家賃は月収の3分の1以下が理想
いくら気に入った部屋でも、高すぎる家賃で生活が苦しくなるのは考えもの。まず、管理費や共益費も含む家賃は、月々の収入の3分の1以下を目安にしよう。この収入は、税金や保険料などを引いた手取りの額で考える。例えば手取り月給が21万円なら家賃7万円が上限だ。不安定なボーナスは当てにしないようにしよう。学生の場合は、親の仕送り額やアルバイト料から考えよう。
敷金、礼金、仲介手数料など、初期費用あれこれ
部屋探しに必要なのは「家賃」だけではない。敷金や礼金、不動産会社に支払う仲介手数料などがかかる。つまり貯金ゼロでは、引越しはできない、というわけだ。いくらかかるかは、地域や物件によって異なるが、目安は以下のとおり。これに加えて引越しにかかる費用も必要になってくる。
<初期費用>
- 礼金・・・謝礼金という名目で賃料以外に家主に支払う一時金で、退去時に返還されないお金。家賃1~2カ月分が多い。最近では礼金なしの物件も増えている
- 敷金・・・退去時の原状回復に充てられるお金で、基本的には原状回復充用が引かれた額が戻ってくる。家賃の1カ月~2カ月分が目安。(礼金0、敷金3カ月の物件もある)
- 仲介手数料・・・不動産会社に支払うお金。家賃の1カ月分が上限(税別/居住用の賃貸物件は借り主が承諾する場合)
- 保証料・・・万が一家賃を払えなくなった場合に備えて保証会社に支払うお金で、戻ってこないもの。必須条件として広告に表記している物件は少ないが、借りる側の年収、雇用形態等の事情で「保証会社との契約が必須」になったり、その分敷金が少なくなったりさまざま。連帯保証人(条件あり)がいれば不要なケースもあるが、必須のケースも多い。初回のみ家賃の3割、5割、1カ月分など金額はまちまちだが、まとめて支払い、1年ごとに定額支払うというケースが多い
<家賃のほかに毎月支払うもの>
- 管理費(共益費)・・・マンション・アパート全体の清掃費や管理会社に支払うもの。家賃に含まれている場合もある
<その他>
- 火災保険料・・・火災や水漏れなどに対する損害保険に加入する事が一般的で、2年ごとに入りなおす必要がある。一人暮らしの部屋なら1万5000円~2万円が相場
- 更新料・・・更新期間(2年間であることが多い)ごとに更新料として支払うもので、家賃の1カ月分が目安。北海道や大阪といった地域や物件によっては、必要がないことがある
※大阪など一部の地域では、敷金・礼金・保証金として、まとまった金額を支払い、最初から引かれる金額が決まっている「保証金(敷引き)」「敷金(解約引き)」という独特の制度がある。例えば「保証金 30万円、敷引き20万円」なら、最初に30万円を支払い、退去時には20万円が引かれて、10万円が返却されることになる。更新料はない場合がほとんど。最近、数は減っている。
敷金・礼金、仲介手数料ゼロの物件もあるけれど・・・・・・
なかには礼金も敷金もゼロという物件もある。というのも、初期費用を低く設定し、早く借り手を見つけようとする大家さん側の事情があるからだ。ただしその分、家賃が高く設定されていたり、敷金もゼロの場合、住み方次第では退去時に原状回復費を請求されることがあるので注意が必要だ。
また、仲介手数料については賃料の0.525カ月以内とする会社や、数は多くないが仲介手数料が「ゼロ」のケースもある。は、例えば不動産会社が自分で所有する物件の場合(会社が大家になるので手数料はゼロ)や、事情により大家側が仲介手数料を全額負担するケースなどだ。
人気立地で家賃も手ごろな「誰もが住みたい人気物件」の場合、すぐに借り手が見つかることが多いので、敷金・礼金・仲介手数料共に必要なことが多いよう。一方、家賃をはじめ、敷金・礼金・仲介手数料が普通よりも安い物件については、何らかの事情があることも。「なぜ安いのか」聞いておこう。