ダイニングキッチンのレイアウトのポイントは?広さやキッチンのスタイル別に解説

最終更新日 2025年03月14日
ダイニングキッチンのレイアウトのポイントは?広さやキッチンのスタイル別に解説

料理や食事をする場であるダイニングキッチンは、レイアウトによって居心地や使い勝手が大きく変わる空間です。そこで今回は、ダイニングキッチンのレイアウトを決めるポイントやダイニングテーブル選びのコツなどについて、一級建築士でインテリアコーディネーターでもある白崎さんに教えていただきました。

ダイニングキッチン レイアウト決めのポイント1:LDKのカタチが縦型・横型の場合

LDKが縦型なら、キッチンとダイニングは隣接させて

近ごろの住まいは、キッチン、ダイニング、リビングの3つのスペースを一つの空間まとめた「LDK」の間取りが増えています。LDKの間取りの場合、3つのスペースの取り方により、居心地の良さや家事のしやすさが変わってきます。

「奥にバルコニーがある細長い縦型のLDKなら、バルコニー側からリビング、ダイニング、キッチンを一直線に配するとよいでしょう。ダイニングとキッチンの間をリビングにすると、キッチンからダイニングテーブルが遠くなり不便ですし、人が頻繁に通ることでリビングが落ち着かない空間になります」(シーズ・アーキスタディオ建築設計室 白崎治代さん。以下同)

縦型のLDKイメージ
縦型のLDKなら、キッチン、ダイニング、リビングを一直線に配するのがベスト。キッチンの隣をリビングにすると、ダイニングテーブルまで遠くなり使い勝手が悪くなるので注意(画像提供/PIXTA)

LDKが横型なら、キッチンのスタイルでダイニングの位置を決める

ダイニングとリビングがバルコニーに面する横型のLDKなら、ダイニングテーブルを置く場所は、キッチンのスタイルで決めるとよいでしょう。

「キッチンが三方の壁に囲まれたクローズスタイルなら、キッチンへの出入口に近い場所をダイニングにするとキッチンから様子がわかりやすく、配膳・下膳もラクになります。リビングはキッチンと壁で隔てられた場所となり、人が通らないことで落ち着ける雰囲気になります。

一方、キッチンが壁に囲まれていないオープンスタイルなら、キッチンが対面する位置にダイニングテーブルを置き、ダイニングテーブルの横をリビングにするとよいでしょう。キッチンからできるだけ遠い場所をリビングにした方が、調理をする音が届きにくいので静かですし、配膳・下膳で人も通らないのでくつろげるスペースになります」

LDKが横型で、オープンスタイルのキッチンの例
LDKが横型で、オープンスタイルのキッチンの写真
横型のLDKでオープンキッチンなら、キッチン対面にダイニング、ダイニングの隣はリビングがオススメ(画像提供/PIXTA)

ダイニングキッチン レイアウト決めのポイント2:ダイニングテーブルは、サイズと形で選ぶ

テーブルのサイズは、家族の人数をベースにして決める

新しい住まいに引越すとき、ダイニングテーブルを買う方は多いと思います。購入時に迷いがちなダイニングテーブルのサイズは、基本的には家族の人数で選ぶとよいでしょう。

【ダイニングテーブルのサイズの目安】

●2人用:幅80~100cm × 奥行き80~100cm
●4人用:幅120~150cm × 奥行き80~100cm
●6人用:幅180~200cm × 奥行き80~100cm

「来客が多いご家庭なら、最大何人が座れるとよいのかを想定して幅を決めましょう。ダイニングの広さによってはエクステンション(伸長式)テーブルを選ぶとよいかもしれません。

奥行きは80~100cm程度が主流ですが、90cmを超えると対面に座る人との距離を感じます。80cm程度の方が会話をしながら食事をしたり、子どもの宿題を見てあげたりしやすいと思います」

座るときや人が通るときのスペース確保を忘れずに

ダイニングテーブルの購入時には、椅子を引いたときや、座ったときに後ろに人が通れるスペースを確保したうえで、テーブルのサイズを選びたいものです。

「座る、立ち上がる、人が通るなど、ダイニングテーブルまわりでの動作を想定し、スムーズに動けるスペースを必ず確保してください。このときに気をつけたいのが、ひじ掛けのあるダイニングチェアです。ひじ掛けがあることで椅子の横側から座ったり立ち上がれたりできないため、目安のスペースよりも若干ゆとりを持たせておきたいですね」。

【ダイニングテーブルまわりに必要なスペースの目安】

●ダイニングチェアに座っているときの奥行き:30~50cm
●ダイニングチェアから立ち上がったときの奥行き:60~90cm
●テーブルまわりの人の通り道の幅:60~90cm

