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所在地:千葉県我孫子市
竣工年:2003年
総戸数:851戸
利根川と手賀沼に囲まれた我孫子は自然豊かな街。都心にアクセスしやすいこともあって、駅近くに大規模マンションが集積している。そのなかで最も住戸数が多いのが、今回、訪ねた「シティア」だ。道路を隔ててA棟とB棟が立ち並び、総戸数は851戸。総敷地面積は約4万4000m2と広大だ。




お話を伺ったのは管理組合で副理事長を務める東本さん(※)と長谷川さん(※)、自治会長の大西さん(※)、防災会副会長でお助けネットでも活動する河内さん。みなさん、竣工時からこのマンションに暮らす、シティア愛の深い方々だ。さらに、竣工前からコミュニティの形成に関わってきた「シーズスペック・ヌック」の代表、小田さんにも取材をさせていただいた。
※役職は取材当時。現在は任期満了で退任

シティアの特色として、筆頭に挙がるのは我孫子の自然に呼応をする緑溢れる環境だ。敷地内には“トムソーヤの森”と名付けられたリアルな森が広がり、多くの野鳥が飛来する。その手前にはバーベキューコートも設けられ、日常の延長でアウトドアを存分に楽しめるという。
この住環境に魅了されて購入を決めた居住者は多く、大西さんもその1人だ。
「入居したのは子どもが小学校に入るちょっと前。自然の多いところでのびのび育てられたらいいなと思っていたのですが、ここはまさに理想通りだったんです。森には昆虫もたくさんいて子どもが小さい頃はよく虫捕りもしました」
敷地を囲うように連なる桜の街路樹も住人の自慢だ。春の訪れを告げる満開の桜から購入を即決したというのは長谷川さん。
「見学に来たのがちょうど4月。桜に彩られた景色に一目惚れしました。すでに建物はできていて低層階を内覧したのですが、バルコニーに出ると目線の先が一面桜色に染まっている。ここしかないと思いました」
眺望については高層階も素晴らしいという。
「手賀沼まで見晴らせて開放感は満点。夏は3カ所の花火大会を鑑賞できて楽しいですよ」(東本さん)




屋内外に点在する多彩な共用施設にも目を見張る。その数はなんと20施設以上!
なかでも珍しいのは“森の中のオープンカフェ”だろう。街路に面したこのカフェは近隣住民も利用可能。地域のコミュニティスペースとしても親しまれている。飲み物はコーヒーやハーブティーなどバラエティに富み、カレーをはじめフードメニューも充実。桜並木や隣接する公園の緑を眺めながら、憩いのひと時を過ごせる。
「わが家の場合、どこかでお昼を食べようかという時にちょくちょく利用しています。1人で読書をする人、友達同士でおしゃべりするグループ、マンション内のサークル仲間で集まる人たちと使われ方はいろいろ。勉強している学生もよく見かけますね」(大西さん)
カフェ前のテラスでは月1回、日曜日に地元の生産者が採れたての野菜などを販売する朝市も開催。マンション住人で結成されたマーケットクラブが運営を手伝っている。
コロナ禍以前は2月のカフェコンサートも恒例で、ワインを飲みながらヴァイオリンなどの美しい音色に耳を傾けていたとか。


もう一つ、特徴的なのはシティアホールだ。約100名収容できる独立型のホールではコンサートなどのイベントが開催されるほか、ヨガやジャズダンス、卓球などサークル活動にも活用されている。
「2023年には自治会主催のクラシックミニコンサートを開催しました。アマチュアオーケストラの我孫子市民フィルハーモニー管弦楽団の有志に来てもらい、プログラムは木管、金管、弦楽器の3部構成。定員70名で募集したのですが、わずか2日で満席になりました。もちろん、イベントやサークル活動が入っていないときは居住者が個人的に使うこともできます」(大西さん)
さらに、夏は大勢の子どもたちでにぎわうジャブジャブ池や、産直野菜から駄菓子までそろうコミュニティショップもファンの多い共用施設だ。
「コミュニティショップは業務用冷凍食品のバラ売りや住戸内の特殊な電球も売っていて、商品の多彩さはコンビニ以上。バーベキューの途中でビールが足りなくなったときもすぐに買い足せるから便利なんです」(大西さん)








