国土交通省が「マンションの管理の適正化に関する指針」などを改正した。居住者の高齢化などによる管理組合の役員不足や、災害時の意思決定ルールの明確化の必要性などの課題に応えた形だ。
指針ではマンションのコミュニティ形成が重要であることを明記。ただし強制的に徴収される管理費が、自治会費や親睦会費用などに流用されないよう、適切に運用することが求められるとした。
また管理組合の役員はこれまで所有者に限定していたが、外部の専門家も就任可能とし、その場合の選任方法の明確化など注意点を記載。このほか「マンション標準管理規約」では、超高層など階数や方角で住戸の価値に大きな差が出る新築物件で、価値割合に応じた議決権の設定も選べるとする内容を盛り込んだ。
マンションに長く快適に暮らすには、管理にも関心をもつことが重要だろう。
○ コミュニティ形成の積極的な取り組みを新たに明記
居住者同士のコミュニティ形成は、日常的なトラブルの防止や防災・防犯などの点から重要であることを記載
○ 外部専門家を活用する場合の注意点を明記
外部の専門家が管理組合の役員などに就任する場合は、選任や業務を適正にチェックすることが重要であることを記載
○ 駐車場の使用方法
入れ替え制など公平な選定方法や、外部に貸す場合の課税上の注意点をコメントに追加
○ 専有部分などの修繕
専有部分などのリフォームで理事会の承認が必要な工事を具体的に例示
○ 災害時の場合の管理組合の意思決定
緊急時の補修などは理事長が判断し、応急修繕は理事会で決定することなどを明記
○ 議決権割合
新築物件では管理組合の総会の議決権について床面積の持分割合だけでなく、階数や方角を考慮した価値割合による設定も考えられることを追加