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所在地:神奈川県横浜市
竣工年:2014年
総戸数:39戸
港町・横浜のなかでも山手町は、ひと際、エキゾチックだ。
山の上に広がるこの街は、幕末の横浜港開港を機に外国人居留地として発展。住宅とともに、キリスト教会、教育施設などがつくられた。現在も歴史を刻んだ洋館や西洋式庭園がそこかしこに残り、街を歩けば往時の面影に浸ることができる。


丘陵地ゆえに見晴らしも抜群だ。港の見える丘公園は横浜港やベイブリッジを一望できる絶景ポイントとして知られるが、それ以外にも至るところから港町らしい景色が顔をのぞかせる。ちなみに、かつてこの地域の呼称に使われていた「BLUFF」とは「切り立った崖」という意味。まさにその地形が街の魅力に磨きをかけているのである。





そんな山手は横浜屈指の高級住宅街としても名を馳せている。立ち並ぶのは、敷地の広い一戸建てが中心。たとえ新築であっても洋館風の趣のある家が多く、美しい景観が守られているのが印象的だ。
背景にあるのが、官民双方による美観保全の取り組みである。山手は横浜市が定めた風致地区であり、山手地区景観風致保全要綱も制定されている。それら加えて、地域住民たち自らも「山手まちづくり協定」を制定。その指針には、緑化の基準とともに建物の規模や形態・色彩なども細かく示されている。まさしく、この街に暮らす人たちの誇りと高い意識の表れといえるだろう。


この街に「ハイコート山手パレ244」が誕生したのは2014年。低層3階建ての建物はモダンで気品があり、街並みにしっくりと溶け込んでいる。
なかでも目を引くのは、重厚感を醸し出す意匠の数々だ。赤煉瓦壁をモチーフにしたハーフボーダータイルの外壁、北欧の伝統様式である「透かし積み」による煉瓦の門、ロートアイアンの門扉……。
マンションが立つのは、かつてデンマーク王国知事公邸があった場所。瀟洒(しょうしゃ)なファサードは土地の記憶を刻んだものであり、街の歴史へのオマージュでもあるのだ。



ランドプランはユニークだ。約4万2000m2の敷地に立つのは、北館と南館の2棟。既存樹を中心にしたグリーンヤードを仕切りに敷地を分け、それぞれにエントランスゲートが設けられている。接する道も異なるため、外からはまるで別々のマンションが建っているかのように見える。
「北館と南館は敷地内からも行き来ができないようになり、独立性が保たれています。そのためプライベート感が高く、防犯面でも安心なんです」
こう語るのは管理組合の理事長だ。
共用施設は北館にあるエントランスラウンジのみとシンプル。その分、各住戸の広さがゆったりとられ、100m2を超えるタイプも多い。
ゆとりの空間に華を添えるのは窓から見える景色だ。向きによって豊かな緑が眺められたり、丘の上の瀟洒(しょうしゃ)な家並みを一望できたり。高台ならではの眺望は居住者の自慢のタネなのだとか。
では、管理組合の活動はどうだろう。
理事長によれば、監事を含めた6名の理事は、両館から3名ずつ選出。植栽や修繕など各館から挙がった問題をマンション全体の課題として解決しているという。
「理事会の活動はマンションの価値を維持することを主眼に行っています。イベントなどは特に開いていませんが、会えば挨拶を交わすような良好なコミュニティが生まれています。良識のある方ばかりなのでスムーズに活動できますね」






マンションの居住者には異国情緒あふれるこの街に憧れて購入を決めた人が多く、理事長もその一人だという。
「以前は同じ横浜の馬車道に住んでいたのですが、いつか山手に暮らしてみたいと思っていたんです。とにかく街並みがきれいなので散歩しても気持ちがいいですね。それにとても静かで、夜は物音一つしません。家族で落ち着いて暮らすことができるんです。周辺には遊具のあるこぢんまりとした公園も多く、わが家のような子育て中の家族にも暮らしやすい環境ですね」
確かに、街を歩くと近所の人と思しきファミリーに多く出くわした。しかも、その顔ぶれは国際色豊か。街にはインターナショナルスクールも複数あり、おのずと国際感覚も身につきそうだ。

さらに、坂道を下れば、ブティック、カフェ、レストランなどが多彩な店が集まる元町ショッピングストリートが広がり、中華街や山下公園も生活圏内。暮らしの楽しみも目白押しだ。
ただし、いささか気になるのは利便性。実は、筆者が通った大学はこの山手にあり、当時は坂道を上るだけで1日が終わったような気分になったのを覚えている。しかも、風致地区である山手には、コンビニやスーパーのような商業施設はつくれない。ちょっとした買い物をするにも丘を下るしかないわけだが、不便ではないのだろうか。住人の一人として、理事長に訊いてみた。
「坂についてはまったく問題ないですね。元町・中華街駅から丘の上まではエレベーターやエスカレーターがあって、歩いて上がらずに済むんです。通勤や買い物も快適にできますよ。家の周りにコンビニが何軒もあるような場所に比べたら便利とはいえませんが、その不便さを楽しめるような人たちが集まるのがこの街なんです」



異国情緒あふれる美しい街並みとゆったり穏やかな環境は、利便性に代えても余りある魅力だと理事長は言う。そして、この街に刻まれた土地の記憶も唯一無二だ。
「山手という歴史ある街において、私たちマンションの居住者はいうなれば新参者。『住民の1人に加えていただき、住まわせてもらっている』。そういう謙虚な気持ちを持つようにしています」
竣工から5年。このマンションから生まれる人々の暮らしは、街の歴史に新たなページを紡ぎ出している。
※物件の状況によって、空室情報がない場合もございます。
この記事は2019年10月10日に公開された記事を転載したものです。掲載内容は取材当時の情報です。細心の注意を払って情報を掲載していますが、当該情報について内容の正確性・最新性・信頼性・合法性等につきましては保証できかねますので、ご自身の責任で本ページをご利用ください。
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