このほか、ゲストルームは洋室と和室の2室があり、リモートワークに最適なビジネスサテライト、ドラムや電子ピアノなどを置いたAVルーム (スタジオ・シアター)、木工などの趣味を満喫できるクラフトルームなど年代を問わずに利用できる共用施設が満載だ。
「ビジネスサテライトは無料で使えることもあって、仕事や勉強の場として多くの方に利用されています。Wi-Fiが欲しいという声が多く、目下、検討しているところです。また、駐車場には洗車場が完備されていて便利ですし、電気自動車の充電設備やカーシェアも今後の検討課題として上がっています」
長谷川さんがそう話す通り、共用施設は常にブラッシュアップされ、昨年はエントランスラウンジをリニューアル。ソファが入れ替えられたほか、プロジェクターでマンション内のさまざまな情報が投影されるようになった。









こうした共用施設を利用してさまざまなイベントが行われている。先にご紹介したシティアホールでのコンサートもその1つだが、最も盛り上がるのは“おまつり”だという。
「コロナ禍前は夏と冬の年2回、実施していました。夏まつりはシティアホール前の広場“フィールドガーデン”に櫓を組んで盆踊りを催し、住人による模擬店もずらりと並んでにぎやかでしたね。冬まつりは餅つきがメインイベント。現在は2つのおまつりを集約した秋まつりを開いています。2023年はちょうど竣工20周年にあたり、久しぶりに大規模に行いました」(大西さん)






一方で、サークル活動も盛んだ。自治会公認サークルは23団体あり、そば打ち、空手、フラダンス、ウクレレ、ヨガなどバラエティに富んでいる。
「シティアのサークルは住人だけでなく、近隣の人たちも参加できるのが特徴です。外部の方の参加率は1割強。住人が半数以上所属しているのが公認サークルの条件にはなりますが、地域交流にもひと役買っているんです」(大西さん)
サークルのほかに、グループ活動も精力的に行われている。グループとは自治会のコミュニティ活動を支援する団体のこと。現在、マンション内の花壇の手入れや植え替えを行う「ガーデニンググループ」と、先述した朝市の手伝いをする「マーケットグループ」の2団体が公認グループに名を連ねている。
このグループ活動の母体となったのが、マンションが竣工する前に発足した「シティアクラブ」だという。その要となっていたのが、先にご紹介した「シーズスペック・ヌック」の小田さんだ。
「シティアクラブとは、マンションを購入した方々のコミュニティを支援する組織。私は常駐スタッフとして入り、『サークルを立ち上げたい』『おまつりを開きたい』といったみなさんの要望を聞き、それらを形にするお手伝いをしました。グループ活動が生まれたのもこの時。入居予定者の交流を図るためにクリスマス会を開いたり、活動状況を伝えるシティア通信も定期的に発行していました」
聞けば、カフェ前で開かれる朝市も小田さんと居住者で立ち上げた企画。今もボランティアで運営の手伝いをしているとか。
住宅分野の取材・編集や地域活性の企画・運営を仕事とする小田さんだが、「これだけ熱心に活動をしているマンションはあまりない」という。
「シティアのコミュニティ活動は大学の研究対象となり、論文も発表されているんですよ」

