マンションの内覧会とは?チェックリストや持ち物、入居後にがっかりしないためのポイントを解説

最終更新日 2025年10月27日
マンションの内覧会とは?チェックリストや持ち物、入居後にがっかりしないためのポイントを解説

内覧会とは何か、内覧会では何をするべきかを知りたいと思っている方は多いのではないでしょうか。この記事では、内覧会の概要から、失敗しないためのチェックリスト、確認する際の注意点などを、内覧会同行の経験が豊富な友田雄俊さん(さくら事務所)に聞きました。入居後にがっかりしないためにも、内覧会を効果的に行うための準備や確認方法をチェックしておきましょう。

マンションの内覧会とは

マンションの内覧会とは、新築で購入したマンションが完成したあとの状態やオプションを確認する場のことです。
新築マンションの場合、建物の完成前に購入の契約をするのが主流です。購入者は、契約した通りの建物や室内になっているか、仕上がりはどうか、オプションは依頼した通りになっているかなどを完成後に確認します。確認した結果、不具合や気になる点があれば、担当者に伝えて補修などの対応を相談することになります。

マンション内覧会を行うメリット

マンションの内覧会には、入居前に不安な点を確認しておける、家具や家電の配置をイメージできるなどのメリットがあります。入居前に物件を確認できる重要な機会です。

入居前に不安な点を確認できる

マンション内覧会では入居前の段階でマンションの状態を確認できるため、不安な点をこの時点で確認しておくと、入居後のトラブルを避けられます。入居前に気づかなかった不具合を入居後に見つけた場合には、引き渡し後に発生した不具合と判断されて無料での補修を受けられないケースもあるため、注意が必要です。

完成した物件が、室内設備から発注したオプションまで、設計図や仕様書通りにつくられているかどうか、汚れや傷などの不具合がないかもここで確認します。直接室内を見てすべて確認できるため、不安な点がある場合にはここでよくチェックすることが大切です。オプションが発注した通りにできていない、床に傾きやひずみがある、わずかに水漏れしているなどの小さな不具合までよく確認することで、納得してから入居日を迎えられます。
給湯器などの入居後にしか確認できない設備は、引き渡し後一定の期間内であれば補修に対応してもらえるため、不具合がないかを早めにチェックしましょう。

事前に家具や家電の配置を考えられる

内覧会で物件を確認する際には、メジャーなどで部屋の採寸をしておくと便利です。部屋を実際に見てサイズも把握することで、どこにどの家具・家電を置くか具体的にイメージできるため、事前に家具や家電をそろえて、最適なレイアウトを行えます。

マンションの場合、天井の梁や柱などの出っ張りもあります。大きい家具・家電を置きたい場合には、梁などの凸凹まで測っておきましょう。また、ソファなどの大型家具の使用を検討している場合には、搬入が可能かどうか、玄関や部屋のドア、廊下などの広さも測っておくとより安心です。
入居と同時にカーテンを取り付けるには、事前に購入する必要があります。そのためには窓のサイズも把握しておかなければなりません。各窓のサイズを測り、メモを残しておくと、入居時までに必要なものをそろえられます。

マンション内覧会の当日の流れと知っておくべきこと

マンション内覧会を効率よく行うためには、内覧会が行われる時期や当日の流れ、服装など基本的な事項も押さえておくことが重要です。

マンション内覧会の同行者・参加者

内覧会において、同行者・参加者に関する決まりはとくにありません。よく見られるのが、不動産仲介業者の立ち会いのもとで行われるケースです。また、立ち会いなしでマンションの買主だけが物件を訪れて確認・点検するケースもあり、会社によって同行者・参加者は異なります。

立ち会いのもとで内覧する場合には、マンションの買主が同行する営業担当者から設備の使用方法の説明を受けて、建物や設備に関する質問をしたり不具合がないかなどを確認したりします。立ち会いがない場合には、買主だけでもろもろの確認が必要です。これは多くの場合、用意されているチェックシートを利用して確認しながら、不明点に関する質問、不具合などを記入し、回答は後日受け取る形式で行われます。

