戸数の違いでマンションの住み心地はどう変わる?ベストなマンション選びのために知っておきたいこと

最終更新日 2025年09月01日
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戸数の違いでマンションの住み心地はどう変わる?ベストなマンション選びのために知っておきたいこと

マンションは戸数の少ない小規模なものから、数百世帯が入居する大規模なものまでさまざま。戸数によって住み心地はどう違うのでしょうか。それぞれのメリットやデメリットについて傾向をまとめました。また希望のライフスタイルをかなえるには、どんな規模のマンションがベストなのか、住宅ジャーナリストの大森広司さんに聞きました。自分にぴったりのマンション選びの参考にしてください。

マンションの戸数とは?

戸数とはマンションの中にある居住用の住居スペースの数

マンションの広告などで見られる物件の「戸数」。戸数とはマンション内の居住用住居スペースの数のことです。また「総戸数」はマンションの建物内にある人が住むための住居スペース(住戸)の数のことをいいます。管理員が常駐する事務室(管理事務室)やゲストルーム、ラウンジ、集会室などの共用施設は含まれないのが一般的です。下の画像のように、物件ホームページやパンフレット、広告の「物件概要」の欄に記載されています。

なお、物件規模にもよりますが、マンションは一度に全戸を販売するのではなく、1期、2期というように数回にわけて販売されるのが一般的です。その際には総戸数だけでなく、その期に販売される、または販売中の「販売戸数」も表記されます。

マンションの物件概要の例
マンションの広告やホームページなどに記載される物件概要の例(作成/SUUMO編集部)

小規模から大規模まで、戸数や高さによるマンションの種類は?

戸数によってマンションの規模を分類

分譲マンションは総戸数が10戸程度の小規模のものから、数百戸という単位の大規模なものまでさまざま。何戸までなら小規模マンション、何戸以上なら大規模マンションというような、明確な定義はありません。そこで、この記事では以下のように総戸数によって物件の規模をわけて話を進めていくことにします。

小規模マンション 50戸以下

中規模マンション 50戸超100戸以下

大規模マンション 100戸超

建てられているのは小規模なマンションが多い

下のグラフは完成年次別5年ごとのマンションの完成棟数を、規模別の割合でグラフにしたもの。2009年までは50戸以下の小規模なマンションが約40~50%を占めていました。しかし、2010年以降は中規模・大規模マンションの占める割合が増え、2020年以降は大規模マンションの割合が約34%となっています。

完成年次別・規模別のマンション棟数割合
マンションの完成棟数の5年ごとの規模別割合
国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果」より(2024年6月21日公表)。全国の管理組合(回答数
1589)の回答による数値。端数処理の関係で100%に満たない、または超えている時期があります (グラフ作成/SUUMO編集部)

マンションは階数や建て方で分類されることもある

マンションは総戸数のほか、階数や建て方でも呼び方が異なります。こちらも明確な定義はありませんが、以下のようにわけられるケースが多く見られます。

低層マンション 5階建て程度まで
タワーマンション 20階以上の高層マンション
多棟型マンション 一つの敷地内に複数の棟が建てられているマンション

タワーマンションのイメージ
20階以上の高層マンションはタワーマンションと呼ばれるのが一般的。総戸数は100戸単位になり、大規模マンションでもある(画像/PIXTA)

マンションのメリット、デメリット、規模別の傾向は?

マンションは、規模だけでなく立地やグレードなど複数の要素で特徴が異なります。そのため、規模別にメリットやデメリットを断言することは難しいのが正直なところ。ここでは一般的なグレードのマンションであることを前提に、メリットやデメリットの傾向をご紹介します。

住民同士が顔見知りになりやすい小規模マンション

小規模なマンションの場合、居住者同士が自然に顔見知りになり、同じフロアに住んでいるのがどんな人なのか把握しやすいメリットがあります。そのため災害時の安否確認がしやすいといえるでしょう。建物の形状にもよりますが、大規模なマンションと比較すると、複数方向に窓のある角住戸を多く設けやすいのもメリットです。

エレベーターの待ち時間が少なく、停電などでエレベーターが停止しても低層マンションなら階段で上り下りしやすいなど、さまざまなメリットがあります。住民の人数が少ない分、管理組合の活動も小回りが利き、マンション内の備品の充実やちょっとしたイベントの実施などの提案が実現しやすいかもしれません。

一方で大規模な物件に比べて共用施設が少なく、そのわりには管理費や修繕積立金が割高な点がデメリットです。特に少ない個数で大規模修繕にかかる費用を調達しなければなりませんから、管理組合で十分に計画を練って備える必要があります。

