平屋をハウスメーカーで建てるには?依頼先選びやプランニングのポイントについて解説

公開日 2025年11月14日

平屋をハウスメーカーで建てるには?依頼先選びやプランニングのポイントについて解説

今、新築住宅を検討中の方に人気の「平屋住宅」。平屋はシンプルな構造ながらも、ワンフロアで快適な暮らしを実現することができます。そこで、この記事では平屋の魅力、ハウスメーカー選びのポイント、建てるときの注意点について解説。平屋の実例も紹介します。

平屋の魅力とは

ワンフロアで完結する快適な暮らし

平屋はワンフロアで生活が完結するため、生活動線の効率性が魅力です。フラットで階段の上り下りが不要になることから、日常の移動がスムーズで家事の負担も軽減されます。高齢者や小さな子どもがいる場合、階段から転落するリスクもなく、安全性の面でも安心できるでしょう。将来的な介護やバリアフリー改修にも対応しやすいのもメリットです。

開放感と採光性に優れ、のびのびと過ごせる

平屋は構造上、天井を高くしたり、勾配天井を採用したりすることで、開放感のある空間づくりが可能です。自然光が室内全体に届きやすく、日中は照明に頼らずに過ごせるほどの明るさを確保できることも。庭とのつながりも感じやすいため、外空間との一体感を楽しめる点も魅力のひとつです。

耐震性に優れた設計のしやすさ

平屋は建物の高さが低く、重心が安定しているため、地震の揺れによる影響を受けにくい構造になっています。耐震性に優れた設計がしやすく、万が一大きな地震が発生したときにも安全性が高いとされています。

光熱費を抑えやすく、家計にも優しい

ワンフロアで上下階の空調管理が不要なため、冷暖房効率が高く、エネルギー消費を抑えやすいのもメリットといえるでしょう。平屋は屋根面積が広いため、夏の暑さや冬の寒さの影響を受けやすいという側面もあるため、断熱性や気密性を高めることで、さらに光熱費の節約につながります。省エネ性能を重視した設計にすることで、環境にも家計にも優しい暮らしが実現できます。

メンテナンスがしやすい

平屋はシンプルな構造であることが多いため、外壁や屋根の点検・修繕がしやすく、メンテナンスの手間が少ないのも特徴。また、将来的な間取り変更や設備の入れ替えなど、リフォームの自由度も高く、ライフスタイルの変化に合わせて住まいをアップデートしやすいことから、さまざまな暮らし方を実現できます。

ローコストで建てられる可能性も

平屋は構造がシンプルなため、施工のコスト自体は抑えることができます。特にコンパクトな間取りであれば、ローコスト住宅として予算内で理想の住まいを実現することも可能。ただし、平屋を建てるためには広い土地が必要になることから、土地購入をする場合は土地代とのバランスを考慮することが重要です。

平屋を建てるときのハウスメーカー選びのポイント

ハウスメーカーで建てるメリット

平屋住宅を建てる際、ハウスメーカーを選ぶことで、設計から施工、アフターサービスまで一貫したサポートを受けることができます。特に、平屋に特化した商品やプランを持つハウスメーカーであれば、より理想に近い住まいを実現しやすくなります。

ハウスメーカー選びのポイント

では、ハウスメーカー選びの際に注目すべきポイントを詳しく見ていきましょう。

1.平屋に特化した商品・プランの有無

平屋住宅に特化した商品ラインや専用プランを持つハウスメーカーを選ぶとよいでしょう。例えば、平屋専用の間取りや収納設計、採光計画など、設計の自由度や暮らしやすさを重視したプランを提案してくれます。平屋の商品があるかどうかは、公式サイトやカタログで確認を。

2.平屋の施工実績

施工実績が豊富なハウスメーカーは、平屋特有の構造や設計にも精通しているため、安心して任せることができます。過去の施工実例をチェックすることで、デザインの傾向や技術力を把握できます。
また、実際に建てた施主さんの声や口コミなど、住み心地に関する情報も確認しておきましょう。

3.間取りの自由度

ハウスメーカーによっては、規格型のプランが中心の場合があるためフリープランに対応しているか、希望のライフスタイルに合わせた間取り提案が可能かどうかを確認することが重要です。規格型のプランはフリープランに比べて自由度が低いですが、比較的コストを抑えられるメリットがあります。家族構成や将来の変化を見据えた柔軟な設計ができるハウスメーカーを選びましょう。

