最後に、「SUUMO」に掲載されている種別ごとの物件数を紹介。実際に情報収集をして、探してみよう。
一方、都心と郊外では、選べるマイホームの種類についてどのような違いがあるだろうか?
以下の表は、「SUUMO」で掲載された「新築マンション」「新築一戸建て」「中古マンション」「中古一戸建て」の棟数・戸数を、都心(東京23区)、郊外(首都圏全域から東京23区を除いたもの)で出したデータだ(2015年1月16日時点)。新築マンションのみ、戸数ではなく棟数で算出している(例:総戸数300戸のマンションも30戸のマンションも1棟として計算)。
マンションは、新築も中古も都心と郊外で掲載数に差がない。しかし都心のマンションは大規模の場合が多く1件あたりの住戸数が多いため、住戸数でいうと郊外よりも多そうだ。一方、一戸建ての場合は圧倒的に郊外に多いことが分かる。
都心 | 郊外 | |
---|---|---|
新築マンション | 461棟 | 522棟 |
新築一戸建て | 5615戸 | 27395戸 |
中古マンション | 12251戸 | 18820戸 |
中古一戸建て | 2904戸 | 14049戸 |
また中古物件のみ、築年数5年ごとに出した数字が以下のとおり。
中古マンション(戸) | 中古一戸建て(戸) | |||
---|---|---|---|---|
都心 | 郊外 | 都心 | 郊外 | |
築45年以上 | 394 | 235 | 135 | 246 |
築40年~45年未満 | 1142 | 977 | 101 | 442 |
築35年~40年未満 | 1399 | 1093 | 165 | 978 |
築30年~35年未満 | 1730 | 1946 | 161 | 1098 |
築25年~30年未満 | 843 | 2004 | 288 | 1677 |
築20年~25年未満 | 815 | 2614 | 372 | 2006 |
築15年~20年未満 | 1435 | 3664 | 490 | 2341 |
築10年~15年未満 | 1615 | 2638 | 454 | 1993 |
築5年~10年未満 | 2020 | 2878 | 475 | 2152 |
築5年未満 | 858 | 771 | 263 | 1116 |
中古マンションの場合、全体的には郊外のほうが多いが、築35年以上になると都心のほうが多いことが分かる。また都心も郊外も、築4年~10年未満という、比較的新しい中古マンションが多い。設備や構造上も今の新築とさほど遜色のない物件が多いので、新築しか考えていない人も選択肢の一つにするのもありかもしれない。
また、中古一戸建ても、全体の流通量は決して多くはないが、築10年未満の物件が全体の約24%も占めていることに注目だ。最近では、新築とスペックが変わらないような中古を買って、自分の思いどおりにリフォームする、という動きも増えてきているのだ。
都心と郊外では暮らし方も選べる物件もおのずと違うもの。
例えば都心は、通勤時間が短く、商業施設をはじめ生活が便利な施設が整っているなどメリットが大きい。しかしその分、価格が高く、ローン負担が多くなる。価格を抑えたいなら、築年数が古い、狭いなどのデメリットを受けざるを得ないケースも多い。
一方、郊外は、通勤時間が長い、商業施設が都心よりは遠くなるなどのデメリットがあるが、その分価格は安く、ローン負担が軽い利点がある。都心と同価格なら、より広く、眺望がいい住戸を選ぶこともできる。また、都心ではあきらめていた車の所有がかなう人も多いようだ。
立地選びは今後の暮らし方に大きく影響する。都心・郊外の「どんな暮らし方をしたいのか」を家族で話し合ってイメージしてほしい。もちろん同じ23区内であっても利便性は大きく違う。23区立地よりも、ずっと便利な23区外のエリアもある。「ちょうど都心と郊外の中間地点のこのあたりがいい」、「超都心でないと意味がない」、「これくらい郊外のほうが自分たちにはしっくりくる」など、自分たちに最も適したライフスタイルが明確になれば、街選びはぐっとスムーズになるはずだ。