マンション内覧会の時期と所要時間

内覧会が行われるのは引き渡しのおおよそ1カ月程前が一般的。内覧会のチェックで補修や変更が発生しても、引き渡し日に影響が出ないよう、余裕をもって内覧会の日程が組まれています。

所要時間は2時間~4時間程度。一件当たりに確保されている時間は物件によって異なりますから、どれくらい内覧する時間があるかを事前に確認しておくのがおすすめです。

マンション内覧会当日の流れ

内覧会当日、マンションに着いたら売主側(デベロッパー)の担当者が案内をしてくれます。
施工担当者や設備メーカーのスタッフが同行して、それぞれ説明をしてくれる場合もあります。

  • 内装、建具の確認
  • 換気システム
  • キッチンや給湯器、システムバスなどの水まわり設備
  • インターフォン、オートロックなどの住宅設備
  • 各部屋の仕上げ
  • 共用部など

これらの点を、担当者の説明も受けながら順に確認していきます。
内覧会は1度ですべてを確認することになるため、段取りと時間配分が大切。
自分で気になるところを自由にチェックできる時間が用意されているのか、それとも担当者の説明を受けながら自分でもチェックしていくのか、内覧の開始前に確認しておきましょう。そうすれば、「あとからまとめて細かく見ようと思っていたのに、時間がなくなってしまった……」などの事態を避けられます。

マンションの内覧会で住宅設備を確認するイメージ
内覧会では仕上がりを見るだけでなく、住宅設備や建具などに不具合がないかなど細かな点もチェック(画像/PIXTA)

マンション内覧会当日の服装

内覧会では、共用部から室内まであちこちを見てまわります。天井から床までを、その都度立ったり座ったりして見てまわるため、動きやすい服装がベストです。駐輪場などのマンションの周り、給排水管、バルコニーなどいろいろな場所を確認して歩き、室内をメジャーで採寸するには、スカートやスーツなどの動きにくい格好は向いていません。

また、内覧会の日には、空調が効いていない場合があります。暑い時期には汗をかいたときのことを考慮してタオルなどを準備し、寒い時期には防寒着を着ていくなど体温調節ができる服装をすることが大切です。冬場には室内を歩く際に足元が冷えやすいため、厚いスリッパ、靴下などを準備していくと安心です。

【チェックリストつき】入居後トラブルを避けるためにマンション内覧会でチェックすべきポイント

マンション内覧会のチェックリスト

内装 傷や汚れはないか
床鳴りはしないか
建具 閉めたときにバタつきはないか、開閉はスムーズか
鍵の開閉はスムーズか、
水まわりなどの住宅設備 水圧は適切か、水漏れはないか
バルコニー 長尺シートはきれいに張られているか、排水溝や排水管に傷や穴、塗装の乱れはないか
図面との相違 コンセントやスイッチ、照明の数や位置は図面通りか、天井高は合っているか
オプション 契約前に打ち合わせをした内容になっているか
共用部 将来のメンテナンスや点検のコストとサイクルを確認

内装は傷や汚れなど気になるところを伝える

天井や床、壁に傷や汚れがないかを確認するタイミングとして、内覧会はとても重要です。

「引き渡しを受けて入居してしまうと、どうしても傷や汚れがついていきます。そのため、基本的には入居後の傷や汚れには売主側は対応してくれません。また、傷や汚れは人によって気になるレベルが違ってきます。同じ傷でも『これくらいなら気にならない』という人もいれば、『新築で購入したのだから傷があるのはいやだ』という人も。ですから、入居前に自分自身で確認することが大切です。

また、壁と壁や、壁と天井の間などの境目には隙間が生じやすく、入居後に気づいて気になってしまうということもよくあります。壁紙のめくれの原因にもなりやすいところですので、忘れずに見ておきましょう」(友田雄俊(ともだ・かずとし)さん、以下同)