とはいえ、これらのメリット・デメリットがすべての小規模マンションにあてはまるわけではありません。

「都心の高級物件の場合、プライバシーが厳重に守られていて、どんな人が住んでいるのかわからないケースも多くあります。駐車場から直接住戸にアクセスできる、自分が暮らしているフロア以外はエレベーターを降りられないなどの物件は、他の居住者と顔を合わせる機会も少ないといえます。また共用施設は少ないですが、小規模な物件ほど非接触型キーを採用するなどセキュリティが充実していることがあります」(大森さん、以下同)。

●小規模マンションのメリット

・どんな人が住んでいるか居住者の顔が見えやすい
・災害時などに住民の安否確認がしやすい
・角住戸の住戸数の割合が高いケースが多い
・エレベーターを待つ時間が少ない
・第一種・第二種低層住居専用地域のマンションなら静かな環境で暮らせる

●小規模マンションのデメリット

・共用施設が少ない
・管理組合の理事になる順番が早く回ってくる
・管理費や修繕積立金が中規模物件に比べて割高

小規模マンションのイメージ
小規模なマンションは、一般的にはどんな人が住んでいるのかが見えやすい(画像/PIXTA)

物件探しでは選択肢に多く入りやすい中規模マンション

新築も中古も販売される住戸数が多いのが50~100戸程度の中規模マンション。住戸数の少ないマンションや、逆に大規模すぎるマンションは好まないという場合、供給量が多い中規模マンションは物件探しをしやすい傾向にあります。また、住戸数が多いので管理費や大規模修繕の費用に充てる修繕積立金の1住戸あたりの負担が小規模マンションよりも割安になる点もメリットです。

大規模マンションに比べると共用施設の充実度が下がる点はデメリットといえるでしょう。

●中規模マンションのメリット

・新築もマンションも供給住戸数は多いので、中規模マンションを好むなら選択肢が多い
・小規模マンションに比べて住戸数が多い分、管理費や修繕積立金が割安
・住戸数が多くても各階の住戸数が少ない物件なら、角住戸が多い

●中規模マンションのデメリット

・大規模物件に比べると共用施設の充実度が下がる傾向がある

中規模マンションのイメージ
住戸数は多くなる分、管理費や修繕積立金の割安感が出る中規模マンション(画像/PIXTA)

スケールメリットで共用施設が充実する大規模マンション

多い住戸数で費用を少しずつ負担することで、共用スペースのグレードや共用施設や各種サービスなどを充実させることができるのが大規模マンションの大きなメリットです。

「最近はコワーキングスペースがあるなど、在宅勤務を想定した共用施設が充実している大規模マンションも見られます」。

そのほか外観やエントランスのデザインが豪華だったり、エントランスに車寄せが設けられていて、天候を気にせずに買い物の荷物などを運ぶことができたりします。大規模マンションの中でも、タワーマンションになると敷地が広い分、低層階でも窓の近くにほかの建物がないため採光が期待できます。

「300戸くらいまでのマンションなら、規模が大きいほど割安になる傾向があります。ただし、20階建て以上のようなタワーマンションの場合、共用設備や大規模修繕のための修繕積立金が割高な傾向にあります」。
※出典:国土交通省「令和5年度マンション総合調査」現在の管理費・修繕積立金の額(総戸数規模別・形態別)より

スケールメリットを活かして、充実した共用施設や広い敷地などのよさが享受できる大規模マンションですが、大規模なことが場合によってはデメリットになることもあります。最近の大規模マンションは、出勤時間帯の渋滞などが起こらないようエレベーターの台数を確保していますが、中古マンションの場合は毎朝のエレベーター待ちがストレスになることも。

また敷地が広い分、駐車場からエントランスまでが遠い物件も。物件によってメリット・デメリットは違ってきますから、マンション探しの際には、そこで暮らしたときのシーンをイメージしながらチェックするといいでしょう。

●大規模マンションのメリット

・共用施設や24時間の有人管理、コンシェルジュによるフロントサービスなどが充実
・スケールメリットを背景に、管理費や修繕積立金が割安(ただし、タワーマンションは割高な傾向)
・敷地が広い物件なら、植栽が豊か
・再開発エリアに建てられた物件は駅直結や商業・医療施設が近隣に誘致されているなど利便性が高い
・タワーマンションは低層階でも採光がよい
・さまざまな居住者がいるため物件によってはサークル活動などが活発な物件も

●大規模マンションのデメリット

・共用施設は使わない人にとってはコストの負担だけがかかる
・エントランスが遠い、エレベーターの待ち時間がかかるなどで外へ出るのがおっくうになりがち
・駐車場からエントランスが遠いケースがある