テーブルの形は、広さと置く場所で選択を

ダイニングテーブルの形は、ダイニングの広さや置き場所を考慮して選びしょう。

ダイニングテーブルの一方を壁につけるなら、正方形か長方形がベストです。楕円形のテーブルは角がない部分の移動がしやすく、座る人数を限定しないメリットがあります。丸型テーブルは椅子の個数によっては意外とスペースを取るので、広めのダイニングでないと椅子から立ちあがる・後ろを通るなどの動作がスムーズにできないかもしれません。

「在宅ワークの機会が多い方は、形は問わず、できるだけ大きなサイズを選択してもよいかもしれません。家族が同じ時間帯にダイニングテーブルで仕事や勉強をするとき、隣に座る家族との間に椅子が1つあるだけで集中しやすくなりますし、サイズにゆとりがある方がパソコンや書類、教科書などを気兼ねなく広げることもできます」

自宅で仕事する女性
在宅ワークの頻度が高い人は、大きめのダイニングテーブルがオススメ!(画像提供/PIXTA)

ダイニングキッチン レイアウト決めのポイント3:ダイニングキッチンの広さが6畳・8畳・10畳の場合

6畳なら、ダイニングテーブルはコンパクトなタイプを

ダイニングキッチンの広さが6畳の場合、キッチンスペースは約3畳、ダイニングの広さも約3畳が目安となります。

「ダイニングを広くとれないので、ダイニングテーブルはコンパクトなサイズを選びたいですね。おそらくキッチンもあまり大きくないと思うので、ダイニングテーブルはキッチンのできるだけ近くに置き、補助的な調理スペースとして使えると便利でしょう」

キッチンがダイニングの方を向いている対面式なら、座面が高めのスツールタイプの椅子をダイニング側に置いて、キッチンカウンターをテーブル代わりに使う方法もあります。

対面キッチンイメージ
対面キッチンなら、スツールを置いてキッチンカウンターをテーブルとして活用しても(画像提供/PIXTA)

8畳なら、対面/壁付けでダイニングテーブルの位置を決めても

8畳のダイニングキッチンは、4人用のダイニングテーブルを置くのに収まりのよい広さです。ダイニングテーブルの位置は、キッチンのタイプによって決めると良いでしょう。

「キッチンが対面なら、ダイニングテーブルをキッチンに接して置くと、料理する人と食事する人とに一体感が生まれ、会話がしやすくなります。ただし、調理や食器洗いの音や油ハネ・水ハネが気になるかもしれませんので注意が必要です」

対面キッチンイメージ
対面キッチンなら、ダイニングテーブルを接して置くと会話がしやすくなります(画像提供/PIXTA)

キッチンが壁付けなら、5~6畳程度のダイニングスペースを確保できます。大きめのダイニングテーブルを置くのもよいですが、カウンタータイプの家具をキッチンとダイニングテーブルの間に置いて、キッチンとダイニングとを緩やかに分けることも可能です。

キッチンカウンターイメージ
カウンタータイプの家具を置き、キッチンとダイニング空間を分けても(画像提供/PIXTA)

10畳なら、6人用ダイニングテーブルの他に小さいテーブルも置ける

ダイニングキッチンが10畳なら、広さにゆとりがあるため、ダイニングテーブルの位置を自由に決めやすくなります。

「6人用のダイニングテーブルを置いてもスペースにゆとりがあるので、もう一つ小さめのテーブルを置き、パソコンスペースや家事コーナーとして利用するのもよいでしょう。

ただ、広いからといってダイニングテーブルをキッチンから離しすぎると、配膳・下膳の動線が長くなり不便です。ダイニングテーブルの位置は、キッチンから100~120cm程度を目安にしましょう」

キッチンとダイニングイメージ
キッチンとダイニングテーブルとの間は100~120cmを目安に(画像提供/PIXTA)

ダイニングキッチン レイアウト決めのポイント4:キッチンのスタイルがオープン・セミオープンの場合

キッチンがオープンの対面なら、ダイニングやリビングの広さでテーブルの位置を決めよう

キッチンが壁に囲まれていないオープンスタイルで、ダイニング側を向いた対面の場合、ダイニングの広さでテーブルの位置を決めましょう。

「ダイニングがあまり広くない場合、テーブルはキッチンに接して置くとスペースが有効活用できます。ある程度広い場合は、キッチンとテーブルを離して置いた方がテーブルのまわりを回遊できて移動がラクになりますし、ダイニング側から調理や盛り付けを手伝ってもらえるメリットもあります」

キッチンとダイニングイメージ
キッチンとダイニングテーブルを離すと、テーブルをぐるりと回遊できて移動がラクに(画像提供/PIXTA)

キッチンがオープンの壁付けなら、ダイニングテーブルとの間隔に注意

キッチンがオープンスタイルで壁付けの場合、気をつけたいのがダイニングテーブルとキッチンとの間隔です。広すぎると配膳・下膳が大変ですが、狭すぎると椅子に座っている人が邪魔になることがあります。