4.住宅性能の高さ

平屋は屋根面積が広くなるため、断熱性や遮熱性が快適性に大きく影響します。高性能な断熱材や窓、換気システムを採用しているかどうかを確認しましょう。
また、耐震性や耐久性も要チェック。長く安心して暮らすためには、構造的な強さと省エネ性能のバランスを大切にしましょう。

5.アフターサポート体制

定期点検やメンテナンス、保証制度など、アフターサポートの充実度も家を建てる際の重要な選定基準です。
特に平屋は屋根や外壁のメンテナンスがしやすい構造ですが、ハウスメーカーによって対応内容が異なります。安心して暮らし続けるための体制が整っているかしっかり確認しましょう。

平屋におすすめのハウスメーカー

ここでは、平屋住宅に力を入れている大手・中堅ハウスメーカーをそれぞれ4社ずつ紹介します。各社の特徴やプラン内容を比較しながら、自分に合ったハウスメーカー選びの参考にしてください。

平屋におすすめの大手ハウスメーカー(50音順)
ハウスメーカー名 プラン 特徴
セキスイハイム 「グランツーユーV」「パルフェ-bjスタイル」など平屋対応商品あり 高断熱・高気密性能に優れ、太陽光発電との相性も◎
積水ハウス 「シャーウッド」「イズ・ロイエ」など自由設計対応 デザイン性と耐震性を両立した構造が魅力
ダイワハウス 「xevoΣ」シリーズに平屋対応あり 天井高と開放感を重視した設計が特徴的
ミサワホーム 「SMART STYLE」シリーズに平屋プランあり 南向きの大開口設計で採光性が高く、収納力も充実
デザインと性能のバランスを取りながら、自分に合った会社を見つけよう(SUUMO編集部作成)
平屋におすすめの中堅ハウスメーカー(50音順)
ハウスメーカー名 プラン 特徴
アイフルホーム 「ロディナ」「フェイボ」などシリーズ展開 子育て世代向けの工夫が多く、価格も比較的抑えめ
一条工務店 「i-smart」など平屋対応商品あり 高性能住宅として断熱・気密性が高い。全館床暖房も選択可能
クレバリーホーム 平屋専用プラン「グランシェア」あり 外壁タイルの美しさと耐久性が魅力。断熱性も高い
タマホーム 「大安心の家」シリーズに平屋対応 コストパフォーマンスに優れ、全国展開で施工力も安定
中堅ハウスメーカーはコストパフォーマンスに優れた会社も多い。予算とのバランスを見て選ぼう(SUUMO編集部作成)

【実例】平屋の間取りプランアイデア

ここでは、平屋住宅の実例を紹介。平屋ならではの間取りアイデアを参考にしましょう。

大開口窓からの自然を感じてのびのびと暮らす家

住まいと庭が一体となる開放空間を実現した平屋プラン。リビングは天井まである大開口の窓が二面に連なり、庭の景色がダイナミックに広がります。リビングへの入口近くの天井をあえて低くし、途中から高天井に切り替えることで、奥行きを演出。天井と連続性を持たせた軒は、屋内から外まで天井がひと続きに延びているように設計し、外空間とのつながりを感じられます。

庭とつながる開放的なリビング
自然光や照明の加減で美しい陰影をつくる無垢(むく)の壁や、無機質な質感の大理石など、細かなディテールにこだわり、上質な空間にしつらえた(画像提供/ミサワホーム)

将来まで見据えてフラットな暮らしを実現した平屋

将来まで見据えたワンフロアの暮らしやすさと、構造を活かして大空間を実現した平屋のプラン。天井高約3.6mの開放的なLDKは、大開口から心地よい光が差し込み、美しい景色を堪能できます。また、リビングと1.5階の書斎の間に玄関ホールを挟み、生活音を遮るように配慮するなど、同じフロアで家族が過ごす平屋ならではの間取りの工夫も。

天井高3.6mの開放感たっぷりのLDK
暮らしの中心となるリビングは、天井高約3.6mの開放空間を実現。ワンフロアの平屋のメリットを活かし、各部屋にアクセスしやすい動線にもこだわった(画像提供/ミサワホーム)

