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所在地:埼玉県さいたま市
竣工年:2008年
総戸数:812戸
国土面積が世界のわずか0.29%である一方、マグニチュード6以上の地震の18.5%が起きている日本。2024年も、元日の能登半島地震でマグニチュード7.6、4月17日に愛媛、高知で同6.6を観測した。さらに近い将来、首都直下型地震、南海トラフ地震などの発生も懸念されているだけに、マンション選びにおいて、その物件が備える「防災力」は、より重要な条件となっている。
今回取材したサクラディアの管理組合理事長、渋谷貴博さんも、防災力を重視してこのマンションで暮らし始めた。
「ここを購入する前は、同じさいたま市内の住宅街の一戸建てで親と同居していました。親が建てた家を私が建て替え、快適に暮らしていたのですが、徐々に自然災害に対する備えのことが気になり始めました。
さいたま市に接している荒川は国の調節池工事などで治水対策が進んでいるのですが、街なかは、降雨量が増えると水路のオーバーフローが発生し、稀に道路が冠水することもあります。また、万が一火事が起きた場合、一戸建てが集積する住宅街では延焼で火災に巻き込まれるリスクも考えられます。そうしたことから、堅牢なマンションへ移り住むことを検討したのです」(渋谷さん、以下コメント同じ)

渋谷さんはマンションの条件に、(1)地震災害に強い免震構造 (2)親の知人友人が暮らしているさいたま市内の立地 (3)スケールメリットが得られる大規模 (4)ペットが飼える 以上の4つを設定し、それらをすべて満たすマンションを探した。その結果、見つけたのが現在暮らしているサクラディアだ。大規模マンションだけに多彩な共用施設が付いており、渋谷さんもその恩恵にあずかっている。
「フィットネスルームとその隣の多目的室で、エアロビクスやピラティス、ヨガ、ストレッチ、マシン講習会などさまざまなメニューが定期的に開催されます。スポーツインストラクターが丁寧に指導してくれますし、何より、自分の暮らすマンション敷地内という手軽さが良いですね。フィットネスルームと多目的室のプログラムは、1世帯当たり1年に1万円支払えば受け放題という仕組みも気に入っています。1世帯ですから、つまり家族全員が対象なんですよ」


また、体を動かし、健康を維持する要素では、マンション敷地内に立つスイミングスクール「埼玉スウィンスイミングスクール浦和」の存在も強みとのこと。
「サクラディア住人に限らず誰でも入会できるスクールですが、アクセスが良いだけに、やはり多くの住人が通っていると思います。スイミングだけでなく水中ウォーキングやエクササイズなどのメニューもあり、子どもだけでなく、大人やシニアも目立ちますね」


このスウィンスイミングスクールとサクラディアには、プール以外にも“提携関係”がある。大雨が降った際、サクラディアの駐車場の一角に水が溜まる懸念が生じた場合は、スクールの地上平置き駐車場に一時的に住人の車を移動できる取り決めだ。
ちなみにこのスウィンスイミンググループは、埼玉県・群馬県・栃木県・福島県・東京都でスクールを展開しており、2024年のパリ五輪出場選手をはじめ、過去にも多くのオリンピアンを輩出している。サクラディアからも将来、世界で活躍するスイマーが誕生するかもしれない。


続いて、サクラディアの最大の名所にご案内いただいた。メインエントランスがある共用施設棟・ウェルカムコートの2階へエレベーターで昇った場所に広がっている「セントラルパーク」だ。サクラディアは共用施設棟のほか、4つの住宅棟がロの字を描くようにレイアウトされており、セントラルパークは文字どおり住宅棟の中央に位置する公園である。
敷地配置図から判断する限り、サクラディアの敷地面積約3万4700m2のうち、5分の1程度を占める広大なオープンスペースだ。我々が訪れた日は子どもたちが元気よく走り回ったり、住人同士が立ち話をしたりしていた。セントラルパークがある2階は歩行者のみしか入れず、キックボード、自転車などの乗り入れは禁止。パークの下は自走式駐車場になっており、完全に歩車分離されているため、安全安心な憩いの場になっている。

「下に駐車場があることからパークには重量制限があり、植栽の生育に不可欠な土の総量も限定されています。したがって自然の状態に比べると土の層がやや薄く、植栽、樹木にとっては厳しい環境とも言えます。そうした状況を受けて、この環境下においても生育に適した植栽への植え替え検討や植生回復の検証を進めています。セントラルパークは、さいたま新都心の『けやきひろば』や『六本木ヒルズ』のランドスケープアーキテクト・佐々木葉二氏に依頼したマンションのシンボルゾーン。マンションの資産となる大切な場所だけに、理事会では丁寧に維持管理をしていきたいと考えています」