「キッチンとダイニングテーブルの椅子側が垂直になるように置くなら、椅子に座っている人が邪魔にならないため、間隔は約80cmあれば大丈夫でしょう。

キッチンと椅子側が平行になるように置くなら、間隔は100~120cm必要になります。そこまで間隔が取れない場合は、調理中はキッチン側の席は使わないなどの工夫をしましょう」

キッチンとダイニングテーブルの椅子側が平行に配置された例
キッチンとダイニングイメージ
壁付けキッチンの場合、キッチンとダイニングテーブルとの間隔が重要!(画像提供/PIXTA)

キッチンがセミオープンなら、笠木の幅でダイニングテーブルの位置を決めても

キッチンのコンロ前やつり戸棚部分が壁になっているセミオープンスタイルの場合、笠木(かさぎ)の幅でダイニングテーブルの位置を決めるとよいでしょう。

「笠木とは、キッチン前の立ち上がり壁の上部に施された水平の板のことです。笠木の一般的な幅は10~15cmと物を置くには少し物足りないので、この場合はダイニングテーブルを壁に接して置く方がよいかもしれません」

キッチンとダイニングイメージ
セミオープンなら、笠木の幅でダイニングテーブルの位置を検討しましょう(画像提供/PIXTA)

笠木の幅が25cm以上あれば、カウンターのように軽食を取るスペースとして使ったり、コーヒーメーカーやポットを置いたりできるので、ダイニングテーブルは離して置いた方が便利です。

カウンターテーブルのイメージ
笠木の幅が広いなら、カウンターテーブルとして活用できます(画像提供/PIXTA)

収納家具と冷蔵庫の置き場所も工夫しよう

収納は、使う物の近くに適量を設けて

ダイニングキッチンには、ダイニングテーブルの他に、収納家具や冷蔵庫を置くのが一般的です。これらのレイアウトを決めるときには、どのような点に注意するべきでしょうか。

「使いやすい収納をつくる鉄則は、使う場所の近くに、しまう物の量に合わせたスペースを確保することです。

普段使う食器やコップの収納は、盛り付け時の取り出しやすさと洗った後のしまいやすさを考えてキッチンスペース内に確保しましょう。一方、使用頻度が低い来客用食器は、ダイニングに置いてもよいと思います。

ダイニングスペースには、主にテーブルで使う文房具や、家族宛の郵便物などをしまえるような収納家具を置きたいですね。キッチンカウンターの下に収まる薄型収納は、スペースが有効活用できるのでオススメです」

キッチンイメージ
食器棚はキッチン内にある方が出し入れはラクに。ガラス戸には見せたい食器を収納しても(画像提供/PIXTA)

冷蔵庫は、ダイニングテーブルに近い位置が便利かつ安全

冷蔵庫はキッチンスペース内に置くケースがほとんどですが、その際、できるだけダイニングテーブルの近いところに置きましょう。

「冷蔵庫をキッチンスペースの奥の方に置くと、必然的にダイニングテーブルから遠くなります。食事中に飲み物やドレッシングなどを取りにいくときに、遠いと不便ですよね。また、料理中に小さな子どもが冷蔵庫の中のものを取りに来たときに、うっかりコンロの火や包丁などに触れるかもしれません」

キッチンイメージ
冷蔵庫はキッチンの入口付近で、ダイニングテーブルに近い位置がベスト!(画像提供/PIXTA)

動線にも配慮して、快適で使いやすい空間をつくろう

動線はできるだけ短く、通る場所にも配慮しよう

ダイニングキッチンのレイアウトを大まかに決めた後、必ず確認しておきたいのが動線です。

「キッチンからダイニングテーブルまでと、キッチンと普段使いの食器棚までの動線が短いと、盛り付けや片付け、配膳・下膳がラクになり、家事の時短につながります。暮らし始めてからは、この動線上にゴミ箱や買い置き品を置かないように気をつけましょう。

また、動線がリビングを通ると、落ち着かない雰囲気になります。人が通らずに済むようにレイアウトを工夫して、家事がしやすいダイニングキッチンと、くつろげるリビングをつくってくださいね」

料理する女性
(画像提供/PIXTA)
まとめ

ダイニングキッチンのレイアウトは、LDKのカタチとキッチンの広さ、キッチンのスタイルがオープン・セミオープンかを踏まえて決める

ダイニングテーブルのサイズは、家族の人数を目安に選択を。椅子に座る、立つ、後ろを通るなどのスペースを忘れずに確保しよう

収納家具や冷蔵庫の位置、動線にも配慮することで、居心地も使い勝手もよい空間をつくれる

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取材・文/山南アオ
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