この実例についてもっと詳しく→
平屋で楽しむ大きな空間と、将来を見据えた暮らし

ペットと一緒に快適に暮らせる平屋

平屋にすることで階段によるペットの足腰の負担を軽減。38畳の広々としたLDKは、高い遮音性で犬が吠えても気にならないため、人も犬もストレスなく暮らせます。家事動線にもこだわり、洗濯はランドリールーム内で移動距離ゼロで干すことが可能。出勤時はスーツに犬の毛がつかないようにウォークインクローゼットから玄関に直行できるように「犬動線」「人動線」の確保と分離もしっかり計画されています。

人とペットとの生活を考えた大空間LDK
24時間換気でしっかり空気の入れ替えができているため、犬のにおいも気にならない(画像提供/一条工務店)

この実例についてもっと詳しく→
床暖房+大空間で実現、大型犬との快適な日々

シニアにも快適・安心な中庭のある平屋

年齢に伴い階段の上り下りが億劫になり、2階建ての住まいを平屋に建て替え。全館空調を取り入れ、維持管理コストやランニングコストを抑えられる暮らしを実現しました。緑豊かで広々としたウッドデッキのある中庭では、夫妻でゆったりとカフェタイムを楽しんでいます。

玄関からの中庭の眺め
玄関に入ると、正面のFIX窓からお気に入りの中庭が見える(画像提供/一条工務店)

この実例についてもっと詳しく→
シニアに優しい快適な平屋の住まい

平屋のメリット・デメリットと注意点

平屋のメリット

平屋住宅には多くのメリットがあります。

まず、階段がないため移動がしやすく、転倒などのリスクも軽減されることから、安全性が高い点が挙げられます。家事動線もコンパクトにまとまりやすく、日々の暮らしが効率的になる点も魅力のひとつです。

また、天井を高くしたり、空間を広く使ったりすることで、開放感のある設計が可能となり、のびのびとした生活を楽しむこともできます。平屋は構造上の制約が少ないため、将来的にバリアフリー対応が必要になった場合でもリフォームがしやすく、さまざまなライフスタイルに合わせて柔軟に対応することができます。さらに、屋外とのつながりを感じやすいため、自然を身近に感じながら暮らすことができます。

<平屋のメリット>
  • 階段がないため、移動が楽で安全
  • 家事動線が効率的で暮らしやすい
  • 開放感のある空間設計が可能
  • 将来的なバリアフリー対応がしやすい
  • 外とのつながりを感じやすく、庭との一体感がある

平屋のデメリットと注意点

一方で、平屋にはいくつかの注意点もあります。

建築コストが割高になる場合がある

注文住宅を建てる際、土地の形状や周辺環境を踏まえた設計が重要ですが、平屋の場合、十分な広さの土地が必要になるため、都市部では希望通りの敷地を確保するのが難しい場合があります。また、屋根や基礎の面積が広くなる分、建築コストが割高になることもあるので注意しましょう。
建築コストを抑えるためには、シンプルな形状やコンパクトな間取りにするとよいでしょう。また、平屋の施工実績が豊富な会社を選ぶことで、コストを抑えながら希望のプランを実現してもらいやすくなります。

プライバシーへの配慮が必要になる

平屋は全ての居室が地面に面することから、プライバシーへの配慮も必要になります。採光や通風、隣家との距離などを考慮しながら窓の配置や外構を工夫して、快適な住環境を確保しましょう。例えば、通りに面した窓は小さくしたり、スリット窓や高窓にすることで、外からの視線を気にせず暮らすことができます。また、外構にはフェンスや植栽など目隠しになるものを取り入れるとよいでしょう。
また、平屋はセキュリティ面も重要になります。防犯カメラや人感センサーの照明などを取り入れて、外部からの侵入を防ぎましょう。

<平屋のデメリット>
  • 広い土地が必要になるため、都市部では難しい場合も
  • 屋根や基礎の面積が広くなり、建築コストが割高になることがある
  • プライバシー確保の工夫が必要(窓の配置など)
まとめ

平屋は安全で暮らしやすく、将来的なバリアフリーにも適している。階段がないことで移動がスムーズになり、家事動線も効率的に。開放感のある空間設計や外空間との一体感も魅力

広い敷地が必要になることや、屋根・基礎の面積が広くなることで建築費が割高になる可能性があるため、立地や予算に応じたプランニングが重要

プライバシー確保や空間の開放感を両立するには、窓の配置や外構設計の工夫が必要に。平屋の施工経験が豊富で、敷地条件に応じた柔軟な提案ができるハウスメーカーを選ぶことが重要

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