1カ月の支出金額
電気代 1万2691円
ガス代 5226円
上下水道代 5401円
出典:総務省「家計調査 家計収支編 第1-1表」2022年(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)を加工して作成。世帯人数平均3.24人

昨今、光熱費の高騰がよく話題に上ります。家計における光熱費の内訳は特に電気代が高いようです。

「光熱費の節約をするときは、電気代、ガス代…と請求元別に考えるのではなく、家庭のどこでエネルギーを使っているのかで考えましょう。

家庭用エネルギー消費は、冷房と暖房で約1/3、給湯と厨房で約1/3、動力(テレビなど)・照明で約1/3となっています(資源エネルギー庁 部門別エネルギー消費の動向)。この割合を知ると、冷暖房の効率化、お風呂の節約、照明器具をこまめに消すなどが節約につながることがわかります」(和田さん)

家庭用エネルギー消費

さらに、「家庭ではものを温めることにエネルギーを使っている」と和田さん。確かに冷房より暖房のほうが8倍近くエネルギーを使っていますし、給湯の割合も高いです。

断熱カーテンや二重窓などで断熱性能を上げたり、家電を省エネ効果の高いものに買い替えて消費電力を抑えたりして、光熱費を節約しましょう。

生活に必要なお金や貯金を削るのは難しい!

食費や日用品など生活に必要なお金は、節約をするにも限界があります。また、食べ物のアレルギー等の事情で節約が難しい方も。

こういった場合は、無理に支出を減らすより、収入を増やす方法を探ったほうが効率的で心の負担も軽いかもしれません。

収入を増やすというと会社での昇給が浮かびます。もちろん、本業の収入を上げるのは家計に大きなプラスになりますが、他にもさまざまな方法があります。例えば、下記のようなものが挙げられます。

・会社に許可されている方なら副業をする
・不用品をネットオークションなどで販売する
・申請できる補助や支援金を探す

節約をして生活費を抑えるのは大切なことですが、同時に手元に入るお金を増やす方法も探してみてはいかがでしょうか。

転職のイメージ
(画像/PIXTA)

二人暮らしの生活費は、住む場所、共働きか片働きか、手取り月収はいくらかなどで変わってきます。

何にいくら使うのかという点も、理想の割合はありますが、二人が目指す人生計画や価値観によって選択するものです。

平均や理想を知ったうえで、自分たちがお金をかけて良いと思う大切なものは何か、大切ではないのにお金をかけてしまっているものは何か、話し合ってみてはいかがでしょうか。

まとめ

二人以上世帯の1カ月生活費の全国平均は32万626円(大都市は32万6487円)

二人暮らしの1カ月にかかる最低金額は「13万円 + 家賃 (+ 車の維持費)」で導ける

生活費の理想割合は、住居費25~30%、生活に必要なお金(食費、日用品など)25~35%、コントロール可能なお金(趣味、交際費など)20~30%、貯金10~30%に手取り月収を当てはめて算出できる

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