住宅ローンを借りてから、マイカーローンや子どもの学費を借りることはできる?

公開日 2023年12月08日
ヒッシーのマネー騎士(ナイト)
住宅ローンを借りてから、マイカーローンや子どもの学費を借りることはできる?

住宅を買ってから新しい車が必要になったり、子どもの教育費がかかるようになったり、ということがあります。住宅ローンを借りるときには他のローンがない状態で融資の審査を受け、住宅ローンに通った後、併用して車をマイカーローンで購入する、子どもの学費を教育ローンで借りるということは可能なのでしょうか?

ローンを借りられるかどうかは審査しだい

住宅ローンやマイカーローン、教育ローンなどの借り入れが可能かどうか、それはお金を貸し出す金融機関などによる審査に通るかどうかで決まってきます。

例えば、固定金利型の住宅ローンの代表格である【フラット35】のように、住宅金融支援機構が商品をつくり、全国の幅広い民間金融機関などの窓口で取り扱われている、準公的融資といってもいい商品の場合は、審査の基準が明確になっています。

年収に応じた「返済負担率」をクリアし、その他の申込要件(年齢、借入金額、返済期間、住宅の要件など)をクリアしていれば、通常は問題なく借りられます。

一方、銀行などの金融機関それぞれが独自に取り扱っているローン商品の場合、審査基準は基本的に公開されていません。【フラット35】と同様に、ほとんどの金融機関などが「返済負担率」を審査基準の一つにしているとは思いますが、審査をクリアできる数値などの水準は一般に公開されていませんし、金融機関によっても審査基準が異なるようです。

「返済負担率」とは?

住宅ローンなどの審査に使われる「返済負担率」とは何かというと、収入に対する返済額の割合のことをいいます。通常は、「年間返済額」を「年収」で割って求めます。

例えば、ローンの年間返済額が150万円で、その人の年収が500万円だったとすると、返済負担率は30%(=150万円÷500万円×100)となります。

【フラット35】の場合、この返済負担率が、以下の基準を満たしている必要があります。

【フラット35】の返済負担率の基準
年収 400万円未満 400万円以上
基準 30%以下 35%以下
出典/【フラット35】ホームページ

年収400万円未満で30%以下ということは、仮に年収が350万円だったとすると、年間返済額はその30%以下、つまり、年間105万円(=350万円×30%)以内の返済額までであれば【フラット35】を借りられるということです。

2023年11月の最低金利(返済期間21年~35年、融資率9割以下)年1.960%、返済期間35年で計算すると、借入金額は2657万円が上限になります。

これが年収400万円以上だと基準が35%以下に上がりますので、仮に年収がギリギリ400万円だったとしても、年間返済額はその35%以下、つまり、年間140万円(=400万円×35%)以内の返済額までであれば【フラット35】を借りられるわけです。

同様に、11月の最低金利(同)年1.960%、返済期間35年で計算すると、借入金額は3543万円が上限になります。年収が50万円上がるだけで、900万円近く借入可能額が増える計算です。

ただし、これらの計算結果は、あくまでも【フラット35】以外の借り入れがない場合の数値です。他の借り入れ(【フラット35】以外の住宅ローン、自動車ローン、教育ローン、カードローン(クレジットカードによるキャッシング、商品の分割払いやリボ払いによる購入を含む))がある場合は、その返済額も加えた年間返済額で返済負担率を計算しなければなりません。

例えば、年収400万円の人が、すでにマイカーローンを返済中で、その返済額が毎月3万円だったとすると、年間140万円(=400万円×35%)以内のうち、マイカーローンで年間36万円(=3万円×12カ月)を使ってしまっているので、残りは104万円(=140万円-36万円)となります。

年間返済額104万円以内で計算すると、【フラット35】の借入可能額は、約2632万円まで下がることになります。

住宅ローンを先に借りている場合は?

住宅ローンの審査を通りやすくするためにも、車のローンやカードローンなどの残債があるなら、住宅ローンの申し込みをする前に一括返済しておいたほうがいい、というのは昔からよくいわれます。

確かに、返済負担率の計算例で触れたとおり、他の借り入れが全くない状態で住宅ローンを申し込んだほうが審査は通りやすいといえます。では、今回の記事の本題でもある「住宅ローンを借りてから、マイカーローンや子どもの学費を借りることはできる?」ですが、結論からいうと、返済負担率の上限まで住宅ローンを組んでいなければ、借りられるはずです。

実際に借りられるかどうかは、申込先の金融機関などの審査しだいなので、何とも言えませんが、住宅ローンを借りていることだけを理由にマイカーローンや教育ローンの審査が通らないということはありません。

特に、マイカーローンや教育ローンは、それぞれが住宅ローンとは別に審査されているはずです。住宅ローンの返済額も含めた返済負担率などは審査対象になっていると思いますが、マイカーローンの場合は○%まで、教育ローンの場合は○%までといったように、それぞれで基準が異なる可能性もあります。

金融機関などごとの審査基準が公開されていないので、具体的に取るべき行動は、とにかくマイカーローンの金利を比較し、金利の低い金融機関などに申し込みをしてみることでしょう。複数の金融機関などで申し込みをしてみて、審査が通らなかった場合は、金利は高くなりますが、自動車販売会社のディーラーローンなどを申し込んでみるとよいでしょう。

なお、普通の銀行などの審査が通らないということは、返済負担率などからみて、ローンを借り過ぎている可能性があります。根本的な話ではありますが、重要なのは「借りられるかどうか」よりも「安心して返せるかどうか」です。家計収支を冷静に見つめ直すことも忘れないようにしましょう。

教育ローンは「国の教育ローン」を優先

ちなみに、教育ローンについては、公的融資ともいえる日本政策金融公庫が取り扱っている教育一般貸付(国の教育ローン)を優先すべきです。

国の教育ローンは、子どもの人数による世帯年収(所得)の上限が設けられていて、基本的には収入の少ない人のほうが借りやすくなっています。親の収入が少ないことで教育を受けられなくなる子どもたちを減らすという政策的な位置づけでもあるからです。

学生・生徒1人につき350万円(海外留学などの場合450万円)まで借りられ、適用金利は10月現在2.25%(固定金利・保証料別)、返済期間は最長18年です。

教育ローンを利用する必要性があるなら、金利も低めで審査も比較的緩めである国の教育ローンの利用から検討すべきでしょう。

まとめ

【フラット35】の場合は返済負担率などの申込要件をクリアしていれば借りられる

住宅ローン借入後、他のローンを借りられるかは金融機関の審査しだい

マイカーローンは金利を比較して低金利の金融機関に申し込んでみる

教育ローンは日本政策金融公庫が取り扱う教育一般貸付(国の教育ローン)の利用を検討

イラスト/杉崎アチャ

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