内覧会で壁と天井の間に隙間が空いている施工不良を発見した例
壁と天井の間に隙間が空いている施工不良の例。日常生活のなかで、ふと視界に入ると気になるもの(画像提供/さくら事務所)

靴下で歩いて床鳴りをチェックする

フローリングの床では、フローリング材を留めているクギがきちんと固定されていないなど、さまざまな要因から「床鳴り」がすることがあります。

「足で踏んだときに『キュッ』や『パキッ』などの音がすることがあります。内覧では気がつかず、入居後に気になり、なかなか直らずに困っている声はわりと聞きます。クッション性があるスリッパで歩くと気がつきにくいので、靴下で歩いてチェックするといいと思います。

床鳴りは一度の補修で確実に止めることが難しいため、対処してもらったあとに再発しないか経過観察する必要があります。アフターサービスでは、床鳴りの再発がどこまで補償の範囲なのかを早めに確認しておきましょう」

ドアはバタつきがないか、開閉はスムーズかを確認する

室内ドアや収納ドアは閉めた状態で取っ手を動かしてみてバタつきがないかを確認。マンションは気密性が高いため、換気扇を動かすと閉めてあるドアがバタつくことがあるのだといいます。

「ドアの取っ手の固定不良もときどき見られます。また、引き戸を開け閉めしてみて重く感じたら、伝えて調整してもらいましょう」

ドアがしっかり閉まるかを確認するイメージ
ドアを閉めて取っ手をつかみ、押し引きしてバタつきがないかを確認(画像/PIXTA)

窓はカギの開閉がスムーズか、傷などがないかをチェックする

カギを閉めるときに重かったり、開けるときにガリガリとした感触があったりすることがあります。これは、窓の建て付けに問題があるケースも少なくありません。

「窓の建て付けを目視で確認するのは難しいですが、カギの開閉がスムーズかどうかでわかることがあります。そのほか、ガラス面の傷や割れは内覧会で見過ごされがち。引き渡し後は補償の対象外ですから必ず見ておいたほうがいいです。網戸に隙間がないかもチェックしておきましょう」

水まわりなどの住宅設備は水圧や水漏れを確認する

「キッチンや洗面台などの水圧が強過ぎると水跳ねが起こり、周辺の床や壁が濡れてしまいます。水圧は不具合ではありませんが、調整してもらいましょう。また、水漏れがないかもチェック。キッチン、洗面台、トイレの手洗いカウンターなどはS字に曲がった排水管があります。そこから水漏れがしていないかを確認しておきましょう。チェックのコツは、水を数分間流しっぱなしにするか、洗面台なら水をためて一気に排水します。ジャバジャバと大量の水漏れはなかなかありませんが、じんわりと水が染み出てくるケースは新築マンションであってもときどき見かけます。また、排水管の下の床板に水の染み跡が見られることもあります」

内覧会で水漏れがないかを確認したい洗面台の下の排水管
洗面台の下の排水管。水がじんわりと漏れていないか、排水管の下の床板に水が漏れて乾燥した跡がないかをチェック(画像提供/さくら事務所)

バルコニーは床表面のシートや排水溝などをチェックする

マンションの仕様にもよりますが、最近のバルコニーは床表面に長尺シート(摩耗に強く防水性も高いシート状の床材)が張られているケースが多くあります。この長尺シートが浮いていてふくらみが出ていることもあるといいます。浮いた部分に水が浸入すると、長尺シートが剥がれる原因になるので注意しなければなりません。

「バルコニーには排水のために外側に向かって傾斜がつけられ、その先に排水のための溝が掘られています。溝部分は防水用の塗装がされているのですが、ここに傷や小さな穴があるケースが。塗装が乱れてボコボコしていることもあります。水が残ったり、傷から雨水が浸入したりするので確認が大切です」

