手に入れやすい価格帯の平屋住宅が注目を集めている。年齢のために住宅ローンを抱えることに不安を感じていたシニア夫婦や、住宅ローンの審査が通らないのではとあきらめていたシングルマザーなど、小さな世帯にちょうどいい、シンプルでコンパクトな平屋は、なぜローコストで満足度が高いのか、モデルハウスと実際の家を取材した。
取材したのは、ケイアイスター不動産グループのIKI株式会社が提供する「規格型平屋注文住宅 IKI(イキ)」の柏展示場。
シンプル+スマート+効率的+ローコストによる無駄を省いた商品で、建物本体価格17 坪649 万円(税込み/別途諸費用)~という低価格で販売されている。
上のデータのとおり、契約した人で最も多いのが「夫婦/パートナー」で全体の33%。他社の住宅商品で圧倒的多数を占める「ファミリー」はわずか18%と、小家族を中心に受け入れられていることがわかる。
「シンプルでコンパクトな暮らし」をデザインの基軸に、構造上の安全性を確保し、規格型を採用。さまざまな敷地や家族のライフスタイルにフィットする間取りプランを、17・19・24・27坪プランと、19・24・27坪は別でガレージ付きプランまでそろえている。あらゆる方位に適応する玄関ユニット(6 帖)をはじめ、家全体をユニットの組み合わせの考え方で設計することで、規格型にもかかわらず多様な間取りから選べることも特徴だ。
構造材は国産材を100%使用するなど『高品質だけど低価格なデザイン住宅』を提供できる大きなポイントのひとつが、ITの導入。無人内覧に対応した遠隔操作ロボットによる非接触営業、アプリによるプランニングやチャットでの相談などを可能にし、人件費や販売経費を徹底削減することで、商品の低価格を実現している。
すべてのプランに 16帖以上のリビングがあり、リモートワークや勉強に役立つスタディーカウンターを標準設置。玄関ユニットを含む6帖のブロックを組み合わせるだけのシンプル工法も、コストや工期を大きく軽減するポイントとなっている。
住宅本体の内外装、キッチンをはじめとする水まわり設備などは本体価格に含まれるが、ロフトなどこだわりのある仕様は追加料金になる。
また、本体工事のほかに諸費用(設計検査、敷地調査、地盤調査、付帯工事一式、建築確認申請費用)がかかるが、最初に提示され、追加費用はかからない。
モデルハウスはWEBサイト上のVRでも内覧できるが、実際に見学すると、家の暖かさや勾配天井の開放感なども体感できる。高気密・高断熱仕様の住まいにコンパクトな空間という好条件が重なり、のびやかな天井の空間でもエアコンひとつでしっかり冷暖房できることに驚くだろう。
規格型注文住宅ながらも壁紙や外壁、住宅設備などが複数の選択肢から選ぶことができる。さらに、ローコスト住宅ながらも太陽光発電システムが標準で搭載できるというのも特筆すべきポイントのひとつだ。
ここから紹介するのは、実際にIKIの平屋を建てて暮らしているNさんのケース。建て替えに至った経緯や、平屋を選んだ理由、実際の住み心地などについてお話を伺った。
Nさん(50代)は現在、夫(60代)と二人暮らし。築50年ほどの夫の実家に同居していたが、息子と娘が巣立ってからは「その家にいるのが嫌になってしまったんです」
ひとりで住宅展示場を見に行ったこともあったが、夫には実家を壊したくないという思いもあり、中古住宅を買って、もっと便利な駅前に住むという案も検討。そうこうしているうち、新型コロナウイルス感染症が流行。「あのときは、引っ越すなどという気持ちがなくなってしまいました。もういいや、しばらくこのままで、と思うようになり、3~4社の住宅会社さんにお断りを入れました」
そんなとき、ある不動産会社から連絡が。建て替え・住み替え計画は一回やめようと思っていると伝えると、「でもNさん、平屋の素敵なおうちがあるんですよ」と資料を送ってくれることになった。
届いたのは、IKIの平屋の住まいの資料。中を見ると「思った以上に気に入ってしまって………。以前は2階建てしか頭になかったのが、そうか、平屋という選択肢もある!と前向きな気持ちになりました。そもそも乗り気でなかった夫も、これには興味をもってくれたのでさっそくモデルハウスを見に行きました」
モデルハウスを見に行くと、夫もすぐに「いいね!」と気に入ったのだそう。ポイントは「とにかくイメージがしやすいこと」とNさん。「基本となるプランが決まっているので、この家をそのままわが家の敷地にあてはめて考えるだけでイメージができました。ここがお風呂でこういうキッチンなんだね、こっちは私の部屋ね、と実際の暮らしを思い浮かべながら見学しました。モデルハウス内の装飾もシンプルで、自分好みのインテリアが空想しやすかったです」
