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家の購入や売却を考えるとき「近くの物件が実際にいくらで売れているか」気になるはず。そんなとき役に立つのが、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」。このサイトでは、意中の駅やエリアの「不動産取引価格情報」を簡単に検索できるのだ。
ここでは、具体的にどんなことが調べられるか、また、その使い方を紹介。家の売買をスムーズに進めるツールの一つとして活用しよう。
「取引価格」とは住宅や土地の成約価格、つまり「実際に売買された価格」のこと。買い主も売り主も、取引価格情報が分かれば実情に合った「希望価格」を決められる。また、売買も安心してスムーズに進められる。こういった考えのもと、数多くの取引価格情報を蓄積し、誰もが見られるよう公開しているのが、国による不動産の取引価格情報提供制度だ。駅周辺やエリアの不動産取引情報が、国土交通省が運営する「不動産情報ライブラリ」で簡単に検索できる。

「不動産情報ライブラリ」は不動産に関するさまざまな情報を、駅やエリア単位でマップ検索できる不動産の総合情報サイト。価格はもちろん、公共施設や防災なども調べられ、周辺環境を読み取る参考になる。
| 価格情報 | 駅や地区ごとの不動産取引価格を調べ、購入や売却の参考にできる。また、「地価公示」「基準地価」も調べられる。 |
|---|---|
| 周辺施設情報 | 保育園・幼稚園・学校・図書館・公民館・医療機関などの場所が分かる。小学校区や中学校区もマップ表示される。 |
| 都市計画情報 | 用途地域や防火地域、地区計画のある区域などをマップ表示。建築物の制限などを調べるのに役立つ。 |
| 防災情報 | 指定緊急避難場所の位置をはじめ、洪水や津波などの浸水想定区域や、災害危険区域などを表示できる。 |
| そのほか | エリアの土地条件や起伏の有無などが分かる「地理情報」、エリアのにぎわいなどが読み取れる「人口情報」など。 |
不動産情報ライブラリの「不動産取引価格情報」は、次の2つの方法で「土地」「一戸建てビルなど(土地と建物)」「中古マンション」の実際の売買価格を収集し、いずれも個別の不動産取引が特定できないように加工して提供している。2025年3月末時点で全国の約547万件の取引価格情報(成約価格情報)が提供されている。
■不動産取引価格情報の収集方法
①不動産の購入者を対象としたアンケート調査により収集
②指定流通機構(レインズ)が保有する不動産取引価格情報(レインズ・マーケット・インフォーメーション)
不動産情報ライブラリでは、「不動産取引価格情報」を駅やエリア単位で検索できる。ここでいうエリアとは、例えば「東京都中央区日本橋」というように、市区町村の次に記される住所地のことだ。
このように、かなり絞り込んだ地域での情報を見られるため、家を買いたい人、売りたい人共に、次のように役立てることができる。
■予算内でどんな家が買えそうか調べる
取引価格のほか、駅からの距離、広さ、建築年など細かい条件まで分かるので、「予算で買えそうな家の条件」を調べられる。また、希望条件に合う物件の取引価格もチェックが可能。
■自分の家や土地がいくらで売れそうか参考にする
家を売りたい人は、駅からの距離、広さ、建築年などの条件が、自分の家と似ている物件の取引価格情報を調べてみよう。売出価格を決める上での参考になる。
■地図を表示して物件が多いエリアを探す
希望エリア周辺の地図を表示して、地区ごとの取引価格情報を見たり、取引件数が多いエリアを探すことができる。売りたい人も、家の近所の情報が見られて便利。
1 不動産情報ライブラリのトップページを開く
「地域検索」を選ぶと検索画面が開く

2 「地域検索画面」に条件を入力するとエリアのマップが表示される

①「価格情報」をクリックする
不動産取引価格情報と成約情報にチェックを入れる
②条件設定で「物件の種類」と「時期」を選ぶ
物件の種類は「土地」「土地と建物(一戸建て等)」「中古マンション」などから選択できる。
「決定」をクリックすると検索結果が表示される
(1)取引価格帯が予算と同じ物件のスペックを確認する
検索結果の「詳細表示」をクリックすると、取引価格情報が一覧表示され、各物件の「取引総額(取引価格)」をはじめ、「駅からの距離(分数)」「間取り・専有面積」「建築年」が分かる。条件ごとに並べ替えや絞り込みもできる。
例えば、取引総額で予算に合う価格帯を絞り込んで表示させれば「予算内でどんな家が買えそうか」が読み取れる。また、希望条件を決める際の参考にもなる。

(2)希望条件に合う物件の取引価格を調べる
駅からの分数や専有面積などの条件で絞り込み、取引総額をチェックすれば「希望条件に合う物件はいくらなら買えそうか」読み取ることができる。
(1) 売りたい家の最寄駅で同じ物件種別の取引情報を検索し、「詳細表示」を開く
(2) 売りたい家と条件が似ている物件の取引価格をチェック
建築年や駅からの距離、広さなどの条件が、売りたい家と似ている物件の取引価格が分かる。調べた情報は、家の売り出し価格を決める際の参考にもなる。
「建築年」の順に情報を並べ替えると、売りたい家と似た条件の物件を探しやすくなる。また同じ面積の物件がない場合は、築年数や駅からの距離などの条件が似ている物件を選び、「取引総額÷専有面積(延床面積)×売る家の面積」で計算すると、家の面積に合った価格が読み取れる。
(1) エリアや物件種別などの条件を入れて検索する
(2)地図を見て、近所の取引件数や取引価格情報をチェック
マップ画面では、地区ごとの取引物件数を色分けして表示できる。これを見れば物件が多い地区が一目で分かり、エリアの絞り込みに便利だ。また、駅名や住所をクリックすると該当エリアの取引価格情報が表示されるので、エリアごとの比較も簡単にできる。
サイト上部の「周辺施設情報」をクリックすると、学校や公共施設などの検索画面に。エリアの暮らしやすさもチェックしよう。

「取引価格情報」は住宅の売買をする上で有用な情報だ。これを公開する「不動産取引価格情報」は、住宅や土地を購入した人を対象としたアンケート調査によって集められ、個人情報保護の観点から物件が容易に特定できないよう加工した上で公表されている。家を買った後、国土交通省からアンケートが届いたら、下記サイトを確認してみよう(ウェブ回答もできる)。