また、雨水の排水用にタテに設置されている排水管が割れていることもあります。

「新築だから大丈夫だろうと思わないほうがいいですね。現場での施工の際に、意図せず何かにぶつかって、傷がついたりすることもあります」

これらの点についても、しっかりとしたチェックが必要です。

間取図面と実際が異なっていないかも見ておく

住戸の間取りが書かれた図面には、コンセントやスイッチ、照明の位置や種類などが記載されています。図面と実際が合っているかを確認しましょう。

「それぞれ記号で表示されているため、どれがコンセントなのか、どれがスイッチなのかわからないことも。わからないままにしないで、デベロッパーの担当者や施工担当のスタッフに、その場で確認をとるといいでしょう」

また、図面には天井高も記載されています。記載された高さと、実際の高さが少し違うこともあるのだとか。コンクリートの構造に関わる梁の部分など、修正ができないため、天井高ギリギリの高さの家具を購入する予定なら、必ず現地で採寸をすることが大切です。

オプションは打ち合わせ通りか確認する

完成前に購入する新築マンションでは、設備や内装、間取りを変更できるオプションが用意されているのが一般的。選んだオプションの通りになっているかを確認しましょう。

共用部は将来のメンテナンスや点検のコストや周期を知っておく

エントランスや集合ポスト、エレベーター、駐車場など、共用部はマンションの所有者みんなの共有財産。建物全体の維持管理を計画的に行うことはとても大切です。

「内覧会では、共用部は仕上がりを確認するということとあわせて、メンテナンスや点検のコストやサイクルを確認することが大切です」

図面と実際の住戸を図面で確認するシーン
内覧へは図面のコピーを持参し、コンセントや照明の位置や数を確認(画像/PIXTA)

マンション内覧会後にがっかりしないために知っておきたいこと

内覧会でひどいと感じたことや気になったこと、どこまで言っていい?

内覧会で細かなところまで見ていくと、気になる箇所がどんどん出てくることがあります。ですが、建築や住宅に詳しくない場合、それが不具合といえるのか、補修を頼むべきものなのか、判断がつかないこともあるはずです。気がついたこと、気になったことを、どこまで言えばいいのでしょうか。

「気になることは、臆せずすべて言ったほうがいいです。引き渡し後は対応してもらえないこともあるので、関係者が集まっている内覧会の場で言うことが大切。
後日、伝えられても、業者さんの手配などもあり、売主側で対応しにくいこともあります。気になる箇所によっては、その状態に問題はなく、意図があっての場合もあります。例えば、床材と壁の間に隙間があったりすることがあります。

気になることを伝えると、季節によって床板が膨張したり収縮したりするので、あえて隙間を空けてある仕様だという回答が得られることも。説明を受けると納得できますが、気になることを伝えずに説明を受けていないと、入居後もずっと気になってしまいます。直す直さないの判断は購入者側では難しいこともあるので、『気になるんですけど、ここはどうなんでしょう?』と、気になっていることをアピールするのがいいと思います」

内覧で気がつけなかったこと、あとから直してもらえる?

「引き渡し後に気づいて修繕したいことの内容によりますが、引き渡し前なら交渉はしやすく、引き渡し後であっても、明らかな施工不備など内容によっては対応してもらえる可能性はあります。また、契約時や内覧会でアフターサービスの内容や期間を確認しておくことも大切です」

再度内覧会に行くことはできる?

1回目の内覧会で指摘した不具合は、補修が済んでいるかどうか2回目の内覧会で確認が可能です。2回目の内覧会は、再内覧会もしくは確認会と呼ばれます。再内覧会は、主に内覧会のあとで不具合の補修を終えた1~2週間後に行われます。

補修の際に床や壁に新しい傷などが生じる場合もあるため、再内覧会の際には補修された箇所だけでなく全体の確認も必要です。全体を確認して再内覧会でも気になることが見つかったら、その場で担当者に伝えましょう。ただし、内覧会で指摘した不具合が小さなものだと再内覧会が開かれない場合もあり、その場合に確認ができるのは引き渡し日になります。

意外と狭く感じたりなどイメージと違うこともある?

