TRF・DJ KOOさんの住まい遍歴。ディスコに近いワンルームから、家族で暮らす4LDKマンションへ

DJ KOOさん

1980年代、日本のダンスミュージック黎明期からDJとして活躍し、1990年代には人気グループ「TRF」のメンバーとして音楽シーンを牽引する存在となったDJ KOOさん。DJデビュー40周年を迎えられた現在は、音楽活動はもちろんのこと、バラエティー番組やYouTubeへの出演なども増え、活躍の幅をさらに広げています。

そんなDJ KOOさんは、大の家族思いでも知られる人物。現在、妻と娘の家族3人で暮らす麻布十番のマンションに引越す際には、子育てのしやすさなど、家族のための家づくりを強く意識されたといいます。そこで今回、DJ KOOさんにこれまでの住まい遍歴を振り返っていただきながら、「家族のため」の家のこだわりについて伺いました。(※取材は、新型コロナウイルス感染症の予防対策を講じた上で実施しました)

初めてひとり暮らしをした阿佐ヶ谷と、思い出の曙橋

──DJ KOOさんは、19歳のときにご実家を出て、初めてのひとり暮らしを始められたそうですね。当時はどんなお部屋に住まれていたんですか?

DJ KOOさん(以下、KOO):阿佐ヶ谷駅近くのアパートで、家賃6万円くらいのワンルームでした。当時はDJの見習いを卒業して、ようやく新宿のディスコでDJをやらせてもらえるようになったばかりのころ。お給料に見合うような家賃で、新宿まで電車1本で行けるというのを重視して選びました。

──お部屋や街に特にこだわりがあったわけではないんですね。

KOO:当時は、家は単に帰って寝るための場所だったので、こだわりはなかったですね。ただ、家の近くが商店街だったので、ディスコの仕事が朝終わって帰るまでの道すがらに、ひとりで近所のカツ屋さんにふらっと入ってごはんを食べたりはしていました。そういうのを経験できたのは、ひとり暮らしって感じがして楽しかったです。

──その後、歌舞伎町のディスコでチーフDJを務めるようになったころ、曙橋のアパートでパートナー(現在の妻)と同棲を開始されたそうですね。

KOO:たしか22歳くらいのときだったかなあ。曙橋を選んだのも、やっぱり仕事場の新宿へのアクセスのよさを考えてでした。そのアパートは2階建ての棟がいくつか連なる木造のコーポみたいなところだったんですけど、1階にキッチンとお風呂場、洗面所があって、2階がリビングと寝室という間取りで、けっこう広かったんです。妻は休みの日に泊まりにきてくれていたのが徐々に毎日来てくれるようになって、一緒に住むようになりました。

DJ KOOさん

──当時のお家で、印象に残っていることはありますか?

KOO:いまは街も大きく変わっちゃいましたが、80年代の初期は曙橋もまだ静かな住宅街で。当時はサーファーブームの真っ只中だったので僕もけっこう波乗りに凝ってて、サーフボードを置いたりロコサーファーっぽい感じを意識して、すだれに緑のツタを這わせてみたり、そういうことをいろいろしてみた家でしたね。エアコンがなかったので、夏はすごく暑かった記憶があります。家賃も大家さんに手渡しだったし、本当に昭和の家って感じだったなあ。

あと、当時は家から歌舞伎町まで自転車通勤してたんですけど、仕事に行くのに自転車を出そうとすると、妻がいつも2階の窓から「いってらっしゃい」って手を振ってくれた思い出があります。

──素敵な思い出……!

KOO:一度、バラエティー番組の企画で、過去に住んでいた家を回るというのがあって。そのアパートに行って、いま住んでらっしゃる方にお願いしてお部屋の中を見せていただいたんですけど、すっごくきれいになってて、もう全然違う部屋でした。でも間取りはそこまで変わっていなくて、面影を感じて懐かしかったなあ。ベランダから見える景色も一緒だったし。

──そのお家には何年くらい住まれたんでしょう?

KOO:3~4年で引越してしまったんです。当時はDJをやりつつリミックスやプロデュースの仕事もするようになってきていたので、家でも少し音が出せる環境があるといいなと思って。そのあとは新宿の明治通り沿いにあるマンションに何年か住んだんですが、1階にストロベリーファーム*1があったりして、けっこう都会的な暮らしだったかもしれません。

──バブルど真ん中の新宿ですもんね……! 当時はまだ、TRFの結成前ですよね。

KOO:そうですね。80年代の後半は、日本のアーティストやアイドル歌手の人たちもダンスミュージックをやり始めて。当時はリミックスの仕事が多くて、早見優ちゃんやWinkさん、久保田利伸さんなんかのダンスミックスをつくったりもしていた思い出深い時期です。

「家族で暮らす」ことを第一に考えて選んだいまの家

──ご結婚されてからはずっと、麻布十番にお住まいだと聞いています。麻布十番の街を選ばれたのはなぜですか?