また、シャトルバスもサクラディアの重要な財産だ。サクラディアの主な最寄駅はJR京浜東北線の浦和駅、JR埼京線の武蔵浦和駅・中浦和駅・南与野駅など。例えば浦和までは約3.5km離れているため、住人の多くは普段の足としてマイカーを活用しているが、通勤・通学目的でバスを利用する人も多い。公共の路線バスはマンションから徒歩1分のバス停から浦和駅(一部は中浦和駅経由)行きが走っており、多くの利用者がいる一方、マンション住人や関係者のみが乗れるシャトルバスは、サクラディア付近からは公共バスの路線がない武蔵浦和駅に向けて運行している。

「平日は朝5時台~25時台まで走っています。マンションから武蔵浦和駅へは6・7時台に4本ずつあり、8時台に3本。夕方~夜の武蔵浦和駅からマンションまでは、18~21時台にそれぞれ4本ずつ。25時台の便もあって、埼京線の最終下りで帰ってきてもシャトルバスでマンションに戻ることができ、重宝している住人は多いと思います。浦和駅からは湘南新宿ラインで池袋・新宿・渋谷方面、上野東京ラインで上野・東京・品川方面と2方面にアクセスできますし、武蔵浦和駅からは埼京線で、やはり池袋・新宿・渋谷方面に直行できます。2つのルートを選べるのは、サクラディアの立地のアドバンテージだと思っています」
もっとも、コロナ禍においては、サクラディアのシャトルバスも住人のテレワーク勤務やオンライン授業などで、利用者の大幅減という危機に陥った。そこで理事会と住人有志でつくるシャトルバス委員会は、バス運行会社と話し合い、減便などを提案したという。
「ほかにも、サクラディア住人を対象にした観光用チャーターバスが実現できないかを打診するなど、シャトルバス以外の領域でも協力関係を築けないか模索しています。そうすることで少しでもバス会社の利益が上がれば、ひいては、シャトルバスの持続可能性を向上させることにもつながります」
この“共存共栄”の文脈では、サクラディアの住宅棟・サークルコートのテナントであるダイエー系列の「グルメシティ浦和道場店」とも連携強化を模索している。このスーパーは24時間営業。しかも売り場面積が広い上、品ぞろえも良く、マンション住人にとって“冷蔵庫”のような、なくてはならない存在だ。
「今年、道場店の責任者と面談させていただきまして、サクラディア側からの品ぞろえの要望を定期的にお伝えしたり、将来のマンション内のイベントへの参加を打診したりしました。住人にとってダイエーでの買い物利便性が向上すればWin-Winですし、ダイエーの存続はサクラディアの魅力向上にも大きく寄与しますから」

理事会では、ほかにもマンションの「住みやすさ」「資産価値」維持向上のための取り組みを続けている。未来の暮らし心地をアップさせるための主な策をいくつか教えていただいた。
「マンション内施設に『アフタースクール ポポラー埼玉さくら園』という未就学児童預かり・小学校低学年までの学童保育を行っている施設があるのですが、それに加えて、共用施設のキッズルームの改善、住人が自発的につくっているサークル・キッズボランティアの活動を土台にしたマンションエラントランスへの図書コーナー設置や、放課後の子どもたちの居場所づくりなど、子どもが安全に過ごせるスペースづくりを検討しています。子育てしやすい環境が整ったマンションになれば、今まで以上に子育て世代からの注目を集めることに期待できます。ひいてはマンション内のにぎわい創出や活性化、資産価値向上にもつながると考えています」


また、住人有志が参加できる植栽ランドスケープ委員会による活動も重要な取り組みだ。バス通りに近い「咲くらガーデン」と名付けた植栽エリアに季節の花を植えたほか、2024年4月には、エントランス前の一角でも植栽の植え替えを実施。さらに委員会の活動には、先述のセントラルパークの草取りや植栽植え付けなども含まれているという。元来、サクラディア敷地内の緑は豊富だが、そこに色とりどりの季節の花がアクセントとして加わることで印象はより華やかになるだろう。

