「転勤の辞令が出た」「就職(転職)した」「現在、住んでいる家の更新が近づいている」「単身赴任」などなど、引越しのきっかけはさまざまですが、住まい探しの大きな「カギ」になるのが、「勤務先のエリア」。例えば新宿エリア通勤で一人暮らしの人は、どこに暮らしているのでしょうか。家賃や間取り、休日のおすすめスポットまで、実際に暮らしている人に聞いてみました。
JR山手線や中央本線、東京メトロをはじめ、小田急線や京王線など複数の私鉄が乗り入れる「新宿駅」は、世界で最も利用者数の多い駅としてギネス記録に登録されている巨大ターミナル駅。JRに限っても、1日の平均乗車人員は60万人以上(※)です。構内の複雑さから”ダンジョン”と称されることもありますが、2020年には東口と西口を直結する東西自由通路が開通するなど、利便性を高める改装が続けられています。また、地下道を利用して多くのビジネスビルに直接、もしくはすぐ近くまでアクセス可能。雨の日でも濡れずに通勤できるルートがあるかもしれません。
徒歩圏内の「西武新宿駅」や「新宿三丁目駅」を含めたエリアを、この記事では「新宿エリア」とします。また、新宿駅直通の高速バス拠点「バスタ新宿」では、地方都市や空港への直通バスが数多く運行しています。都内各地へのアクセスはもちろん、近郊エリアへの移動も大変便利。ビジネス・観光の拠点でもあるため、海外からの観光客も多く訪れています。
※JR東日本「各駅の乗車人員2022年度」より
新宿エリアに勤務している一人暮らしの人が選んでいるのは、人気のJR中央本線(中央線快速)。そして京王線、JR埼京線、西武新宿線と続きます。どの路線も乗り換え不要で、通勤時間帯の電車の本数も多く、ストレスなくアクセスできるのが選ばれている理由のよう。東武東上線は東京メトロ副都心線に乗り入れているので、「新宿三丁目駅」が利用できます。
注目したいのが、男女別の傾向。男性は、板橋や赤羽、十条など商店街でにぎわう庶民的な街を含むJR埼京線沿線を選んでいるのに対し、女性は初台や幡ヶ谷、千歳烏山といった落ち着いた住宅街がある京王線沿線を選んでいるよう。路線に加えて、「どのような暮らしをしたいか」で住むエリアも変わってくるようですね。
次に自宅から会社までの通勤時間について聞いてみました。1番多いのが30分以内で24%。以後、40分以内、60分以内と続きます。また、20分以内が14%にのぼることを考えると、とにかく会社の近くに住み、できるだけ通勤時間を減らそう!と考えている人が多いよう。「通勤に時間をかけるくらいなら、少しでも多く眠っていたい!」なんてホンネが透けて見えるようですね。
通勤時間の次に気になるのが、駅から家までの所要時間。最も多いのが徒歩10分以内で26%、5分以内が24%、15分以内が23%という順位に。徒歩10分以内と徒歩5分以内をあわせると半分近くにもなるので、「駅からはあまり歩きたくない」というのが、多くの人の思いのよう。特に雨の日や寒い日は、歩くのがおっくうになるもの。駅からの距離は、一人暮らしの人には譲れない条件なのかもしれません。
それでは、気になる人も多い家賃の相場はどのくらいなのでしょうか。通勤時間や駅から近いことなどが譲れないとすると、高くなるのでは……と心配になりますが、1番多いのが6万円~7万円未満で、2位の7万円~8万円未満とあわせると半数近くに。次いで、8万円~9万円未満15.4%、6万円未満の人も13.5%という結果に。「意外と安いかな」と感じた人も「やっぱり高い」と感じる人もいるかもしれませんね。路線の選択肢も多いので、6万円未満や10万円近くなど、自分の予算帯にあわせて物件を選べるのが、新宿エリア勤務の魅力です。
家賃とくれば、次は間取りですが、半数以上が1Kを選んでおり、こちらは圧倒的多数に。2位のワンルームとの違いは、キッチンと部屋を仕切る扉があるか、ないかというものですが、区切りがあったほうが、玄関などから部屋が丸見えにならず、使いやすいというのがあるのかもしれません。以後、食事と眠る空間を分けられる1DKが3位に続きますが、みなさん、ライフスタイルや自身が払える家賃の金額に合わせて、部屋を選んでいるようですね。
物件選びは、いくつかのエリアや物件と比較し、家賃や間取りなど重視する条件との兼ね合いを考えて進めていくものですが、新宿エリアに勤務する一人暮らしの人が現在の街(駅)に決めた「決め手」や「魅力」はどこにあるのでしょうか。
決め手の堂々1位になったのは、「交通利便性」。どこに住んでいる人がどのようなコメントを残しているのでしょうか。
ターミナル駅へ1本で行けたり、利用駅や列車の多さをあげる人が多いようです。
次いで2位が、「生活利便性」。
3位の「街の雰囲気がいい」、4位の「知人・家族が近くに住んでいる」と続き、5位には「家賃相場の安さ」がランクイン。
といった、総合的なバランスの良さについてあげる人もいました。
それでは、実際に暮らしてみた街(駅)の、おすすめスポットはどこにあるのでしょうか。その理由もあわせてご紹介します。
実際には住まなかったものの、候補にしていた駅についても聞いてみました。上位に来ているのが、荻窪駅や新宿駅、恵比寿駅、池袋駅といった東京都内の複数路線が乗り入れる駅。新宿エリアに勤務しながら、「新宿に住みたい」「池袋で生活してみたい」というのは「職住近接がいい!」「便利な環境で暮らしてみたい」と考える人が多いからかもしれませんね。
複数の路線が利用できる新宿エリアに通勤し、一人暮らしをするとなると、「候補がありすぎてどこに住めばいいのか分からなくなる」「土地勘がなくてしぼりこめない」なんて人もいることでしょう。実際に新宿エリアに勤務している人たちのコメントを参考に、「自分がしてみたい暮らし」をかなえられるお部屋探しをしてくださいね。
JR山手線や中央本線をはじめ、小田急線や京王線など複数の私鉄が乗り入れる新宿エリア
駅徒歩5~10分以内、家賃は6~8万円以内が多い
新宿エリアに住んだ一人暮らしの人の決め手は、交通利便性と生活利便性