繰り上げ返済の「期間短縮型」と「返済額軽減型」、どっちが有利?

ヒッシーのマネー騎士(ナイト)
ヒッシーのマネー騎士(ナイト)

利回り換算した繰り上げ返済の効果はどちらも同じ住宅ローンの繰り上げ返済については、以前、「繰り上げ返済は年末より年明けのほうがいいってホント?」という記事で実行するタイミングについて、住宅ローン控除との関係をまとめましたが、今回は、繰り上げ返済の2つの方法の損得について考えてみたいと思います。

繰り上げ返済には、毎月の返済額を変えずに残りの期間を短くする「期間短縮型」と、残りの期間を変えずに毎月の返済額を軽減する「返済額軽減型」の2種類があります。そして、前者の「期間短縮型」のほうが有利だといわれることが多いのが通常です。

以下のような例で計算してみると、確かに利息の軽減効果、つまり、総返済額の減額効果は、期間短縮型のほうが大きくなります。同じ約100万円の繰り上げ返済で90万円近く効果が違うのですから当然でしょう。

・ローン残高2,500万円
・借入金利3%(全期間固定)
・残り返済期間30年
元利均等返済(ボーナス返済なし)

この条件で、約100万円を繰り上げ返済すると…

ヒッシーのマネー騎士(ナイト)

※ともに繰り上げ返済手数料は考慮していない

ただし、これはあくまでも利息の軽減効果を絶対額で比較した場合についていえることで、ほかの要素も考えると、一概に期間短縮型が有利だと言い切れるわけではないので注意が必要です。

まず、繰り上げ返済に充てた金額(今回の例では約100万円)から得られる経済効果を利回り計算してみると、実はどちらも同じであることが分かるのです。

期間短縮型のほうは、繰り上げ返済をせずに手元にある約100万円を運用し続けて、28年1ヵ月後に一括返済するためのお金に充当したと考えると、約100万円が28年1ヵ月後のローン残高である約235万円になっている必要があります。その金額に達するための運用利回りは、実は借入金利と同じ年3%(1ヵ月複利)なのです。

一方、返済額軽減型は、手元にある100万円を繰り上げ返済せずに30年間運用しながら毎月取り崩していったと考えると、軽減額と同じ毎月4,217円を取り崩していくためには、これも借入金利と同じ年3%(1ヵ月複利)で運用する必要があるのです。

つまり、経済効果に着目すると、どちらの方法を選択しても、繰り上げ返済した金額から得られる効果は、借入金利で運用するのと同じ経済効果であることが分かります。どちらかがトクなのではなく、基本的には同じだと考えておくべきでしょう。

精神的効果は返済額軽減型のほうが大きい?

それから次に、繰り上げ返済による効果を実感できる時期で比較してみると、期間短縮型は返済終了時点ですが、返済額軽減型は繰り上げ返済した直後となるので、これも一概に期間短縮型が有利だとは断言できない要因のひとつといえるでしょう。

例えば、今回のケースで2種類の繰り上げ返済の実質的な効果について少し表現を変えて言うなら、期間短縮型は、「いま約100万円を支払えば、28年1ヵ月後に約235万円をプレゼントします」、返済額軽減型は、「いま100万円を支払えば、来月から30年間、毎月4,217円をプレゼントします」と言われるのと同じようなものです。

さて、あなたならどちらを選ぶでしょうか。

意外と多くの人が、毎月4,217円の受取りを選択するのではないでしょうか。いくら合計の受取額が約90万円多いとはいえ、28年1ヵ月後の約235万円が一体どの程度の価値なのか、そんな将来のお金よりも目先の毎月約4,000円のほうがそれなりに価値は高いと判断されるからではないでしょうか。

こう考えてみると、返済額軽減型の繰り上げ返済のほうが精神的なおトク感は大きいのかもしれませんね。是非、繰り上げ返済をする際は、どちらがトクだからと思い込まずに、冷静に検討してみてください。とはいえ、家計にそれなりのゆとりがあるのであれば、基本的には絶対額として利息の軽減効果の大きい期間短縮型を優先する方向で問題はないと思います。

新築マンションを探す
中古マンションを探す
新築一戸建てを探す
中古一戸建てを探す
注文住宅の会社を探す
文/菱田雅生 イラスト/杉崎アチャ
公開日 2010年10月06日
関連する最新記事を見る
住みたいエリアや購入価格からマンション・一戸建てを探そう!
住まいの種類
住みたいエリア
  • エリア
  • 都道府県
  • 市区郡
購入価格

お役立ち講座・個別相談のご案内無料

住まい選びで「気になること」は、人それぞれ。スーモカウンターのアドバイザーは、新築マンション・建築会社選びをサポートするプロ。講座や個別相談を通じて、よかった!と思える安心の住まい選びをお手伝いします。
カウンターアドバイザー

住み替えサポートサービス

ページトップへ戻る