購入する間取りとは異なるモデルルームや間取図から、自分の購入する住戸を決める場合、イメージと実際の建物が食い違うことも珍しくありません。

「広さがイメージと違う…というケースは売主側も対応できないですが、例えば、壁紙や建具の色が思っていたのと違ったという場合は、有償で変更できないか相談する方法はあります」

補修をお願いして、引き渡しのスケジュールが遅れることはある?

「内覧会から引き渡しまでは、余裕のあるスケジュールが組まれていることがほとんどですから、よほどの補修でない限り、スケジュール通りに引き渡されるでしょう。ただし、補修後、再内覧会を行った際に、再度の補修の依頼が発生したり、仕上がりに納得がいかなかったり、説明を受けていた内容と異なる部分があったりした場合などは、引き渡しが遅れる可能性もあるでしょう」

内覧会に行けないときはどうする?

購入物件から遠く離れたところに住んでいる、仕事が休めない、などの理由で内覧会に参加できない、という人はどうすればいいのでしょうか。

「内覧会が実施される時期に行けない場合でも、やはり原則的には引き渡し前のどこかの日程で内覧をしに行くべきです。できるだけ早く現地確認に行ける日を売主と相談して決め、そこで見つかった不具合や気になる点に対応してもらえるかを事前に交渉しましょう。住宅診断を行う専門家による第三者チェックだけでも、先にしておくのもよいですね」

web内覧会の注意点は?

現地へ直接行かずに、デベロッパーの担当者が画像や映像を購入者に送る「web内覧会」という方法が採られる場合もあります。webでの内覧で、注意する点は何でしょうか。

「画像や映像では確認できる範囲や内容に限界があります。現地で直接見て、細かくチェックするとわかる傷や汚れ、軽微な隙間などは画像では判断できませんし、扉のがたつきなど直接手で触れないと気づけないものも多くあります。やはり現地で直接見ることが必須。web内覧を先に行う場合、後日の現地での内覧で見つけた不具合や気になる点には対応してもらえるのかを確認することが必要です」

web内覧会のイメージ
現地へは行かず、担当者に画像や映像を送ってもらうweb内覧会は、細かなところや、直接動かしたり触ったりしなければわからない点が確認できないデメリットがある(画像/PIXTA)

マンション内覧会同行サービスとは

住宅の専門家が内覧会に同行しプロの目でチェックしてくれるサービス

住宅の専門家が「内覧」に同行し、機能面などの施工状態を確認する内覧会同行サービスというものがあります。友田さんが所属するさくら事務所でも、内覧会同行サービスを20年以上行っています。

「排水管の水漏れや浴室換気扇の空気漏れ、バルコニーの勾配など、一般の方ではチェックをすることが難しい箇所も多いのがマンションの内覧です。私たちプロが効率的にチェックしても2時間程度はかかりますので、慣れない一般の方がくまなく確認することは実際簡単なことではありません。また、不具合なのか、補修が必要なのか判断がつかず売主に伝えにくいという購入者の方も多くいらっしゃいます。内覧会同行サービスでは、一般の方がチェックすることができない箇所の状態を見極め、売主側に伝えることができます」

依頼先を探す際のポイントは?費用はどれくらい?

「マンションの内覧同行サービスを行う会社は増えてきている印象です。なかには、補修箇所を指摘して、工事の受注につなげようと粗探しをする会社もあります。信頼できる依頼先を探すには、長い実績があるかがポイントのひとつになります。また、内覧同行サービスを利用した友人や知人の方からのクチコミから探すのもいいでしょう。

