「楽器可」となっているマンションやアパートでも、ギターの音が隣近所に響いて迷惑をかけていないか気になるはず。「自分が出す音の響きを確認するためにも、周囲を気にせずに練習したい」、「アンプから音を出してエレキギターを弾きたい」という人は、気兼ねなく弾けるように防音対策を。ギターの場合の防音対策について解説します。
楽器の中でも大きな音が出るギター。アコースティックギターは楽器前方へ音が進むため、自分が聞いている音よりも、部屋前方で響いている音は思いのほか大きくなっています。エレキギターはアンプから音を出さなけければ大丈夫、と思っている人も多いかもしれません。しかし、ジャカジャカとかき鳴らすストロークの練習をすれば、複数の弦から一度に生音が出ます。
では、ギターの音はどれくらいの大きさなのでしょうか。人が快適に暮らせる音の環境は、1998年に環境庁(現・環境省)が定義した基準値によると、住宅地では昼間は55dB(デシベル)以下、夜間は45dB以下。この基準値を上回ると人は「騒音」と感じてしまいます。ギターの音は、エレキギターなのか、アコースティックギターなのかによって違います。また、ピックを使う、使わない、出すのは単音だけなのか、複数の音を出すのかなど奏法によっても音量は違ってきます。例えば、エレキギターをアンプに通し、中音量以上の音で弾くと発生する音は100~120dBになることも。アコースティックギターも音量を気にせずに弾くと80~85dBに。壁や床で遮音されたとしても、近所には騒音と感じる大きさで伝わるケースが多くあります。
アコースティックギターの場合、ボディのサウンドホールをふさいで音を軽減するアイテムがあります。エレキギターの場合、アンプにつなげない、ジャカジャカと生音を出さないなどの配慮で音を小さくすることができます。しかし、音を出していなくてもアンプから下に伝わる振動音が階下の迷惑になることも。特に、周囲が静かな夜間には注意が必要です。
木造よりも鉄筋コンクリート造のほうが音は遮断しやすくなります。また、隣の家との距離がある一戸建てのほうがマンションよりも音は気にならない場合も。しかし、ケースバイケースなので、ギターを弾く場合は防音対策をしておいたほうがいいでしょう。