KOO:六本木で仕事をするようになったのもありますし、結婚したなら買い物がしやすい街がいいよねということで、商店街が近い麻布十番に来ました。いまの家も麻布十番なんですが、TRFで成功できたこともあって、将来子どもが生まれるのも見据えて「家族で暮らすこと」を第一に考えたいと思い、こだわって選んだマンションです。賃貸ではなく購入という選択をしたのも初めてでした。

──戸建てではなくマンションを選ばれたのはどうしてでしょう?

KOO:防犯面をいちばん重視して検討していたので、やっぱり管理体制がしっかりしているという面でマンションがいいなと。それに、僕の仕事の時間がかなり不規則で、家のメンテナンスにあまり時間をかけられないことも分かっていたので、妻の負担を少しでも減らすために、ごみが24時間捨てられるというのも大きかったです。

──なるほど。お子さんが生まれるのも見据えて選ばれたお家ということですが、子育てしやすい環境も意識されたんでしょうか?

KOO:はい。家の周りが明るいというのは大前提で、公園や病院、学校も近いところを探しました。間取りもいろいろ検討して、ベビーカーが楽に出入りできるようにある程度玄関が広くて、収納スペースも多い物件を選びましたね。それに、子どもが家から外に出るときに、車通りの多い道が近過ぎると危ないかもしれないなと思って、そうじゃないところがいいなというのも考えたし……。

DJ KOOさん

──本当に、ご家族のことをいろいろ考えた上で選ばれた物件なんですね。

KOO:やっぱり家族で暮らすとなると、みんなが安全な状態で僕が仕事に行けるというのが大事ですし……実際に娘が生まれて3人家族になってからは、いまのマンションにしてよかったなと実感しています。

それに麻布十番の街も、大江戸線と南北線が通ってからすごく便利になりました。麻布十番って閑静な住宅街のイメージがあるかもしれないですけど、意外と昔から続いているお祭りがあったりご近所付き合いも盛んだったりして、情緒のある街なんですよ。「ずいぶん大きくなったねお嬢ちゃん」って娘に声をかけてくれる方もいますし。

僕は東京出身なのでこれまであんまり「地元」とか「田舎」って感覚がなかったんですが、いまは十番が地元みたいな感じで、愛着がありますね。

──KOOさん、ご近所付き合いも積極的にされるんですか?

KOO:うちはわりとそうだと思います。娘の幼稚園時代からいまでも付き合いがあるお友達の家族もいますし、ママ友さんとも定期的に連絡したりしていますし。僕は娘の授業参観とかも皆勤だったんですよ。いま娘は大学生なんですが、大学でも一度、参観日が設けられていたことがあったので行ってみたり……。

──大学の参観まで行かれるのはすごいですね! でも大学生ともなると、KOOさんがいたら気付かれませんか……?

KOO:そうですね、保護者らしくスーツ着てても絶対目立ちますからね(笑)。

家族の「手が届く距離感」を意識した部屋づくり

──お話をお聞きしていると、本当にご家族思いなのが伝わってきます。いまのお住まいはどんな間取りなんですか?

KOO:4LDKと部屋数はそこまで多くはないんですが、リビングとキッチン、娘の部屋、それに寝室があって、それぞれがきちんと分かれているつくりです。とはいえうちは夜はみんな同じ寝室で寝ていますし、晩ごはんもリビングに集まって食べてるし、けっこう一緒にいるんですけどね。

──KOOさんは、いまはあまりお家ではお仕事をされないんでしょうか?

KOO:そうですね、自宅から徒歩圏内のところにワンルームの仕事部屋を借りているので、仕事の機材やDJセットはいまはすべてそこに置いています。あと、僕は洋服もすごく多いので、それも別の部屋に置いてますね。機材を家に置き始めちゃうと広さがいくらあっても足りなくなってくるし、3人家族になってからはやっぱり、生活と仕事をきちんと分けておきたいという思いも強くなりました。

DJ KOOさんの仕事部屋
仕事部屋には機材のほか、たくさんの衣装が

──では本当に、お家ではご家族と一緒にいる時間が長いんですね。

KOO:うん、毎日必ず家族との時間を持つ、というのはすごく大切にしています。

──お部屋づくりやインテリアなどもこだわられていますか?

KOO:インテリアはそこまでじゃないですね……。なんか、使わなくなったマッサージチェアが洗濯物置き場になっちゃったりしてて。それを動かしてみて、「あ、ちょっと広くなったな」ってこの前思いました(笑)。

──うちの実家でもそうなってました! あるあるですよね……。

KOO:あるあるですよね。……あ、でも、部屋づくりでいうと、テーブルやソファを買うときは、ただ大きくてゴージャスとかではなく、座ったときに家族の距離がちょうどいいものを選んだかもしれないです。あんまり離れていると、例えばちょっと手をけがしたりしていても、「あれ、手どうしたの?」って気付けないじゃないですか。そういう意味では、手が届く距離感というのは意識しましたね。

──なるほど。 ちなみに、娘さんはハロー!プロジェクトの大のオタクで、グッズも膨大な数を集められていることですが……その保管用スペースなどもあったりするんでしょうか?