今やコミュニティはシティアの大きな柱に育っているが、このことを象徴する活動に住人同士で助け合う「お助けネット」もある。
「生活をしているとちょっとした困りごとはよく起こりますよね。特に高齢になってくると、『高いところの電球交換ができない』『粗大ゴミが重くて運べない』『病院に付き添ってほしい』といった困りごとが増えてくる。そんなとき、同じマンションに住む人が手助けするシステムがつくれないかと考え、10年前に立ち上げました」
こう話すのは当時、自治会福祉部の部長だったという河内さん。
利用方法は簡単で、困りごとができたとき申込用紙に記入してマンションのコンシェルジュに渡すだけ。提出しに行けない場合は電話でもOKとか。
ヘルプの声が届いたら、都合のつくサポートメンバーが出動。依頼者の住戸に出向いて困りごとを解決するという仕組みだ。
河内さんによれば、サポートメンバーは現在20名ほど。依頼料は無料で、サポートメンバーには1回につき200円が自治会費から支払われる。これまで約700件の依頼に応えてきたそうだ。
「依頼は居住者なら誰でもできますが、多いのはやはり一人暮らしの高齢の方。地域の民生委員もメンバーに加わってもらい、毎月例会を開いて情報共有もしています。10年続けてサポートする側の高齢化が課題になっていましたが、最近、高校生や大学生など7~8人の若手メンバーが加わってくれたんです。そういう若い人たちと高齢の方が交流をもてるのもお助けネットのいいところだと思いますね」(河内さん)
さらに、自治会の福祉部では高齢者を対象に、バスツアーやウォーキング会、おしゃべりをするサロンなどを企画。公認サークルでもシティアシニアクラブがが立ち上げられ、いつまでも安心して楽しく暮らせる体制が整えられている。
「そうやって日常で築かれた関係は地震など災害時の安心感にもつながります。
どの棟の何階にどのような方が住んでいるかが把握できていれば、万が一のとき駆けつけて手助けもできますよね。つまり、日頃のコミュニティが大事なんですね」(河内さん)
そんな河内さんが現在、副会長を務めているのが、管理組合、自治会と連携して活動する「防災会」だ。
「防災会では防災マニュアルの作成や、秋まつりと絡めた消火器訓練などさまざまな防災活動を行う一方、災害対策本部の立ち上げから、発電機の使い方、受水槽からの水の汲み出し方など具体的な行動マニュアルもつくっています。そのなかでは高齢者など自主避難が困難な方を優先的に対応できるよう体制づくりも進めています」(河内さん)
さらに防災では地域の団結も見逃せない。
「シティアの周りには3つの大規模マンションがあり、年4回、交流会を開いていますが、そのうちの2回は防災がテーマ。エレベーターが止まったときの対処法など情報交換をし、ここで得た知見も防災に役立てています。目下、4マンション合同で我孫子市に働きかけているのは、災害時の生活支援物資の供給拠点について。歩いて20分ほどかかる避難所ではなく、もっと近くに拠点を置いてほしいと陳情しているところなんです」(河内さん)
ここまででシティアの住み心地はお分かりいただけたと思うが、最後に管理組合の取り組みについても紹介しよう。
現在、管理組合下には6つの委員会がおかれ、その1つ、植栽委員会はトムソーヤの森をはじめ敷地内の膨大な樹木とともに街路樹のサクラの維持・管理を担当。植栽管理業者のほかに樹木医や植栽のコンサルタント会社とも連携し、中長期計画に基づいて剪定や伐採を進めている。もっとも、相手は生き物。予定通りにはいかないことも多く、計画の見直しも毎年行っているそうだ。

一方、リニューアル委員会では主として共用施設の修繕や更新を検討。大規模修繕では別途、大規模修繕委員会が立ち上げられ、修繕の内容などが細かく審議される。
「800戸を超える規模なので、大規模修繕は工事期間だけで数年がかり。費用も莫大にかかりますが、建築に詳しい住人の知識と情報を活用し、できるだけ支出を抑えています」
と河内さん。例えば、工事業者の選定にあたっては外部のコンサルタント会社を入れて決めることが多いが、1回目の大規模修繕ではその任務を建設工事のマネジメントをしていた河内さんが担当したそうだ。
そうした管理組合の手厚い運営体制で、ちょっと意外だったのは役員の任期だ。最近は2年任期で半数ずつ入れ替えるところが増えているが、このマンションでは監事を含め20名の役員をあえて1年の総入れ替え制にしているという。
「1年交替にしているのは、多くの人たちに管理組合の活動に関わってもらいたいため。ただ、理事会の議案は数年にわたって審議・実行されるものも多いので、継続性を保つために各委員会の担当理事には、任期終了後も有志として委員会に残ってもらっています。なかには長年有志として力を貸してくれる方もいてありがたいですね」(河内さん)
ちなみに、自治会では851世帯を33班に分け、それぞれの班長・副班長(自治会の役員を兼務)が輪番制で回ってくる。こちらの任期は2年。それ以外に、各部会の活動にボランティアで参加する人やグループ活動に加わる人も少なくない。このようになんらかの形でマンションの運営に関われば住人1人1人の愛着が深まり、よりよいマンションになっていくーー。それこそが今のシティアの姿というわけだ。
竣工から20年。最近はマンション内で親世帯と子ども世帯が近居するケースも増えているという。豊かな緑とコミュニティという2本の柱は、次の世代へと受け継がれつつ、さらに大きく頑丈に育っていきそうだ。
※物件の状況によって、空室情報がない場合もございます。
この記事は2024年6月8日に公開された記事を転載したものです。掲載内容は取材当時の情報です。細心の注意を払って情報を掲載していますが、当該情報について内容の正確性・最新性・信頼性・合法性等につきましては保証できかねますので、ご自身の責任で本ページをご利用ください。
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