また、営業担当がぴったりついて案内するのではなく、リモートで対応するスタイルだった点もよかったそう。「夫はこのときが初めてのモデルハウス見学でしたが『ご自由にご覧ください。終わったら声をかけてください』というスタイルだったので、リラックスして見学できたと思います」
モデルハウスから帰ってくると「夫が『早く頼みなよ』って言うのでびっくり。え、だって今日見学して帰ってきたばかりで……と言っても『いいよ。頼んじゃいなよ』って」
さらに、子どもたちも背中を押してくれた。「娘は当初、私のことを気遣って『お母さん、長いことここで頑張ってきたんだから、引っ越してもいいんじゃない? 気分が変わっていいものだよ』と言ってくれていたんです。でも決定的だったのは、息子の一言でした。『お母さん、俺はここにいてもらいたいな』。……これを聞いて、そうね!わかった。お母さんは、ここで家を建て替えます!という気持ちが固まりました」
資料をもらってからモデルハウス見学、IKIの平屋への建て替えを決心、とトントン拍子に話が進んだ背景には「価格のわかりやすさもありました」とNさん。
「パンフレットに坪数ごとの価格が書いてあって、そこにオプションを追加することもできるけれど、基本はこの価格、というのがありました。老後の資金も取っておかなければならないし、もうそんなにたくさんはお金をかけられないので、費用の計算のしやすさとリーズナブルな価格設定は安心材料でした。その点でも話を進めやすかったと思います」
Nさんの家は、24坪で基本プランが919万円にロフト、勾配天井、ウッドデッキ、食洗機などのオプションを追加し、本体価格は1460万円(税込み、付帯工事費込み)。これに解体費用をプラスして約1600万円、外構工事費用をプラスしてトータルで1850万円に。全額、住宅ローンを組んで契約した。
月々6万5000円の返済は、負担感も大きくないという。「もう教育費もかからないし、車などほかのローンもないので、大きな不安なく返済していける金額だと思っています」
NさんにはIKIの平屋で気に入っているポイントがもうひとつ。それは「アプリを使ってプランニングができること」だったのだそう。
「たとえば外観のカラーコーディネートをどうしようかな? 壁紙はどれにしようかな? などというとき、スマホのアプリの中でシミュレーションができるので、仕事の休み時間なども有効活用して考えていました。今振り返っても、とっても楽しい時間でしたね」
さらに、このアプリは家づくりのプランニング以外でも大活躍。
「家具屋さんに行って家具を選ぶとき、『どんなおうちですか?』と聞かれることがありますが、アプリを見せると『この家具を置くのでしたら床の色はもう少し濃いほうがいいですね』『この間取りなら、この家具は大きすぎるかもしれません』などとアドバイスをもらえるので、インテリアコーディネートを間違いなく進めることができたと思います」
IKIの平屋に住んでみて感じたことは「もちろん階段がなく、とにかく移動距離が短くて動線が便利なこと。前はキッチンから隣の部屋まで振り返りながら料理を運んでいましたが、それを思うと、家事での歩数がぐんと少なくなりました」
また「前の家は昭和のつくりで、冬になると本当に寒くて寒くて。特にお風呂はとても寒かったのですが、この家は断熱に気を配った施工で夏も冬も快適。今まで使っていた暖房器具がいらなくなったほどです。部屋のドアを開けておくと、リビングのエアコン1台で家中に冷暖房が行き届き、快適な室温になります」
以前の家は6DK。「窓も多く、和室も多かったので障子の張り替えも、日々のお掃除も大変でした。今はお掃除もしやすいですし、今までなんて大変な思いをしていたんだろうと思いますね」
Nさんが建てた平屋は3LDK。こだわりの家具を選んで、思いどおりの住まいが完成した。「子どもたちが『お母さんらしい家だよね』と言ってくれます。特に娘はこの家ができたことをすごく喜んでいて、友達をたくさん連れてきます。娘のお友達もみんな実家が近くなので、やっぱり住み替えではなく、建て替えてよかったなと思います」
「自分たちだけでは、平屋に建て替えるという発想には行きつきませんでした」というNさん。「親身になって私の話を聞いてくださる不動産会社に出会えて、その方がいいタイミングで電話をくださって、私たちにちょうどいい平屋を紹介してくれました。いろんなご縁があって、ここまでたどり着くことができました。ちょうど結婚30年の節目の年。お気に入りの家で、これからも楽しく暮らしていきたいです」と語ってくれた。
IKIのモデルハウス、Nさんの家を実際に見て回って驚くのは、規格型注文住宅、ローコスト住宅という言葉のイメージからは想像できないようなクオリティの高さ。コンパクトな空間の中に快適さと便利さが凝縮されたIKIは、小家族の暮らしを応援するコストパフォーマンスの高い住宅として今後ますます注目を集めそうだ。