大規模マンションのイメージ
エントランスのすぐそばまで車でアプローチできる車寄せは、雨や雪の日の乗り降りに便利(画像/PIXTA)

多棟型はさらに施設が充実

大規模マンションのなかには、広い敷地にいくつもの棟がある「多棟型」と呼ばれるものがあります。郊外に建てられることが多いのが特徴です。

敷地が広めで「キッズスペース」「ラウンジ」などの共有施設や、公園や遊歩道を整備している多棟型マンションは子どもがいる家庭からの人気が高くなっています。

大規模マンションは小規模、中規模マンションと比較すると施設が充実している傾向がありますが、さらなる充実を求めるならば、多棟型を検討してはいかがでしょうか。

マンションの戸数は価格に影響する?

マンションの規模によって価格はどう違ってくるのか、これから住まい探しをする人にとっては気になるところでしょう。マンションの価格は、戸数よりも立地やグレードなどさまざまな条件によって決まってきます。

例えば同じエリアでも、最寄り駅からバスに乗る立地にあるマンションよりも、駅直結や駅から徒歩5分以内などの駅近マンションの方が価格は高くなります。また床面積が小さな東京都心のマンションの方が、地方都市の広いマンションよりも高いケースも多くあります。デザインに高級感がありグレードの高い設備を採用しているハイグレードマンションも、戸数にかかわらず価格は高くなります。

マンションの同じ棟でも、床面積が狭い住戸より広い住戸、低層階より上層階の住戸、北向きより南向き、両脇をお隣の住戸に挟まれた中住戸よりも角住戸の方が、価格は高めに設定されます。

希望の暮らしをかなえるマンションの規模は?

希望条件別に、どの規模のマンションを選ぶのがいいかチェック!

希望の暮らしがかなえられるかはマンションの個性によって異なります。物件規模が影響することも多くありますから、暮らしに求める条件別にチェックしていきましょう。

●共用施設が充実しているマンションに住みたい
大規模マンションになるほど充実度はアップします。「新築当時に設けられた共用設備が、築年数がたつと使われなくなって放置されているケースも多いので、中古マンションを探す場合には注意しましょう」。

●駐車場が必要
「小規模マンションでも都心部では駐車場が住戸数分確保できないことも。大規模物件は敷地が広いため駐車場が充実しているケースがあります。物件次第です」。

●子どものいるファミリーが多いマンションに住みたい
マンション購入のきっかけで多いのが子どもの入園や入学。一斉に入居する大規模な新築物件なら、小さな子どものいる世帯が多い可能性が高いでしょう。

●便利な立地にこだわりたい
再開発エリアのタワーマンションや、駅近エリアに多い中規模マンションを探すといいでしょう。駅周辺の土地が入手しやすかった頃に建てられた中古マンションなら規模を問わず便利です。

●静かな環境で暮らしたい
3階建てなど小規模な低層マンションは、戸建て住宅が中心の第一種・第二種低層住居専用地域で探せるため、落ち着いた住環境が手に入りやすいといえます。
「大規模マンションは敷地が広いため、道路を走る車の音などが聞こえにくく静かなことも。庭が整備されていれば緑も豊かです」。

●入居後のコストを抑えたい
中規模~大規模マンションで、規模が大きくなるほど管理費や修繕積立金は割安に。住戸数の少ない小規模マンションは1住戸あたりの負担額が割高になります。

注意したいのは、大規模マンションでもタワーマンションの場合です。共用設備や大規模修繕に大きな費用がかかるため割高になる傾向があります。ただし「棟内のトレーニングジムを利用するので、スポーツジム代がかからない」など、共用設備の活用の仕方によってはお得と考えることもできます。

敷地が広く周辺の緑が充実した大規模マンションのイメージ
敷地が広く、緑が豊かで静かな暮らしが手に入りそうな大規模マンション(画像/PIXTA)

マンションは規模にかかわらず、物件それぞれにメリット・デメリットがあります。自分に合うマンションはどれなのか、規模別の特徴を知った上で、規模だけにとらわれずに物件探しをすることが大切です。

まとめ

小規模マンションは住民同士の顔が見えやすいのがメリットだが、管理費や修繕積立金が割高

中規模マンションは管理費や修繕積立金が割安になるが、共用設備が少ない

大規模マンションになるほど管理費や修繕積立金は割安で、共用設備も充実

タワーマンションは大規模修繕に大きな費用がかかることもあり入居後のコストが高い。しかし、共用設備は充実している

SUUMOコンテンツスタッフ

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