KOO:ハロプログッズ、すごいんですよ! いまはまだ娘の部屋で保管されているんですが、部屋の半分くらいがすでにグッズで埋まってるので、このまま増えていったらどうなるんだろう……。僕のYouTubeチャンネルで一度娘の持っているグッズをすべて持ち出して床に広げさせてもらったことがあるんですけど、avexの大会議室がいっぱいになるくらいの量だったんです。「これ、全部でいくらくらいかかったの?」って聞いたら「グッズの値段は聞いちゃだめだよ」って言われました。

──す、すごい! そういったことで娘さんとけんかになったりはしないんですか?

KOO:しないですね。僕も怒らないですし……。もしかしたら、娘を叱らなきゃいけないことがあったら妻がその役割を引き受けてくれていて、僕はいいとこ取りをしちゃってるのかもしれない。妻とも娘ともですけど、けんかしそうな空気になると僕が先に謝っちゃうんですよね……。娘が集中して勉強しようとしてるのに、それに気付かないで「ちょっとインスタのストーリーつくって」とか言いに行っちゃうときがあって。そういうときは「あ! ごめんね」ってすぐ謝るようにしています。

──かわいらしいやりとりだ……。

KOO:やっぱり娘はアプリの操作とか写真の加工がすごく上手なので、アイドルの方と僕が写真を撮ったりしたときは、娘にお願いして光の調整とかしてもらうんですよ。あと、娘は僕の名前でエゴサもしてくれてて、ツイートに対して「〇〇さん反応してくれてるよ!」って教えてくれたりします。

娘が巣立つときのことは、いまはまだ考えたくない

──聞けば聞くほど、仲良しのご一家だなあと思います。ご家族といい関係でいるために、KOOさんがお家で大切にされていることって何かありますか?

KOO:僕だけがしていることではないんですけど、うちは記念日とか何かの節目には必ず家族でサプライズでお祝いをするんですよ。誕生日はもちろんですが、娘の試験が終わったらケーキを買ってきたり、例えば僕のCM出演が決まったりしたら「パパCMおめでとう」ってお祝いしてくれたりするんですよね。

あとは、そうだなあ……妻の話をちゃんと聞くことですかね、当たり前ですけど。僕が仕事を終えて家に帰ってくると、妻が今日あったことをいろいろ話してくれるんです。ちょっと疲れてたりする日でも、その話は最後まで聞くようにしています。あと「ごちそうさま」と「ありがとう」も、欠かさず言うようにしています。

──素晴らしい……。

KOO:いやいやいや、難しいことは何もしてないです。その分家事は全部やってもらってしまっているので、感謝はやっぱりきちんとしないと、と思います。

──KOOさんは、いまのお住まいには、今後も長く住み続けられる予定ですか?

KOO:子どもも大きくなってきたので、もっと広くてキッチンが充実しているところに引越してもいいねと2年くらい前には話していたんですが、コロナのこともありますし、いまはもう少しこの家に住もうか、ということになりました。

ただ、いまのマンションは購入してから20年は経っているので、そろそろキッチンだけでも新しくしたいと思っています。うちはコロナ禍になってからまったく外食をしていなくて、妻が毎日ごはんをつくってくれているので、もう少しきれいなキッチンにしたいなと……。妻いわく、せっかくならテレビで料理の仕事がもらえるようなキッチンにしようとのことです。

──アグレッシブですね! 娘さんがひとり暮らしをされたりする予定も、いまのところはないですか?

KOO:そうですね、本人は家を出たくないって言ってますね。ああ……でもそういうときも来るのかな、それも成長ですもんね。でも、ちょっといまは考えられないなあ……。ストーリーつくってもらえなくなっちゃうもんなあ……だったら僕も一緒に住む!

──(笑)。いずれ住み替えをされるとしたら、どんなお家が理想ですか?

KOOやっぱりまたマンションがいいなとは思います。寂しいですけど、いつか娘が巣立って夫婦ふたり暮らしになるとしても……マンションは平面なので、足腰が弱っても住みやすいかなと思って。

あとは、防犯面を考えて、夜でも明るいところがいいですね。僕、東京タワーが好きでウォーキングの途中なんかに写真を撮るのが趣味なんです。だから、次は東京タワーが見える家だといいなあ。

DJ KOOさん

お話を伺った人:DJ KOO

DJ KOO

1961年8月8日生まれ、東京都出身。トータルCDセールスが2100万枚を超えるダンス&ボーカルグループTRFのDJ、リーダー。ソロとしては、“触れ合う人々をエネルギッシュに!元気に!笑顔に!”をモットーに、ダンスクラシック、EDMから、J-POP、アニソン、ゲーム音楽まで幅広い音楽をDJスタイルでプレイ。2017年からは、日本の文化である“お祭り”“盆踊り”とDJのコラボレーションを国内外に発信。2020年8月にDJ活動40周年を迎えた。

公式サイト:DJ KOO official website / Twitter:@DJKOO_official / YouTube:KOOTUBE - YouTube

取材・執筆:生湯葉シホ
撮影:曽我美芽
写真提供(仕事部屋の様子):エイベックス・マネジメント
編集:はてな編集部

*1:※1980年代に東京を中心に展開し、若い世代に人気を集めたカジュアルレストラン