費用は依頼先によって異なりますが、さくら事務所の場合は、100平米以内のマンションで4万5000円(税別、報告書は別途)が目安です」

マンション内覧会で役立つ持ち物

内覧会当日の持ち物リスト!必ず持参したいお役立ちグッズ5選

カメラ

汚れや傷、気になった箇所などを記録しておきましょう。補修後、きちんと直っているかを確認する際に役立ちます。

懐中電灯

「傷や汚れは照明の色や光の当たる角度で見えたり、見えにくかったりします。いろいろな角度から光を当ててみるといいですね。カメラと懐中電灯は、スマートフォンがあれば代用できます」

メジャー

「内覧は、好きなときに何度も行けるというわけではないので、内覧会のタイミングで家具を置く場所やカーテンに必要なサイズなどを採寸しておくのがおすすめです」

間取図のコピー

「気づいたことは間取図に書き込んでおくと、どこにどんな傷があったか、どの設備に気になる点があったかなどが見返したときにわかりやすいです」

マスキングテープ

内覧会で気づいた傷や汚れ、不具合などがあった場所には、忘れずに印を付けるためマスキングテープを使用すると便利です。入居前にマスキングテープを貼っておくと、状況を業者に伝えやすくなります。

水平器や打診棒があればさらに細かくチェック可能

さらに細かくチェックするには、水平器や打診棒が役に立ちます。

「水平器は、キッチンのカウンターや収納の棚が平らになっているか、バルコニーに傾斜がついているかを確認できます。打診棒はバルコニーの長尺シートの浮きを確認するのに使えます。叩いていくと、浮いている場所は音が違うのでわかります。どちらもホームセンターなどで1000円前後にて購入できるので、使ってみるのもよいのではないでしょうか」

新築マンションの内覧会では、不具合や契約内容と異なる箇所、仕上がりで気になる点などを確認し、必要があれば補修などの対応をしてもらうことで、安心して引き渡しを受けられることになります。漠然と眺めるだけでは見逃してしまうことも多くなりますから、しっかりチェックすることが大切です。

水平器の写真
ガラス管内の気泡の位置で水平や角度を測る水平器(画像提供/さくら事務所)
打診棒の写真
外壁や床のタイルの検査に使用する打診棒(画像/PIXTA)

マンション内覧会に関するQ&A

マンション内覧会の参加者や所要時間など、気になる疑問についての回答をまとめました。

マンション内覧会とは何ですか?

マンション内覧会とは、建物の完成後に共用部や室内などが契約した内容通りできているか確認をする場です。家具・家電のサイズを検討するために、物件内の採寸も可能です。確認した上で要望と異なっている部分や傷・汚れなどがあった場合には、担当者などに相談して補修を依頼します。

マンション内覧会には誰が来ますか?

内覧会では、主にマンションの買主と立ち会いの仲介業者や施工会社の営業担当者などが一緒に物件の見学を行います。内覧会の参加者は会社によって異なり、立会人が不在で買主だけで内覧を行うケースもあります。

マンションの内覧会は何時間くらいかかりますか?

2時間~4時間程度が内覧会にかかる時間です。マンションの周囲、共用部、部屋の内部をチェックして、担当者から設備・使い方に関する説明を聞くので、時間には余裕をもっておくことが大切です。物件によって一件当たりの内覧に確保している時間が異なるため、事前に確認しておきましょう。

マンション内覧会で気をつけることは何ですか?

気をつけていないと見逃してしまいがちなのが、フローリングの床鳴り、ドアやカギの開閉不良、水回りの不具合などです。歩いたときに音が鳴っていないか、ドアやカギの開閉がスムーズにできているか、水圧の状態や水漏れがないかなどは丁寧に確認しましょう。内覧会で気になったことを伝えないと、あとから自費で補修しなければならない場合もあるため、すべて担当者に伝えるのがおすすめです。

まとめ

内覧会では、設備やオプション、仕上がりなどを確認

傷や汚れ、小さな不具合であっても、気になる点はその場ですべて伝えること

入居後に見つけた不具合は補修対象外になる場合がある

住宅の専門家による内覧同行サービスの利用も可能

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取材・文/田方みき
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