左図は、あるエリアで売り出された土地の価格。同じ街区でも土地の形や向きによって、大きく差が出るのが分かる。南接面の長方形整形地は家が建てやすく、日当たり等の面で暮らしやすいため、価格は高くなる。だが、それ以外の土地を選べば、土地価格を抑えられる。注文住宅なら、土地の形に合わせて暮らしやすい家を建てることも可能だ。
1. 変形地
メリット:旗竿地、三角形や台形などの不整形地といった変形した土地は、敷地に家が配置しづらいことから、価格が抑えられている。敷地に合った形状の家を建てて、庭やカーポートなどを上手に配置すればOK。
注意点:狭い変形地の場合、建物の形をうまく敷地に合わせないと、延べ床面積が狭くなる。
2. 狭小地
メリット:面積に応じて総価格が安いのがメリット。比較的駅に近い場所など生活面では便利な住宅街という立地が多い。
注意点:3階建てや地下付きにして床面積を広げるなど、間取りの工夫が必要。立て込んだ立地なので日当たりがよくない場合も。狭小地を得意とする建築会社を選ぶのが大切。
3. 傾斜地
メリット:家からの眺望がよく、土地の高低差があることから、隣家の住人と視線がかち合わないなどのメリットがある。土地の傾斜を生かして、半地下やスキップフロアなどのプランも取り入れやすい。
注意点:平坦地に比べて、擁壁コンクリート工事や基礎工事の費用がかさむことが多い。
4. 定期借地権付き土地
メリット:土地の所有権はなく、50年間など期間限定での借地権が付いた土地で、自分でそこに家を建築する。借地の保証料と毎月の地代を払うだけなので、同条件の土地を買うより、大幅にコストを抑えられる。
注意点:契約満了後は更新不可で、建物を壊して更地にした上で返還しなければならない。
5. 古家付き土地
メリット:築数十年という古い家が建っている状態で売り出される土地のこと。土地のみに比べて安価な傾向がある。古家を解体して新築する例が多いが、購入当初はその古家に住み、建築資金ができたら家を建て替えるという選択肢もある。
注意点:古家の解体費用がかかるので、総建築費に見込んでおきたい。
あわせてチェックしたい土地と道路の位置関係
土地を検討する際には、接面している道路との位置関係を知ることも大切。
南側が道路に面している土地は、南側に大きな窓を設けることが多く、道路から家の中が見えやすいといった場合も。
また、幅が4mに満たない道路に接面している土地は、道路の中心から奥に2m後退しなければならないセットバックなどの決まりもあり、要注意だ。