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ガーデニング用品や掃除道具にアウトドアグッズ……。屋外に保管したい物って意外にたくさんありますよね。
家を新築したり、リフォームして外壁がキレイになると、おしゃれで物がたっぷり入って使いやすい物置がないのかが気になるところ。そこで、エクステリアのデザイン・施工を行う岡本ガーデンの岡本圭一郎さんには、「おしゃれ物置を選ぶコツ」を、おうちスタイリスト(R)の米村大子さんには、「物置の使いこなし術」をお聞きしました。
岡本さんが言うには、「物置のデザイン性が高いと、庭の真ん中に置いてオブジェのように使うこともできます」とのこと。そんな物置なら、もう隠すように置く必要はありません。デザインもモダン、和風、北欧風など様々。物置で庭をおしゃれに飾るためのポイントやコツを紹介します。
建物の外観や門扉と物置の素材を合わせれば、家や門柱の一部のように見え、すっきりコーディネートができます。


「庭の物置小屋のことを英語で“ガーデンシェッド”と言います」。(岡本さん/以下同)
ガーデニングの本場ともいわれるイギリス庭園にありそうな可愛い物置なら、庭のフォーカルポイントになってくれそうです。


PVC樹脂コーティングしたガルバリウムや、汚れても水でサッと洗い流せる樹脂は、丈夫でメンテナンスが楽です。



DIY用にキットになっている物置もあります。プラモデル感覚で挑戦してみてもいいかもしれません。


物置は、意外と大きなものだから、選び間違えると後悔することも。買う決断をする前に、以下の5つを確認しておきましょう。
置き場所と、収納したい物の大きさや量から、サイズを決めましょう。周囲にある程度の余裕をもたせることと、施工時の作業スペースも必要です。
※基礎をつくって物置を建てると固定資産税がかかるので、注意しましょう。

物置の素材は、大きく分けて、木製・金属製・樹脂(プラスチック)製があります。
おしゃれ物置の素材で多いのが、金属の中でも発色が美しい「ガルバリウム鋼鈑」と、造形の自由度が高い「FRP樹脂」。それぞれの特性と予算、使い勝手などを比べて選びましょう。多雪地域向けや断熱材入りのタイプなどもあります。
扉の形には、主に両開きタイプ、引き戸タイプ、上ぶたタイプ、シャッタータイプなどがあります。設置条件や収納物のサイズに合ったものを選びましょう。

・両開きタイプ
フルオープンできるので大きな物も出し入れしやすいが、物置の前面に扉の開閉スペースが必要
・引き戸タイプ
扉の開閉スペースが要らないので、狭い場所でも置きやすいがフルオープンはできない。開口サイズに注意
・上ぶたタイプ
上部もしくは前面をフルオープンできるが、物置の高さが限定されやすい
・シャッタータイプ
フルオープンでき、開閉スペースが要らないので、狭い場所でも置きやすいが、開閉時の音が気になることも
物置を設置するには、本体価格以外の費用がかかる場合があります。工事費といっても、組立工事だけの場合から、基礎工事や転倒防止工事まで含まれる場合などさまざま。通販の場合は送料と、荷下ろしの人手が必要な場合もあります。見積もりを出してもらえる場合は必ず依頼し、どこまでが価格に含まれているかを確認して、予算を立てましょう。
「気を付けたいのが『台風対策』。ある程度重量がある樹脂製の大型物置も、2018年に起こった超大型台風でいくつか転倒してしまいました。基礎にアンカーボルトを固定する『転倒防止工事』をしておけば、風はもちろん大雨対策にもなります」
どんなに大容量の物置も、ポンポン放り込んでいけば、あっという間に「開かずの物置」に……。そんなことにならないよう、物置の上手な収納方法を、おうちスタイリスト(R)の米村大子さんに伺いました。
「『どこに置けばいいか分からない物』の収納場所ができるのが、物置のいいところです。たとえば、泥がついた子どもの外遊び用品やアウトドアグッズやガーデニング用品、予備のタイヤなどがあげられます。
また、一戸建てに住むと、高圧洗浄機や芝刈り機といった、家や外構をメンテナンスする道具が必要になります。そういったものを保管するためにも、物置があれば便利ですね」(米村さん、以下同)
「物置に収納するものとしてお勧めなのは、キャンプ用品などのアウトドアグッズ、スポーツ用品や釣り道具など『屋外で使うもの』。屋内で使うものでも、ストーブなどの季節用品や、使用頻度の低い家具小物類がよく収納されています。ビンや缶などの不用品を、ゴミ収集日まで一時保管する場所としても利用できます。
また、防災グッズは家の中だけでなく、物置にも備蓄しておくと便利。地震や火事などで自宅の居住が難しくなった場合、数日間生活できる水や食料品を物置に備蓄できていると安心ですね。物置から大きなシートを垂らせば簡易屋根がつくれますし、バーベキューセットの炭で火も起こせます。暗い時間も想定して、入口付近には懐中電灯を用意しておきましょう。
逆に、物置には基本的に断熱性がないので、食品や衣類は不向きです。
物置内は結露で湿気がたまりがちなので、アウトドアグッズでも寝袋のような布製品は、屋内に保管するようにしましょう」

物置には物置ならではの使い方のコツがあります。ちょっとしたテクニックをマスターして、上手にフル活用しましょう。
「床に物を直置きすると、床面積分しか収納できません。奥から順番に、壁面を上手に使っていくのが物置収納の基本。大型物置なら通路も確保しておくことが、『使い勝手のいい物置』にするポイント。自転車のように毎日使うものは扉付近に置くなど、出し入れしやすい工夫を」
「物置を選ぶときは、棚がつけられるかどうか確認を。重い物は下段、よく使う物や重くない物は中段、使用頻度が少なく軽めの物は上段に置くのが基本。棚の奥行きは、30~40cmが使いやすいですね。ネジや工具類は引き出しを使うと分類しやすくて便利です」
「ホウキやスコップなどは立てかけがちですが、吊るしておけば取り出しやすく、床が汚れないからお掃除もラクラク。つっぱり棒とフックを使えば簡単に造作できます」
「殺虫剤や除草剤、替え刃などの危険物はラベリングして、子どもの手の届かない場所に保管しましょう。また、夏と冬では使うものが変わるので、物置も季節ごとに入れ替えを」

物置のデザインや選びかたのポイントを活かして、自分の家にぴったりのおしゃれ物置を見つけてエクステリアも暮らしもすっきりさせましょう!