さらに、単純な『ペット可マンション』ではなく、『ペットと一緒に生きていけるマンション』をイメージして、こんな取り組みも進めている。
「愛犬と自由に過ごせるドッグエリアを敷地内2カ所に設置することを企画中です。低木を取って平地にして、小型犬などが安全に歩ける場所にできればと考えています。また、ペットを飼っている住人で構成する『ペットクラブ』の活動開始も予定していまして、飼育ルールの順守やしつけ、獣医の紹介、衛生への配慮などの情報交換や啓発をしていただくほか、ペットと快適に暮らすために必要な環境整備の要望を理事会に提案いただくことも考えています。ペットを飼っている人にしか分からないことは多いですからね」
渋谷さんがサクラディアで暮らし始めるきっかけにもなった「防災力」の向上も重視するという。免震構造というハードの優位性に甘んじることなく、組織の整備や住人の意識変容に挑む。
「これまでは、自治会、自治防災会、管理組合の3組織がそれぞれにマンション防災に取り組むという、すこし複雑な形態だったので、より連携を強め、2024年11月の防災訓練では3団体が、いわばタッグを組む形で初めての防災訓練を行う予定です。主要テーマは『備蓄』です。基本的にサクラディア住人は、避難所ではなく在宅避難を推奨されると予想できるため、マンションで用意している防災用品、自治体から支給される非常用品、さらに住人が個人として用意しなければならない非常用品を整理してお伝えし、“公助”ではなく“自助”の意識を高めていただくように、3組織が三位一体となり呼び掛ける予定です」
管理組合独自の公式ホームページ開設も目指す。マンションの魅力を分かりやすく発信し、これからサクラディア購入を検討する人にもアピールしていくオリジナルのメディアに育てたいという。
「例えば、専用シャトルバスが利用できること、24時間営業のダイエーが敷地内にあること、そして免震構造を含む防災力などを訴えていければと思っています。理事会のなかにWeb制作に詳しい人がいますので、知見を借りつつ、今期中には立ち上げる計画です」
ホームページで発信するサクラディアの魅力を住人にも再認識してもらい、今まで以上にマンションに愛着をもってほしいと考えている。
イベント開催を通じて住人交流、にぎわい創出にも取り組む。2023年度後半からは、武蔵浦和駅でマルシェなどを開催しているイベント団体と提携して、定期的にイベントを開催しているそうだ。
「2024年4月のイベントでは、飲食ブースだけでなく、マッサージやアート作品販売、植栽、フラワーバイキングなども実施。モノ、コトなどさまざまな体験ができることを意識しました」
外部団体と提携することで、住人、ボランティアの負荷軽減とイベントの魅力向上や回数の増加、定着に期待できるのも魅力的なポイントだろう。
ここまで理事会のさまざまな取り組みを紹介してきたが、これだけ大規模なマンションで、さまざまな共用施設やテナントも併設するサクラディアは、管理会社のアドバイス、協力を得ても、すべてを円滑に進めていくのは至難の業であることは2年間理事を務めて痛感しました、と渋谷さん。そこで2024年3月からは、「専門家」であるマンション管理士に理事会参加、サポートを依頼し、理事会内の意見調整や理事のスキル、モチベーション向上をはかっているそうだ。理事会・マンション管理士・管理会社による3者体制とすることで、より質の高いマンション管理が実現するだろう。
「近いうちに、マンション管理業協会の『マンション管理適正評価制度』、国や行政の『マンション管理計画認定制度』に登録し、できれば高評価を得て、それもサクラディア公式HPに大きく載せたいですね。公的第三者機関からのお墨付きによって、より説得力が増すはずですから」
サクラディアでは、2024年5月から初めての大規模修繕工事が始まる。工事期間はおよそ1年を見込んでおり、終了後には新たな長期修繕計画がスタートする予定だという。

「躯体に『100年コンクリート』を採用しているサクラディアだけに、名実ともに『100年継続するマンション』を目指したい。そうしたビジョンをベースに、さまざまな取り組みを通じて、将来、理事会メンバーが変わっていっても『一定品質の管理運営ができるプラットホーム』を創っていきたいと考えています」
新たなフェーズへと移行するサクラディア。ここでしかできない体験に満ちた、魅力あるマンションへ成熟していきそうだ。

※物件の状況によって、空室情報がない場合もございます。
この記事は2024年5月24日に公開された記事を転載したものです。掲載内容は取材当時の情報です。細心の注意を払って情報を掲載していますが、当該情報について内容の正確性・最新性・信頼性・合法性等につきましては保証できかねますので、ご自身の責任で本ページをご利用ください。
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